2018年4月30日:蠍座の満月

アイキャッチ:満月

私は人一倍弱いから
いつも何かの陰にいた

ひとりが果てしなく怖いから
いつもひとりでうずくまってた

たくさんの暗い過去にふたをして
必死に前を向いてきたけど

どれだけ平静を装っても
だめなものはだめなんだね

どれだけ避けようと頑張っても
結局同じことを繰り返すだけだった

 

弱い自分を知っているなら
その幼子のために涙して

ひとりでいるのが怖いなら
自分という名の伴侶を抱いて

傷だらけの過去が痛いなら
似た傷を持つ誰かの痛みをともに感じて

一度に全部は無理だけど
向き合うことをどうかやめないで

あなたのすべてを分かち合えるのは
他の誰でもないあなただけだから

どんな記憶もいつかすべて
あなたの生きる力になり

どんな想いもいつかすべて
誰かを活かす願いになるから

トランジット図:2018年4月30日 9時58分


今回の表現のテーマ

満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えます。

  • 弱い自らを守るには防御を固めればよいという考え方から脱却する
  • 心を鎮め、自らの中で反響する自らの想いの声を探る
  • 見ないふりをしてきたことから逃げることを辞め、観念して受け入れる
  • 忘れようとしても忘れられない本来の自分の姿を改めて知る

解釈について

表現するテーマを決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の根源的欲求の集合体」と考えることとします。

留意事項

  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「情勢」として考えていきます。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用します。
  • 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。

背景に漂う空気感

先日の新月の直前頃、隣国である韓国および朝鮮民主主義人民共和国(=北朝鮮)が、統一する方向に舵を切るという話を個人的に聞いていました。その後行方を見守っていましたが、2018年4月27日に行われた第3回南北首脳会談において、ついに朝鮮戦争の終戦宣言を成し遂げることを、共同で発表するに至りました。私はその際の映像をリアルタイムで見ることはできませんでしたが、録画したものをあとで見て、まず、会談が無事に終了したことに安堵し、様々なシーンの中で映し出された両首脳および参加者の表情などを見て、少し涙が出そうになりました。

「板門店宣言」のなかには「民族自主の原則」という文言があり、私の中ではこれが最も印象に残りました。自分たちの意志で始めたわけではない代理戦争によって、同一民族間で敵対しなければならなかったという状況。古代からほとんどの歴史の中を常に他民族に支配され、搾取される立場にあったということと、その中で生き延び続けるために、同一あるいは近隣の民族間で騙し合いを繰り返さなければならなかったこと。膨大な時間の中、何度も挫折を繰り返したであろう実質的・精神的な独立への悲願が込められていると感じずにはいられませんでした。

隣国の真の独立に向けて、これからまだ困難な課題がいくつもあるでしょう。カギを握っているのはアメリカだと思っています。これまでのアメリカであれば、その裏に存在していた支配層の思惑によって、いわゆるグローバリズムの波に飲み込み、経済面からの支配を実現しようとしたのでしょうが、その構造自体が現在は大きな変革の時を迎えており、そのために現在アメリカは、政府も一般社会も激動の状態のようです。このことは恐らく天王星のサイン移動とも間接的な関係があると思うのですが、ここでは割愛します。

いずれにしても、資本主義のもとに世界を牛耳ってきた勢力に主権をもっていかれないような、とても難しい対応をしなければならないでしょう。恐らく北朝鮮は、すでにその傀儡と化していた韓国とともにどうやってそこから再生するかをずっと模索してきたのだろうと思います。韓国もまた、実質的に他国の支配下にあるような状態の自国環境の中で長い間揺れ動きながら、ここまでたどり着いたのでしょう。これからの動きによって、彼らの民族の悲願が達成されるよう、見守っていきたいと思います。

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では、このような極めて歴史的で劇的な出来事を目の当たりにして、隣国の住人として多くの日本人は何を思ったのでしょうか?

もしかしたら、朝鮮半島の両国が戦争状態であったことを知らなかった人も少なくないかもしれません。そして、その戦争の終戦に向けた動きが現実のものとなったことも、あまりピンと来ないかもしれません。それは悲しいことですが、仕方がなかったかもしれません。大きく見れば、メディアというものはずっと、そのために戦略的に活用されてきたところがあるからです。さらに、とくにこの6~7年ほどの情報統制は著しく、開かれた情報は一般社会にはあまり素直に公開されておらず、閉塞的であると感じます。

しかし、このような閉塞的な空気感のなかを耐え続けた人々は、先だってのニュースについてたとえ意味は理解はできなかったとしても、心理の根底において、平和あるいはこの閉塞感からの解放への願いを刺激されたのではないでしょうか。そのために、見過ごしてはならない多くの課題に対してそれぞれが見える範囲からでも向き合い、ひとりひとりができることから行動を開始することをこの時代と国は欲しています。隣国の歴史の転換劇は、我々にとって「覚醒のための号令」と言えるのではないかと思います。

