2018年7月28日:水瓶座の満月(皆既月蝕)

アイキャッチ:月蝕

これまで挫折することの多い人生だったなら
その傷口とあざの分だけ角が取れて
今ゆがみのない真円の太陽になっている

これまで理不尽と向き合い続けた人生だったなら
その思考の複雑さの分だけ磨き上げられて
今精巧な銀細工の満月の器になっている

今あなたはここで鏡の力を借りて
目を逸らさず正面から向き合う時が来たのだ
鏡はいつだって正しく教えてくれる
それがあなたの姿なのだと

真円の太陽は
揺るぎない意志の下に混迷の世界を照らし
霧の中に迷える人々のための黄金の灯台となる

銀細工の満月の器は
翼持たぬ人々の代わりに天の星屑を集めて
枯れ果てた地に住まう人々のための智慧の泉となる

天はいつだって心に語りかけてくれる
それがあなたの輝き方なのだと

そして何度でも諦めずに教えてくれる

あなたの輝き方が唯一無二であるように
すべての人には唯一無二の輝き方があるのだと
輝くとはただ強く光ることだけを言うのではないのだと
その人が自らの生まれてきた理由を取り戻すことが大切なのだと

トランジット図:2018年7月28日 5時20分


今回の表現のテーマ

満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えます。

  • 自らの生き様と理念を堂々と、しかしニュートラルに示す
  • 強い意志と大局観を併せ持ち、ぶれずに前進する力をもって闇を照らし腐敗を処置する
  • 普遍的な幸福が真の普遍であるために、現状の価値観を大胆に破壊し再構築する

解釈について

表現するテーマを決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項

  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。

背景に漂う空気感

「嵐の時期の幕開け」という言葉がふさわしそうな、激しい動きが続く目まぐるしい期間となるでしょう。これまでに溜め続けた不満や怒りの噴出は派手になり、いやがおうにも周囲の人は皆そちらに引きつけられていきそうです。怒りの矛先は主に国防・医療・福祉・行政、あるいは外交などにも多少向かっていきそうです。ただ、怒りといっても感情的要素というよりは、数々の問題が原因不明であることや、解決策のなさに対しての苛立ちのほうが強いかもしれません。

このようなムーブメントが全体的な議論を求める空気の醸成に繋がれば、建設的な動きであるといえるでしょう。たとえ中身の意見は玉石混合であっても、まずは議論すること、それから議論のためには知識や広い視野が必要であり、その不足を少しずつでも補うことが大切であることが浸透さえすれば、今はよいと思います。というか、現実的に考えれば、そこからしか始められないだろうと思います。

議論をする際に忘れてはならないことは、議論は何らかの勝敗を決するためにあるのではなく、多くの存在にとっての最適解を探るためにあるということです。議論の帰結点を感情面でとらえるのは、全く意味がないことです。

いろいろな方面で、とてつもなく規模の大きな嘘と、その下に隠され続けてきた真実が明るみに出始めています。「嵐の時期」は今後数年にわたって世界全体を覆いつくし、ここ日本にも多大な影響を与えると、もうずっと前から言われ続けています。人類全体にとって普遍的な幸福を自然に享受できる世の中へと変革するために、私たちに必要なことは、まず外界の多くを知り、そこに興味を持ってみることでしょう。

根拠とした要素

アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの出発点)

♌獅子座10°「大きなオークの木の枝から吊されたブランコで遊ぶ子供たち」

アスペクト解説用:ASCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

獅子座は「創造」「意志」「表現」「顕示」「賞賛」「悦楽」「遊戯」「誇り」などを示すサインです。このシンボルは、獅子座の象意のうち「創造性」や「遊戯性」のはたらきをテーマとしています。

シンボルに登場する「オーク(oak)」は、英語では「楢(ナラ)」の樹を指すそうです。近い種である「樫(カシ)」と訳されるケースも多いと言われます。なお、「樫(カシ)」は英語では「live oak」となるようですが、これは「樫を限定的に表現したい場合に」ということだそうで、ちょっと複雑です。

