あふれ出る豊かな感情とは
心の姿ではありません
感情とは澄んだ水面に映る
美しく儚い景色に似ていて
そこに映る世界がどんなに豊かでも
決してそこに住まうことはできません
風が運ぶ雑音に乱され揺れるたびに
熱によって浮かんだ霧に溶かされるたびに
その美しい姿を失うまいと
人は願いもがきますが
しがみついてはなりません
それは心そのものではないからです
その景色を生み出した
世界の真の姿を知りなさい
世界の源のありかを確かめてこそ
人は愛を信じることができるのです
月相図のメッセージを詩にする
今回の表現のテーマ
満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」 という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えています。
- 心の実体を知ることで、感情の理由を知ることができる
- 雑音や霧に惑わされない自己を確立してこそ、自らが愛すべき存在のために生きることができる
月相図をとおして社会を眺める
月相図のチャートから読み取った内容から、この満月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。
背景に漂う空気感を要約する
新しい時代が到来したばかりの時期というのは、これからのその時代を象徴するような動乱がどうしても多くなります。今回の満月に象徴されるこの時期もその例に漏れず、神経に触るようなざわめきに満ちた空気感が日本社会を覆うでしょう。
良くも悪くも感情的な言動をする人が目立つ時期かもしれません。「感情=心」ではないにもかかわらず、そのように思い違いをしている人がとても多いので、多くの人々は感情的な反応をする人に無意識に導かれて流れを作ってしまうでしょう。このような背景の中で、真実の在り処を探り続け、身の回りの社会を整えるために自らの役割を果たそうとすることが、この時期のテーマとなります。
社会の基本的な動向を要約する
動きが大きい分野
軍事・治安・労働などの分野
とくに治安の乱れを印象付けるような報道が多くなったり、あるいは国防費として他国に支払う金額、国債のことなどが大きく取り上げられたりする可能性が考えられます。外交すべき各相手国の情勢や株価の大きな変動などの影響も受けやすいと思われます。
満月の影響を受けやすい分野
国内景気・税制
景気の低迷がようやく表向きに認められるようになってきたことなどから、国内景気の深刻な状況が徐々に明らかになる布石が出てきたものと思われます。また、これに関連して消費税率の引き上げ問題などが引っ張ってこられるでしょう。
その他の分野
世論
感情的な論調が優勢になるのではないかと思います。
株価・海外経済
大変重苦しい印象です。しかし、まだそこまで世論全体が取り乱すような状況にはならないでしょう。「怪しい感じ」というようなことは大っぴらに言われ始めるかもしれませんが。
解釈について
以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください。
根拠とした各要素と詳細
表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。
前提
解釈の全体条件は次のとおりです。
チャートの主体
「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。
留意事項
- ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「社会情勢」として考えています。
- アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
- 採用しているハウスシステムは「レギオモンタナス法」です。
- ホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」を使用しています。
「背景に漂う空気感」を導き出した要素
背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。
ASC(集合的エネルギーの起点)
サビアンシンボル
♊双子座22°「木の高いところの巣にいる3羽の雛鳥」
サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意
このシンボルでは♊双子座の象意のうち「混乱」の解消に関わります。「思考の統合」や「価値体系の再構築」などを通じて、玉石混交に入り乱れた情報の中から真に価値あるものを見出す能力を磨くという意味があります。
