土星(Saturn)

タイトル画像:土星

このページでは、土星の象意や特徴、考察したことなどを記載しています。

名称

  • 日本語:土星(どせい)
  • 中国語:鎮星 または 填星
  • 英語:Saturn
  • ラテン語:Saturnus

中国の五行思想において、「土」と関連付けられています。
美しいリングを持っており、木星以上に有名な天体だと思います。多分多くの人にとって、「天体」という言葉を聞いたときに最初にイメージするのは土星の姿ではないでしょうか。
古代中国では「鎮星」あるいは「填星」と呼ばれていました。この2つの名称のうち、どちらが先にあったのかはわかりません。「鎮星」という名称から考えられることについては、最後のほうに記載したいと思います。

太陽系内の視認できる惑星のうち、太陽から最も遠い軌道を公転しています。天体望遠鏡が発明されて、天王星が発見されるまでは、占星術においても土星が最遠惑星として位置づけられていました。

別名

中国での名称である「鎮星」「填星」以外に、土星の別名の情報はあまりありません。

シンボル

天体記号

シンボル:土星の天体記号

ローマ神話の農耕神サトゥルヌスの所持品である「鎌」がモチーフです。
サトゥルヌスとは、ギリシャ神話ではクロノスを指します。原初の天空神ウラノスの末子であり、ゼウスの父でもあります。また、クロノスは巨神族(ティタンズ)の王でもありました。

ゼウス(木星)、クロノス(土星)、ウラノス(天王星)は、それぞれギリシャ神話の各時代の支配者です。

支配するサイン

土星は、♑山羊座(磨羯宮)の支配星(ルーラー)です。また、♒水瓶座(宝瓶宮)の副支配星(サブルーラー)でもあります。

品位

  • 居所:♑山羊座・♒水瓶座
  • 高揚:♎天秤座
  • 衰退:♈牡羊座
  • 障害:♋蟹座・♌獅子座

数秘

8

天体と数の対応は、インド占星術から来ていると思うのですが、その中で土星には「8」があてられています。
※インド占星術は不勉強のためよくわかってはいません…。
「8」は、秩序・現実を示します。偶数でありながらも厳しさと力強さの宿る数です。

象意

写真:暗闇に浮かびあがる土星の美しいシルエット

年齢域

56~70歳

木星(46~55歳)に続く年齢域を表します。
木星期に拡大し続けた理想やエネルギーを、確かな形にして社会に定着させるための時期です。

果てしなく長い時の中、世代交代を繰り返しながらも、人の世が永遠に生き続けられるように、土星は「社会というシステムの構築」に自らの使命を見出します。

人格の要素

  • 厳格性
  • 保守性
  • 継続性
  • 疑心
  • 恐怖心
  • 劣等感
  • 責任感
  • 節度

身体部位

  • 歯・骨
  • 関節
  • 皮膚
  • 毛髪 など

能力

  • 忍耐力
  • 統制力
  • 管理能力
  • 完遂能力
  • 統率能力

分野

  • 苦手分野
  • 苦労する分野
  • 制限を受ける可能性がある分野
  • 実績を残す分野
  • 克服すべき分野(克服により大成を成す分野)
  • 政治

動作パターン

  • 停滞
  • 閉鎖
  • 警戒
  • 防御
  • (疑いの末に確かめられた、あるいは時間や労力をかけて構築された)信頼
  • 反復
  • 確認
  • 鍛錬
  • 完遂

作用

  • 抑制
  • 減速
  • 収縮
  • 鎮静
  • 定着
  • 限定
  • 緊張
  • 綿密
  • 具現化
  • 規則化
  • 厳格化

事象

  • (可視・不可視問わず)人生において乗り越えるべき試練となる事柄全般
  • 抑圧されやすい事柄
  • 時間がかかる事柄
  • 悩む事柄
  • 政治に関する事柄

人物

  • 年長者
  • 政治家
  • 実務者
  • 親 など

 

天体情報

写真:紫色に映る美しい土星のリング

太陽系での位置

太陽系第6惑星

分類

木星型惑星(外惑星)

「木製型惑星」とは、ガスを主成分とする惑星を指します。太陽系では木星と土星がこのタイプに該当します。
以前は、天王星・海王星もこのタイプに分類されていましたが、詳細な組成が調査できるようになった現在は異なるタイプに分類されています。

構造と主な材質

表面付近

ガス惑星のため、地球などのような地表は存在していません。
木星と同じように、表面付近は水素・ヘリウム、内部に行くにつれて圧力がかかり、金属化した水素が存在していると考えられています。

