2017年12月18日:射手座の新月

アイキャッチ:新月

今街中のディスプレイが演じている
ワイドショーや政治劇は

これまで長く謳われてきた社会像が
偽りだったことを知らせている

ただ押し黙ることが美徳であるという
密閉されて酸素不足なこの社会の中で

わかっていたという人もいれば
そうでないという人もいて

声を上げあがいている人もいれば
そうでないという人もいて

互いへの不信をぬぐえないまま
皆 力なき自分を責め続けている

 

しかしそんな今だからこそ
人々が互いに向ける不信とは

分かち合いへの切なる願いだと
知ることができる時なのかもしれない

 

息苦しい毎日を生きながら
ひとり抱えてきた消えない理想があったはずだ

人はもっと精神的な進化を
追い求めることができるはずだ

人はもっと本来の魂の声を
感じたままに世界を創ることができるはずだ

 

もう何度も振り返ったのだ
革命に向かう姿勢は整っただろう

 

いつか暗闇を脱するための大切な力を
天は今人々に託そうとしている

自らが見た善なるビジョンを
この世界の現実にしていくために

専心せよ

この先に待ち受ける暗澹たる時代の中でも
塵一粒の光を見失うな

 

トランジット図:2017年12月18日 15時31分

 


 

今回の表現のテーマ

新月=「決意のとき」という解釈を軸に、それがどのような決意なのかを考えます。

  • 見定めた理想・未来に向かって真っすぐに突き進む
  • 迷いを捨てる
  • 崩壊に向かう現在の世界の中から、新しい理想の世界を創り出す

 

解釈について

表現するテーマを決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

 

留意事項

  • ネイタル図を解釈するときと同じような読み方ではありますが、あくまで「背景」「この時期の空気」として捉えています。
  • アングル・ハウスの解釈は考慮していません。
  • 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。

 

基本要素

新月のサインおよび新月とアスペクトをとる天体をクローズアップし、テーマを考えていきます。

射手座

  • 人類の理想・進化を目指す
  • より高度な知識・精神性を求める
  • 未知の領域への挑戦を求め続ける
  • 際限なく行動する

射手座の月

  • 未知の世界を冒険したい
  • 何に対しても開けた姿勢
  • 失敗を恐れない

射手座の太陽

  • 常に進化・成長を求める
  • 未知なる世界を切り拓こうとする
  • 宇宙の真理を探求し続けることで人は磨かれ、善なる進化を遂げられると信じている

 

アスペクトの影響

 

新月に対するアスペクト

アスペクト解説用:射手座ステリウム-天王星トライン

  • 金星-コンジャンクション
  • 土星-コンジャンクション
  • 天王星-トライン

今回の新月では、射手座の終盤の度数において4つの天体(太陽・月・金星・土星)がコンジャンクションとなり、強烈な「ステリウム」が形成されています。
また、ここにそろそろ山羊座へとサインを変えようとしている土星が関わっていることもあり、大きなターニングポイントとしての印象が強いです。

土星はこれから山羊座に移り、いよいよ現代社会はその形を失う時を迎えます。

また、このステリウムは、牡羊座にある天王星とトラインを形成しています。天王星はまがいものを激しく嫌いますので、現代の我々が目指すべき理想の社会が、目先の繁栄や利益ではなく、地球に生きる生命体としてより洗練された精神に基づいたものとなるよう望んでいるはずです。

突き詰め続けてきた理想は、果たして本当に崇高なものであったのか?人類の精神的な進化に真の意味で寄与するものであったのか?
激変の末に再建を目指す理想の社会のありかたとは、我々の魂が発する本来の声にどれほど誠実に応えることができるのか?

 

補助要素

新月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。

 

水星

アスペクト解説用:水星-金星コンジャンクション・海王星スクエア

水星は射手座にあり逆行中です。アスペクトは次のとおりです。

  • 金星-コンジャンクション
  • 海王星-スクエア

水星逆行中…とはいっても、私自身はあまり逆行を強く意識してはいませんので、ここではざっくりとした解釈のみ少し含める程度になります。

水星は、直接コンジャンクションしている金星から射手座の価値観をダイレクトに受け取り、思想を作ります。また、元来た道を今一度振り返りながら、今なお人々の視点を高めていこうと、さらに遠い世界を探しに行っているように思います。

そんな水星に、魚座にある海王星が霊的なエネルギーを強く投げかけています。浮世離れしたビジョンをさらに追い求める傾向が強まりそうですが、現実を顧みない状態にならないようにしたいと思います。たとえば「魂の浄化」というキーワードについて考える人はここ数年でずいぶん増えたと思いますが、その結果、進化した現実がこの地上で形作られないのなら、その行為自体も価値はないだろうと私は考えます。水星をとおして自らが見たビジョンを、この混沌とした現実の世界に落とし込むことこそが、今回の新月にすべき決意かと考えます。

 

金星

アスペクト解説用:金星-新月-水星ステリウム・天王星トライン

金星は射手座にあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 新月-コンジャンクション
  • 水星-コンジャンクション
  • 天王星-トライン

強いステリウムですので、新月のアスペクトや水星のアスペクトのところで書いたのとほとんど重なってしまうというか、吸収されてしまっているというか。
今回は金星について個別に書くことはなさそうです。

 

火星

アスペクト解説用:火星-木星コンジャンクション・土星セクスタイル・海王星トライン

火星は蠍座にあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 土星-セクスタイル
  • 海王星-トライン

