2018年11月8日:蠍座の新月

アイキャッチ:新月

「なんとなく」
感じることが
上手く言えないのは

数え切れないほど
たくさんの

小さな小さな
「だから」があるから

トランジット図:2018年11月8日 1時2分


今回の表現のテーマ

新月=「決意のとき」という解釈を軸に、それがどのような決意なのかを考えます。

  • 言葉にならない想いにもすべて大切な理由がある
  • 自分の中の小さな無数の真実を拾い上げて表現しようとする

考えられるこの時期の状況

月相図のチャートから読み取った内容から、この新月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。

背景に漂う空気感

日々交錯する情報の洪水の中で大いに溺れ流されながら、それでも真実を探すことを諦めようとしない。そのような、この社会で生きている人々の心の奥底に眠る「生への執念」と「真実を暴く欲求」を試されているような空気感に満たされそうです。揺れ動き、大いに彷徨いながら、徐々に近づいてきた次なる時代の足音を聞き、その中を生き抜くための心構えをする時期でもあるでしょう。

社会の基本的な動向

「真実・真意を伝える」あるいは「交流する」ことについて何らかのテーマを突きつけられたり、またこれにまつわる出来事などが表面化してくることが考えられます。解釈の詳細でも少し触れましたが、そろそろ「5G」にまつわる特集番組なども出てくるかと考えています。

また、今回の新月は、木星・天王星・金星・ノード軸のサイン移動の時期とほぼ重なっています。世の中の流れがまた少し変わっていく節目のひとつとも言えそうです。この時期にある世界的に大きな出来事としては、アメリカでの中間選挙になろうかと思います。この影響がまた徐々に世界へと波及し、そのうちこの日本にもやってくるのでしょう。


解釈について

以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください

根拠とした各要素と詳細

表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

前提

解釈の全体条件は次のとおりです。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項

  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。

「背景に漂う空気感」を導き出した要素

背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの出発点)

♍乙女座11°「結婚式のあと、新郎が新婦からヴェールをはぎ取る」

解説用:ASCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

このシンボルでは乙女座の象意のうち「神秘の探求」「摂理の解明」を示しています。

ここで登場する花嫁は、自然界の神秘の象徴でもあります。そこにかけられたヴェールを新郎が自らの手で剥ぎ取るという行為は、神秘の探求を表します。また、それは自らの意志に基づくものです。

少し穿った見方をすると、花嫁のヴェールを外す行為とは、それまでヴェールによって純潔と貞操を護られていた存在を、自らの手で現実の世界に迎え入れ、穢すということでもあります。「生命の神秘」は乙女座の象意のひとつでもあります。乙女座は収穫された麦の穂を持つ女神の姿で表現されますが、それはすなわち成長と生殖によって種子が実ることを意味しており、まるで「血肉による穢れがあるからこそ神秘の結実という奇跡が生まれるのだ」と言わんばかりです。乙女座は、神聖かつ崇高な理想と現実の試練のあいだを彷徨う二面性を孕んでもいるのです。

成立しているアスペクト

  • ASC・新月・海王星・冥王星-クレイドル
  • ASC・水星・海王星-Tスクエア
  • 土星-トライン
  • 金星-セミスクエア

ASC・MCはいずれも、前回の牡牛座の満月と同じサインとなっていて、度数も近いです。

柔軟のクオリティを持つサインは共通して「普遍的な正しさ」や「正解」を求めるようなところがあります。このために彷徨う性質が強くなり、終わらない葛藤や迷いの原因になります。この新月から始まる約半月の期間もまた、社会は世の中の正しさがどこにあるのかを求めて彷徨うのでしょう。

しかし、彷徨うことは何も悪いことではありません。人々は彷徨いながら成長するのです。今は何が正解なのかわからなくても、社会の成熟のために彷徨う時期なのでしょう。

ASCルーラー・MCルーラー(支配星)の状況

今回のASC・MCの支配星はともに水星です。水星は♐射手座・IC上に位置しています。

解説用:ASC・MCルーラーとアスペクト

成立しているアスペクト

  • 水星・海王星・ASC・MC-グランドクロス(柔軟)

グランドクロスはアングルそのものを支配しています。このグランドクロスも完全に「彷徨い」を示す表示です。

情報宣伝分野はあれこれ色々な情報を流して政治が進んでいくように見せかけようとしそうです。しかし実際のところ、国内での現政権のイメージアップ(または維持)キャンペーンのための情報しか流れず、重要なことは何も決まっていかないのではないかと思います。何かが決まったとしても、国民生活が向上することにつながるものはないでしょう。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

