このページでは、海王星の象意や特徴、考察したことなどを記載しています。
名称
- 日本語:海王星(かいおうせい)
- 中国語:海王星
- 英語:Neptune
- ラテン語:Neptunus
天王星以降の惑星は、近代に入り、天体望遠鏡が発明されてから観測により発見されました。そのため、天王星の外側に位置する海王星も、古代より伝わる伝統的な思想の中には含まれていません。
別名
海王星には別名の情報が見つかりませんでした。
シンボル
天体記号
![シンボル:海王星の天体記号](https://main-clare.ssl-lolipop.jp/astro/wp-content/uploads/2017/03/symbol_neptune.png)
ローマ神話の海神ネプチューンが持つ三叉の槍(トライデント)です。ネプチューンは、ギリシャ神話におけるポセイドンです。
支配するサイン
海王星は、♓魚座(双魚宮)の支配星(ルーラー)です。
品位
- 居所:♓魚座
- 高揚:♒水瓶座
- 衰退:♌獅子座
- 障害:♍乙女座
数秘
7
天体と数の対応は、インド占星術から来ていると思うのですが、インド占星術は古典的な形式を忠実に守っている占術ですので、海王星は使用されません。
この「7」という数字は、インド占星術では「ケートゥ(ドラゴンテイル)」に割り当てられています。
※インド占星術は不勉強のためよくわかってはいません…。
「7」は、それ自体が素数であり、1以外の他の数で割った結果が整数となりません。このことから、神秘を意味します。いかにも海王星らしい数です。
象意
![写真:深く輝くコバルトブルーが美しい海王星](https://main-clare.ssl-lolipop.jp/astro/wp-content/uploads/2017/05/neptune_01.png)
基本
- 神秘
- 幻想
- 集合無意識
- 混沌(カオス)
年齢域
85歳以降
天王星(71~84歳)に続く年齢域を表します。
俗世を完全に離れ、静かに隠遁するイメージです。あるいは、生きるために必要であった欲を捨て去り、魂が再び集合無意識の世界へと還るためのプロセスを示しているのかもしれません。
人格の要素
- 無意識
- 夢想性
- 不可視の価値観
- 共同幻想
- 無私の精神
- 犠牲心
身体部位
- 松果体
- 太陽神経叢
- ライデン腺 など
※ライデン腺とは、チャクラに関係するものとされる未発見の器官と言われています。神秘のエネルギーを象徴する海王星ならではの対応身体部位と言えます。
能力
海王星は、海王星独自の能力の他、金星をより高次化した能力をもたらします。
- 直感力
- 第六感
- 想像力
- (心霊的な)美意識
- (心霊的な)感性
- 芸術的センス
- スピリチュアリズムへの理解力と適性
分野
- 世代的な理想
- 依存性
- スピリチュアルなビジョン
動作パターン
- 流動
- 共鳴
- 奉仕
- 信託
- 犠牲
- 依存
- 逃避
作用
- 浄化
- 感化
- 融解
- 混同
- 不明瞭化
- 幻覚化
- 陶酔
- 拡散
- 崩壊
事象
- 水に関わる事象
- 神秘的な体験
- 静養
- 現実からの隔離
人物
- 芸術家
- 隠居者・隠遁者
- 霊能者
- 放浪者 など
天体情報
![写真:細く儚げな海王星のリング](https://main-clare.ssl-lolipop.jp/astro/wp-content/uploads/2017/05/neptune_03.png)
太陽系での位置
太陽系第8惑星
分類
天王星型惑星(外惑星)
「天王星型惑星」とは、水・メタン・アンモニアの氷などを主成分とする惑星を指します。太陽系では天王星と海王星がこのタイプに該当します。
天王星型惑星は、メタンの影響により、赤色の光が吸収され、青色の光が反射されるために、青い姿となります。
海王星は、深いのに輝きのある非常に美しい青色をしています。とても幻想的な姿です。
構造と主な材質
表面付近
基本的な構成要素は、木星型惑星と同じようにガス類であるため、地球などのような地表は存在していません。
