2019年6月17日:射手座の満月

アイキャッチ:満月

流れの中を泳ぐことと
流れの中に呑まれることは

似ているけれど
違うことで

かつての麗しい諦めと
今の腐った柱の跡は

異なるようでいて
同じもので

尋常でない締め付けを
施そうとするのは

今にもその存在が
散りそうだから

心無い世界の在り様が
苦しければ

その苦しみと痛みを表し
自ら癒すための

果てない旅路に発とう
旗をひとり掲げ

そうして掲げられる旗が
無数になれば

一つの巨大な紋章を
空に刻むでしょう

風の中を舞う準備をしている楓の種

月相図のメッセージを詩にする

今回の表現のテーマ

満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」 という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えています。

  • 吹きすさぶ風の中、旗を掲げる時が来た
  • 生きていく上での最善を目指し続ける姿勢
  • 諦めの中に埋没してはならない

月相図をとおして社会を眺める

トランジット図:2019年6月17日 17時30分32秒

月相図のチャートから読み取った内容から、この満月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。

この満月の影響を受ける期間は、次の新月までです。

背景に漂う空気感を要約する

表面的なにぎやかさや軽い空気感とは裏腹に、多くの人々の心の奥にある無意識の領域において、知らず知らずのうちに意識の変化が起こっていくでしょう。それは、新しい時代を迎えた今にふさわしい、これからの善き未来を望む根源的な欲求の結晶化ともいえるかもしれません。

そのために、気分のままに暴れる自らや社会の一方通行的な欲求をたしなめながら制御することに取り組み始める期間になることが考えられます。精神を統一し、困難に立ち向かう覚悟にも似た姿勢を示す人が現れるでしょう。

社会の基本的な動向を要約する

動きが大きい分野

国内世論

良くも悪くも騒がしくなります。人道性や精神性のレベルについて社会全体に問題提起をするような出来事があるでしょう。また、この影響はすでに表面化しているとも考えられます。

満月の影響を受けやすい分野

海外経済・信用

数ヶ月を経て為替がだんだん下がってきています。この期間中は小刻みな振れ幅で上下を繰り返していくと思われますが、突然大きく変動する可能性があります。

その他の分野

外交

参議院選挙も近づいている時期ですが、G20開催時期でもあり、政府が精力的になるのは外交・交渉活動なのかなと思われます。軽やかなふるまいを心掛けるでしょうが、国内は騒乱に満ちていて非難の声も大きく、バランスをとるのはかなり困難でしょう。


解釈について

以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください。

根拠とした各要素と詳細

表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

前提

解釈の全体条件は次のとおりです。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項

  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「社会情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 採用しているハウスシステムは「レギオモンタナス法」です。
  • ホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」を使用しています。

「背景に漂う空気感」を導き出した要素

背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの起点)

解説用:ASCとアスペクト

サビアンシンボル

♐射手座7°「大地の奥深くで、新しい元素が形成されつつある」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルでは♐射手座の象意のうち「高尚な精神」の醸成を示します。しかしながら、このシンボルが象徴する変化の様子は無意識化で起こるので、自覚がむずかしいと言われます。それは途方もない時間をかけて地中で宝石が結晶化していくようなイメージです。

成立しているアスペクト

  • オポジション
    • 金星
  • セミスクエア
    • 冥王星

楽観的な傾向が少し過剰に出てきそうな雰囲気です。そこにいささかやりすぎ感やしつこさも加わってくるかもしれません。

しかし、水面下では何らかの意識変化が進むでしょう。それは表面に出ている楽観的な空気とは裏腹な、これからの未来を善きものにしていこうとする気概や意識そのものでしょう。

ASCルーラー(支配星)の状況

解説用:ASCルーラーとアスペクト

今回のASCの支配星

木星(♐射手座・第1ハウス)

成立しているアスペクト

  • コンジャンクション
    • 月(=満月軸)
  • Tスクエア
    • 満月軸・海王星
  • クィンカンクス
    • 水星
  • セスキコードレート
    • 天王星
  • セミセクスタイル
    • 土星

ASCに示されている楽観性をさらに強調するように、木星が第1ハウスに存在しています。また、満月もこのハウスにあります。しかし、時代の波に翻弄され続ける人々の迷いも同時に示されています。人々はその迷いや先行きの不透明さを、できるだけ平穏な手段で振り払おうとしています。

今回のASCおよび支配星の配置は、直前の新月のチャートとほぼ同じですので、新月時の空気感をそのまま引き継いでいると考えてもよさそうです。人々は自分の力で歩き出そうとしているのでしょう。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

解説用:MCとアスペクト

サビアンシンボル

♍乙女座22°「ライオン使いが、自分の技術と気骨を示す」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♍乙女座の象意のうち「管理者としての技能」の証明や「役務執行者としての責任感」「本能の制御」を示しています。

