まだハウスの象意についてまとめていませんが、今日は第8ハウスの天王星の使い方について、現在の私をモデルに考えてみたいと思います。
ハウスとは
ホロスコープを作成すると、12の部屋のように区切られたエリアができます。この12個に区切られたエリアを「ハウス」と言います。
時刻・場所でハウスは変化する
同じ年月日に生まれた人でも、生まれた場所や時刻でハウスの区切りは異なります。
まずは、私の出生時のホロスコープ(以下、ネイタルチャート)を例として示します。
12個の区切られたエリアがあり、チャートの中心付近に小さな数字が1から12まで割り当てられています。これが、「ハウス」の番号です。左端の「AC」と書かれたところから第1ハウス、第2ハウス…と右回りに数字が増えていっています。私の場合、「AC」から始まる第1ハウスは、♈牡羊座となっています。
次は、同じ年月日に誕生しているパリス・ヒルトンのネイタルチャートを例として示します。ちょっと恐れ多いですが…。
このように、同じ年月日でも、時刻や場所が異なることで、ハウスが区切られる位置が全く違うことがわかります。パリス・ヒルトンの場合、「AC」からはじまる第1ハウスは♐射手座となっています。
ハウスは「環境」や「状況」を示す
ハウスは、天体などの感受点が強く働きやすい環境や状況を示しています。12個のハウスそれぞれが意味を持っていますが、今回はこのうち「第8ハウス」に絞って見ていきます。
第8ハウスの象意
12個あるハウスの中でも、第8ハウスは少し難解かもしれません。私にとってもまだまだ難しいハウスです。
代表的な象意は次のとおりです。できるだけ類似の項目ごとに分類してみました。
所有に関するもの
対極にある第2ハウスが「自己が所有する物」に関わるハウスであるのに対し、第8ハウスは「自己ではない者が所有する、自分が利用可能な物」を示します。
- 配偶者の財産・経済力
- 共有資産(物質に限らず、感情等も含まれる)
- 遺産
- 相続
- 継承(他者からもらうまたは他者に差しだす)
- 借金
生死に関するもの
個人の死という限界を悟り、乗り越えることが第8ハウスのテーマでもあります。たとえ自らが滅んでも、自分の欠片を別の命に託すことで、時を渡り生きようとすることを示します。
- 人格の変容(古い個性の死と根底から変化した新しい個性の誕生)
- セックス(新たな命を生じさせることで個人の死を超え、種として生存するための交配)
- 遺伝
- 融合(互いの自我・境界線の消失)
- 死
人間関係に関するもの
第8ハウスが示すのは、1つ前の第7ハウスで対峙した多様な他者の中から見つけ出した、自らの命を託すにふさわしい関係 といえるかもしれません。また、遺伝子によって関連付けられた関係も示します。
- 祖先・子孫
- 深い感情を共有できるごく限られた関係
- 支配と被支配
領域の種類に関するもの
第8ハウスが示す世界は、狭く、深く、深遠なる世界のイメージです。
- ごく狭い領域
- とてつもなく深い領域
- 強い強制力・束縛のある領域(大企業などはこの概念に含まれると考えられる)
- 秘匿された領域(オカルトはここに含まれる)
第8ハウスに天王星があるとは?
チャートで、「8」という番号がついたエリアに天王星のマークがあることを言います。
上記のとおり、基本的に第8ハウスは強い制限や強制力、狭く深い世界を示します。一方の天王星は基本的な象意として、改革、独創、分離、突発的な変化など、とらわれからの解放につながる意味を示します。
そのため、第8ハウスの天王星は、第8ハウスの示す象意に対して反抗心を覚える作用をもたらすとよく言われます。とくに性的な分野においてはアブノーマルな傾向があるなどと言われることもあります。よく言われるであろう象意の例をあげると、例えば次のような感じです。
- 遺産・相続の放棄
- 遺伝関係からの脱却
- 支配関係への反逆
- 組織からの離脱
- 変則的な性的関係・行為 など
実感ではどうか
水瓶座生まれである私の場合、天王星は太陽星座の支配星でもあります。また、私のネイタルチャート内の天王星は、多くの天体や感受点に対してアスペクト(特定の角度関係)を持っているため、非常に強い状態です。
過去
そのためか、「遺伝関係からの脱却」という象意については如実に現れ、20歳の頃家出を決行し、その後7~8年程度絶縁状態としました。かなり幼いころから「脱却したい」という考えは持っていました。
また、20代半ばで結婚した際には、交友関係等を遮断されたり、制限の多い状態に置かれたこともあり、継続できず2年後に離婚しました。離婚については他にも多くの理由があるのですが、今回のケースには関係がないのでこのへんで。この出来事は「支配関係への反逆」とか、「特別な関係からの離脱」などにあたると思います。
現在
過去の代表的な事柄を2つほどあげてみたのですが、現在は強い遺伝関係のある人(つまり家族)とも交流できるようになっていますし、同じひとりの人と8年半以上ともに生きています。むしろ私はこのひとりの人によって、自分の生き方を転換するきっかけを得ることができました。占星術へ再度向き合うことを最終的に決定したのも、その一環です。相手からの束縛を感じたことはほとんどありません(一見すると、束縛する性質は持っている人のはずなのですが)。
これらの体験から思うこと
第8ハウスに天王星を持つ人にとって、「自分にとって適切な距離を保つ」または「自由を共有する」ということが大切なのではないかと考えるようになりました。「自由を共有する」というとなんだか薄情な感じがしてしまうかもしれないのですが、決してそうではなく、相手が自分らしく生きる姿をよろこぶような感じです。
最後に
今回は、大切な人と「自由を共有する」という使い方もある ということを提案したく、このような記事を書いてみました。私の過去というお恥ずかしい話も交えながらではありますが…、いつかどこかで誰かのお役に立てば、幸いです。