四季図:2024年春分図 – 日本

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6年ぶりに四季図のリーディングに取り組んでみようと思い立ち、今回の記事を書きました。

読み悩んでいるうちにジャストタイムは過ぎてしまったのですが、2024年の春分図を用いて、これからの1年を考えてみたいと思います。

イングレスチャート:2024年春分図

2024年3月20日 12時06分25秒 東京都千代田区

イングレスチャート:2024年3月20日 12時6分25秒 東京都千代田区

背景 – 時代潮流

今サイクルの「風の時代」が始まってから、今年は4年目です。このセクションではまず、木星以遠の天体たちの動きを追いながら現時点で私が考えていることを簡単に書き出してみます。

冥王星の動きと影響

冥王星が2024年11月には完全に♑️山羊座から抜け、♒️水瓶座に移行します。この時期に重なる世界的なビッグイベントは、なんといっても「アメリカ大統領選挙」です。数年前まで約200年前後の間続いていた地の時代、新自由主義を象徴する国として名実ともに世界に君臨し続けてきたアメリカ合衆国は、おそらく衰退し姿を変えていくのだろうと私は考えています。

冥王星はゆっくりと動きながら、5月末頃に♊️双子座入りする木星と、その後秋分あたりには♉️牡牛座終盤にいったん進む天王星と、それぞれ順にトラインを形成します。初夏〜夏にかけての革命的でハイテンションな空気感と、秋頃の重苦しい資本主義的正義感のせめぎ合いを感じることになるのかなと想像しています。

海王星の動きと影響

海王星は♓️魚座の最終盤度数に進み、7月末に 29°♓️55′ という終盤ギリギリの位置から逆行を開始します。♈️牡羊座にイングレスするのは来年の春分を越えてからですので、この1年は「救済」という願いに対する集団幻想の最後の高まりや湧き上がりを感じる年になるのでしょう。

救済に対する集団幻想は、多くの戦争やテロリズム、そして政治的な集金活動において巧みに利用されてきました。そしてその表面的な影響力の高まりの陰で「信仰」という精神活動の持つ真の意味は穢され続け、力は削がれてきました。海王星が♈️牡羊座のエリアへそっと足を踏み入れる頃、いくつかの巨大宗教はなくなるかもしれないと考えています。

天王星の動きと影響

天王星に関して真っ先に注目すべきは、やはり約1ヶ月後の木星とのコンジャンクション成立でしょう。およそ1ヶ月後の4月21日に 21°♉️ の位置で成立します。現時点でも世界的な株価の異常な上昇が続いていたり、国内でも長年継続されてきた金融政策であるマイナス金利の解除があったりなど、お金の世界はずいぶんエキサイティングな雰囲気ですが、そのピークはやはりこのタイミングの前後ではないかと思われます。主に次世代向けの技術革新を担う分野の組織は誰にでもわかるくらい市場価値が高まるのでしょう。ただし、当該アスペクトは長続きしないことや、その後木星が形成する別のアスペクトのこともあり、一時的ではないかとも想像します。また、その後の世界情勢はおそらく荒れると思われること、金融世界の盛り上がりと日常世界の潤いは今も連動していないことも踏まえると、このバブリーな興奮によって市井の人々にはむしろ不安が募り、社会不振が拡大するかもしれません。

秋分直前頃、トランスサタニアン3天体はミニトラインのコンフィギュレーションを形成します。またそこに♍️乙女座最終盤の太陽がやってくることで、かなり正確なカイトが形成されるタイミングがあります。この時、残りの他天体もそれぞれに目立つアスペクト(主にオポジション)を形成するようで…何か派手な社会的イベントが起こる可能性を感じさせます。すぐ後の秋分図が第4ハウス強調型となっていますので、農業・食糧系か、気象災害や地震などによる国土へのダメージなどを考えておきたいところです。

土星の動きと影響

この1年は♓️魚座の中盤度数を進行していき、徐々に海王星との度数差が縮まっていきます。他の木星以遠の天体たちとのアスペクトは始め目立ちませんが、前半には♉️牡牛座にいる天王星とのセクスタイル、後半には♊️双子座中盤まで進んだ木星とのスクエアを形成するようになり、このスクエアが徐々に目立ってくるでしょう。噂そのものに対する潜在的な不信感が強まる時期だと見ることができそうです。経済世界の停滞感であったり、世論や流行形成の失敗などの形で表面化するかもしれません。