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そういえば、つい先日もタゲそらしのために引き合いに出された芸能スキャンダル系のニュースがいくつかありますが、今回は目立った影響を与えるような表示があるようには見えませんでした。だいたいこの手のニュースは、失脚の危機があるときなどに撒かれることが多いのですが、いい加減そのパターンに気づいた方もたくさんお見えになるのではないでしょうか…。

 

根拠とした要素

アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの出発点)

♋蟹座26°「高価な住宅の密集する渓谷に吹く暴風」

解説用:ASCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

蟹座の象意の中には「保護」「防御」といったものがあります。

このシンボルは、たとえどんなに大きな社会的な成功・富をもってしても、人の力による「危機からの防御」は決して完全になることはなく、人は永遠に自然の驚異に挑みながら生きることを宿命づけられている ということを意味しています。

成立しているアスペクト

  • ASC・天王星・火星+冥王星-Tスクエア
  • 木星-トライン

ASCおよびMCの位置は、先日の新月のときとサインが同一であり、度数も1度しか違いません。ベースとなる空気感はほぼ同じであると考えられます。新月より引き続き、保守的で防御一辺倒な姿勢を、衝撃的な出来事によって改めさせられるような流れの中にいることを暗示しています。

 

ASCルーラー(支配星)の状況

今回のASCの支配星は月です。月は♏蠍座・第4ハウスに位置しています。

解説用:ASCルーラーとアスペクト

成立しているアスペクト

  • 太陽-オポジション(=満月)
  • 満月・土星-メディテーション
  • 海王星-トライン

新月の時と同じように、月はこの満月のタイミングでもASCルーラーであり、この時期のスタンスを直接支配しています。人々が自らの民族性について心静かに考えるきっかけを与えられたことが示されているように思います。(社会的な)感情面では比較的落ち着きがある状況に思えます。前半は世間的にはちょうどゴールデンウィークの期間にあたりますので、そういったことも暗示されているのでしょう。いったん休息し、充電する期間と見ることもできそうです。

人によっては、自らの心の奥深くを見つめる機会を得られるかもしれません。

 

MC(集合的エネルギーが向かう先)

♈牡羊座13°「男と女のそばでとぐろを巻く蛇」

解説用:MCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

牡羊座の概念には「自意識の確立」というものがあり、この確立の過程の中で支配または被支配に固執することがあります。

このシンボルは、逃れたくても逃れられない宿命を、敢えて受け入れる必要があることを暗示しています。常につきまとう忌まわしき何かとは、自己の器を完全にするための試練であり、素材であるということです。見たくないものにフタをしてその支配から逃れようともがいても、結局はいつも別の形になってまた目の前に現れるだけなのです。支配から脱却するには、試練に向き合い、受け入れることで成長を遂げるより他ないのです。

成立しているアスペクト

  • 水星-コンジャンクション
  • 火星+冥王星-スクエア
  • 土星-スクエア

「観念して受け入れる」というキーワードは、前回の新月の時に書いたメッセージそのものだということに気づきました。この時期のベクトルが向かう先を示すMCに宿るメッセージは、コンジャンクションした水星の力を借りて、具体的な言葉や情報となって広く人々に伝播されるのかもしれません。

このような動向は、マンデーンのチャートを解読する際に国家の意志を為政者の意志と見なすならば、それとは対立するのでしょうが、国家を構成する基盤である民衆の根源的欲求の集合をその意志とみなすならば、強い抑圧とのせめぎ合いの末に起こる、爆裂的な変革の兆しを示すのだと思います。

 

MCルーラー(支配星)の状況

今回のMCの支配星は火星です。火星は♑山羊座・第6ハウスに位置しています。

解説用:MCルーラーとアスペクト

成立しているアスペクト

  • 冥王星-コンジャンクション
  • 金星-セスキコードレート
  • 木星-セクスタイル
  • 火星+冥王星・天王星・ASC-Tスクエア

今回の火星は第6ハウスといえどほぼDES上にあり、この時期の国内状況の進展は、外交状況の活性化の影響を大きく受けることになることを示しているように思います。米朝首脳会談の行方次第だとも考えられます。

サインは♑山羊座ですから、この時期の日本の外交姿勢自体はおそらく強硬路線だと思います。これはいわゆる「最大限の圧力を継続する」というセリフに代表されるようなものです。良い結果を生むとはとても思えませんが。

我々国民がその雰囲気にのまれないようにすることを心がけるための教訓として、この配置を利用すればよいでしょう。


社会の基本的な動向

今回の満月の要素と、成立しているアスペクトから基本的な動向を考えます。

解説用:満月とアスペクト(ノード含む)

考えられるこの時期の状況

人々の関心は、自らの自意識や民族意識がどこから来るのか?というところに向きやすかったり、また豊かさの定義あるいは働くことの意義について、さらに考えや議論が進んだりしそうです。とくに国家的アイデンティティの面で大いに考えさせられるような出来事などがやってくるのかもしれません。いまはちょうど日本という国の価値が、国内の人から見ても、世界の人々から見ても薄れてきているところです。内政や外交などから見える政治的姿勢、生産品の品質の虚偽、入り乱れる世論の中に漂う精神的に未成熟な価値観など、焦点となるポイントはいくつかあると思いますが、結局のところ、健全な自立心があまり育っていない、またそれらを育てる力を失っている というところに帰結するように思えてなりません。