外層は水素・ヘリウム・メタンなどで構成され、内部のマントルは水・メタン・アンモニアなどの氷によって構成されていると考えられています。
(「氷」といっても、かなりの高温・高密度のようですが…一般的な人が考える定義とは異なるようです。)
海王星の表面には、大暗班と呼ばれるものが発生することがありますが、常に存在しているわけではないため、これが一体どのようなもので、何故現れるのかについては不明です。
コア
ニッケル・鉄などの比較的重い金属類やシリカなどの岩石質で構成されたコアを持つとされています。
大気
- 水素(H2):約80%前後
- ヘリウム(He):約19%前後
- メタン(CH4):約1.5%
- アンモニア:(NH3):約0.01%
- その他微細な成分
海王星には、時速2,000kmの風が吹いているといわれています。これは秒速に直しても約555.5mとなり、何の物体も存在できなさそうなイメージです。なお、この風速は太陽系でも最速の部類に入ります。
サイズ
直径
49,528km
地球の約3.88倍です。
質量
約1.02 ×1026kg
地球の約17.1倍です。
リング
5本のリングを持っています。とても薄く、細く見えます。
自転
周期
約16時間6分
だいたい天王星と似たような数値です。やはり地球よりも高速です。
方向
赤道傾斜角(自転軸の傾き)
28.31°
地球よりもう少し傾いています。
公転
周期
約164.79年
海王星の公転は、人の一生よりも長い時間がかかります。人は生きている間に海王星が天空上を一周する様子を見ることはできません。
軌道
離心率は0.008585程度です。ほとんど正確な円です。
衛星
現時点で14個発見されています。
海王星に対する離心率が大きかったり、逆行しているものも多く、形も様々なようです。多様な天体を衛星として取り込んできたといえます。
海王星の衛星の名称は、ギリシャ神話に登場する海や水の精霊からつけられています。
ここではその一部を掲載します。
- トリトン
- ネレイド
- プロテウス
- ガラテア
個人的な考察
![写真:縁が赤く海王星](https://main-clare.ssl-lolipop.jp/astro/wp-content/uploads/2017/05/1bg.png)
神秘の代名詞
西洋占星術師にとって、海王星の象意はことさら象徴的に感じるのではないかと思います。海王星と言えば「神秘」という言葉がほぼ瞬間的に結び付けられるのです。
宇宙空間に美しく輝くコバルトブルーの姿も、名前のイメージを一層引き立てており、他の天体同様、命名の妙を感じずにはいられません。
また、幻想を意味する海王星の美的側面を表す言葉としては「儚さ」という言葉がふさわしいでしょう。
これは滅びをともなうものの美しさを指す言葉だと思っていますが、海王星の示す美しさとは、まさにこのような側面を象徴しています。
「崩壊」という象意について
魚座の支配星でもある海王星は、その象意もほぼ魚座のものと共通しています。
私は、海王星の象意に、魚座と同様「崩壊」というキーワードを採用します。イメージとしては、原子核崩壊のそれにあたります。不安定な原子核は、エネルギーを放射線という形で放出して崩壊し、姿を変えていくのです。
トランスサタニアンと言われる3天体(天王星・海王星・冥王星)はそれぞれ、代表的な放射性元素ウラン・ネプツニウム・プルトニウムに対応していますが、このうちネプツニウムには安定性がなく、すぐに他の物質と反応して原子核崩壊を起こし、別の物質に変化します。この性質のために自然界ではほとんど存在がわからず、なかなか発見されなかったようです。科学の分野でも、このように命名の妙は生きているのだとわかると、人の無意識の感性とは本当に面白いものだと思います。
「崩壊」とは、消滅へと至る、死の別の形を表すものです。
すべての生きとし生けるものも、魂も、最後にはその形をとどめることなく崩壊して宇宙の中に融け還ります。そうして、宇宙のどこかで生まれる新しい生命の欠片となっていくのです。