木星の動きと影響

現在♉️牡牛座にいる木星は、上述のとおり4月下旬に天王星とのコンジャンクションを形成した後、5月末頃に実にあっさり♊️双子座へと進んでいきます。ちょうど太陽の♊️双子座イングレスとほぼ同時期になるため、5月中旬あたりから6月初旬頃まではとくに経済方面は賑やかで「このままもっと高いところまで行くんじゃないか」というムードを醸し出しそうです。しかし土星のセクションでも記載したように、おそらくその勢いは急速になくなるでしょう。

春分図から考えられる1年の動向

今回は、ポイントとなる要素をピックアップしながら読み進めていきます。

全体的な様相

ASCと支配星

ASCとその支配星の位置やアスペクトから、全体的な様相を読み取ります。

ASCの位置
19°♋️51′
支配星
支配星の位置
3°♌️49’ 第1ハウス
支配星へのアスペクト
コンフィギュレーション:調停(太陽・冥王星)

「日常生活の心配」「人柄・人間模様の問題」などで国全体のムードが動きやすい時期となりそうです。また、スポーツやエンターテイメントのニュースが世論の中心になりそう。これはちょうどオリンピックイヤーということともよく関係していそうです。

大衆にとって心配事がないわけではなく、むしろそれは次から次へと心を覆ってきます。人々は対外的な脅威がいよいよ自分たちのところにも迫ってきている「のであろう」という潜在的な恐怖を感じています。しかし夏頃まではそんなに事態が暗転することはないでしょう。政府の意図する各種の統制がよく効いた状態であり、大きな政治的混乱はまだ起きないのではないかと思われます。そのタイミングがやってくるのは、夏至図の影響が出始めるころ(=6月後半以降)でしょう。

ASC単体の配置

ASCの位置
19°♋️51′
ASCへのアスペクト
コンフィギュレーション:ミニトライン(木星・土星)
スクエア:水星・ノード

今年の春分図のASCサインは、現在の国全体の不安感を物語っているようです。不安を抱えた全体のムードに対して水星が形成するスクエアは第10ハウスにあり、権力機構の強い情報統制力の働きかけを図式化しているように見受けられます。権力機構は、人々の不安の意図的な増大のために、情報機関を使用するのでしょう。

権力機構の様相

MCの支配星

MCとその支配星の位置やアスペクトから、権力機構がメインで取り組むテーマを読み取ります。

MCの位置
4°♈️54′
支配星
火星
支配星の位置
27°♒️46’ 第8ハウス
支配星へのアスペクト
スクエア(天王星) ※Orb7°

第8ハウスは国家の財源・国債・株価・外国との経済関係・借款などを管轄し、他に税金もその範疇に入ると言われています。表示天体は火星であり「火がついた」ような状態を彷彿とさせてくれますね。何一つうれしくないですが。

ゆるいスクエアを形成する天王星は第11ハウスに位置しています。当該ハウスは議会・立法等を管轄するハウスであり、そこからの過激かつ性急な干渉ということで、何か結構大規模な法改正を目論んでいるのかな?とも考えられます。あるいは、貨幣価値の激変と見ることもできるかもしれません。ちょうど今年は新札の運用が始まりますので、悪い方に考えるなら、これに乗じた預金封鎖等の実行がなされる可能性も否定できないでしょう。

火星ということで軍備層強や兵器輸出の問題も気になります。そこかしこで金属と火薬の匂いが漂ってくるような政治になるのかと思うと、とても気が重いです。

また、第8ハウスと第11ハウスの関連性から考えて他に心配なのは、現在ある方面で異常に高まっている死亡率でしょうか。死亡率(第8ハウス)の過剰な上昇と自治体(第11ハウス)での問題発生は関連があろうかと思います。

MC単体の配置

MCの位置
4°♈️54′
MCへのアスペクト
コンフィギュレーション:調停(太陽・月・冥王星)
セミスクエア:天王星

政府機関はしばらく安定しているでしょう。既定路線をそのまま進むようなイメージです。議会や自治体との対立は、やや激しく目立つものになるでしょう。

対外の様相

DESの支配星

DESとその支配星の位置やアスペクトから、対外活動の様相を読み取ります。

DESの位置
19°♑️51′
支配星
土星
支配星の位置
12°♓️13’ 第9ハウス
支配星へのアスペクト
コンジャンクション(金星)
セクスタイル(木星)

国の戦略を着実に実現するための堅実な外交を行うようです。そして現在の外務大臣を見ていると、それが可能だということを疑う必要はなさそうです。あの配置を見ていると、現在の内閣が外交に対して相当な力を入れていることがわかります。第7ハウス冥王星が象徴するとおり、今の日本にとってこれ以上ない危険な世界情勢の中で、ひとつたりともアクションを間違えるわけにはいかないですからね…。

権力機構の真の意図がどこにあるのかはわかりませんので、とても両手を上げて歓迎したい状況ではないですが、少なくともあと数ヶ月はそれなりの均衡を保ちながらの外交展開になるのではないでしょうか。しかし夏至図はかなり不穏な雰囲気が漂っていますので、その時期が近づく頃にはひどく重苦しい展開になっているかもしれません。

国土の様相

ICの支配星

ICとその支配星の位置やアスペクトから、国土の様相を読み取ります。

ICの位置
4°♎️54′
支配星
金星
支配星の位置
10°♓️10’ 第9ハウス
支配星へのアスペクト
コンジャンクション(土星)
セクスタイル(木星)

ASCが♋️ということから、もしかすると雨が多い期間になるのかな?とも思いますが、大きな災害は少なく比較的穏やかさを保てそうです。暑いよりは若干寒いと感じる日が多めなのかもしれません。一方でこの時期に収穫を迎える農作物は収量が落ちる可能性があります。また、農業方面の法律の変更、食糧関係の貿易の停滞あるいは価格高騰による経済的負担増などにも警戒したいところです。

不動産方面では相続登記の義務化が4月から開始されることになっていますが、実運用は概ね堅調に進むのではないでしょうか。

女性や子どもを守るための法律は、おそらく成立までに時間がかかるでしょう。

権力者の様相

太陽の配置から、権力者の様相を読み取ります。

太陽の位置
0°♈️00’ 第9ハウス
太陽へのアスペクト
コンジャンクション(海王星)
コンフィギュレーション:調停(海王星・月・冥王星)
セミスクエア(木星)

太陽は政府機関を示すMCとコンジャンクションしていて、一体的に機能する様子を見てとれます。

その一方で気になるのは海王星とのコンジャンクションです。権力者は政治全体のバランスを取ってはいるものの、その様子は信用できるという印象を与えていないと解釈することも可能ですし、向かっているベクトルがよく理解できないと考えることも可能です。もう一つ考えられることは「あえてわからないように見せている」ということでしょうか。現政権は結構強かなのでは…?と考えたりしています。

他に気になるのは「病または薬品に関連する法の成立・実行」を強権的に行うという形で現れるのではないか?ということです。なお、太陽・海王星のコンジャンクション自体は天体の形成する配置であるため、日本に限ったことではありません。これは全世界的な影響として現れるはずです。

日本始原図との対比に見る今年の国の姿・人々の姿

今回の春分図と日本始原図を組み合わせて2重円を作り、リーディングをしていきます。

解説:日本国の「始原図」について

日本という国はとてもあいまいな国で、何をもって「始原」とするのかが不明確です。マンデーンの解釈に取り組み始めてから何度も考えてきたのですが、現在でも一向にわかりません。

そういった前提の中ではありますが、候補となるものは次のとおりです。

  • 神武天皇即位時点(紀元前660年2月11日)
  • 大日本帝国憲法公布時点(1889年2月11日)
  • 日本国憲法可決成立時点(1946年10月7日)
  • 日本国憲法公布時点(1946年11月3日)
  • 日本国憲法施行開始 / 式典開始時点(1947年5月3日)
  • サンフランシスコ平和条約調印時点(1951年9月8日・9日)
  • サンフランシスコ平和条約発効時点(1952年4月28日)

今回はこの中から2つをチョイスして見ていきます。

なお2重円は、内側に始原図、外側に春分図を配置する形となります。

1.日本国憲法可決成立時点

まず1つ目に、現憲法が可決成立した1946年10月7日のものを採用してみます。時刻は通説のもの(15時15分)です。

2重円チャート:内円は現憲法衆議院可決時点(1946年10月7日 15時15分)

ポイント

あまりにもわかりやすく始原図のASCに春分図の火星がコンジャンクションしていますね…。見た瞬間に背筋が凍るレベル。

感じたこと

この図では、内側に来ているのは現憲法の議会通過ですので、焦点は現憲法にあたっていると考えます。ASCに来ている火星は、現憲法に対する目立った脅威、あるいは攻撃行動や殺傷の意思の象徴。そう考えると、いま本当に現憲法は、まさに平和への精神が脅かされているのだなと思わずにはいられません。有事は近く、避けられないのでしょうね…。

2.サンフランシスコ平和条約署名時点(同時点の東京都)