蠍座の火星は、魚座にある海王星から受け取った集合無意識からのエネルギーを、よく吸収して使うのではないかと思います。蠍座の火星は、絶望や不信の中からでもそれを耐え抜き、這い上がって生きようとする意欲を示します。射手座の新月や土星とともに高い集中力を生み、いつか暗闇を脱するための大切な力を、とくに土星に対して託してくれるかもしれません。

同じサインには木星があり、ゆるいですがコンジャンクションを形成すると見なせそうです。表面的な不信の奥深くに眠る、他者との分かち合いに対する切なる願いに気づく時間になればと。

 

背景の空気感(木星以遠)

木星

アスペクト解説用:木星-火星コンジャンクション・海王星トライン・冥王星セクスタイル

木星は蠍座にあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 海王星-トライン
  • 冥王星-セクスタイル

先般から続く海王星とのトラインは、とくにこれまで先進的と言われた社会の中に生きている人々がひそかに隠し続けてきた、溢れ出る情感を分かち合える世界を望む姿とも言えそうですが、それは決して一時の感情のみに流された短絡的なものであってはなりません。新しい世界の礎を築くための確固たる地盤となるように、山羊座の冥王星が力を与えようとしています。互いを暖かく支え合う、しかし過剰な情けだけで互いを揺さぶってしまうような世界には決してならないように。

 

土星

アスペクト解説用:土星-新月コンジャンクション・天王星トライン

土星は射手座にあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 新月-コンジャンクション
  • 火星-セクスタイル
  • 天王星-トライン

土星は山羊座へのイングレスを目前に控え、射手座土星時代の集大成としての成果をなんらかこの地上に刻み付けていくのかもしれません。それが何であるかは、わかりもしないことです。おおよその見当がついたとしても、それはかならずしも正しいとは誰も言えない。それは人の領分を超えたことだと思います。後になってわかればいいし、第一、人は正しい予言がないと正しく生きられないと言うなら、それは「人はそれ以上進化を望めない永遠に無能な存在である」という証明をするに等しいでしょう。ならば我々は一体何のために、魂の進化の重要性について問われ続けているのでしょうか?

 

天王星

アスペクト解説用:天王星-射手座ステリウム群とトライン・冥王星スクエア

天王星は牡羊座にあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 新月-トライン
  • 金星-トライン
  • 土星-トライン
  • 冥王星-スクエア

まだしばらく牡羊座に滞在する天王星は、これから移り変わる時代に対してエールを送っているようにも見えます。射手座は理想や高い精神性を追い求めるサインですが、水瓶座の支配星である天王星もまた、宇宙の普遍性や原理の存在の絶対性を象徴する天体であり、射手座の掲げるビジョンが人類の魂の成長を促す方向に合致していればいるほどそれに呼応して、祝福をもたらすと思います。といってもそこは天王星ですので、社会の空気を大幅に換える形…つまり何らかの革命的な社会現象として表れると思います。

この天王星は牡羊座というサインの色を帯びることで、とくに自立心や他者との比較の産物でない個性の発揮、革命を前進させる姿勢を際立たせています。たとえば、少し前に世間で流行した「みんな違ってみんないい」というフレーズは、たしかに一見すると水瓶座的な価値観ではありますが、それが社会に概ね肯定的に受け止められたのは、牡羊座の天王星に対して、天秤座の木星(調和的な人間関係の発展を望む姿勢)が絡んで生まれた社会の空気(背景)がもたらした結果のひとつであったのだろうと考えています。

 

海王星

アスペクト解説用:海王星-火星トライン・木星トライン・水星スクエア

海王星は魚座にあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 水星-スクエア
  • 火星-トライン
  • 木星-トライン

魚座にある海王星は、決して目には見えない集合無意識の世界や、普段他者の目からは見えないように伏せられた深層の想いなどを大量に溶かし込んでいて、これを関わる天体に対して送り込んでいます。今回は、水星・火星・木星に対して直接はたらきかける形です。この中で、緊張を示すスクエアのアスペクトを取るのは水星で、真理を求めようとする水星に対して、海王星はある意味、無限の霧の世界を拡げてきます。

射手座とは、人々がより豊かで賢く、気高く生きられるようになるための崇高な思想を追うサインです。その中で見つけた解が、理念という軸となります。そしてこの理念を柱として理想社会を築くのが、山羊座というサインです。つまり射手座は、理想の現実を作るべく一旦地を離れ天空を彷徨うのですが、着地点を必ず見つけようとします。
魚座の海王星は、この部分に対して霧をかけてしまうのです。魚座も射手座と同じように高い精神性と魂の純粋さを好むサインと言えますが、どちらかというとそもそも魂の世界そのものを示すサインです。自らのホームにいる海王星の強い働きかけを受けると、高い理想を追い求めるあまり、魚座の世界の中で迷い、出てこられなくなる可能性があります。何のために真理を求めようとしているのかを、忘れないようにすることが大切になると思います。

 

冥王星

アスペクト解説用:冥王星-木星トライン・天王星スクエア

冥王星は山羊座にあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 木星-セクスタイル
  • 天王星-スクエア

木星とのセクスタイルについては、人々の心の奥に眠る互いのつながりを求める気持ちを、社会の中に再び根付かせようとする兆しにも見えますが、心の闇にスポットライトがあたり、掘り起こされることによる「どす黒い膿出し」の兆しとも考えられます。すでに理不尽なことであふれかえっているこの社会ですが、今見えているものはまだほんの一部にすぎないということでしょう。

天王星とのスクエアは、引き続き現在の社会全体を根底から揺さぶる力として働いています。冥王星も、天王星同様かそれ以上にごまかしやまがい物、嘘は激しく嫌いますから、嘘だらけだった現在の社会など、嫌悪の対象でしかないでしょう。

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