今回のASCの位置は、半月前の♉牡牛座の新月の際に火星が滞在していたところです。半月前に示されていた「不可視領域にゆらめく火種」が表面化するということかもしれません。
この満月の時期全体の傾向として、いつにも増して多くの情報が露出するでしょう。それは人々の意識が追い付かないほどのボリュームとスピードがあり、いとも簡単に意識が混乱するほどのものでしょう。
成立しているアスペクト
- Tスクエア
- 木星・海王星
- クィンカンクス
- 冥王星
- セミセクスタイル
- 水星
ASCにかかるアスペクトも、雑多な情報が入り乱れ幻想ばかりを目にさせられそうな状況を示しており、シンボルの意味をより明確に印象付けるものです。
しかし、とにもかくにも私たちは、日々一方から流れ来る情報に対して無抵抗に染まるだけではなく、 川底に杭を立てて小さな抵抗物となる必要があるでしょう。これは簡単に言うと「疑問を持つ」ということです。流れの中にある見えない意図を探り、価値あるものの取捨選択を行いましょう。
ASCルーラー(支配星)の状況
今回のASCの支配星
水星(♉牡牛座・第12ハウス)
成立しているアスペクト
- コンジャンクション
- 太陽(=満月軸)
- クレイドル
- 満月軸・海王星・土星+冥王星
支配しているハウス
- 第1ハウス(世論・国全体の空気感)
- 第4ハウス(国土環境)
「公に価値ある情報は俗世から隠されている」という意味にも取れそうな配置です。やはり、見境なく流れる情報の渦から確かなものを見つけて取捨選択することが、国民全体にとって大切なことなのでしょう。
MC(集合的エネルギーが向かう先)
サビアンシンボル
♓魚座1°「ハンターから隠れるリス」
サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意
このシンボルは♓魚座の象意のうち「隠遁」「混沌」からの自己防衛を示しています。
自らの命あるいは純粋性を外的驚異のすべてから保護するために、あらゆる存在から巧妙に姿を隠す様子を示すシンボルです。リスの行動を「逃避」と捉えることもできますが、その裏には「自らとその純真を保護して生き延び続ける」という無意識の意図が存在しています。
成立しているアスペクト
- Tスクエア
- 満月軸+水星
- ミニトライン
- 金星+天王星・火星
真実を追求しようとしても、大切なことは一時の感情などを盾に隠されてしまいそうです。答えをはぐらかされた人々の中には、知らず知らずのうちにフラストレーションが溜まっていくのかもしれません。
MCルーラー(支配星)の状況
今回のMCの支配星
海王星(♓魚座・第10ハウス)
成立しているアスペクト
- ミニトライン
- 水星・土星+冥王星
- スクエア
- 木星
- セミスクエア
- 金星+天王星
支配しているハウス
- 第10ハウス(政府・与党)
海王星が入っているハウスは、先日の新月のときと同じ第10ハウスです。遠い天体同志で形成されるアスペクトも、先日の新月のときと同じです。
最も気になるアスペクトは木星とのスクエアです。このアスペクトは今年の終盤までずっとついてまわるのですが、行き過ぎた幻想に酔い続ける様子を彷彿とさせます。また、物事の善悪に対する判断基準をないがしろにしたまま精神性のみを追い求めようとする、過剰な精神偏重主義ともいうべき空気感を感じたりします。
たとえば、軍事関連の問題などを絡めて何らかのプロパガンダが大々的に行われるという形で表面化するかもしれません。
「社会の基本的な動向」を導き出した要素
満月のサイン・ハウスおよびアスペクトをとる天体との関係から考えています。
満月のサインと滞在しているハウス
今回の満月は「♏蠍座・第6ハウス」に位置しています。対となる太陽は「♉牡牛座・第12ハウス」に位置しています。
サインの基本的な概念
♉牡牛座-♏蠍座のラインは 「生命力」と「価値」「信頼」 に関わっています。
一般的な解釈例:♏蠍座の月(第6ハウス)
- 自らにとって絶対的な信頼に値するものを探し、全身全霊を捧げようとする
- 人が容易に気づかない心の奥底の感情を読み取り、ケアをする
一般的な解釈例:♉牡牛座の太陽(第12ハウス)
- 自らが持ち得る資源のすべてを、際限ない範囲に分け与える
- 不可視世界の中に存在する現世の豊かさのカギをつかみ取る
成立しているアスペクト
今回の満月に対するアスペクトは次のとおりです。
- メディテーション
- 水星・冥王星
今回の満月が支配しているハウス
- 第2ハウス(景気・財政・税)
- 第3ハウス(報道・交通・初等教育)
