今どこに立つべきか
これほどわからないときはない
添うべき自己はどこなのか
いまだに居場所が見つからない
鏡は自己を映すとて
それが自己のすべてではない
たとえ姿を知ったとて
鏡で願いはわからない
今回の表現のテーマ
満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えます。
- 板挟みともどかしさ
- 現状からの変革に対する願望の本格化と、不安によってこれまでの慣習にとどまろうとする相反性
- 自己実現への強列な欲求と絶対的な中庸性の両立を成し得ようとする極めて緊張した状態
解釈について
表現するテーマを決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。
留意事項
- ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「情勢」として考えていきます。
- アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用します。
- 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。
背景に漂う空気感
政治劇の動きは思ったより長く活発な状態が続いていて、まだ終わる気配はないようです。もしかすると人々は、今までに充満してしまった鬱屈した空気が充満している国内の空気と本気で決別したいのかもしれません。これまで溜めこんでしまった憤りや失望感は大きいということなのでしょう。
ただ、やはりすぐに変わっていくものではなさそうです。今まで自分たちを束縛しつつも支えてきたこれまでの社会的価値観を覆すための行動にはまだつながらないように思います。
この満月からの半月間は、議会の論戦に対する関心の集中と、そこから気をそらせようと湧いて出てくる数々のエンターテイメント的事件の乱立、そこに釘を刺すように重苦しい財政の問題がのしかかってくるような構図になりそうです。
根拠とした要素
アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。
ASC(集合的エネルギーの出発点)
♏蠍座25°「新しい居住地に引っ越すインディアン」
サインの基本概念とサビアンシンボルの象意
このシンボルには、蠍座のテーマの一つである「束縛」と、そこからの決別を実行する第一段階としての役割があります。
厳しい自然界の中を生き抜くために長い時間をかけて根付かせた自らの生き様を終焉させ、新天地へと移らざるを得ないということは、とても苦しく悲しいことで身悶えるほど辛いことでもありましょう。しかし彼らは、それは自然の掟であるとして無言で受け入れ、新しいフィールドに再び根を降ろそうとします。これは、自然に対する畏敬と同時に絶対的な信頼を置いていないと不可能なことです。
また、このシンボルからは「どこででも生きていける」という自らの生命力や環境適応能力に対する信頼と同時に、「それでも生き抜かなければならない」という生命体としての人の性(生存欲求)や執念も感じます。
成立しているアスペクト
- 木星-コンジャンクション
- 太陽-セスキコードレート
- 月-セミスクエア
- 火星・土星-セミスクエア
- 天王星-クィンカンクス
ASCルーラー(支配星)の状況
今回のASCの支配星は冥王星です。冥王星は♑山羊座・第2ハウスに位置しています。
成立しているアスペクト
- 木星+ASC-セクスタイル
- 金星+天王星-スクエア
- MC-セスキコードレート
MC(集合的エネルギーが向かう先)
♍乙女座6°「ハーレム」
サインの基本概念とサビアンシンボルの象意
清純なイメージのつきまとう乙女座の中でも特異な印象を受けるシンボルです。このシンボルは、肉体や精神を拘束された中で、自分の魅力を”武器”と認識して使用することで自らの目的を達成しようとします。欲望によって欲望を操り、またその支配を受けることを示します。
拘束・支配された環境からの解放を望んでいるわけではないようです。むしろ自らが置かれた環境からの束縛を必要としているように思えます。乙女座の従属性を屈折した形で象徴しているように解釈できます。
成立しているアスペクト
- MC・金星・火星+土星-グランドトライン(地)
- 冥王星-セスキコードレート
いくらもどかしい思いであっても、結局は現在の状況を維持する方向に一旦落ち着いてしまう というような意味にも取れて、個人的にはなんだかなあ…と思ってしまいます。
そんな中、冥王星は少し厄介ごとを持ち込むのかもしれません。経済・景気か税に関する問題ということかと推測します。
MCルーラー(支配星)の状況
今回のASCの支配星は水星です。水星は♈牡羊座・第5ハウスに位置しています。
成立しているアスペクト
- 水星+太陽・月・火星+土星-Tスクエア
- 海王星-セミセクスタイル
満月を軸に形成されているTスクエアに組み込まれる形になっています。Tスクエアの一端は山羊座の火星・土星となっていて、ASCルーラーと同じ第2ハウスとなっています。
社会の基本的な動向
今回の満月の要素と、成立しているアスペクトから基本的な動向を考えます。
考えられる状況
国民の関心は、不正や不祥事の追及が続く議会へと向きますが、政府側としてはなんとかその注意をそらそうと動くことになるだろうと思います。そのような思惑がうまくいくかどうかはわかりませんが、天体の配置的にはちょっと苦しいのではないかと考えます。
社会の中に生きる個人のスタンス
この時期は、絶対的な自己実現と理想的な人間関係の調和について、完全なバランスをとろうともがくときかもしれません。どちらかを優先すればもう一方が成り立たないような感覚に陥る可能性もあります。あるいは、なかなか実際の行動に移せない時なのかもしれません。力の使いどころ・動きどころを完璧に見極めたいという願望が出てくると、さらに自分にブレーキをかけようとしてフラストレーションを溜めるかもしれません。
