迷い道を照らし続けた
灯火を消して
鎮まる闇でこそ気づく
今蘇らんとするもの
大いなる天空に
黎明の新月
かくも小さきわが心に
希望の火種
全ての命を抱く大地に
星々の言霊
未来を拓くわれらの誓いに
覚醒の讃歌
今回の表現のテーマ
新月=「決意のとき」という解釈を軸に、それがどのような決意なのかを考えます。
- 覚醒と覚悟
- マクロコスモスとミクロコスモスの同期を感じる
解釈について
表現するテーマを決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。
留意事項
- ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「情勢」として考えていきます。
- アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用します。
- 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。
主となる要素
新月のサインおよび新月とアスペクトをとる天体をクローズアップし、テーマを考えていきます。
水瓶座
- 叡智
- 進化
- 天空からの視点
- 宇宙的原理
- 人道主義
- 互いの自律と多様性の尊重による友好関係の形成
水瓶座の月(第1ハウス)
- 個人の独立性・多様性を愛する
- 私的な感情に振り回されない
- 公平性を重んじる精神
- 不条理・不明瞭を嫌う
水瓶座の太陽(第1ハウス)
- 進化・改善を求める姿勢を確立する
- 全体を俯瞰することから生まれる改革意識を持ち、主張する
- 世の中の全てに対し、宇宙の原理に立ち返った在り方を望む
背景に漂う空気感
どちらかというとこれまで世の中の動向に気が付いていなかった人々の中に何らかの気づきや意識改革が起き、それが広がっていきそうな雰囲気を感じます。それは、私欲を廃して智慧を絞り、現状の社会に蔓延する数々の理不尽に対抗して、問題解決に繋げようとするようなものであるのかもしれません。
まだ無知で不器用ながらも精神的な成長を追い求めはじめた人々の姿は、一見頼りなげでどこか夢見がちに映るかもしれませんが、まずはその芽を守ることが大切で、なおかつ簡単に枯れたり折れたりしないように強く育てていく気概が必要ではないかと思います。
根拠とした要素
アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。
ASC
水瓶座17°「人間の秘密の動機が、公的に仮面をはがされつつある」
- 水星-コンジャンクション
- 火星-セクスタイル
- 木星-スクエア
水瓶座には、隠されているものを明確にしたり、物事の原理を見出すというはたらきがあります。また、不条理や嘘・理不尽を嫌い、人類の前に立ちはだかる根本的な問題の根絶のために、その力を尽くします。
MC
射手座4°「両親に勇気づけられて歩くことを学んでいる、小さな子供」
- 新月-スクエア
- 金星-スクエア
射手座は人々を善に導くための真理と崇高な精神性を追い求め、果てなき探求心と旺盛な行動力をもたらします。
社会の動向
新月に対するアスペクトから、新月に付加される影響を考えます。
今回の水瓶座新月に対するアスペクトは次のとおりです。
- 水星-コンジャンクション
- 木星-スクエア
- 天王星-セクスタイル
- MC-スクエア
考えられる社会の状況
水瓶座で起こる新月(日蝕)は、第1ハウスに位置しています。これは、新月が日の出直前頃に起こることを示しています。また、今回の新月は偶然なのか、今年の旧暦新年にもあたり、日本にとって「新しい時代への変化の幕開け」にふさわしい”黎明の新月”といえそうです。
ASCも水瓶座となるため、新月が主張しようとする人道主義的な改革意識がストレートに世論に反映され、社会的動向が活発になる可能性が考えられます。社会改善に向けた積極的な議論が広く起こることを期待したいものです。さらに、新月に対するアスペクトの中には牡羊座の天王星からのセクスタイルがあり、よりこの傾向は強くなりそうです。
MCに対してはスクエアとなるため、この時期に起こる人道的かつ革命的な世論や各種の議論の発生は、必ずしも理想的な結果に結びつくとは限らないと思います。そこにたどり着くための道のりは途方もないほど長く険しく、多くの困難が伴うでしょう。
社会の中に生きる個人のスタンス
今回の新月は、「覚醒」のエネルギーがとくに強いと言えます。何に、あるいはどのように「覚醒」するかは人によって異なりますが、水瓶座のもたらす覚醒はどちらかというと、「人類全体」とか「宇宙的に」とか「現実の余分なものを取り払った先に」など、極めてマクロなレベルの視点に基づいたものです。
ただ、このエネルギーを本当の意味で使用できるのは、これまで現実から目を逸らさずに向き合い続けた人でしょう。現実での幾多のできごとや、そこに絡むたくさんの人、その人たちのそれぞれの想いを感じ汲み取ってこそ、はじめて導き出せる答えがあるはずです。
補助要素
新月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。
