2018年12月23日:蟹座の満月

アイキャッチ:満月

愛がほろほろと
朽ちていくのは

大地へ還り
次なる器を
ぬくもるため

だから今の
その歎きも

夜とともに
大地に預けて

愛がさらさらと
散っていくのは

雨に溶けて
次なる魂を
潤すため

だから今の
その悲しみも

朝日の前に
流しきって

トランジット図:2018年12月23日 2時48分28秒

今回の表現のテーマ

満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えます。

  • 沈殿と浮上のプロセス
  • 叶わなかったように見える望みも、時を超えて必ず何かの礎となる

考えられるこの時期の状況

月相図のチャートから読み取った内容から、この満月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。

背景に漂う空気感

年末年始という時期的なものも相まってか、満月の影響を受けるおよそ2週間は、静かな空気がベースになりそうです。その中にあっても、日々の生活の合間には小さな華やぎや安らぎを感じる場面があるでしょう。人々は一つの時代の終わりゆくさまを見つめながら、その中に刻まれたたくさんの思い出を噛みしめるフェーズに入ったのだと思います。

期間中全く静かな状態だけが続くということはなさそうです。ところどころで神経に触るニュースなどは飛び込んでくるでしょう。交通や通信、軍備関連、国土や気象などのことが考えられます。

今後少しずつ時が過ぎるにつれ、来たる新しい時代への想いを馳せる人も徐々に多くなるでしょう。先行きが全くと言っていいほどわからない時代の中で不安に苛まれながらも、嵐を抜け、波乱に満ちた次の時代を生き抜こうとする人々の無意識の願いを、人によっては感じる場面があるかもしれません。

社会の基本的な動向

この時期の主立った動きは、経済・株式市場などの分野に現れるでしょう。経済状況は改善傾向にあるとの発表が先日もなされましたが、株価低迷のストップがかからないことについての言及も有り得ます。また、国債発行のための具体的な投入資金の額などが示されてくるのではないかと考えられます。他には年金機構などの資金運用状況についての言及などをはじめ、方々のお金にまつわる話題が多いでしょう。

金融政策は緩和継続となりましたが、この決定についての反発の動きが少し目立ってくる可能性も考えられます。もともと金融緩和策はアベノミクスに端を発していますので、そこから考えればもう継続年数もそこそこ長いです。「効果が出ていない」あるいは「前提が適切でない」などの指摘が出るなどの動きが目立ってきても不自然ではない時期です。

サブ的には、軍事、領土、農漁業などに関する問題などが少し目立ってくる可能性もあります。

半月後に起こる、年明けすぐの新月が近づいてくる頃には、再び憲法改正の話題が中心になると思われます。これは次の新月図に、この関係性を示す強い表示があるためです。


解釈について

この「解釈について」というセクションでは、チャート解釈にまつわる占星術の技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください。

根拠とした各要素と詳細

表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

前提

解釈の前提条件は次のとおりです。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項

  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。

「背景に漂う空気感」を導き出した要素

背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの出発点)

♏蠍座9°「昔の仲間を再び結びつける夕食会」

解説用:ASCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

このシンボルでは♏蠍座の象意のうち「苦労の懐古」「同志的意識の共有」「再会の希求」などを示しています。

耐えがたい苦境をともにした仲間とは、血筋などの先天的な要素で結びついた人々よりも、さらに強い結びつきが生まれることがあります。これは人の精神の発達にとって自然なことで、この後天的な信頼関係の構築体験があってこそ、人はやがて広い社会に出ていけるようになります。つまり、人は見知らぬ人との信頼関係を自らの意識や力、自らが生きる運命の中に作り出していける ということを学ぶのです。

共に食事をすることで、過去に構築した人間関係への感謝を互いにかみしめ、精神的エネルギーを養います。ここで養われたエネルギーは時間をかけて醸成され、やがて人を奮い立たせていきます。

成立しているアスペクト

  • コンジャンクション:金星
  • ミニトライン:土星・海王星
  • セスキコードレート:火星
  • クィンタイル:冥王星
  • セミセクスタイル:水星+木星