古い時代から現在までをゆったりと長く生きてきた大きなオークの樹には、自然界の叡智が宿っており、それは我々人類の知見などはるかに超越するものです。子どもたちは、揺るぎなく大地に立つ巨木に守られながら、あらゆる遊び方を考えたり試したりして、自由にのびのびと遊びまわります。好奇心と遊びへの純粋な欲求が頭脳を刺激し、それこそが輝かしい創造力を生みだすのです。このようなはたらきは「思想遊戯」という言葉で表現されることもあります。

成立しているアスペクト

  • 満月+火星+ノード軸-コンジャンクション
  • 木星-スクエア

満月の軸・ノード軸がほぼ一致していて、なかなか派手な配置です。そして、ほとんどくっついているこの2つの軸には火星が加わっており、2つの軸に着火しているような印象を受けます。木星のスクエアは、この火のついた2つの軸のエネルギーをさらに激しく膨張させるべく存在しているかのようです。良くも悪くも、活発で非常ににぎやかな世論情勢になると思われます。

ASCルーラー(支配星)の状況

今回のASCの支配星は太陽です。太陽は♌獅子座・第12ハウスに位置しています。

アスペクト解説用:太陽とアスペクト

成立しているアスペクト

  • 満月+火星+ノード軸・天王星-Tスクエア
  • 金星-セミスクエア
  • 土星-クィンカンクス

この太陽は第12ハウスに入っていますが、ASCにほど近く「上昇星(ライジングプラネット)」とみなしてよいと思います。そのため今回の太陽は、隠遁のハウスとも言われる領域にあるにもかかわらず、強烈にその存在感を主張しており、実際の現実世界にもその影響力を反映するものと考えられます。

太陽は国にとっての元首・施政者を示します。この月蝕の影響力が強くはたらく期間中に、元首あるいは施政者は、なんらかのリセットを迫られるか、リセットにつながる出来事が発生する可能性が考えられます。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

♉牡牛座2°「開花した三つ葉の芝に自然な歩みで入り込む」

アスペクト解説用:MCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

牡牛座は「資源」「豊穣」「肉体」「官能」「大地(地盤・地球)」「所有」「金銭」「生命力」「充足」などを示すサインです。このシンボルでは、とくに「豊穣」と「充足」についてクローズアップされています。

「開花した三つ葉の芝」とはみずみずしい緑の大地を示しています。これは日常的な地盤を意味するといわれますが、美しい命の生き生きとしたエネルギーに満ちた世界を容易に想像できますし、ともすればそれは今日において、都心のような場所に暮らしている人にとっては遠い憧れの対象ですらある光景です。生命体としての「普遍的な幸福」と考えてもよいと思います。このとき誤解しないように気を付けなければならないことは、「普遍」とはマジョリティのことを指すのではなく、すべてに通ずるものという意味であることです。

その芝生の中にごく自然な足取りで分け入り、命ある存在であることに歓びを感じ、「普遍的な幸福」を全身で享受するのです。そして、そこに何の疑問もためらいもない様子をこのシンボルは描いているのです。

成立しているアスペクト

  • MC+天王星・満月+火星+ノード軸-Tスクエア
  • 土星-トライン
  • 海王星-セミスクエア

MCのシンボル自体は幸せそうなものなのに、そのMCに密着している天王星とともに形成されているTスクエアが激しい変化を突き付けています。土星は少しでも安定させようと下から支えてくれていますが、Tスクエアが目立ちすぎていてほとんどこちらの作用だけが見える状況になりそうな。

結果的にこの時期の終着点は、波乱やハプニングなのではないかと感じます。ただ、世の中がもし大きな波乱を乗り越えることができたなら、「これからの新時代にふさわしい普遍的な幸福」像を描き出すことに成功するかもしれません。

MCルーラー(支配星)の状況

今回のMCの支配星は金星です。金星は♍乙女座・第2ハウスに位置しています。

アスペクト解説用:金星とアスペクト

成立しているアスペクト

  • 太陽+ドラゴンヘッド-セミスクエア
  • 月+火星+ドラゴンテイル-セスキコードレート
  • 天王星-セスキコードレート
  • 金星・木星・海王星・冥王星-クレイドル