土星表面は、リングと同じように美しい縞模様が見られます。

コア

岩石質で構成されたコアの周りを、水素やヘリウムなどが覆っていると考えられているようです。

大気

  • 水素(H2):約95%前後
  • ヘリウム(He):約3.25~5%前後
  • その他微細な元素

他に、アンモニア・メタンなどの存在が確認されています。
土星の雲はアンモニアでできているそうです。

サイズ

直径

120,536km

地球の約9倍
土星はガス惑星のため、この値は平均値のもののようです。

質量

約5.688 ×1026kg

地球の約95倍にもなるようです。
土星は太陽系の惑星の中でも、とても比重が軽く、水より30%ほど軽いと言われています。

リング

土星のリングはあまりにも特徴的です。

土星の環

自転

周期

約10時間32分

土星の自転速度も、木星と同じように緯度によって異なり、赤道に近いほど早くなります。上記の数値は、土星本体ではなく、土星の磁気が届く範囲(磁気圏)の回転を観測した値 とのことです。
土星は磁気圏の範囲が一定ではなかったため、何度も観測データを集めた結果、現在は上記の数値とみなされている模様です。

方向

赤道傾斜角(自転軸の傾き)

25.33°

地球よりもう少し傾いているイメージです。季節があるかも。
…とはいっても、極寒の世界のはず。

公転

周期

約29.5年

土星は、そのすぐ内側を公転している木星と軌道共鳴の状態にあり、その比率は2:5です。
土星が2回公転するとき、木星がちょうど5回公転するという関係になっています。
軌道共鳴が起こると、隣り合う天体同士の間に強い重力の影響が働くと言われます。現在の土星・木星は、2:5の軌道共鳴によって互いの軌道が安定していると考えられているようです。

「グランド・タック・モデル」でも、この軌道共鳴の話が出てくるのですが、土星が木星の太陽への落下を止めた時の共鳴関係は1:2とされているようです。

軌道

離心率は0.05552程度ということで、軌道のほぼ中心に太陽が来る形だと思います。

衛星

現時点では62個発見されているようです。
この62個という数には、土星のリング内に存在する微小衛星は含まれないとのことですので、もしこれらを含むと膨大な数になると思われます…。

ここでは、比較的名前の知られた衛星を掲載します。

  • タイタン
  • レア
  • エンケラドゥス
  • アトラス
  • プロメテウス

土星の衛星と環

個人的な考察

写真:文明によって吉星とも凶星とも言われる土星

「鎮星」の名に懸けて

中国において「鎮星」と呼ばれる土星は、皇帝の星として認識されていました。徳を身につけ、他の星を統べる存在だと考えられていたのです。ですから、この文化圏においては、土星は「吉星」でした。
一方、伝統的な西洋占星術では、土星は木星と対を為す存在として考えられてきました。あらゆる障害を司り、困難を強いる「凶星」だとされたのです。

近年発表された「グランド・タック・モデル」では、「暴れん坊」木星が太陽に落ちていくのを引き留める重要な役割を果たしたとされます。このことは、土星はその象意のとおり、木星を「抑制」したのだと見ることもできましょう。暴走を食い止め、その後の太陽系に秩序をもたらすきっかけを作ったのは土星です。

恐怖心の正体

土星は恐怖心も示しますが、そもそも恐怖心とは何でしょうか?

恐怖心とは、心にとって大切な防衛機能です。
あまり正しく理解されることのない恐怖心という機能ですが、この機能は、自分自身の身を護るために働いています。
恐怖心がなければ、人は自分の身を危険にさらす要素を意識できず、簡単に災難に巻き込まれて命を落とすでしょう。また、恐怖心は、その人本来の輝きや願いを護ったり、侵されないようにするためにも働いています。そんな健気な恐怖心が問題となってしまうのは、この機能が過剰に作用すると、本来の目的を見失ってしまいやすい点にあります。

自分、あるいは対峙する人の中に眠っているはずの希望の光に触れたいと願うならば、必ずその部分を覆っている黒い雲海のような「防衛機能」を通過しなければなりません。
しかし、苦痛や恐怖の雲は思っているよりもずっと厚く、そして、その中心に持っている輝くものは、想像以上にデリケートなものなのです。だからこそ、強固な「防衛機能」があるのだということを忘れてはならないと思います。

防衛機能のフィルタを通過し、光に到達する際、黒く厚い雲海を強引に突き破って進もうとすると、余計に異物に対して過敏になり結果その防御力を増してしまいます。そのため、苦痛と恐怖に寄り添い理解することが大切だと思います。このプロセスを「癒し」というのでしょう。
苦痛や恐怖に寄り添う ということは、そこに向き合い、ともに味わうことに似ています。つまり精神や魂にとっての本当の「癒し」に至る直前には、かならず苦痛や恐怖と向き合うことになります。
このとき、恐怖心の源を知ることになるはずなのですが、必ずその根源には、健気な愛情があることを目の当たりにすると思います。だからこそ「癒し」が成立するのだと思います。

木星と土星は、その象意の根源を探っていくと、どちらも「魂の願う使命の実現」という同じ目的のために働いているのだということがよくわかります。請け負った分野とアプローチが異なるだけです。
どちらも、信頼と栄光を意味する天体です。

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