♊双子座8°「矢の入った矢筒」

解説用:MCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

このシンボルは双子座の象意のうち「知」の姿そのものを表すシンボルだと考えられます。

「的を射る」という慣用句がありますが、「知」の文字の示す意味は、この「的を射る」ということとほぼ同義です。一瞬で正確に要点を突き、物事の本質を射抜くように理解できること。そしてその理解を言語によって適切に表現できること。これが「知」という文字の示す意味です。

一点に集中した力が瞬間的に発動して目的を達成する という意味合いもあることから、「集中力」「瞬発力」という意味もこのシンボルには含まれます。的を射るためには一切妥協をせず、すべての雑念を振り払う必要もあることから、物事に対して容赦しない姿勢も垣間見えます。

成立しているアスペクト

  • MC・水星・海王星-Tスクエア

自らのルーラーである水星を含んだ、緊張感のあるTスクエアを形成しています。グランドクロスに含まれる海王星によって、一点集中的に正解を求めたくても、求められない状態が示されていると考えられます。なお水星はIC上にあるため、MCとは正確なオポジションとなり非常に刺激的です。

後の海王星の項目でも書きますが、現在の日本政府の極めてあいまいな外交姿勢が、結果的に真綿で首を自らの首を絞めるでしょう。

「社会の基本的な動向」を導き出した要素

今回の新月の要素と成立しているアスペクトから、基本的な動向を考えています。

解説用:新月とアスペクト

根拠とした要素

新月のサイン・ハウスおよび新月とアスペクトをとる天体との関係から考えています。

新月のサインとハウス

今回の新月は「♏蠍座・第3ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♏蠍座は「生死」「転生」「共有」「融合」「遺伝」「継承」「秘匿」などを象徴するサインです。

♏蠍座の月(第3ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 心の奥底に秘めたる想いを、言葉を選びながら表現する
  • 自分だけの秘密の世界の中で空想に浸る
  • 極限られた人にのみ、自らの想いを打ち明ける

♏蠍座の太陽(第3ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 闇に隠された真実のみを伝えるメッセンジャーとなる
  • 言葉という形で表現できないものを別の形で表現し、人々の心の奥底に届ける

成立しているアスペクト

今回の新月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • 新月・海王星・冥王星・ASC-クレイドル

言葉にはならずとも、世の中の真実に辿りつきたいと願うすべての人々を見守るような新月です。何か感じ取っていることはあっても、世界がカオスすぎますし、また自分が価値を見出しているものに共鳴してくれそうな人が見つかりづらい状況の中では、なかなか適切な言葉を選ぶことも難しいもの。しかしそのような中でも人はどこかで、お互いが素朴な幸せを願って繋がりあえることを望んでいます。

現象的には、人と人の心を支えるための情報・通信手段などにまつわる話題などがクローズアップされるのではないかとみています。この場合、影響力が大きいものは「5G」という通信規格にまつわるものか、通信料金に関するものとなる可能性が考えられます。

補助要素

新月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。

金星

解説用:金星とアスペクト

金星は♎天秤座・第2ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 金星・火星・天王星-メディテーション
  • 海王星-セスキコードレート
  • 冥王星-スクエア
  • ASC-セミスクエア

金融関係のニュースについては、そろそろアメリカの財政問題が大きくなってくるころではないかと思っています。近日では「まだ海の向こうのニュース」という感じがしそうですが、年末に向けてそろそろ市場の下降傾向が始まってくるかもしれません。

火星

解説用:火星とアスペクト

火星は♒水瓶座・第6ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 火星・金星・天王星-メディテーション
  • 木星-スクエア

安全保障関連のことで議論がありそうですが、大きな問題が起こるかと言われると、それは今ではなさそうです。普天間の問題などは、今ちょっと静かになってしまっていますね。

木星

解説用:木星とアスペクト

木星は♏蠍座・第3ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 火星-スクエア
  • 天王星-クィンカンクス

木星は新月と同じ第3ハウスにありますので、半月の間に新月の示す分野での賑わいがちょっと加速しそうに見えます。

土星

解説用:土星とアスペクト

土星は♑山羊座・第4ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 天王星-トライン
  • ASC-トライン

今回は土星の影響力をあまり感じないチャートだと思います。全体的な風潮としては情報がいろいろ飛び交って不安定な感じがするかもしれませんが、あまり大きな騒動には発展しなさそうです。この土星が、適度な抑えの働きかけをしているように読み取れます。

天王星

解説用:天王星とアスペクト

天王星は♈牡羊座・第8ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 天王星・金星・火星-メディテーション
  • 木星-クィンカンクス
  • 土星-トライン
  • 海王星-セミスクエア

外国為替市場の乱れによる影響は方々に出始めるものの、まだ劇的ではないように思います。

海王星

解説用:海王星とアスペクト

海王星は♓魚座・第7ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 海王星・新月・冥王星・ASC-クレイドル
  • 海王星・水星・ASC・MC-グランドクロス(柔軟)
  • 金星-セスキコードレート
  • 天王星-セミスクエア

今回のチャートではどうみても、アングルルーラーである水星とともに、この海王星がカギを握っているようにしか見えません。第7ハウスにあり、DESにコンジャンクションしている海王星は、外交姿勢とそこで発生している課題について大きな問題があることを示しているように思います。

まず、現在の日本の外交姿勢は非常に不明確です。例えば大きなところを国単位で見ていると、アメリカと協調しているわけでもないし、中国にはあれほど牽制ばかりしていたのに、最近急に仲良くしようと接近しだしたりしています。朝鮮系との関係はどうコメントすればよいのかわからないくらい意志が見えませんし、ロシアに対してもどっちつかずです。

現政権に限らず近現代の日本の政治は、もともとグローバリストの強い支配下にあります。そんな中でも現政権はとりわけその影響が強いですが、支配側である勢力の激変を受けて、日本政府もうやむやな外交をせざるを得ないのでしょう。しかし、普通に見れば意味がまったくわかりません。最も今は、裏から見てもあまり意味は解らないですが…。

今後さらに迷走するこの国の有様を、ある意味象徴しているような配置だと感じます。

冥王星

解説用:冥王星とアスペクト

冥王星は♑山羊座・第5ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 冥王星・新月・海王星・ASC-クレイドル
  • 金星-スクエア

新月が入っている第3ハウスに影響を与えていると同時に、新月にも直接アスペクトを形成しています。何らかのスキャンダルから物事の真実が垣間見えるような出来事があればいいな と思う次第です。


おわりに:今このときを生きる人へ

「真実」という言葉は、一見確かなようでいて実はどうやっても定義できないものではないかとよく考えます。ひとつの事象に対して見出す「真実」は、人によって異なるものです。

例えば「写真」とは、「真実を写す」というところからその名が来ています。しかしそれは必ずしも「事実」とはイコールになりません。こんなふうに「事実」と「真実」は異なるものなのです。余談ですが、「写真」を「写心」という文字で表現したのはこういった考えがあったからだろうと思います。私自身は「写心」という文字表現は不適切だしそもそも不要だと思っていますが、その気持ちはわからなくもないです。

では「真実」とは何なのか?「真実」を追い求めるだけ無駄なのか?と言うと、どうもそれも違うと思います。真実を真剣に追いかける人が減れば減るほど、人の精神は腐敗して、世の中の澱みにつながっていきます。見ている真実が人によって違う ということをただ認識して、対峙する人と互いの真実を持ち寄る必要があるでしょう。結局人が真実に近づくには、より多くの人と多くの真実を持ち寄って共有し、その中にある大切な欠片を互いに拾い上げること以外にはないように思います。

目の前の相手を恐れていると、真実の共有はできないものです。ですから相手を恐れないように…と考えてしまいがちですが、この時本当に恐れているのは、「自分自身を曝したら、相手に受け入れてもらえないかもしれない」ということでしょう。それは「生きていけなくなるかもしれない」という生命体としての恐怖に似ています。ですから、自分自身の内面や頭の中身を曝すというのは、とても苦しいことだと思います。なかなか簡単にできるものではないでしょう。

けれど、人が人としての心を持って生きるためには、自分自身を曝していくことが結果として自分のためになってくれます。曝すというのは、まず「偽らない」ということだと考えればいいと思います。何かしら自らを偽ろうとすると、結果的に曝すことを辞めるからです。それは、例えば他人が自分に対して持つイメージを創ろうとしたときなどに、ついやってしまうことです。私自身も、そんなことが増えたなあ…と思うこの頃です。

自らの中にある真実は相手の真実と重なるとは限らないけれど、それでも表現しなければ、人というものは何もわからないものです。恐れという感情は一生消えませんから、消えないことを悔やむ必要はありません。自分の中の大切な真実を、少しずつの言葉で表現してみましょう。自らの中から生み出す言葉は、真実への道筋をあなたの大切な人々やまだ見ぬ人々、そして誰よりあなた自身の心に刻み込むのです。

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