しかし、フラストレーションになるということは、それだけ実現への想いが強いということです。自分にとっての道が見つかるまで、もどかしさは自己鍛錬へのエネルギーに変えてしまうのも手だと思います。
根拠とした要素
満月のサインおよび満月とアスペクトをとる天体との関係から考えています。
満月のサインとハウス
今回の満月は「♎天秤座・第11ハウス」に位置しています。対となる太陽は「♈牡羊座・第5ハウス」に位置しています。
サインの基本的な概念
天秤座-牡羊座のラインは「自己と他者」を示し、この対によって明確な自己認識を確立する様を意味します。
♎天秤座の月(第11ハウス)
一般的な解釈では、次のようなことを示します。
- 多くの同士との調和・よき交流を求める
- 客観的な視野を保って物事の要点をとらえ、多くの他者に伝達する
♈牡羊座の太陽(第5ハウス)
一般的な解釈では、次のようなことを示します。
- 自らの存在や生き方を誇示するために創造力を発揮する
- 自らの人生の全てを自らの意志のもとに創造する
成立しているアスペクト
今回の満月に対するアスペクトは次のとおりです。
- 満月+水星・火星+土星-Tスクエア
- ASC-セミスクエア
補助要素
満月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。
金星
金星は♉牡牛座・第5ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。
- 天王星-コンジャンクション
- 金星+天王星・火星・MC-グランドトライン(地)
- 海王星-セミスクエア
第5ハウスは太陽・水星も位置しており、非常ににぎやかな状態になっています。前回の新月の時と同じように、エンターテイメントやスキャンダル等に国民の関心を集めようとする意図に見えます。
なお、金星はサインを移動して♉牡牛座へ入ったのですが、ここは金星にとってはホームポジションであり、強さが増した状態となります。しばらくは安定志向が好まれる傾向が出るかもしれません。
火星
火星は♑山羊座・第2ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。
- 土星-コンジャンクション
- 火星+土星・満月+水星-Tスクエア
- 火星・金星+天王星・MC-グランドトライン(地)
- 木星-セミスクエア
火星にとって山羊座は高揚の位置でもあり、非常に力がある状態に見えます。
また、今回火星はASCのサブルーラーでもあり、メインルーラーである冥王星と同じ♑山羊座・第2ハウスにあります。さらに、アスペクトを確認すると、土星とタイトにコンジャンクションしています。そのうえTスクエアとグランドトラインが同時にかかっています。
並び立つ土星とともに、この時期のエネルギーを動かすカギになっているような配置です。
木星
木星は♏蠍座・第12ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- ASC-コンジャンクション
- 火星+土星-セミスクエア
- 海王星-トライン
- 冥王星-セクスタイル
新月の時と比較して、ASCと木星の関係はほとんど変わっていませんが、ハウスは第12ハウスになっています。この木星が主権者のために地下世界の口を開き、闇を明るみに出す方向に働きかけてくれたらいいのですが…。
土星
土星は♑山羊座・第2ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- 火星-コンジャンクション
- 火星+土星・満月+水星-Tスクエア
- 木星-セミスクエア
- MC-トライン
官僚は、新月の頃の様子をそのまま引きずりそうです。まだまだしばらくはスッキリしない状態が続くのでしょう。それがいつまでなのかはまだちょっとわかりません。
天王星
天王星は♈牡羊座・第5ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- 金星-コンジャンクション
- 冥王星-スクエア
- ASC-クィンカンクス
この時期、発覚し続けるスキャンダルによって世論の混乱は続き、もしかするとこのまま収拾がつかない状態になっていくのでしょうか。疲弊はしそうですが、すべて水に流されてなかったことにされるよりはいいでしょう。
海王星
海王星は♓魚座・第4ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- 金星-セミスクエア
- 木星-トライン
新月の時点では、結局今の真実追求の流れもそのうちうやむやに終わるのではないか?と考えていたのですが、どうやらこの海王星は、主権者側から見た浄化の意味を示し始めているのではないか?とも少し感じられます。ただ、個人的には、議論や意見は多くの人に拡大すればするほど感情論にすり替えられてしまいやすいことについて常に懸念を持っています。感情論は多くの人にとってわかりやすいため伝播しやすいのですが、結局それは何の解決にもつながらないからです。海王星はそれを招きやすい一面を持っています。
冥王星
冥王星は♑山羊座・第2ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
なお、冥王星は今回のASCルーラーです。
- 木星+ASC-セクスタイル
- 天王星-スクエア
- MC-セスキコードレート
新月の頃とさほど変わっていませんが、MCに対して困難さを投げかけています。MCのシンボルが示す「もどかしさ」は、この冥王星によっても表現されているように見えます。