沸き立つようなイメージはあまりなく、人々は静かな状態を好むでしょう。そんな中でも小さな華やぎがあちこちで生まれそうです。今年の年末年始は、日本にとって平成時代最後の年末年始となりますので、記念イベントや数々の話題づくりの場などが開かれ、これまでの時代を共に生きてきた様々な人々と、一つの時代の移り変わりを噛みしめるのでしょう。

ただ、全く静かというわけではなく、途中で何かしらの刺激的な事件などはあるかと思います。経済・軍事、あるいはエンターテイメント系のことなどが考えられます。しかしながら「期間中ずっと騒がしい」ということはないでしょう。

ASCルーラー(支配星)の状況

今回のASCの支配星は冥王星です。冥王星は♑山羊座・第3ハウスに位置しています。

解説用:ASCルーラーとアスペクト

成立しているアスペクト

  • セクスタイル:金星
  • セクスタイル:火星
  • クィンタイル:ASC

交通・通信・流通、あるいは初等教育に関することなどが、この時期の話題の中心になってくると考えられます。 ルーラーである冥王星の状態自体は悪くありませんのでそこまで心配はいらないかもしれませんが、この時期は大型連休の時期でもあり、大きな交通事故や交通システムのトラブルなどで目立つものが突然発生するかもしれません。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

♌獅子座15°「嵐が止み、自然のすべてが輝くばかりの陽光に歓喜する」

解説用:MCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

このシンボルでは、♌獅子座の象意のうち「(絶望のあとの)希望」「不屈」「試練と成功の表裏一体性」を示します。

このシンボルは、一言でいうと「明けない夜はない」という言葉に置き換えることができます。今がどんな暗闇の中であっても、必ずそこを抜け出し希望に向かうという様が表現されているのです。まさに不屈と消えない希望の象徴たるシンボルと言えるでしょう。

成立しているアスペクト

  • スクエア:金星
  • トライン:水星+木星
  • クィンタイル:海王星
  • セミスクエア:月
  • セスキコードレート:太陽

シンボルが本来持つ意味に対し、形成されるアスペクトにはもどかしさが感じられます。希望が見えるようでいて、はっきりした像を結ばずぼやけた印象となり、掴もうにも手応えが薄いかもしれません。

MCルーラー(支配星)の状況

今回のMCの支配星は太陽です。太陽は♑山羊座・第2ハウスに位置しています。

解説用:MCルーラーとアスペクト

成立しているアスペクト

  • Tスクエア:満月軸・火星
  • メディテーション:満月軸・天王星
  • セミスクエア:金星
  • クィンタイル:海王星
  • セスキコードレート:MC

この満月の時期を抜けるころまでには、次の時代に繋がっていく出来事として、この時期に行われる政策、とくに景気対策にかかわるものが目立ってくるでしょう。また、近日頻繁に取り上げられるようになってきた軍事に関わる施策については、概ね施政者の思惑通りに事が運び、軍備増強の路線が拡大しそうです。賛否両論あれど、結果的には受け入れられる世論が形成されるものと思われます。

「社会の基本的な動向」を導き出した要素

今回の満月の要素と成立しているアスペクトから、基本的な動向を考えています。

解説用:満月とアスペクト

根拠とした要素

満月のサイン・ハウスおよび満月とアスペクトをとる天体との関係から考えています。

満月のサインとハウス

今回の満月は「♋蟹座・第8ハウス」に位置しています。対となる太陽は「♑山羊座・第2ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♋蟹座-♑山羊座のラインは「基盤」「環境」「礎」「保護」「集団」「天地の軸」に関わっています。

♋蟹座の月(第8ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 親愛の情や保護欲求を、より密接な関係性の中で育もうとする
  • 内面に秘めた感情が無意識下で蓄積される

♑山羊座の太陽(第2ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 自らの社会的実績を公的に認められる形で示し、その実績を資産に変換する
  • 元々持っている資産を運用し、事業を運営して社会に還元する

