2019年7月17日:山羊座の満月(部分月蝕)

アイキャッチ:月蝕

我等はついに
この黒き瀬まで辿り着いた

異界を隔てる
その柵向こうに
真なる太陽を求めて

太陽よ
我等の姿を直視せよ

真なる太陽ならば
我等の朽ちたる真実を
正しく照らし出せるだろう

ここから先の
道はなく退路も断たれたが

我等はもはや
ここに辿り着いたならば
黒き瀬を後にはできぬ

次の一歩と
身の朽ち果てる
覚悟をせねばなるまい


月相図のメッセージを詩にする

今回の表現のテーマ

満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」 という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えています。

  • パンドラボックスが開かれるとき
  • 闇に向き合う覚悟を決める

月相図をとおして社会を眺める

トランジット図:2019年7月17日 6時38分5秒

月相図のチャートから読み取った内容から、この満月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。

この月蝕の影響を受ける期間は、原則として次の月蝕までですが、蝕のチャートの影響力はそれ以降も続くことが多いとされます。

背景に漂う空気感を要約する

大きな熱量を持って皆に変化を呼びかける人、それに呼応する人の存在から生まれる改革の機運はありますが、社会全体への浸透は難しそうです。やがて時間が経つにつれ、その炎の揺れは緩くなり沈静化していきますが、完全に消えてしまう前に次代の反乱への種火として、人々の心の中に隠されることになりそうです。

社会の基本的な動向を要約する

動きが大きい分野

不可視領域

この単語を書くたびに苦い感情が湧くのを感じます…。

この領域の中に隠れようとせんばかりの為政者の傍には、その席を彩る華もあり、姿が見えないでもその声を伝えることができるマイクもスピーカーもあります。役目が終わり、その領域に帰還できる時が来たということなのでしょうか。あるいはただ単に逃亡が必要な状況になるということなのでしょうか。

満月の影響を受けやすい分野

不可視領域

太陽の対極にあるはずの満月も、今回影響を与える分野はここになるようです。♑山羊座での月蝕であり、土星と冥王星そしてノード軸に付き添われているという今回の月。尋常でないほどの重苦しさがあり、これから先、私たち皆が闇を見る覚悟をすべき時が来たということを訴えているかのように思えます。

今回はこの領域の中に、前のセクションに記した為政者の安泰の一方で、反乱分子の内包を抱えることが示されています。この隠された種火が今後どのような運命をたどるのかはまだ今のところ不明です。

その他の分野

海外経済・国家の信用

今はまだもう少し、幻想を見せられるときであるようです。この国にかけられているフィルタを外して外を見てみると、巨大金融機関の破綻であるとか、原油の乱高下の影響などがもうちょっと日本に影響していてもおかしくなさそうに思うのですが…。


解釈について

以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください。

根拠とした各要素と詳細

表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

前提

解釈の全体条件は次のとおりです。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項
  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「社会情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 採用しているハウスシステムは「レギオモンタナス法」です。
  • ホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」を使用しています。

「背景に漂う空気感」を導き出した要素

背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの起点)

解説用:ASCとアスペクト
サビアンシンボル

♌獅子座17°「化学者が自分の生徒に実験を指導する」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♌獅子座の象意のうち「創造性」「興奮」「スリル」「自らにとって望ましい変化の創出」を示します。

化学というキーワードは、対極サインである♒水瓶座を匂わせるようなところがあります。このシンボルは15°より後の度数ですので、対極サインの影響をいったん強く受けていると解釈できますが、ここではその化学変化が起こった結果に対する興奮を示すものです。一つ一つの実験結果を見るたびに、子どものように純粋にハートが動きまわる様子が見てとれます。そして、生じた興奮のままに熱っぽく語りながら、嬉々として生徒たちを感化していきます。

成立しているアスペクト
  • ヨード
    • 土星・海王星
  • トライン
    • 木星
  • セミセクスタイル
    • 金星

奇跡に近い劇的な変化を望みながらも、実際のところは大きな迷いや抗を感じ、なかなかそこから脱却することが難しいと感じる人が多いでしょう。しかし、最終的に国民は全体的にこれから起こる社会の変化を受け入れていきそうです。「受け入れざるを得ない」という開き直りにも近いかもしれません。