第2ハウスに入っている金星は、水星・土星以外のすべての天体とアスペクトを形成していて影響範囲がとても広いです。この時期は、一時的に景気が好調あるいは安定してきているような雰囲気が漂いそうです。しかし、終盤までにはそのような雰囲気はひっくり返されそうです。


社会の基本的な動向

今回の満月の要素と、成立しているアスペクトから基本的な動向を考えます。

アスペクト解説用:満月とアスペクト

考えられるこの時期の状況

今回は月蝕でありながらほぼASC-DESラインで生じることや、ノード軸ともほぼ一致した状態になることから、もしかすると施政者の進退の分かれ目になる可能性もあるかと思います。通常そのタイミングは日蝕だと言われますが、MCとほぼ完全に重なる天王星とのTスクエアも加味すれば、何かがリセットされると解釈するには十分ではないかと思います。

施政者は、表舞台への登場をしばらく避ける傾向がでるかもしれません。逆に国民は施政者に対して政治責任を果たすよう迫りたい思いがより強まるでしょう。とくに、度重なる災害によって被災した方からすれば当然ではないでしょうか。その権利はもともと持っているのですし、むしろ強く迫って然るべきだと思います。

根拠とした要素

満月のサインおよび満月とアスペクトをとる天体との関係から考えています。

満月のサインとハウス

今回の満月は「♒水瓶座・第6ハウス」に位置しています。対となる太陽は「♌獅子座・第12ハウス」に位置しています。

1ヶ月の折り返し地点とも言える満月は、第6-12ハウスで成立しています。この対のハウスは非常に解釈が難しいですが、ざっくりと表現するならば、好ましい方向としては「貢献と救済」「物理的な治癒と精神的な治癒」、好ましくない方向としては「自主性の喪失」「囚われ」を示すフィールドだと思います。

ところがサインで見ると、水瓶座-獅子座のラインは強い「創造」の力を意味します。自らの中にあるものを世界に向かって放出するエネルギーを強く持ちますので、ハウスの象意と天体の象意は一見相反するように見えます。しかしおそらくですが、その輝くばかりの創造力を、自らの満足のためではなく、社会の一員としての貢献と人々の心身の救済のためにありったけ発揮せよ ということを意味しているのだと思います。

ただ、そのように創造力を使うには、やはり自分自身の軸となるアイデンティティやヴィビジョンがしっかりと確立している必要があります。

サインの基本的な概念

♒水瓶座-♌獅子座のラインは「希望」「創造」「オリジナリティ」「カリスマ性」などを示します。この対は、水瓶座は「(過去からつながる)未来」、獅子座は「現在」の時間軸を意識しています。いずれも高い創造性を発揮する力を持っており、そのベクトルは常に未来に向かっています。

♒水瓶座の月(第6ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 特定の人に情を傾けすぎることなく、大切な世界全体を見守り続けたいと願う
  • 誰にもできない発想や着眼点をもって大小さまざまな問題の原因を見つけ、持ち前の技術でその解決を図ることで人々に貢献したいと願う

♌獅子座の太陽(第12ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 自らの個性を発揮することをためらう
  • 一般社会から隔てられた場所のなかで無限の創造性や表現力を発揮する
  • 自らの生き様を余すところなく表現することで、他者の内面を照らし生きる力を呼び醒ます

成立しているアスペクト

今回の満月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • 満月+火星+ノード軸・MC+天王星-Tスクエア
  • 金星-セスキコードレート
  • 土星-セミセクスタイル

時勢を示すASC・MCを直接巻き込み、火星・天王星という激しいエネルギーを持つ天体からのエネルギーを受けています。夏の盛りにふさわしいとても派手なアスペクトです。

およそ半年前に起こった水瓶座の日蝕は、私たちのすべてに覚醒への覚悟を促していました。今回の月蝕では、その覚悟が真実であったかどうか、そしてそこからどれだけ成長を遂げたのか、自らのエネルギーのすべてを解放して社会にどれくらい還元できる力をつけたのかを試されるように感じます。


補助要素

満月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。

水星

アスペクト解説用:水星とアスペクト

水星は♌獅子座・第1ハウスに位置しています。アスペクトはありません。

世論の状態を示す第1ハウスにノーアスペクトの水星があります。なお、この水星は逆行を始めたところですが、私は「逆行」という現象について、あまり重要性が高いとは思っていません。ただ今回はノーアスペクトであるため、多少目立つのかもしれませんが。

