2018年8月26日:魚座の満月

アイキャッチ:満月

ここまでひたすら歩いてきて
がむしゃらに前にだけ進んできて

この道を進めば勝利を掴める
そうやって生きてきて

いつしか勝利だけが生きがいになって
何のために勝利するのかも忘れて

僕はいつしかただのハリボテになって
去りゆく夏の嵐に叩きのめされたんだ

当然だよ
仕方ないよね

中身のない自分に
まるで気づいていなかったんだから

潔く負けを認めて
それまでの自分を終わりにしよう

ねえ聴こえるかい?
心の中の僕

今立つ大地にあったはずの
うっすらと消えかけている道は見えるかい?
いつしかどこに繋がっているかも
君は忘れてしまったかもしれないけど

その道は乾いた涙を取り戻すための
満月の海に繋がっているんだ
その海こそ世界に人心を取り戻せると信じて
君は進んでいたのではなかったのかい?

トランジット図:2018年8月26日 20時57分


今回の表現のテーマ

満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えます。

  • 負けを認める器量を問われる
  • 今立っている地点を一旦整地し、人々の心に潤いをもたらす広い海へとつながりに行く
  • 自分の意志と力で、夢を現実に反映することができると信じる

解釈について

表現するテーマを決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項

  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。

背景に漂う空気感

人々への貢献意欲と分け隔てない慈愛の心を持って、個々の意識の隔たりに橋をかけて他者との意識の交流を果たすことをまず求められているように思います。我々はこの社会に対して、今までの無関心に対する反省を持って過去や現在と向き合い、その上で新しく「整地」をするためにどうしたらよいかを考え、その実現に取り組むよう促されます。

また、黙々と整地に取り組むだけでなく、その傾向はかなりストイックになったり、実利主義的な考え方に傾きすぎたり、あるいはただ単に黙々とした状態が発生すると、やがてより高い改革意識なども湧き上がってきて、さらなる問題点の指摘や批判なども高まってくると思われます。

2018年も夏が終わり、もう少し経つと秋分を迎えます。その頃にはおそらく今後の日本の行く先を物語るような大きな流れがまたやってくるだろうと私は考えているのですが、その助走期間として、この満月の期間と、次の新月の期間があると捉えています。

根拠とした要素

アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの出発点)

♉牡牛座5°「峡谷にかかるカンチレバー橋」

解説用:ASCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

牡牛座は「資源」「豊穣」「肉体」「官能」「大地(地盤・地球)」「所有」「金銭」「生命力」「充足」などを示すサインです。このシンボルは、牡牛座の象意のうち「豊穣」の発展について成長を促されます。

渓谷とは個々を隔てる溝を意味していますが、ここに橋をかけて個々の交流を生み出し、協力することの大切さをこのシンボルでは示しています。なぜ個人の自我と資質があり、なぜそれぞれが異っているのかということを深く考えることで、人はその意味を見出し、渓谷に橋を架けるに至るのです。これは、人という存在が自己の限界を正しく認識した結果、大いなる豊かさを生み出すことは、一人の力では絶対に不可能なのだという原始的な気づきに至ることを表しています。

成立しているアスペクト

  • ASC+天王星・満月・土星-カイト
  • 火星-スクエア

今回ASCは満月のカイトの一端を担っています。満月以外にカイトを構成するのはASCにコンジャンクションしている天王星と、トラインを結ぶ土星です。今回のカイトのベースは強力な地のグランドトラインで、これまでの歴史が積み上げてきた実績と、それを上回る革新意識の調和の下に、新時代のベースを作り上げ、人々の世に役立てようとするブレない意志によって、徐々に実現の方向に向かっていきます。そこに満月のもたらす見果てぬ夢のエネルギーがチャージされ、みずみずしく豊かに輝きます。分断されている個人同士の意識に橋を架け、繋がりあって協力するイメージを現実のものにしようと着実に行動する潮流を生み出すものと思います。

一方で山羊座にある逆行中の火星はスクエアの配置です。この逆行は8月28日には終了し、火星は再び水瓶座へと移動します。カイトの見据えたビジョンの実現のために、過剰なまでに働くことや実利主義になること、あるいは見ているビジョンに対するさらなる革新性を要求し続けるより一層の挑戦心を煽ると思われます。

ASCルーラー(支配星)の状況

今回のASCの支配星は金星です。金星は♎天秤座・第6ハウスに位置しています。

解説用:ASCルーラーとアスペクト

成立しているアスペクト

  • 太陽-セミスクエア
  • 月-セスキコードレート
  • 水星-セクスタイル
  • 冥王星-スクエア
  • MC-スクエア

金星に対するアスペクトはなかなか大変なものばかりだなという印象です。

入室している第6ハウスについては、もう本当にこのハウスが示す分野のニュースが多すぎて何のことを指しているかも特定しづらい状況です。沖縄の普天間基地移設(辺野古)問題、医学部の不正入学、医師雇用上の性差別、オスプレイの本土配置、災害復旧と防災インフラの整備、障碍者雇用問題…本当にきりがありません。概ねどの問題も、見通しや考えの甘さを指摘され続ける結果になるのではないかとみています。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

