このページでは、金星の象意や特徴、考察したことなどを記載しています。
名称
- 日本語:金星(きんせい)
- 中国語:太白
- 英語:Venus
- ラテン語:Venus
中国の五行思想において、「金」と関連付けられています。
「太白」とは、もともとは「宵の明星」のみを指す名称だったようですが、後の時代に「明けの明星と宵の明星は同じ星である」ということが判明し、統合されたようです。
なお、それぞれの中国での呼称は、「別名」欄に記載します。
英語・ラテン語のVenusは、ローマ神話の女神ウェヌスですが、英語の発音だと、一般によく知られたヴィーナスとなります。ギリシャ神話での名称はアフロディーテです。
別名
金星は、天空をめぐる星の中で、太陽と月を除けば最も明るく目立つ存在でした。そのため、各地にたくさんの別名があります。
- 明けの明星/宵の明星(中国名:啓明/長庚(ちょうこう)または太白)
- 夕星(ゆうづつ)
※古代日本における「宵の明星」の呼称 - ルシフェル(ルシファー)
※キリスト教に採用された呼称。ラテン語で「光をもたらす者」という意味 - 天津甕星(あまつみかぼし)
※古代日本の土着神の一柱ではないか思われます。天津甕星とは「星の神」ですが、金星を神格化した神であるという説があるようです。日本各地に、天津甕星を祭る神社が存在します。(おそらくどこも歴史が古いのでは…)
シンボル
天体記号
![画像:金星の天体記号](https://main-clare.ssl-lolipop.jp/astro/wp-content/uploads/2017/01/symbol_venus.png)
女性の手鏡を象徴していると言われます。
メスを表す記号としても知られていますが、天体記号のほうがはるかに先にあったようです。
支配するサイン
金星は、♉牡牛座(金牛宮)と♎天秤座(天秤宮)の支配星(ルーラー)です。
品位
- 居所:♉牡牛座・♎天秤座
- 高揚:♓魚座
- 衰退:♍乙女座
- 障害:♈牡羊座・♏蠍座
数秘
6
「6」は。数秘では調和を意味します。「3」を2回足し合わせた数で、六芒星を象徴します。
象意
![画像:ハッブル望遠鏡で撮影された金星](https://main-clare.ssl-lolipop.jp/astro/wp-content/uploads/2017/01/venus_03_hubblesite_1995_16g-browse-205x300.jpg)
年齢域
16~25歳
水星(7~15歳)に続く年齢域を表します。
人生において、最も華やかで魅力的な時期を象徴します。この時期の大きなテーマには、恋愛があります。また、自分の人生や自分を取り囲む世界を美しいものにしていくために、美意識・価値観・バランシング能力、社交性などが磨かれていきます。金星のギフトとは、豊かな彩と悦びです。
次の年齢域(太陽)が象徴する「魂の覚醒」のために、自分が心から愛せるものを見極めるための時期です。
人格の要素
- 美意識
- 愛情の傾向
- 価値観
- 魅力
- 快楽の傾向
- 女性性
身体部位
- 咽喉
- 耳
- 腎臓
- 腰部 など
能力
- 芸術的感性
- 芸術的表現能力
- 装飾能力
- 魅力
- 社交能力
- 調整能力
女性の場合
- 女性のしての魅力
分野
- 恋愛観
- 趣味
- (衣食住の)好み
- ファッション
- 利益・金銭
動作パターン
- 感化
- 甘受
- 求心
作用
- 美化
- 調整
- 緩和
- 軟化
事象
- 恋愛関係
- 女性との関係
- 遊び・快楽に関する事柄
- 富・金銭的利益に関する事柄
- 芸術活動
女性・金銭・快楽等に関係するものを象徴します。
人物
- 女性
- 芸術家
- 支援者
- 富裕者 など
男性の場合
- 恋人
- 配偶者
天体情報
![画像:金星の地表は黄昏色の一面の荒野](https://main-clare.ssl-lolipop.jp/astro/wp-content/uploads/2017/01/venus_05.png)
太陽系での位置
太陽系第2惑星
分類
地球型惑星(内惑星)
地球と同じように、主に岩石・金属で構成される惑星は「地球型惑星」と呼ばれます。
離角
金星は、水星と同様に内惑星のひとつです。地球から観測すると、太陽から48°以上離れることはありません。
ホロスコープ上において、太陽との間に形成されるメジャーアスペクトはコンジャンクション(0°)のみです。
なお、水星とは、76°以上離れません。
したがって、水星との間に形成されるメジャーアスペクトは、コンジャンクション(0°)とセクスタイル(60°)のみとなります。
「離角」という現象について解説しているサイトがいくつかありましたが、参考として国立天文台の公開しているサイトのリンクを記載します。
ちょっと古いページでしたが…
主な材質
地質
地質についての詳しいデータは少ないようで、構成元素の情報は見つかりませんでした。
しかし、金星の特徴としては岩石質であり、地球との大きさ・質量ともによく似ていることから、構成元素も似ていると考えられているようです。
大気
- 二酸化炭素(CO2):約96.5%
- 窒素(N2):約3.5%
- その他微細な元素
個体的には地球と似ているものの、大気の構成は全く別物で、ほぼ二酸化炭素で占められています。
このために金星は温室効果が極めて高いと言われており、地表の平均温度は464℃という灼熱の世界です。
金星は生物が暮らせる環境ではなく、黄昏色に染まった荒野が延々と続いています。
「天体情報」という見出しの下にあるイメージは、実際の金星の地表の様子です。
なお、上空は一面分厚い硫酸の雲で覆われており、硫酸の雨が降り注いでいます。
この分厚い雲は太陽光を非常によく反射します。これが地球上から見た時の金星のずば抜けた明るさの正体です。観測条件次第では、金星(宵の明星)の輝きだけで、物や人の影が映し出されることがあるそうです。
サイズ
![画像:金星と地球](https://main-clare.ssl-lolipop.jp/astro/wp-content/uploads/2017/01/Venus_Earth_Comparison_710.png)
直径
12,103.6km
地球の約0.95倍
このことから、俗に「地球の双子星」と言われることがあります。
質量
約4.869×1024kg
リング
なし
自転
周期
約243日
非常に遅い自転周期を持っています。
しかし、この非常に遅い自転に対して、分厚い硫酸の雲がある上空は、絶えず超速(秒速100mくらい)の風が吹き荒れています。
これは「スーパーローテーション」と呼ばれ、金星の最大の謎のひとつです。
※なお、地表付近は超低速なんだとか…
方向
赤道傾斜角(自転軸の傾き)
177.36°
この数値は、金星がほぼ完全な「逆立ち」状態で自転していることを示しています。
金星の自転方向は、「逆行」なのです。
公転
周期
約224日
自転が1回終わりきる前に公転が終わってしまいます。不思議な感じです。
軌道
金星の公転軌道は極めて真円に近いです。
衛星
なし
個人的な考察
![画像:金星コンセプトイメージ](http://clare.main.jp/astro/wp-content/uploads/2017/01/1382_Venus-likeexo1280.jpg)
女性的なイメージと軍事的なイメージ
西洋の文明などでは、金星はおもに女性を連想させており、各所の神話に女神として描かれています。
一方、中国やマヤなどの文明では軍事を司る神として捉えられており、戦争について占う際に用いられていたようです。
より細分化した象意を得るために
金星を考えるうえで悩んだのは、月との違いをどのように明確化していくか ということです。
どちらも受動天体であり、女性原理に属するものを支配します。
私はこのまとめをしていく中で、次のように考えることにしました。
たとえば「愛情」の面では、月は「親近感」、金星は「愛欲」に近いもの。感受性の面で考えるなら、月は心の原初的な反応としての「感応」、金星は好みを選択したうえで受け入れる「審美」という感じですが、まだまだとてもきちんと説明しきれる段階にはありません。
占星術を知らない方にとってもイメージを捉えやすい天体ですが、あまりありきたりに書くだけでは面白くないし、理解も深まらないと思い、もう少し深く考察してみたかったのですが、なかなか満足いくまとめにはなりませんでした。
今後また理解が深まりましたら、追記などをしていきたいと思います。