暴れる猛獣に毅然として向き合い制御するには、卓越した技術と強靭な精神力が必要になります。このシンボルは、自らの中に渦巻く本能という猛獣を制する様を描くものです。

成立しているアスペクト

  • グランドクロス(ミュータブル)
    • 満月軸・海王星
  • スクエア
    • 木星
  • メディテーション
    • 水星+火星・土星+冥王星
  • セスキコードレート
    • 天王星

MCは金星以外のすべての天体とアスペクトを形成しています。 社会は混沌の中を大きく揺れながらも新しい秩序の構築を求め、やがてその結果を出すべく覚悟を決めるのかもしれません。

MCルーラー(支配星)の状況

解説用:MCルーラーとアスペクト

今回のMCの支配星

水星(♋蟹座・第8ハウス)

成立しているアスペクト

  • コンジャンクション
    • 火星+ノード軸
  • オポジション
    • 土星+冥王星+ノード軸
  • メディテーション
    • 火星・土星+冥王星・ノード軸・海王星
  • クィンカンクス
    • 木星

支配しているハウス

  • 第10ハウス(政府・与党)
  • 第7ハウス(外交・同盟国)

水星は火星ならびにノード軸とコンジャンクションしています。そして正反対の位置にあたる第2ハウス側には土星と冥王星のコンジャンクションがあり、これらは強力なオポジション関係にあります。なかなかに派手な配置です。

不安定で一向に定まらない株式市場ですが、一旦は株価の上昇があり、まだまだ大丈夫だという空気が流れるかもしれません。しかしながら景気自体が重苦しいのは変わることがなく、予断を許さない状況であることは変わりがないと思われます。通信・情報・交通分野のトラブルなどによって国家の信用度が低下するような事態に陥るかもしれません。だんだんとナーバスな雰囲気になる可能性も考えられます。

往生際が悪いとしかいいようがないのですが、例えばまたしても国債を異常発行して売るという話になったりするのでしょうか。発行するのはいいですが、是非最後まで返済していただきたいものです。国債とは国家が国民に対して背負っている負債です。国民が国家のために背負った負債ではありません。

「社会の基本的な動向」を導き出した要素

満月のサイン・ハウスおよびアスペクトをとる天体との関係から考えています。

解説用:満月とアスペクト

満月のサインと滞在しているハウス

今回の満月は「♐射手座・第1ハウス」に位置しています。対となる太陽は「♊双子座・第7ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♊双子座 – ♐射手座のラインは「智慧」「探求」「冒険」「伝播」「交流」「教導」に関わっています。

一般的な解釈例:♐射手座の月(第1ハウス)
  • 冒険心・向上心に富む
  • 自己の成長をもたらす世界を実直に追い続けようとする
一般的な解釈例:♊双子座の太陽(第7ハウス)
  • 対峙した人との間で多くの知識を交換し、活力を与えあう生き方をする
  • 幅広い交流ネットワークを築き、人々を広範囲かつ多層的につなぐ

成立しているアスペクト

今回の満月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • コンジャンクション
    • 木星
  • Tスクエア
    • 海王星

今回の満月が支配しているハウス

  • 第8ハウス(信用・海外経済)
  • 第9ハウス(法律・貿易・宗教・高等教育)

この満月期は、表面的なにぎやかさの裏で人々の精神的進化の度合いが試される期間になるでしょう。

政府系の動向は外交重視の展開になると予想されますが、外の環境から見た日本に対する評価というのは、国民が何も声を発しなければ主に外交窓口となる人が基準となってしまいますので、そういった意味であちこちからいろいろな声が出ているというにぎやかさは役に立つことが考えられます。大量の情報が行きかうと、その分カオス感も十分に出てくるでしょうが、それでも積極的な情報発信は後々功を奏するかもしれません。声を上げ、そして善き未来を目指すための旗を掲げるときなのかもしれません。

満月のルーラー(支配星)の状況

解説用:満月のルーラーとアスペクト

今回の満月の支配星

木星(♐射手座・第1ハウス)

今回の満月のルーラーはASCルーラーと同一です。前述の「ASCルーラー(支配星)の状況」セクションをご参照ください。

その他注目したい天体とハウス

注目したい天体やハウスに焦点をあててみます。

ノード軸と周辺天体

解説用:ノード軸と周辺天体

ノードの位置

  • ノースノード:♋蟹座17°
  • サウスノード:♑山羊座17°

コンジャンクションしている天体(ノースノード)

  • 火星
  • 水星

コンジャンクションしている天体(サウスノード)