♑山羊座21°「敗北を清く受け入れることで、将軍は、高貴な性格を明らかにする」

解説用:MCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

山羊座は「建国」「公共」「実績」「秩序」「責任」「統率」「野心」「権威・権力」「名誉・名声」「使役」「歴史」「時代」などを象徴するサインです。このシンボルでは、山羊座の象意のうち「実績」と「名声・名誉」、そして「責任」に基づいた選択の意味について問うています。

競争には常に勝敗がつきまといます。どんなに立場ある者にも、それは等しく存在することです。自らの立場が上になればなるほど、人は自らの敗北を求めることが難しくなっていきますが、自らの名声や名誉を守ることに固執せず潔くそれを認めることで、むしろ立場ある者としての責任を果たし、組織全体のさらなる成長につなげることができます。また、たとえ無意識的にでも、自らの人としての器が成熟していることを、確実に他者にむかって証明することになります。挫折と共にそれまでのストーリーに終焉を迎えても、その終焉の瞬間から次の成長のストーリーが始まっていることを、このシンボルは我々に教示します。

成立しているアスペクト

  • 火星-コンジャンクション
  • 冥王星-コンジャンクション
  • 金星-スクエア
  • 木星-セクスタイル

この満月の示す時期が「大きな挫折による転換劇の開始」の時期であることを象徴しているかのようです。生半可な転換劇では許されないでしょうから、それが避けて通れない試練であるということが人々の心に刷り込まれるような大きな出来事が起こることも考えられます。

MCルーラー(支配星)の状況

今回のMCの支配星は土星です。土星は♑山羊座・第9ハウスに位置しています。

解説用:MCルーラーとアスペクト

成立しているアスペクト

  • 土星・満月・天王星+ASC-カイト
  • 木星-セミスクエア

MCルーラーである土星も、満月を軸にしたカイトの一端を担っています。

第9ハウスにからむ事象において私が最も気にしているのは改憲の話題です。自民党総裁選が行われるのは次の新月の10日ほど後ですが、それまでの間にもこの話題は何かしらニュースに上るのではないかとみています。何しろ、現首相の悲願ですからね。それが本当に純粋なご本人の意志として育まれてきたものかどうかは別として。この話題自体は、テンションは低めながらも概ね仕掛けている側の思うように進んでいくのではないかと考えています。

他に、第9ハウスに関連する目立った事件としては、ASCルーラーの項と被りますが、医学部の不正入学等の問題、TPP関連、米中貿易摩擦問題などがあります。


社会の基本的な動向

今回の満月の要素と、成立しているアスペクトから基本的な動向を考えます。

解説用:満月とアスペクト

考えられるこの時期の状況

施政者は自らが社会の注目を集めることを望み、そのように社会を動かしていきます。ちょうど自民党総裁選がありますから、今回の満月はわかりやすくこのことに関連した動向を象徴しているものだと考えられます。もともと社会的に注目を集めることが好きだと思いますので、単に自然にそうなる気もしますが。その姿勢はやや過剰になり、それに比例してメディアを使用した演出も少々過剰になるのではないかなと思います。

大衆はどう反応するか少し疑問です。カイトの意味を考えれば概ね安定して受け入れられるのかなと考えられますが、少し「くどい」と感じるかも知れません。人によっては拒絶反応が出たり、息苦しさを感じた場合、気づかないところで反発心が成長する働きに変化する可能性も考えられます。

根拠とした要素

満月のサインおよび満月とアスペクトをとる天体との関係から考えています。

満月のサインとハウス

今回の満月は「♓魚座・第11ハウス」に位置しています。対となる太陽は「♍乙女座・第5ハウス」に位置しています。

1ヶ月の折り返し地点とも言える満月は、第5-11ハウスで成立しています。この対のハウスは未来創造に関わるハウスの組み合わせです。

サインの基本的な概念

♓魚座-♍乙女座のラインは奉仕と治癒に関わっています。

♓魚座の月(第11ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 広く人類規模のコミュニティに対して無限の共感性を示す

♍乙女座の太陽(第5ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 自らに与えられた使命を果たすために何かを創造することに取り組む
  • 自らが表舞台に立ち注目を集めることを、自らの使命や役割だととらえて周囲に求められている自己像を創り出す

成立しているアスペクト

今回の満月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • 満月・土星・天王星+ASC-カイト
  • 金星-セミスクエア(太陽)
  • 金星-セスキコードレート(月)
  • 冥王星-セミスクエア(月)
  • 冥王星-セスキコードレート(太陽)

ASCやMCの項目でも書きましたが、今回は満月を中心とした強力なカイトが形成されています。地のグランドトラインを貫くように魚座の満月が位置しており、盤石な大地に神の恵みたる豊かな海の広がりを見るようです。安定感のある社会基盤の上に、並々と注がれていく人々と神々の愛の中に溶け込もうとする、まるで我々の集合無意識の姿を見ているようでもあります。

一方でこのカイトの軸である満月には、金星・冥王星からそれぞれセミスクエアとセスキコードレートというじれったいアスペクトがかかっています。これらの天体は、夢見ている世界の実現は一筋縄ではいかないのだ ということを改めて知らせに来ています。

よくよくみると、この満月にかかっているアスペクトは、すべて今回の強いキーとなる天体によって構成されています。


補助要素

満月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。

水星

解説用:水星とアスペクト

水星は♌獅子座・第4ハウス終盤に位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 金星-セクスタイル
  • 木星-スクエア
  • 海王星-クィンカンクス

引き続き国内環境のニュース、とくに災害復興に関わるものや地方自治、農業や漁業生産に関するものなどが絶えないでしょう。

火星

解説用:火星とアスペクト

火星は♑山羊座・第10ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 天王星-スクエア
  • 海王星-セミスクエア
  • ASC-スクエア
  • MC-コンジャンクション

与党は、主体である自民党が総裁選の動きに入り、騒々しくなるのでしょう。この総裁選は結局一騎打ちになったようです。また、総裁選と沖縄知事選が立て続けに行われますが、これらの結果が今後の日本をかなり大きく左右する出来事でもあるために、やはり注目しておくべきところでしょう。

木星

解説用:木星とアスペクト

木星は♏蠍座・第7ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 木星・海王星・冥王星-小三角
  • 水星-スクエア
  • 土星-セミスクエア
  • MC-セクスタイル

外交を示す第7ハウスに木星が入ることで、この部分にもこの時期のニュースの潮流が集中しそうに思います。最近の出来事としてはアメリカのトランプ政権と北朝鮮の融和ムードが陰っていることと、米中貿易摩擦のことが大きいと思います。配置的には、この期間は貿易摩擦の件のほうが目立ってくる可能性があると思います。

天王星

解説用:天王星とアスペクト

天王星は♉牡牛座・第12ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 天王星+ASC・満月・土星-カイト
  • 火星-スクエア

ASCと並んでいる天王星は、アスペクト構成もほぼASCと同じでした。第12ハウス側にいますが、ライジング状態ですので、目立った働きがあるものと見込めます。隠されていた事象を明るみに出す働きとして期待したいところです。

海王星

解説用:海王星とアスペクト

海王星は♓魚座・第11ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 海王星・木星・冥王星-小三角
  • 水星-クィンカンクス
  • 火星-セミスクエア

海王星は、木星と共にMCにかかる冥王星に夢と安らぎを与えています。一方で燃え盛る夏の残り香をまとった水星には揺らぎと迷い、前向きに行動するための火種を確かめに行った火星にはやや消極性と混乱を与えています。

いつも、とくにこの海王星の解釈を考える時、国という存在の意思はどこにあるのかと悩みます。それは、施政者の思惑がそのまま国の意思になるのか?それとも国民ひとりひとりの素朴な願いの集合こそが国の意思になるのか?ということです。何度問い直しても、何度表現しても懲りずに悩んでしまいます…。

「海王星は浄化の象意を持つ」と説明するのは簡単なことです。しかし、個人的にこのフレーズを現状の社会の中で多用するのはあまりにも軽く感じてしまいます。この混沌たる現実を正しく認識しようとしないで「浄化」という耳触りの良い響きばかりを口にするのは、それこそ海王星の負の側面である「詐欺」や「欺瞞」と何ら変わりありません。魚座の海王星には、とくにそういう怖さがあるといつも思っています。私達のような者は、海王星が好む美しい理想を現実の世界へ反映させるために、より確かに現実を見なければなりません。

冥王星

解説用:冥王星とアスペクト

冥王星は♑山羊座・第9ハウス終盤にあります。アスペクトは次のとおりです。

  • MC-コンジャンクション
  • 冥王星・木星・海王星-小三角
  • 太陽-セスキコードレート
  • 月-セミスクエア
  • 金星-スクエア

今回冥王星にはかなり強い存在感があります。満月やASCルーラーの金星に対してはことごとく厳しいあるいは厄介そうなアスペクトを投げかけていて、中途半端な芝居など一つも許さなさそうな配置です。MCの象意と合わせて好意的に解釈するならば、「一旦負けを認めて、改めて出直しなさい」といったところでしょうか。


今このときを生きる人へ

あいまいな態度のまま世の中に漂っているだけでは、これから先淘汰されてしまうでしょう。社会の空気がすぐに急激に変化することはあまりないとはいえ、あるときには急激に変化してしまうという怖さもあります。今はそういう時代でもありますし、これまでの既成の価値観はやはり役に立たないと思います。ほんの一例ですが、次のようなニュースも自然に出始めています。

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「豊かな愛にあふれ、安心安全な世の中を夢見ましょう」みたいなメッセージは、私は書きたくありません。それを書いている方は、他にたくさんいますから。それよりも、多くの物事に無関心だった過去を反省して現実を見直し、自らの足元とこれから進む道を整備して、豊かで広い海に繋がりに行けるようにしましょう と書きたいです。夢は現実を創り出すために見るものであり、慰めのためだけに見るものではないからです。人は小さくとも無力ではありません。その力の解放を、あなたが自ら放棄することはないのです。

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