基本要素
名称
- 星座名:牡羊座
- 黄道12宮名:白羊宮
- ラテン語名:Aries
区分
- 2区分:陽・男性
- 3区分:活動
- 4区分:火
- 昼夜区分:夜・4番目
支配星(Ruler)
- 主支配星:火星
- 副支配星:なし
季節
- 四季:仲春
- 二十四節気:春分・清明
人生の時期
誕生期
ライフステージ
ライフステージとは、人生における魂の成長過程を示す。
I am(我在り)
各要素から導き出される象意
学習した内容を踏まえて、私自身が考えること、感じるイメージなどを加えて再統合したものを示す。
- 誕生
- 起点
- 魂の結晶化
- 自我
- 意志
- 生存欲求
- 闘志
- 先導
- 開拓
基本性質
- “誕生と開拓”のサイン。誕生、芽吹き、物事などの起点、生存欲求や原動力などを象徴する。
- 火のエレメントと、活動の要素を持っている。「火の活動」すなわち「原初の火」という言葉から連想するものは両極端である。それはほんの小さな「種火」であるかもしれないし、あるいは宇宙の始まりと言われる「ビッグバン」なのかもしれない。
- 誕生とは、「魂の結晶化」であると私は考えている。すべての形無きものが漂う混沌(魚座の象徴する世界)の中でエネルギーの集中が起こり、結晶化したものが新たな魂として誕生したとき、一つの命となって地上に降り立つのである。
- 先頭に立ち、運命を切り拓く欲求と力を持つ。また他者を先導する役割を持つといわれる。一方で、規律を重視し、それに従うという一面がある。また、自らの生存のために戦う性質を持つ。牡羊座には”勝利のサイン”という別名がある。
- 活動宮としての衝動をもっともよく表しているサインだといえる。牡羊座の持つ衝動は「存在したい」という、純粋な生存本能そのものである。
- 対極にある天秤座ともっとも対照的な部分は、「強い自我の発揮の仕方」である。牡羊座はストレートに自我を主張し、思いを達成しようとする。天秤座は、周囲を制御し自分の思う方向に動くよう仕向けることで、自己の思いを達成しようとするのである。
- 牡羊座というと、つきまとうのが「戦い」のイメージである。これは支配星である火星によってさらに強調されている。自己主張や獲得欲求は、強くなりすぎると簡単に争いへと発展し、他者への攻撃につながる。それを止められなければいずれ殺戮に繋がり、世界に死をもたらすだろう。しかし、すべてが死した世界では誰も生きていけないので本末転倒になる。人は、自らの周りにある自然環境や他者の存在があってこそ生きているのだ。これに気づき、また自らの魂も世界の死を望んではいないということを自覚することが、牡羊座の課題のひとつだと言えるだろう。
肯定的な現れ方
- 前向き
- 強い向上心
- リーダーシップ
- 正直
- ストレート
- はっきりしている
- 苦難や逆境に負けない
- 負けず嫌い
- 高い集中力
否定的な現れ方
- 自己が強すぎる
- 周りが見えない
- 協調性がない
- 視野が狭い
- 後先を考えない
- 攻撃的
- 短気
- 冷静さに欠ける
- 短絡的・衝動的
その他の要素
惑星の品位・格式
- 居所・盛(Dignity):火星
- 高揚・興(Exultation):太陽
- 衰退・衰(Fall):土星
- 障害・敗(Detriment):金星
身体の部位
頭部
恒星
星座内でもっとも明るいもの。またはもっとも力を持つもの。
ハマル(α星:2等星)
方角
東
エピソード
ギリシャ神話
ゼウスが地上に遣わせた”黄金の牡羊”と言われている。
以下、Wikipediaより引用。
ギリシア神話によると、ボイオティア王アタマスの息子プリクソスと双子の妹ヘレが、継母イノの悪巧みによって生贄にされそうになったときに、ゼウスが遣わして二人を乗せて逃げた金の皮を持つ羊だという。
妹は羊が走る途中に海に落ちおぼれて死んだ。
プリクソスは逃亡先のコルキスでこの羊を生贄に捧げ、皮を当地の王アイエテスに贈った(現代の観点からすると恩知らずな行為に見えるが、古代においては神の遣わした獣は生贄として神に返す風習だった)。
この羊の皮を手に入れるための冒険がアルゴー号(アルゴ座)の冒険、アルゴナウタイ神話である。
バビロニア時代の伝承
バビロニア時代には、年初=春分=牡羊座0度だったらしい。
日の出の直前にハマルが東の空から登ってくる日を1年の始まりとしていたという説がある。
原型
元々古代バビロニアでは、「農夫」だった模様。
「羊」に転じたのは、「男」と「羊」が同音異義語(lu)であったために、同一視されるようになったと言われている。
※経緯は不明。
なお、隣にある魚座の中央部分が、この農夫の耕す畑とみなされていたようである。
私の雑感
誕生の星座
牡羊座は、「誕生の星座」だという。
誕生する ということは、ひとつの命が、ひとつの形になることであり、「神秘の結晶化」であると私は思う。「生きたい」と願う、生命体としての根源的な欲求が形になったものかもしれない。
そのような、極めて根源的で純粋なエネルギーに満ちた領域が、白羊宮なのだろうと思う。
闘争の星座
闘争を示す星座であると解釈されるのには、いくつか理由があると考える。
農耕文明から考える
西洋占星術が確立された世界では、元々の自然環境から、自分たちが生き延びるためには、常に何かと戦う必要に迫られていたのだろう。それは、人口に対して食糧に乏しかったからなのだろう。
農耕とは、それを解消するための手段として考え出されたものだが、これは、厳しかった自然環境と格闘した結果、「環境を作り変える」ことで生み出されたものだと言える。ここには、元々の「環境を壊す」という意味も含まれる。
また、他民族と絶えず争っていたことも、より多くの食糧の確保はもちろんのこと、彼らにとって「農地の拡大」が常に死活問題であったからではないかと考えられる。
「環境を作り変える」と言っても、天候などまで変えられたわけではないので、人類にとって新しい試みであった農耕は、常に天候に振り回されるものであり、豊かさを確実にできるものではなかったからだろう。
争いは支配を生み、権力と貧富を生んだ。
それが常だった人たちにとって、生きるためには争い、相手を支配することが必要であり、それは生命体の本能だという考えが浸透しても、不思議ではないし、無理もないと思う。
日本では、古代縄文の時代においては、農耕の存在を知りつつも、生存手段として採用しなかったという研究結果があるという。
古代期の日本は、農耕に頼らなくても食糧に困らなかったという、特異な環境だったようである。1万年以上も同じ文明が続いてきたということは、恵まれすぎていたと考えるより他ないと思う。
赤ちゃんの誕生から考える
赤ちゃんは、本当に大変な思いをして生まれてくる。
それをとても分かりやすく世の中の人に知らせてくれる記事を先日ネット上で見かけた。
“ネットで話題”思わず涙する感動秘話『ある助産師さんのお話』
赤ちゃんは、子宮や産道の収縮を自ら起こし、文字通り潰されそうになりながら、まさに命がけで生まれてくるのだ。
それが本能によるものだとしたら、本能とはまさしく「生きよう」とするエネルギーそのものだと解釈できよう。
生まれてくるまでの過酷な過程は、迫りくる死との戦いとしか言いようがない。
それを必死に乗り越えようとする赤ちゃんは、純粋な「生きよう」とするエネルギーの結晶なのだ。