かつて私には
形がなかった
漂うように世界を眺め
頬に触れる手も虚ろだった
かつて私は
人でないと言われ続けた
どうやら得体のしれないものを見
通じない言葉を話して続けていたらしい
でもどうせ人でないと言われるならば
せめてすべてを見通す眼を持ちたかった
世界のすべてを知ることができたなら
人々が繰り返すくだらない争いを終わらせるための
答えを見つけることができるだろうと思ったから
けれど
どれだけ学んでも
どこまで行っても
いつまで経っても
すべてを見通す眼なんて持てるはずはなかった
それは人の領分を超えたことだから
そのかわり人として
想像する力を
天から授かっていると知った
もしすべてを見通せてしまったら
授かれなかった力
見える世界に限りがあるのは
無限の想像力を宿すための
ギフトなんだろう
そしてこれはすべての人に
天から与えられた力でもある
この地上で肉体を持ったからこそ
授かることができた力でもある
このただひとつの器に魂を宿し
この地上で生きることを受け入れたとき
生きる意志は初めて希望を生み
想像力を燃やして人は自らを創造するのだ
かつて形がないと嘆き
自らの姿を信じることができなかった
愚かな私にも
無限の創造力が宿っていることを
ある日天は教えてくれた
この現世に根を張って生きるために
今こそ私の中心に座し
天地の軸で自らを貫こう
創造とは
現実を創り出すことなんだ
現実になるまでやりきるために
出し惜しみなんか要らないんだ
自らの精神を磨き
今の世界の枠組みを超えた進化の先に
懐かしくも新しい時代を創り出そう
ひとりひとりの個の炎が輝いてこそ
世界は無限の色彩に煌めいて
そこから新しい調和が生まれるのだから
どうかこの地上で
無数の創造の炎が
燦然と輝きますように
どうかこの地上で
まだ見ぬ同志達が
魂の真の願いに
再会できますように