この満月の時期に大衆の関心が向くのは、労働・健康・保健・軍事・治安などの分野です。このように分野名を並べてみると数多い印象ですが、第6ハウスとは自己の完成度を高めると同時に恒常性を保つことを目的とするハウスといえますので、マンデーンの場合は「国の恒常性維持を担うところ」と解釈すればよいでしょう。
社会的に不可解な動きが増えるときでもあると思いますので、おそらくですが治安関連に対する関心が最も高まるのではないかと推測します。警察や自衛隊などに人々の目は向けられやすくなるでしょう。また、そのための「仕掛け」もありましょう。
日本の場合、この時期は本来1年のうちでもっとも気候が良い時期です。それに準じて人々の精神も穏やかになりやすい時期のはずですが、現実的にはあまりに心穏やかでなくなる出来事が多くなるのではないかと懸念しています。そして、その反動によって、現実から目を背けてしまう人が増えないかが心配です。こうなると、陰謀的な意図を持った動向ははかどりやすくなり、結果として次なる災難の種になっていきます。
他には、景気状況や税制改革に関する動向などについても社会的な意識が向きやすくなっているでしょう。また、これらの分野や交通・初等教育に関する分野の報道の過熱なども起こりやすい可能性があります。最近交通事故のニュースがやたらと発信されていたりするのは、この満月の影響の前ぶれかもしれません。
満月のルーラー(支配星)の状況
今回の満月の支配星
冥王星(♑山羊座・第8ハウス)
成立しているアスペクト
- コンジャンクション
- 土星
- ノード軸
- クレイドル
- 満月軸+水星・海王星
- セミセクスタイル
- 木星
満月の支配星が支配しているハウス
- 第6ハウス(軍事・治安・労働・保健衛生)
土星とのコンジャンクション状態が続いている冥王星。今回は第8ハウスに入り、この分野に重さが集中しています。
おそらく株価は総じて低調でしょう。急激な価格水準の低下も考えられます。5月に入るあたりからすでに株価は低迷が続いていますが、その傾向が止まるところをあまり想像できません。
その他注目したい天体とハウス
注目したい天体やハウスに焦点をあててみます。
DESと木星
DESの位置
♐射手座22°
ハウスルーラー(支配星)
木星(♐射手座・第6ハウス※DES上)
成立しているアスペクト
- スクエア
- 海王星
- クィンカンクス
- 水星
- セミセクスタイル
- 冥王星
この時期は外交や他国とのパートナーシップ面において、国の動向が活発になる時期に見えます。
この時期の目立つ案件として、トランプ大統領の来日が5月26日~28日に予定されています。新天皇との会見が目的とされていますが、日米間の貿易交渉や6月に開催されるG20への事前交渉なども含まれているものと考えられます。日本政府側はかなりの「気前の良さ」を見せつけようとがんばるのではないでしょうか。
第1ハウスの火星
ハウスカスプおよびハウスルーラー
ハウスカスプはASCとなるためここでは記載を割愛します。
支配しているハウス
第11ハウス
成立しているアスペクト
- セクスタイル
- 金星+天王星
先回の新月の際にASCがあった位置に火星が来ています。したがって、先回の新月の時と比較して、ASCと火星がちょうど入れ替わったような状態です。
第1ハウスに入った火星は♋蟹座にあります。センシティブな物言いをする人が多くなったり、感情に振り回された結果として起きた事件などの表面化、または人々の感情を煽るような言論が目立ってくると思われます。また、女性解放運動やその他性的な偏見をなくそうとする社会運動、保育や子どもたちの自由尊重に関する問題などが目立つ時期ともなりそうです。
あとがき:今このときを生きる人へ
私たちが最も注意すべきことは、やはり常々現実に対する関心を失わないことでしょう。そして、たとえば何らかの辛い事件として闇が表面化したとき、その原因を何か特定の存在のみに求めたり、問題解決の責任をひとところに押し付けようとせず、あくまで冷静に現状を観察し、問題点の原因と責任の所在を正しく見出すための努力をし続けることが大切だと思います。
「●●のせいだ」と断じることは、いとも簡単なことです。しかしそれ以上に正確な原因追及をしようとする意識を人々から失わせ、悲惨な現実を目の当たりにした際に沸いたやるせない感情をぶつける先を容易に誘導させられます。つまり「●●が悪い」としてそこに一時的な怒りの感情をぶつけてしまえば、人はそこから先、本当の問題解決をしようとしなくなるということです。これが大衆に対するマインドコントロールの基本です。
先にも書いた通り、「感情=心」ではありません。目に映る景色の中から感じ取り、見据えなければならない真実はもっと根深いものだということを、♏蠍座の満月は私たちに教えてくれているのです。