金星
金星は魚座・第1ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。
- 海王星-コンジャンクション
- 火星-スクエア
- 土星-セクスタイル
- MC-スクエア
今回金星は、新月や水星と同じく第1ハウスに入っています。またすぐ隣には海王星も位置しており、第1ハウスはオーバーロードの状態です。この隣にいる海王星とのコンジャンクションや、射手座に位置する火星とのスクエアによって、見ているヴィジョンはまるで現実からはかけ離れたような高すぎるものになりそうですが、山羊座の土星の支援により、どんなに高い理想でも必ず現実の世界に落とし込むための力を授けてくれそうです。
ところで、私が魚座に対して持っているイメージの中のひとつに「諸行無常」があります。
光と闇が混沌として絡まり合い、融けあう様。
どんなに盛栄を誇ったものでも最後には儚く滅びゆく、すべての命の運命。
魚座の金星は海王星と並び立ち、儚い命の輝きを切なげに眺めながら、それでもそんな「諸行無常」の後にも大いなる愛が残ることを知らせるように、魂の穢れを払い傷を癒すための祈りの力を、地上にいる私たちに授けてくれることでしょう。
火星
火星は射手座・第10ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。
- 金星-スクエア
- 海王星-スクエア
- ASC-セクスタイル
火星は第10ハウスということで、国内与党の活動が少々強引だったり攻撃的になる可能性が考えられます。すでにその傾向は出ているようにも思いますが、ここ数日はまた憲法9条改正に関する総理の答弁の話題などが出てきています。また、ピョンチャンオリンピックを宣伝に使用しながらも、その使用方法としては北朝鮮や韓国との融和からは遠ざからざるをえないというような雰囲気を演出する目的があるようにも見えます。
背景の空気感(木星以遠)
木星より遠い各天体から、背景について考察します。
木星
木星は蠍座・第9ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- 新月-スクエア
- 水星-スクエア
- 冥王星-セクスタイル
今回はMCが射手座であるため、この木星はMCルーラーとなります。第9ハウスが示す学術研究・高等教育・法律・司法などの分野で起こる出来事が、人々の改革意識の芽生えとその成長につながる可能性が考えられます。
国内で宗教問題が起こることは考えにくいので、やはり起こるとしたら法律などに関わることかと考えると、射手座第10ハウスの火星と、意味が多少連動してくるようにも思います。一方で木星のサイン自体は蠍座なので、これは研究・法律等の分野のなかで意図的に隠されてきた不都合を明るみに出す効果として期待したいところです。また、引き続き株価の大きな動きに対して影響力を持っているだろうとも考えます。
土星
土星は山羊座・第11ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- 金星-セクスタイル
議会、とりわけ国会においての論戦は「苦々しい」展開になるかもしれませんが、それは未来への展望を描き出そうとする世論が生まれるためには必要でしょう。いくら理想的な風潮が生まれたとしても、一瞬で流れてしまえば意味がありません。今回の土星の苦さは、夢見る金星の輝きを地上に根付かせるためのスパイスのようなものでしょうか。
天王星
天王星は牡羊座・第2ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- 新月-セクスタイル
- 水星-セクスタイル
- 冥王星-スクエア
今回天王星は、水瓶座にある新月・水星に対してアスペクトを持ちます。新月・水星のエネルギーは、入座しているサインの支配星である天王星から直接エネルギーを流し込まれる状況になるため、意味が強まります。
現在日本においても株価は急落しています。もうしばらくは激しい変動があるのではないかと思います。この株価の乱高下、あるいは仮想通貨の激しい変動に振り回されることも、人々が自らを自律的な存在として確立しようとすることに大きな影響を及ぼすのではないかと感じます。
冥王星
冥王星は山羊座・第12ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- 木星-セクスタイル
- 天王星-スクエア
第12ハウスは、一般的なチャートでも「見えない世界」を象徴する領域ですが、マンデーンにおいては「スパイ・テロ活動・裏社会・陰謀」などを象徴すると言われます。そのようなハウスに冥王星が位置するのを見ると、地下世界で蠢いている何かが、現実世界に大きな影響を与えようとしているのではないか?などと想像してしまいます。安直ではありますが。しかし、つい先日日本の国会の中においても「ディープ・ステート」というキーワードが取り上げられるなど、今までにない傾向がみられはじめています。この類のことについてここであまり言及しようとは思いませんが、個人的には今後も頭の片隅に置いておきたいところです。