成立しているアスペクト

今回の満月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • Tスクエア:火星
  • メディテーション:天王星
  • セスキコードレート:金星
  • セミスクエア:MC

第2ハウス-第8ハウスでの満月ですので、やはり株式市場への影響が大きく出ることを示していると考えられます。日銀の金融緩和策は継続されることが先日発表されましたが、これまでの路線を変えないという結論でした。安倍政権初期から打ち出しているアベノミクスにそったやりかたを保持するという意味で、保守的な方法を選択したことになります。

ただ、今回の決定ついてはそろそろ反対の声も高まってくるのではないかと思われます。見かけ上の数字はよかったとしても末端の国民の実生活にはほぼ何も効果が反映されていないこと、経済指標としていた資料の信頼性が失われていること、株価の下降が今後も止まらないことなどが要因になってくると思います。一方で、国民間には完全に期待がないわけでもありません。むしろ期待している人々もまだ大勢います。

経済の見通しの不安定さは、海外経済や各種貿易にも影響を与えそうです。また、保険に類する資金の運用などに関しても何らか言及される可能性があります。

補助要素

満月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。

水星

解説用:水星とアスペクト

水星は♐射手座・第2ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • コンジャンクション:木星
  • スクエア:海王星
  • トライン:MC
  • セミセクスタイル:土星

水星は第2ハウス内にて木星とコンジャンクションしています。この2つの天体は、その時期の主要な話題性を示すという感覚がありますが、同じハウス内でコンジャンクションしており、国内経済の分野の話題を強調しているように見えます。

景気は改善傾向だというニュースが発表されました。一方で株安傾向が続いているので雲行きの怪しさも含みながらではありますが、当面はまだこの情報が力を持つ状態が続くでしょう。

金星

解説用:金星とアスペクト

金星は♏蠍座・第1ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • コンジャンクション:ASC
  • ミニトライン:土星・海王星
  • セクスタイル:冥王星
  • セミスクエア:太陽
  • セスキコードレート:月
  • スクエア:MC

第1ハウスに入った金星は位置も目立ちますが、アスペクトも多くこちらでも目立ちます。土星・海王星と形成しているミニトラインは、人々が心情的に深く共感できる話題をより強く求めている状態を表していると思います。

火星

解説用:火星とアスペクト

火星は♓魚座・第5ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • Tスクエア:満月軸
  • セクスタイル:冥王星
  • クィンタイル:土星
  • セスキコードレート:ASC

第5ハウスには、生産性やエンターテイメントなどのほかに「投機」「証券取引」という意味があると書かれている資料もあります。今回の満月では第2-第8ハウスという金融に関わる分野が強調されているため、この火星も金融分野に関する表示の可能性が考えられます。♓魚座の火星ということで、神経質で不安定な刺激になるものと思われます。

また、この火星は第6ハウスのルーラーともなっており、恐らくこれから大量の資金投入を行っていく軍事分野で何らかの激しい議論や問題が起こるという暗示ではないかと想定します。

木星

解説用:木星とアスペクト

木星は♐射手座・第2ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • コンジャンクション:水星
  • スクエア:海王星
  • トライン:MC
  • セミセクスタイル:土星

第2ハウスにいる木星は、そのまま第2ハウスを支配しています。これは、国内景気は楽観姿勢であると考えることができます。

木星と海王星は現在スクエアを形成中です。この2つの天体はともに精神的な象意を多く持ち、またどちらも拡大・拡散作用を持つものです。現在が、際限を知らない過剰な精神論の拡大中である、または豊穣への幻想の際限のない拡大が起こっているなどの解釈に結びつけることもできます。

土星

解説用:土星とアスペクト

土星は♑山羊座・第3ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • ミニトライン:金星・海王星
  • セクスタイル:ASC
  • クィンタイル:火星
  • セミセクスタイル:水星+木星

土星は自分が入っている第3ハウスをそのまま支配しています。アスペクトには全体的に派手さがなく、土星らしい堅実さが生きそうなものばかり。情報分野は基本的に鎮静的で、ASCの「静かにしていたい」空気感を助けるように見えます。