  • 土星
  • 冥王星

「MCルーラー(支配星)の状況」のセクションでも触れましたが、ノード軸に接触している天体が4つもあり、大変インパクトがあります。♑山羊座のサウスノード側が土星・冥王星のペアで、この組み合わせは社会全体にかかっている大変なプレッシャーを意味していますが、今回は♋蟹座のノースノード側に水星・火星のペアがあり、このプレッシャーをあからさまに刺激しています。

水星・火星が与える刺激は、滞在しているサインから考えると非常に感情的なものです。ここ最近連続しているような、小さな子どもや女性たちなど、社会的に守られるべき存在であるはずの人たちが被る痛みが、多くの人々の感情を猛烈に刺激し、社会の暗黒面をさらにあぶりだすような役割を果たすことになるのでしょうか…。書いていて大変つらいです…。

ICとルーラー

解説用:ICとアスペクト

ICの位置

♓魚座22°

サビアンシンボル

降霊会を催す霊を物質化する霊媒

成立しているアスペクト

  • コンジャンクション
    • 海王星
  • Tスクエア
    • 満月軸+木星・海王星
  • メディテーション
    • 火星・土星+冥王星・ノード軸・海王星
  • セミスクエア
    • 天王星
解説用:ICルーラーとアスペクト

ハウスルーラー(支配星)

海王星(♓魚座・第3ハウス)

成立しているアスペクト

  • Tスクエア
    • 満月軸+木星
  • メディテーション
    • 火星・土星+冥王星・ノード軸・海王星
  • セミスクエア
    • 天王星

マンデーンに取り組んでいると、個人のネイタルチャートではスポットライトを当てる人が少ないICは、マンデーンではかなり重要で影響力の大きいポイントなのではないか?といつも思います。

今回ICは♓魚座に位置しています。♓魚座は精神的なものや人智を超越したものがひときわ多く登場するサインです。溶解する性質を持つサインでもあり、すべての形あるものをリセットしていく作用、また現実世界を取り巻くカオスそのものを示します。

MCと同じく、金星以外の天体はICに対してアスペクトを形成している状態です。また、自らのサインの支配星である海王星とはコンジャンクションを形成し、大変強い状態です。

混沌を受け止め続けながら、その只中で心の幸福だけを見出そうとする♓魚座の在り方が、そのままこの国のフィールドに投影されそうに見えます。雨の季節も始まったことですし、大雨や洪水などの水害などにも注意したいところです。また、国の基盤が何らかの形で水浸しになったり溶解していくような事態の暗示であるのかもしれません。あるいは(あとから植え付けられたものではなく)原始的な国家意識というものが大きく揺らぎ、水に流されてしまう危機を迎えているということを暗示しているのかもしれません。揺れようとする力と、つなぎとめようとする力の強い葛藤を感じます。


あとがき:今このときを生きる人へ

直近の新月期に表面化した件には、年金制度の破綻について政府筋が公言したこと、ファッションメディアを政党のCMに使用したことなど、割と多数の人にもわかりやすいほぼ政治的テロともいえる出来事が多かったかなと思います。海外に目を向けると、香港の大規模デモなどもありました。このような事件はすでに何年もの間各地で頻発しているのですが、よりわかりやすくなってきたことで、人々の受け止め方も少し変わってきたのかもしれません。気づく人、考える人が増えればいいなと思う次第です。

さて、自分自身の話になりますが、最近の出来事の中で「最初から最善を目指すことを放棄している」ことが原因で、自らを盲目状態に追いやった結果、自らを不利な状況に至らしめたことを思い知る といったことがありました。

「ああ、人はこうやって自らの幸せや満足を遠ざけて、諦めているんだな」と思い、かなり悔いました。言ってみれば、それは初めから泣き寝入りしているようなものなのです。過去を振り返れば人生において何度も繰り返してきたことだと思います。しかし、この出来事が原因で、しばらくよかった体調も精神状態も一気に悪化してしまいました。

もともと私はあまり身体も強くなく、また精神状態の影響を大きく受けやすい体質なので、自分の心身を守りながら生きられる方法をもっと突き詰めるべきだったのですが、「わかってはいるんだけど、それはなかなか叶わないことだよね」と最初から最善を目指すことを放棄したわけです。その結果、今ずいぶんやりづらい状態になっています。二度とこのような選択はしてはならないと、先日自分の心に刻み込んだところです。

しかし、最善を求め続けなければ何も変えることはできません。それは、人の人生の中に起こる小さな出来事もそうですし、人生そのものにおいても同じです。そして、無数の人によって織りなされる巨大な社会においても同じことだと思います。

今突き詰められるだけの最善を、人は常に求めてよいのだと思います。それができない社会は未熟だと思えばよく、それが正常な思考です。諦めは美しく見えるかもしれませんが、その欠片の蓄積はいつしか腐敗を招きます。ですから、諦めを積み重ねるのは不毛なことなのです。最善を目指すことを放棄してはならないのです。

コメントをどうぞ

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください