眼前に迫る魔物のような
大渦に我らが飲まれることも
神の思し召しなれば
海下に潜む大蛇のような
潮流が我らの身を裂くことも
古よりのお告げなれば
今はただ波に飲まれるだけの
弱く無秩序に漂うだけの
取るに足らぬ存在でも
霧と散って波を渡り
たどりついた最果ての地で
我らは予言の呪詛を祓うであろう
今回の表現のテーマ
新月=「決意のとき」という解釈を軸に、それがどのような決意なのかを考えます。
- 進化のためには混沌と混乱を受け入れなければならない
- 多くの悲しみを乗り越え自律することが、やがて改革を成就するための行動へと結びつく
考えられるこの時期の状況
月相図のチャートから読み取った内容から、この新月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。
背景に漂う空気感
変動と混乱の激しい時期になるという暗示に見えます。世論の中心になるのは国防、労働、介護福祉、医療、食糧や農漁業に関するものが多いでしょう。
これからおよそ1ヶ月間の、この時期の革新の意図は達成されると思いますが、それに伴う代償もあり、国民全体にとっての希望感や利得に繋がるわけではないようです。これからの世の中の流れに対し、やや違和感を持つ人も少なくないでしょう。
結果として中身がどうあれ、国会は日本を完全に作り変えるほどの大きな影響を持つ数々の法案を通すことになり、革新への流れが止められることはないでしょう。
社会の基本的な動向
ちょうど新月の日に「出入国管理法」の採決が行われる見込だとされています。現在の国会の構造上、基本的に政府および与党によって重要と位置づけられる法案が否決される流れは来ませんし、強行採決も可能です。他にも「水道法」の改正案も可決・成立することになりましたし、食糧に関する各種法案(種子法・漁業法など)の改廃など、どれも国民の生活基盤にかかわる法律です。これらの改廃についてはずっと以前から進んできていたのですが、2018年末、また平成という時代の最後期でもあるこの時期にまとめて決定していっている今の状況は、これから国家という存在が揺らぎ、崩壊していくという予感をさせるには十分だと思います。
今後大きく動きがありそうなのは外交方面のことでしょう。とくに、中国との関係性については方針転換をするのかもしれません。
先日G20のニュースを見ていて、ヨーロッパ諸国の中で最後まで力を保っていたフランス・ドイツも、もはや世界の実権を握る層の代理人としては機能できない状態であり、新たな代理人として中国が選定されているという印象がありました。そちらよりの現日本政権としては、中国との関係性について路線変更せざるを得なくなるように思います。しかし、これは国内の反発が相当あると思いますので、露骨にそうするわけにもいかないでしょうから、どうやるんだろう?と思ってみています。ハンドリングしている側の人たちには何か手があるのでしょうけれど。
他には、株価の急激な低下や兵器購入などの国防費の使用と領土問題の交渉など、基地問題なども世論の焦点となりそうです。
解釈について
以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください。
根拠とした各要素と詳細
表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。
前提
解釈の全体条件は次のとおりです。
チャートの主体
「国家の基盤である民衆の根源的欲求の集合体」と考えています。
留意事項
- ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「社会情勢」として考えています。
- アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
- ホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」を使用しています。
「背景に漂う空気感」を導き出した要素
背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。
ASC(集合的エネルギーの出発点)
♊双子座14°「2人のオランダ人の子供が自分たちの知識に興奮しながら、お互いに話し合っている」
サインの基本概念とサビアンシンボルの象意
このシンボルでは双子座の象意のうち「好奇心」「知的興奮」「議論」「検証」「純粋な知識の獲得」などが示されています。
これまでの小さな世界の中でお互いが知りえたことを素直に言葉に出しあって接触することで、互いの知識が増え、経験が練磨され、互いの世界を広げていくという過程を示しています。そこには無限の興奮があり、その興奮がより強い好奇心を生み出すことで、認識できる世界の拡大をより加速させます。
成立しているアスペクト
- Tスクエア
- ASC・新月・火星+海王星
- セミスクエア
- 天王星
ASCルーラー(支配星)の状況
今回のASCの支配星は水星です。水星は♏蠍座・第6ハウスに位置しています。
成立しているアスペクト
- スクエア
- MC
- クィンカンクス
- 天王星
MC(集合的エネルギーが向かう先)
♒水瓶座23°「自分の感情の克服に成功した男が、自分の体験という観点から深い知恵を教える」
サインの基本概念とサビアンシンボルの象意
このシンボルは水瓶座の象意のうち「情動の制御」「智慧の分配」「改善欲求」などを示しています。
シンボルに出てくる人物は、自身の知り得る多くを他者に渡すことを望んでいます。知った多くは、自身の人生上の体験が礎であり、社会の成長と改善のために智慧を渡そうとする動機は、自身の豊かな感情が源泉です。
「情動の制御」とは、感情の単純な抑制や排除、不感を指すものではなく、意思や行動の決定権を感情に握らせない という意味です。思考と情動を異なるレイヤーで機能させることは、水瓶座の持つ能力のひとつであり、この能力が正しく開発されることは、人として理想的です。
成立しているアスペクト
- スクエア
- 水星
- セクスタイル
- 天王星
- セミスクエア
- 土星
MCルーラー(支配星)の状況
今回のMCの支配星は天王星です。天王星は♈牡羊座・第11ハウスに位置しています。
成立しているアスペクト
- オポジション
- 金星
- セクスタイル
- MC
- クィンカンクス
- 水星
- セミスクエア
- 火星+海王星
- ASC
- セスキコードレート
- 新月
「社会の基本的な動向」を導き出した要素
今回の新月の要素と成立しているアスペクトから、基本的な動向を考えています。
根拠とした要素
新月のサイン・ハウスおよび新月とアスペクトをとる天体との関係から考えています。
新月のサインとハウス
今回の新月は「♐射手座・第7ハウス」に位置しています。
サインの基本的な概念
♐射手座は「飛躍」「冒険」「異郷」「高等学問」「哲学」「衝動と叡智の共存」などを象徴するサインです。
一般的な解釈例:♐射手座の月(第7ハウス)
- 開放的な心持ちで他者と接する
- 一緒にいる相手を通じて広い異世界に触れようとする
一般的な解釈例:♐射手座の太陽(第7ハウス)
- 高尚な精神の追及または冒険を共に実現できるパートナーシップを構築しようとする
- 対峙した他者との関係性の中から、人生を賭けて追い求め続けるテーマを見つける
成立しているアスペクト
今回の新月に対するアスペクトは次のとおりです。
- Tスクエア
- 新月・火星+海王星・ASC
- セスキコードレート
- 天王星
新月はDES上にあり、この時期の社会の関心と主要な動向は外交分野になると考えられます。また、新月のルーラーである木星は第6ハウスに入りますので、外交+国防・労働・医療・食糧など…ということを考えると、兵器等の購入や北方領土問題などから、もしかすると北朝鮮関連のニュースが何らか取り上げられるかもしれません。
また、出入国管理法がこの時期のメインテーマであることは変わりません。
補助要素
新月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。
金星
金星は♏蠍座・第6ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。
- オポジション
- 天王星
- セクスタイル
- 土星
逆行を終えた金星は蠍座に戻ってきました。その金星は今回第5ハウスに入っています。このハウスは金星にふさわしいハウスだと言え、大きな社会的変動を人々が実感できなくなるくらいのエンターテイメント的な出来事が多くなると思われます。
火星
火星は♓魚座・第10ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- コンジャンクション
- 海王星
- Tスクエア
- 火星+海王星・新月・ASC
- スクエア
- 木星
- セクスタイル
- 土星
- セミスクエア
- 天王星
火星は海王星とほぼ完全なコンジャンクションを形成し、同時にASCと新月を交えてTスクエアを形成します。この時期の政府の多くの決定事項が、今後の多難と混乱の原因になると警告しているかのような。
ただ、土星はセクスタイルを形成していて、沸き起こる混乱や不透明な状況などを適度に抑え込もうとしているように見えます。なんだかんだ言って、政府の決定事項は着実に社会に展開されていきます。
木星
木星は♐射手座・第6ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- スクエア
- 火星+海王星
- セミスクエア
- 冥王星
ASCルーラーの水星と同じ第6ハウスに木星が入っています。これにより、国防・介護福祉・医療方面などの話題がより注目されやすくなっていると考えられます。
火星と海王星のコンジャンクションは、この木星に対してスクエアを形成しますので、上記分野の話題が少々炎上したり、人々の混乱を招いたりすることがあるかもしれません。
土星
土星は♑山羊座・第7ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- セクスタイル
- 金星
- 火星+海王星
- セミスクエア
- MC
新月がDES上にあり、外交方面の動向が目立つようになる時期ですが、「外交はとりあえずうまくいった」という結果に結び付けられるのではないかと思います。
海王星
海王星は♓魚座・第10ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- コンジャンクション
- 火星
- Tスクエア
- 海王星+火星・新月・ASC
- スクエア
- 木星
- セクスタイル
- 土星
- セミスクエア
- 天王星
海王星は火星と同位置ですので、アスペクトも全く同じです。詳細は火星のセクションをご参照ください。
冥王星
冥王星は♑山羊座・第8ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。
- セミスクエア
- 木星
冥王星はあまり目立ったアスペクトは持っていません。しかし、唯一のアスペクトが木星からのセミスクエアであることと、第8ハウスへ入っていることから、最近進んできた株価の低下について、大きなレベルのものが起こる可能性を少々感じます。
先日金星と天王星の正確なオポジションが形成されましたが、現在もゆるくはありますが形成され続けているというところにも共通項を感じます。
あとがき:今このときを生きる人へ
先回の双子座の満月の記事を書いたときには、まだ各種重要法案は動かないと思っていました。しかしあのあとすぐに強行可決という形でいくつもの法案が動きました。やはりマンデーンは、あくまで事象の成否と変動を判断するためのものであるということがよくわかった事例となりました。
さて、現政権が誕生してからのここ数年で動いている重要法案たちは、日本社会を激しく瓦解させる可能性を秘めているものばかりだと言われています。この激動の2018年末に、まるで締切間際に駆け込むかのように進められていく政変。これが来年以降、とくに2020年末に♒水瓶座で発生するグレートコンジャンクションの頃までの間にどのような意味を持つことになるのでしょうか?その頃、この国あるいは世界の各地の姿はどんなふうになっているのでしょう?
いずれにしてもここまできてしまったら、私たちはこれからの想像を超えるであろう苦難を受け入れざるを得ないのかもしれません。切ないですが、今回のチャートからはそんな印象を受け取りました。
皆それぞれ未来を予測するけれど、人は誰一人としてその姿をあらかじめ知ることはできません。
実業経験から社会の潮流を見つめる人。
学説から未来への仮説を立てる人。
経済の世界でその嗅覚をはたらかせる人。
実際に国や世界の舵を握り操縦する人。
日々社会の波に飲まれて生活している人。
皆未来を切望し、恐れながら、描いた夢と生きる意志を頼りに時を切り拓いて行くしかありません。結局、未来を生み出すことが可能なのは、その力と行動実績だけです。
ところで、このサイトを訪れてくださる皆様が、どのような視点で普段社会をどのように眺めているのかはそれぞれだ思います。また、私の書いている月相図の記事などをどんな思いでご覧いただいているのかも、ひとりひとりそれぞれでありましょう。社会を考えるなど大逸れている、あるいはそんなものに興味はない と思う方のほうがきっと多いだろうと思っています。
ですが、とくに現実世界にあまり興味を持てず、スピリチュアルな方面に傾きやすい方にとって、現実世界の事象に意識を接続するためのひとつのきっかけ・接点として、月相図の記事が役割を果たせればいいかな…と思っています。
私たちがこの世界に生まれてきた意味をスピリチュアル風に考えると、私としてはこんなふうに思います。
「私たちはこの世界にいま生きている人々に対して、『魂の世界に還る』ことを促すために生まれてきたのではありません。それは自分に対しても、他者に対してもこの世界に生まれてきた意味をかえって否定することです。
私たちはこの世界に今生きている人々と、無数の人々が創り上げてきた世界に対して、『魂の力を降ろし、接続させる』ために生まれてきたのだと思います。それはあくまで自分自身が魂の力を封じることなく解放しながら、現実社会と調和して生きることに他なりません。」
つまり、スピリチュアルなエネルギーに反応しやすい傾向のある人たちが、現実世界と自らの存在を確かに繋ぎ、生き抜いていくことに意味があると思っています。実際どのように接続させるのか、または正しい接続とはどのようなものか などについては、ここでは一旦議論を割愛したいと思います。
もともと自分もそうですが、とかく現実が辛いと言う人も決して少なくないと思っています。そういう方にこそ、一見非現実的な方法からでも、現実を眺め、自らを繋いでいくための方法がある ということを知っていただき、その手掛かりにしていただけたらいいなと思うのです。
これにはもちろん逆のアプローチをしたいという意図もあります。現実の世界にのみ生きている感じがしている方にとっても、一見非現実の世界の言葉に見えるものが、現実と密接に結びついていると知るきっかけになればいいなと。
どれくらいその役割が果たせるかはわからないですが。