木星(Jupiter)

タイトルイメージ:木星

このページでは、木星の象意や特徴、考察したことなどを記載しています。

名称

  • 日本語:木星(もくせい)
  • 中国語:歳星
  • 英語:Jupiter
  • ラテン語:Jūpiter

中国の五行思想において、「木」と関連付けられています。
太陽系最大の惑星としてよく知られた天体です。古代中国では「歳星」と呼ばれていました。これは木星が天空を一周する周期がほぼ12年であったことに由来し、日本国内でも現在まで受け継がれている「十二支」や「二十四節気」の基である「十二次」の起源となりました。また、古代バビロニアでも同様の現象が知られており、「黄道十二宮」が生まれる礎となりました。

別名

太陽系の掃除屋

※「グランド・タック・モデル」という太陽系の成り立ちを示す比較的新しい説があります。これによると、木星は太陽系のなかで最初に誕生した惑星であり、原始太陽系の中で大量のチリやガスを吸い込み成長しながらも、太陽に吸い込まれそうになったそうです。ところが、木星の後を追うように誕生した土星との共鳴によって引き戻され、今度は太陽から猛烈に離れていきながら太陽系全体を拡散しました。そしてその間にも大量のチリやガス、小惑星等を飲み込んでいったそう。紆余曲折あった後、現在の軌道あたりに落ち着いたようですが、その際に現在の火星付近にはチリやガスがあまり残っておらず、火星は地球よりはるかに小さく軽くなったのだとされています。
宇宙を知る :PLANETPLANETシリーズ第3回 太陽系形成の新モデル、Grand Tack仮説│ 理の惑星

惑星の王

※正式(?)な別名ではないかもしれませんが、ご紹介します。木星の重力は太陽系の他の惑星に大きな影響を与えています。水星を除く各惑星の公転軌道面の基準は、太陽の赤道面ではなく、木星の公転軌道面にほぼ一致しているとのことです。

シンボル

天体記号

シンボル:木星の天体記号

ローマ神話の神ユピテルの所持品である「神の雷」がモチーフです。
ユピテルとは、ギリシャ神話のゼウスのことです。日本ではゼウスの名のほうが有名じゃないかと思います。

支配するサイン

木星は、♐射手座(人馬宮)の支配星(ルーラー)です。また、♓魚座(双魚宮)の副支配星(サブルーラー)でもあります。

品位

  • 居所:♐射手座・♓魚座
  • 高揚:♋蟹座
  • 衰退:♑山羊座
  • 障害:♊双子座・♍乙女座

数秘

3

天体と数の対応は、インド占星術から来ていると思うのですが、その中で木星には「3」があてられています。
※インド占星術は不勉強のためよくわかってはいません…。
「3」は、発展を示します。陰と陽の世界に動作が加わった状態とも考えられます。

象意

写真:木星と衛星

年齢域

46~55歳

火星(36~45歳)に続く年齢域を表します。
火星期に注ぎ込まれたエネルギーが社会発展への寄与という実りを迎える時期です。ここで望ましい結果を得るためには、火星期のあいだに注がれたエネルギーの強さと純度が大切になると思います。

注がれたエネルギーが波紋のように社会の隅々まで拡がっていき、それは多くの他者や社会全体のさらなる発展のための糧となります。そしてまた新たなエネルギーが生まれ、拡がっていくことで、社会は発展を続けていくのです。

人格の要素

  • 陽気
  • 善意
  • 開放性
  • 献身性
  • 道徳心
  • 信仰心

身体部位

  • 肝臓
  • 胆のう、胆汁
  • 大腿部
  • 動脈 など

能力

  • 人望
  • 許容力
  • 教授能力
  • 保護能力
  • (資源・機会など諸々の)提供能力

分野

  • 社会的活躍の可能性がある分野
  • 社会貢献を為す分野
  • 幸運の鍵
  • 恵まれている分野
  • 恵まれているが故におろそかにしやすい分野
  • 理念
  • 信仰

動作パターン

  • 拡大
  • 肯定
  • 開放
  • 寛容
  • 楽観
  • 保護
  • (赦しからくる)信頼

作用

  • 発展
  • 援助
  • 促進
  • 高揚
  • 弛緩
  • 散漫
  • 怠惰

事象

  • (可視・不可視問わず)人生において歓び・発展をもたらす事柄全般
  • 怠惰になりやすい事柄
  • 社会活動としてのビジネスに関する事柄
  • 信仰・宗教などに関する事柄

人物

  • 学識者
  • 宗教家
  • 法律家
  • 外国人 など

 

天体情報

写真:木星表面の大赤斑

太陽系での位置

太陽系第5惑星

分類

木星型惑星(外惑星)

「木製型惑星」とは、ガスを主成分とする惑星を指します。太陽系では他に土星がこのタイプに該当します。
以前は、天王星・海王星もこのタイプに分類されていましたが、詳細な組成が調査できるようになった現在は異なるタイプにカテゴライズされています。

構造と主な材質

表面付近

ガス惑星のため、地球などのような地表は存在していません。
はっきりした構造は解明されていませんが、表面は水素分子、その下層には重力による圧縮等の影響で金属化した水素があるのではないかと考えられているようです。
ちょっと想像がつきませんね…。

なお、木星表面には、有名な「大赤斑」が見られます。

大赤斑

コア

コアについては、鉄などの金属や岩石質などの元素が入り混じったものではないかと考えられているようです。

大気

  • 水素(H2):約90%前後
  • ヘリウム(He):約10%前後
  • その他微細な元素

木星は、太陽と同じようにほとんどが水素とヘリウムでできていると見られています。

サイズ

直径

139,822km

地球の約11倍
木星はガス惑星のためか、この値は平均値のもののようです。

なお、木星は年間約2cmくらいずつ縮んでいるそうです。
できたばかりの「原始惑星」だった頃は、現在の2倍ほどのサイズだったのではないかとも言われているようです。

質量

約1.8986 ×1027kg

地球の約318倍にもなるようです。
直径が約11倍って言われているのに、質量にはそんなにも差が表れるものなんですねえ…。

リング

木星にはリングが存在します。
詳細はリンク先等をご覧ください。

木星の環

自転

周期

約9時間55分

あの巨大さなのに、10時間足らずで自転します。恐ろしいです。
なお、木星の自転速度は緯度によって異なり、赤道に近いほど早くなります。上記の数値は、木星本体ではなく、木星の磁気が届く範囲(磁気圏)の回転を観測した値 とのことです。

方向

赤道傾斜角(自転軸の傾き)

3.13°

自転軸の傾きがほとんどなく、直立に近いようです。このタイプは、季節が存在しないと考えられます。

公転

周期

約11.86年

木星は、そのすぐ外側を公転している土星と軌道共鳴の状態にあり、その比率は5:2です。
木星が5回公転するとき、土星がちょうど2回公転するという関係になっています。
軌道共鳴が起こると、隣り合う天体同士の間に強い重力の影響が働くと言われます。現在の木星・土星は、5:2の軌道共鳴によって互いの軌道が安定していると考えられているようです。

「グランド・タック・モデル」でも、この軌道共鳴の話が出てくるのですが、木星が土星によって太陽への落下を止められた時の共鳴関係は1:2とされているようです。

軌道

離心率は0.04851程度ということで、軌道のほぼ中心に太陽が来る形だと思います。

衛星

現時点では67個発見されているようです。
私が昔見た本とかではもっと少なかった気がします。一気に発見が進んだのでしょうか…。

ここでは、「ガリレオ衛星」と呼ばれる最初期に発見された衛星の名称を掲載します。

  • イオ
  • エウロパ
  • ガニメデ
  • カリスト

木星の衛星と環

個人的な考察

写真:木星と4大衛星 イオ・エウロパ・ガニメデ・カリスト

荒ぶる幸運星

近年発表された「グランド・タック・モデル」が描く木星の姿は、まさしく「暴れん坊」の名にふさわしいものだと思います。
最初期に誕生し、大量のガスを飲み込みながら原始太陽系を動き回った結果、太陽に吸収されそうになったり、それを土星さんに引き留められたら、今度は太陽から猛スピードで離れることで、太陽系を拡げまくったりしちゃったわけです。地球と太陽との距離が現在の位置にあるのも、木星のおかげだと言うことなので、そういう意味では恩恵をもたらしているとも言えるでしょう。
それにしても、やってることがメチャクチャなのに、いろいろな恩恵をもたらしている(っぽく見える)というところがゼウス様と大分ダブります。いつも思うのですが、最初に名前を付けた人は本当にすごい。

寛大すぎることの弊害も多々ある

伝統的な占星術では、木星はひたすら「吉星」だと言われ続けてきました。
木星はすべてにおいてよい影響をもたらし、(とくにソフト)アスペクトを取っていると、必ず幸運につながる あるいは不運を避けたり、マイナスの影響を軽減できる というような感じです。

現代の西洋占星術においては、恐らくこのような解釈は減ってきたと思います。

寛大すぎるということは、こだわりがなさすぎるということでもあります。
例えば、行き過ぎたこだわりの手放しは無頓着という結果となり、緩みすぎれば怠惰となります。他にも鈍感・浪費・堕落などにつながり、これらがエスカレートすれば幸運どころか悲惨な結果が待っているでしょう。

物事にはプラスもマイナスもあり、事象や力には良いも悪いもない。それはすべての天体・サイン・その他の感受点の象意においても同じです。
それが一般化してきた現代の占星術のほうが自然だと私は思っています。

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