雲ひとつない青空から
世界を見たら
その比類なき美しさに
息をのんだ
この大地の上には
無数の煌く宝石と
あちこちを埋め尽くす
渦巻きうごめく黒いもや
闇をさまようその姿
恐怖におびえるその姿
恐怖や不安を
偽りの正義にすり替えて
争い殺し
この大地の煌きを
飽くことなく燃やしてゆく
しかし時折吹く風が
もやを一瞬払いのけて
隠されていた本来の姿が
目を掠めていく
光求めるその姿
祈り涙するその姿
互いに結ばれない恐れが
消えることはきっとなく
互いに結ばれたい願いが
消えることもきっとない
闇から生まれる光の
なんと美しいことか
光が描き出す闇の
なんと美しいことか
だから私は往くのだろう
あの黒く渦巻くもやの中へ
その中の世界がどんなに
おぞましくとも