我々はまず、自分自身でこれを育てなおすところから始めなければならないのだと思います。子どもの教育がどうこうという前に、教育する側の問題を解決するほうが先です。

社会の中に生きる個人のスタンス

広い社会に自らの足跡を残し、またこれまでの月日の中で懸命に耕した分の実りを得るために全身を使って活動する反面、自らの深部の中に自らの居場所を見出そうとするような時期と言えそうです。日々を確実に生き抜くための活動を続けながらも、いつか緩やかな自己解放が叶うことを密かに望んでいる人はきっと多いと思います。

人によっては、目の前の現実の世界ではうまくいっていて、物質的あるいは社会的な豊かさは得られていたとしても、果たして今の自己の姿は本心から望んだものなのか?ということについて疑問が消えずに、自己像の再構築を始めるかもしれません。それは新しく創り出すのではなく、もともと自分の中に持っていたものを表に出し、はっきりとした形にするということです。他者から見れば新しいあなたであっても、あなた自身にとってはおそらく「本来の自分を思い出した」という結果にすぎないでしょう。

根拠とした要素

満月のサインおよび満月とアスペクトをとる天体との関係から考えています。

満月のサインとハウス

今回の満月は「♏蠍座・第4ハウス」に位置しています。対となる太陽は「♉牡牛座・第10ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♏蠍座-♉牡牛座のラインは「精神的価値と物理的価値」を示します。この対は、世の中に存在するすべての価値に感謝し、その実りを享受して自らの生命力に変換することを示します。

♏蠍座の月(第4ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 自らのルーツについて深く心を寄せる
  • 信頼のおける限られた人を受け入れるための器をつくる

♉牡牛座の太陽(第10ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 実質的な能力あるいは資産等を用いて社会での活動に臨み、確かな実績を得ることを目指す
  • 世の中のすべてを体感し、たとえ遅くとも一歩一歩着実に歩むことで社会的価値を構築する

成立しているアスペクト

今回の満月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • 満月・ノード軸-グランドクロス(フィクスドサイン)
  • 満月・土星-メディテーション
  • 月・海王星-トライン

月相図では、いつもはノード軸とのアスペクトは考慮していませんが、今回はほぼ正確なグランドクロスを形成していたため、アスペクトリストにあげました。なお、満月とノード軸のグランドクロスは、今年の♉牡牛座の満月の時にもう一度形成されます。このときもほぼ正確なグランドクロスです。


補助要素

満月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。

水星

解説図:水星とアスペクト

水星は♈牡羊座・第9ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • MC-コンジャンクション
  • 土星-スクエア

第9ハウスといってもほぼMCと同じ度数でコンジャンクションしています。先にも記述したのですが、これまで見ないようにフタをし続けたことから、これ以上目を背けてはならない ということをメッセージ化するような出来事が起こるのではないか?と想像しています。ただ、恐らくそのメッセージがすんなりとは発信されず、何らかのプレッシャーを強力にかけられると思われますので、実際に具現化するかどうかは怪しいところですが…。

 

金星

解説図:金星とアスペクト

金星は♊双子座・第11ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 火星+冥王星-セスキコードレート

双子座に入った金星は第11ハウスに位置していて、この時期は議会での議論がより旺盛になる雰囲気が醸し出されています。引き続き、主に行政に対する様々な追求が続きそうですが、進展具合は少しもどかしいものになるかもしれません。

 

天王星

解説図:天王星とアスペクト

天王星は♈牡羊座・第10ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 天王星・火星+冥王星・ASC-Tスクエア
  • 海王星-セミスクエア

天王星は、次の新月の翌日にサイン移動を控えています。先だっての南北首脳会談による歴史の転換は、自己意識の変革を促す牡羊座天王星の最後のギフトだったのではないかと思っています。その天王星は、魚座にある海王星とセミスクエアを形成しはじめました。この配置は、覚醒を遂げようとする意識に対して、一時的な「迷い」や「ゆらぎ」を生じさせるように見えます。しかし、それは自然なことです。「迷い」や「ゆらぎ」のない意識は、いずれ硬直化してしまいます。今後の進化の中でしなやかさを失わないための、一つのプロセスだと受け止めましょう。

 

冥王星

解説用:冥王星とアスペクト

冥王星は♑山羊座・第6ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 火星-コンジャンクション
  • 水星+MC-スクエア
  • 金星-セスキコードレート
  • 木星・海王星・冥王星-小三角
  • 火星+冥王星・天王星・ASC-Tスクエア

山羊座に位置する火星と冥王星のコンジャンクションは、物理面あるいは秩序面において社会を作り変えるためのエネルギーが極大化した状態で発揮されることを示します。満月から次の新月までの半月の間に、この2つの天体が示すように、おそらく軍事面の問題をえぐる動きが最大化するのではないかと考えてます。閉塞的な世論情勢に大きな風穴を開けることができるのか、様子を見守りたいと思います。

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