ある意図を持った世論を形成するために情報戦が目立つか、人々が世相についての自己主張を激しく行いやすいかのどちらかになると思います。

火星

アスペクト解説用:火星とアスペクト

火星は♒水瓶座・第6ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 火星+満月+ノード軸・MC+天王星・ASC-Tスクエア
  • 金星-セスキコードレート
  • 土星-セミセクスタイル

満月の前向きな意志をさらに強化するように並び立つ姿が印象的な今回の火星です。ただ、前衛的な姿勢が強くなりすぎると、持てるエネルギーは攻撃へと姿を変えていきますし、攻撃性が加速しやすい状況が成立してもいますので、武器の取扱いにはくれぐれも注意が必要でしょう。何のために、どこに対してその武器を振るう必要があるのか?を常に忘れないようにしなければと思います。

今回の満月および火星の象意が、国防方面に出るか?復興方面に出るか?というと正直なところわかりません…。が、どちらに出たとしても、自分たちの国内にある膨大な問題を解決しようとする意識が強まることはおそらく変わりないと思います。

木星

アスペクト解説用:木星とアスペクト

木星は♏蠍座・第4ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 木星・金星・海王星・冥王星-クレイドル
  • ASC-スクエア

傷つきすぎている国土について社会全体の関心が向かうことを意味していると考えます。国内あるいは国外からの、被災地への支援なども集まってくるのかな…などと考えていたら、この月蝕の幕開けがどうやら台風に荒らされそうですね。いずれにしても、しばらくの間は各地の被災状況のニュースで持ちきりになりそうです。

土星

アスペクト解説用:土星とアスペクト

土星は♑山羊座・第5ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 太陽-クィンカンクス
  • 月+火星-セミセクスタイル
  • 天王星+MC-トライン

世間を賑やかすためのニュースはしばらく影を潜めそうです。そのかわりに政治スキャンダルの話題が何か持ちあがってくるかもしれません。しかも、この国の世論や政治体制の流れを変えるのに十分なくらいの内容かも。

天王星

アスペクト解説用:天王星とアスペクト

天王星は♉牡牛座・第10ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 天王星+MC・満月+火星・ノード軸-Tスクエア
  • 金星-セスキコードレート
  • 土星-トライン
  • 海王星-セミスクエア

天王星は相変わらずアスペクトが多いです。そして今回はMC上に鎮座していてこれでもかというくらい目立っています。

台風とともに幕開けする水瓶座の月蝕期が、嵐のような展開になることをそのまま暗示しているかのようにも見えてしまいます。果たしてこの強烈な嵐は、国内の澱んだ空気を祓い去るための一歩になるでしょうか?

海王星

アスペクト解説:海王星とアスペクト

海王星は♓魚座・第8ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 海王星・金星・木星・冥王星-クレイドル
  • 天王星+MC-セミスクエア

先日、日銀が個人向け投資信託の家計保有額の計上を「30兆円」も誤っていたというニュースが流れました。どうやったら30兆円も誤計上して気づかないのでしょうか。不自然すぎますし、理解できません。

今回の海王星の配置は、この一件をはじめとする出来事に関連しているのではないかと考えています。だとすればすでに、海王星を含むクレイドルの象意は最終的にひっくり返される ということそのままにも思えます。

冥王星

アスペクト解説用:冥王星とアスペクト

冥王星は♑山羊座・第6ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 冥王星・金星・木星・海王星-クレイドル

今回の冥王星はクレイドルの構成員であるのみで、先回の日蝕の時のような存在感はありません。


今このときを生きる人へ

今回の月蝕は、約半年前の日蝕の時に書いた「覚醒と覚悟」というフレーズを思い出させてくれます。そして、こう問いかけています。

あの時の覚悟は真実だったのか?
その覚悟をもって今、この世界の中で、誰かのために、自らのために何を為そうとしているのか?

これから来る嵐のような時代を生き抜く覚悟はできたのか?
自分自身の理念の軸は築けたか?

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