第3ハウスに初等教育という意味もあることを鑑みますと、来年度以降の義務教育に関して何らかの施策を決定する可能性も考えられます。

天王星

天王星は♈牡羊座・第6ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • メディテーション:満月軸
  • セミスクエア:海王星

今回の満月図において天王星は派手ではありませんが、軍事と領土の両方に関わることでのハプニングを示している可能性を考えておく必要はあると思われます。これについてはすでに起こった感もありますが…。

普天間基地移設問題や、(こちらは外交も絡み間接的ですが)北方領土問題などが、国民全体の意識に何らかの影響を与えるきっかけになるものと思われます。平たく言えば「改革」的な影響をもたらすことになりそうですが、たとえば、軍備増強施策への賛成者の増加、基地移設賛成派の増加などが考えられます。

海王星

解説用:海王星とアスペクト

海王星は♓魚座・第4ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • スクエア:水星+木星
  • ミニトライン:金星・土星
  • トライン:ASC
  • クィンカンクス:MC
  • セミスクエア:天王星
  • クィンタイル:太陽

国土全般、または農業や水産業などの分野において経済的な打撃を受けるような事象が少し心配されます。仮にそのような事態になった場合、人々の関心が郷土に向かいやすい時期ということもあり、 復旧に向けた支援活動や応援は起こりやすいと思います。


あとがき:今このときを生きる人へ

激動の年と言われた2018年も気つけば年末です。皆さんにとって今年はどのような年でしたか?
私自身は自分のライフスタイルをかなり変化させたということもあって、ずいぶん変化の大きい年になりました。ここにはあまり書いていませんが、今後何かしら書くことがあるかもしれません。

さて、今回の月相図の解釈をとおして考えたテーマは「死や絶望を乗り越えることと社会の関係性」についてです。

仮にすべての生命が神の被造物であるなら、すべての生命の活動は常に実験のようなものに過ぎないかもしれません。文明の発展や生命の進化・衰退さえもそうかもしれません。

人という生物は、集団を発展させた社会を構築することで発展を見たわけですが、今はその社会の存在する形や意義についても、見つめなおし、考え直す時かもしれません。たとえば、現在の社会が腐敗していて崩壊に近づいているとしても、その死は何らかの新しい存在の糧になる可能性が大いにあるということです。ただ、現在の社会が死ぬということは、現在生きている私たちも滅ぶということになると思いますので、新しく生まれる何かを見ることは叶わないと思いますが…。

たぶん、人が創り出した社会というものは、こういった「種の滅亡」に近いものを避けるために創り出されたのではないかという気がします。だとすれば、社会とは、生命が本来持っている強い生存本能が昇華した結果創り出された一つの形であって、正常な精神のはたらきのもとに生まれたものだと言えます。またそれは集団が生き残ろうとする切実な願いを具現化したものでもあるのでしょう。それならば、社会には存在意義があるということです。

存在自体に意義があるなら、その内容を改善すればよいということになります。どのように改善していくかを考えるのは、やはり社会の中で生きる私たちなのだと思います。どうしても大きすぎるテーマですので、とっかかりもわからなくて難しいことだと思いますが、自分の住む場所を自分の手で創ることと同義だと考えて、小さくても何かの行動として表わせられればよいですね。

まだ実生活上での実感は乏しいものの、今年をとおして私たちの生きる社会の仕組みはずいぶん変わったなと思います。来年以降、この変化した仕組みの影響が少しずつ出てくることでしょう。その時、この社会はあなたにとって生きやすくなっているでしょうか?日々を精一杯生きていると、なかなか気づけないことも多いと思いますが、もし何か変化に気づいたことがあったら、 是非その気付きを大切にしてください。

末筆になりますが、今年も当サイトを訪れてくださり、ありがとうございました。日々多くの方に訪れて頂くことができ、とてもうれしく思っております。

来年もまた自分のペースで続けていければと思います。
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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