このページでは、天王星の象意や特徴、考察したことなどを記載しています。
名称
- 日本語:天王星(てんのうせい)
- 中国語:天王星
- 英語:Uranus
- ラテン語:Uranus
天王星以降の惑星は、近代に入り、天体望遠鏡が発明されてから観測により発見されました。そのため、古代より伝わる伝統的な思想の中には含まれていません。
別名
以下の別名が知られています。
ハーシェル(Herschel)
最初期の名称です。天王星が惑星であることを最初に確認したウィリアム・ハーシェルの名前がそのまま付けられました。
カエルス(Caelus)
こちらは別名とは言えませんが、「つけられるかもしれなかった」名称です。惑星の名称は通常ローマ神話からとられていますが、天王星はギリシャ神話の神である「ウラノス」から命名されています。これは、一説には、この神の存在感が薄すぎて、ローマ神話上の名称を忘れ去られていたためとも言われているようです。「カエルス」とは、「ウラノス」のローマ神話上の名称です。
シンボル
天体記号

もともと「ハーシェル」と呼ばれていた名残で、ハーシェルの頭文字「H」を天体記号化したものが、現在でも用いられています。
支配するサイン
天王星は、♒水瓶座(宝瓶宮)の支配星(ルーラー)です。
品位
- 居所:♒水瓶座
- 高揚:♏蠍座
- 衰退:♉牡牛座
- 障害:♌獅子座
数秘
4
天体と数の対応は、インド占星術から来ていると思うのですが、インド占星術は古典的な形式を忠実に守っている占術ですので、天王星は使用されません。
この「4」という数字は、インド占星術では「ラーフ(ドラゴンヘッド)」に割り当てられています。
※インド占星術は不勉強のためよくわかってはいません…。
「4」は、基盤・安定を示すと言われますが、このような意味を持つ数が天王星にあてられているのはあまりしっくりこない気もします。ただ、「構造」という意味も持ちますし、もっと突き詰めると「理」という意味を内包していると考えられますので、この意味では適切かもしれません。
一方、「4」という数は、西洋占星術において重要なアスペクトである「スクエア(90度)」と対応する数でもあります。(360度 ÷ 4 = 90度)
スクエアといえば、異質な性質同士の衝突や葛藤、激しい変化などを示すアスペクトです。このスクエアは、別名「天王星のアスペクト」と言われることもあるようです。
象意

年齢域
71~84歳
土星(56~70歳)に続く年齢域を表します。
社会のために果たすべき責任やしがらみから解放され、天から世界を見下ろすようにあらゆる出来事を俯瞰します。次世代を作り上げる者達を啓発したり、あるいは希望の芽を見つけて、未来を託します。
人格の要素
- 改革意識
- 独立心
- 独創性
- 先見性
- 反抗意識
- 専門性
身体部位
- 中枢神経
- 脳下垂体
- 脳脊髄神経
- くるぶし など
能力
天王星は、天王星独自の能力の他、水星の能力をより高次化した能力をもたらします。
- 直観力
- 俯瞰能力
- 刷新能力
- (電撃的な)閃き
- (電撃的な)霊感
- 独創能力
- 科学的センス
- あらゆるメカニズムへの理解力と適性
分野
- 人生の転機
- 反抗の対象
- 未来
動作パターン
- 分裂
- 反逆
- 独立
作用
- 突発的な変化
- 改革
- 分離
- 刷新
- 解放
- 飛躍
- ショック
事象
- ハプニング
- 予測できない変化
人物
- 同志
- 科学者
- エキスパート
- 電気技師 など
天体情報

太陽系での位置
太陽系第7惑星
分類
天王星型惑星(外惑星)
「天王星型惑星」とは、水・メタン・アンモニアの氷などを主成分とする惑星を指します。太陽系では天王星と海王星がこのタイプに該当します。
天王星型惑星は、メタンの影響により、赤色の光が吸収され、青色の光が反射されるために、美しい青い姿となります。
天王星は少し緑がかったかんじの青緑色に見えるようです。
構造と主な材質
表面付近
基本的な構成要素は、木星型惑星と同じようにガス類であるため、地球などのような地表は存在していません。
外層は水素・ヘリウム・メタンなどで構成され、内部のマントルは水・メタン・アンモニアなどの氷によって構成されていると考えられています。
天王星の表面は、かなりのっぺりとした均一な外観です。これは、後述するように自転軸が極端に傾いていることから、昼夜の気温変化がほとんどないためだといわれています。
コア
ニッケル・鉄などの比較的重い金属類やシリカなどの岩石質で構成されたコアを持つとされています。
大気
- 水素(H2):約83%前後
- ヘリウム(He):約15%前後
- メタン(CH4):約2%
- アンモニア:(NH3):約0.01%
- その他微細な成分
まれに雲ができることがあるようです。構成成分はメタンだと考えられています。
サイズ
直径
51,118km
地球の約4倍です。
質量
約8.686 ×1025kg
地球の約14.5倍です。
リング
あまり目立ちませんが、13層のリングを持っています。
自転
周期
約17時間14分
巨大でありながら驚異的な速さを誇る木星などと比較すると、少し落ち着いたイメージですが、それでも地球の自転より速いです。
方向
赤道傾斜角(自転軸の傾き)
97.86°
天王星の最大の特徴ともいえるのは、この自転軸の傾きでしょう。天王星は、ほぼ横倒しの状態で公転し続けています。
この角度に傾くには、地球サイズの天体が2回衝突しなければ起こらないというシミュレーション結果が発表されています。想像を絶しますね…。
この自転軸の傾きは、長期間同じ面に太陽光があたり続ける状態を生むため、天王星の日常的な昼夜変化をなくしています。
公転
周期
約84.25年
天王星以降の天体は、長大な公転軌道を持ち、非常に長い年月をかけて太陽の周りを一周します。
天王星は、地球との位置関係によっては、地球上でも肉眼で観測できることがあります。
1781年3月13日、ウィリアム・ハーシェルが最初に天王星を「彗星」ではないかとする以前は、恒星として観測されていたという歴史を持ちます。最古の記録とされるのは、1690年にジョン・フラムスティードが「おうし座34番星」として記録したものです。
軌道
離心率は0.04638程度です。大きく歪んでいるとは言えません。
衛星
現時点で27個発見されています。
大半の衛星には、シェイクスピアまたはアレキサンダー・ポープの作品中の登場人物名がつけられています。
ここではその一部を掲載します。
- ティタニア
- オベロン
- アリエル
- ウンブリエル
- ミランダ
- オフィーリア
個人的な考察

忘れ去られた天空神
天王星の名は、他の惑星と比べて「雑に」つけられた印象を受けます。外見や運行上の特徴が反映されたものというわけでもなく、他の惑星にならってローマ神話上の名前をあてようとしたときすら、「カエルス」という名称は思い出されなかったので、代わりに古い神話であるギリシャ神話から「ウラノス」の名が採られました。
しかし、この雑につけられたはずの名前は、意外にもこの天体の象意によくマッチしたものとなっていきます。本当に、人が持っている「無意識」と、自然や宇宙との共鳴とは面白いものです。
現在ではこの偶然の一致によって、西洋占星術におけるこの天体の存在感は強烈なものになっています。天王星の象意は、「電撃」「革命」など人々にとって大きなショックをもたらすもので占められています。まさしく新しい宇宙観を切り拓いたセンセーショナルな存在です。
ただ、これは人類の視点による評価です。
別の面から考えると、天王星は、宇宙の本来の姿を知らなかった私達地球上の人類に、「それが宇宙の姿だという思い込みなど愚かである」と、淡々と述べたにすぎません。
そんな天王星ですが、まだこの天体はあまり詳しく観測されていません。それ故、まともな写真データすらほとんど見つからない状態です。今後のより詳しい観測を期待しています。