2つ目に、日本の主権回復と、連合国側との戦争状態の終結を規定するサンフランシスコ平和条約に署名した時点のものを採用してみます。

ここでは2枚使用します。1枚目は東京都でのもの(1951年9月9日 3時55分)、2枚目は現地サンフランシスコでのもの(1951年9月8日 11時55分)です。

2重円チャート:内円はサンフランシスコ平和条約署名時点(1951年9月9日 3時55分:東京都)
サンフランシスコ平和条約署名時点(1951年9月9日 3時55分:東京都)

2重円チャート:内円はサンフランシスコ平和条約署名時点(1951年9月8日 11時55分:サンフランシスコ)
サンフランシスコ平和条約署名時点(1951年9月8日 11時55分:署名現地サンフランシスコ)

ポイント

どちらの図でも、アングルに対してダイレクトに何らかの天体がコンジャンクションしています。

東京都の図
権力機構を示すMCに天王星
同盟国・敵国を示すDESに火星
現地サンフランシスコの図
その国や組織の基盤を示すICに火星
同盟国・敵国を示すDESに天王星・木星

もう一つのポイントは、署名時点でもともとスクエアの関係にある太陽(権力者)と月(大衆)に対して今回の春分の金星・土星がTスクエアというコンフィギュレーションを形成していることかと思います。この条約(あるいは同時に結ばれた日米安保条約)について、その効力の停止を望む者と望まない者の意図や声が混然とし、最終的に何らかの政治的停滞として表面化するのかもしれません。

感じたこと・想像など

年初のタイミングで作成する図上に、こうもはっきりとした不穏な表示が出てくると、精神的ダメージが大きいな…と感じます。占星術に取り組み、その理解が進めば進むほど、このわざの恐ろしさを感じることが増えていきますね。

はじめこのチャートを読んでいるとき、現地(連合国)側のチャート設定を一部誤ったまま読んでいました。ASCに海王星がコンタクトしている表示だったため「連合国(とくにアメリカ)側としてはもうこの条約も日本の存在もそんなに意味をなしていないのかもしれないな…」などと考えていたのですが、正しく出し直してみると、むしろ「今自分たちの足元で戦争真っ最中なのに、日本は我々の意図に反する行動を急に取るのではないか?」という危機感を募らせてさえいるような図になりました。

日本を主体とした図でも、連合国を主体とした図でも、両方揃ってアングルへの強い刺激が見られるので、何らかの大規模な政治的動向の発生は免れないと思います。

あとがき

今回は6年ぶりに、春分図のリーディングに時間をかけて取り組んでみました。もうそんなに経っていたのか…というショックが少しありました。

この数年、勤務先の仕事に割く労力を理由に、マンデーンに手をつけることをやめていました。できるだけ早く仕事をこなすことをずっと心掛けていましたが、結局仕事となると手を抜くことができず、仕事量やそのための思考時間が増えることを止められず、どうにかすることはできませんでした。

久しぶりに取り組んでみて思ったことは「やっぱりよくわからない」「暗い兆候ばかり目についてきつい」というしょうもない心情ですが、それらを追いかけてくるように、占星術と人間社会に対峙する真剣さを強く思い出させられました。自分の内側で湧き上がり続けたこのような感覚を、今後自分から遠ざけることはもうできなさそうです。

マンデーンをやっていると精神力が嫌な削られ方をします。正直楽しくはないです。しかしそれはマンデーンのせいではありません。人類が作り動かしているこの社会の透明度と練度が低いからです。そして、その社会を構成し、その中で生きている自分たちにまだまだ高度で高尚な社会を形成する能力と精神が育っていないからです。ようするに、何もかもが幼く未熟なのです。

以前の記事にも書きましたが、私がマンデーンに取り組む動機など、そんなに高尚なものではありません。ただ、あまりにも黒い泥にまみれすぎている世界の姿を少しでも理解したいという考えであったり、その世界を構成する人々が真の意味で自律するには何をしなければならないか?ということや、どのような呼び声を求めているのかということを考えるためであったりします。知識や技術は未熟以外の何者でもないですし、社会の事象をきちんと理解できているわけでもありません。ですから、記載内容の何かが的中することなどほぼないでしょう。

リーディングした内容を書いている間はひたすら怖く、恥を晒すつもりで書いています。

それでも、やはり取り組むことを辞めない方がいいとは感じました。避け続けるよりは立ち向かった方が理解できることがあるでしょうし、地味な積み重ねによっていつか何らかの推測やビジョンが、目の前にはっきりと像を結ぶときが来るのでしょうから。

自らのために学び、諸事顧みるためにやっている取り組みではありますが、この拙い記録がどこかでどなたかの役に立つこともあるかもしれません。そうであれば救われます。

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