ASCルーラー(支配星)の状況

解説用:ASCルーラーとアスペクト
今回のASCの支配星

太陽(♋蟹座・第12ハウス)

成立しているアスペクト
  • コンジャンクション
    • 金星
    • ノード軸
    • 水星
  • オポジション
    • 土星
    • 冥王星
  • メディテーション
    • 満月軸+ノード+金星・土星+冥王星・海王星

ASCにヨードがかかることで♌獅子座の強い輝きがやや陰るのと同様に、ASCの支配星たる太陽は第12ハウスに入り、少し影が薄い感じがします。ただ、それでも太陽のすぐ傍には金星があり、華を添えています。また正反対に位置している冥王星からの強烈な干渉については、それを和らげる海王星の配置が見られます。

これから月蝕の影響が続くと言われる半年の間、現権力者は散々ダメージを負いその存在が薄くなったとしても、霧の中に逃げ込んで安寧を得るのでしょう。そして最終的に、目標としていた事柄は達成されるのではないでしょうか。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

解説用:MCとアスペクト
サビアンシンボル

♉牡牛座11°「若いカップルがウィンドーショッピングをしている」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♉牡牛座の象意のうち「所有欲の肥大」「装備の充実」などを背景に「個人的な欲求の社会的な拡大」と示すと言われます。

個人的に欲しいものと社会的に価値があるとされるものの同化を示すシンボルです。単に物的所有欲の拡大と解釈することもできますが、物品を通じて社会との接点を拡大し、世の中を見ていくという側面もあります。

成立しているアスペクト
  • コンジャンクション
    • 天王星
  • メディテーション
    • 金星・土星・ノード軸
  • スクエア
    • 火星
  • クィンタイル
    • 太陽

このMCの解釈については、直下のセクション「MCルーラー(支配星)の状況」にまとめます。

MCルーラー(支配星)の状況

解説用:MCルーラーとアスペクト
今回のMCの支配星

金星(♋蟹座・第11ハウス)

成立しているアスペクト
  • コンジャンクション
    • 満月軸
    • ノード軸
  • オポジション
    • 土星+冥王星
  • メディテーション
    • 満月軸+ノード軸・土星+冥王星・海王星
  • クィンカンクス
    • 木星
支配しているハウス
  • 第3ハウス(報道・交通)
  • 第10ハウス(政府・与党)

恐らく大半の国民は改革を求めているのだと思いますが、それはある程度の安定の中でのことでしょう。たとえば参院選については最終的に与党に利する形で終結し、現政府への安泰感が定着するものと思います。その安泰感が真か偽かということは別の問題で、少なくとも国家全体の傾向としてはそのように落ち着くだろうという意味です。

与党による報道機関の支配と利活用もこれまで以上に進むでしょう。この支配のもとに作り出される、世界全体および将来に対する楽観的な風潮の波は時に過剰に伝播することになり、ほぼ意図通りの支配結果になるでしょう。

MCに対する直接のアスペクトのうち、気になるものは第12ハウスに入った火星のスクエアです。これは、政権にとっていろいろ順調な結果に落ち着いたように見えたとしても、見えない領域に将来的な火種を残す結果になるという意味だと思います。

「社会の基本的な動向」を導き出した要素

満月のサイン・ハウスおよびアスペクトをとる天体との関係から考えています。

解説用:満月とアスペクト

満月のサインと滞在しているハウス

今回の満月は「♑山羊座・第6ハウス」に位置しています。対となる太陽は「♋蟹座・第12ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♋蟹座 – ♑山羊座のラインは「礎」「環境・フィールド」などを示します。この対は、蟹座がローカル、山羊座がパブリックを象徴し、どちらも人が生きる世界の礎であることを意味しています。

参考:一般的な解釈例 ♑山羊座の月(第6ハウス)
  • 自らを厳しく律し、与えられた任務を全うしようとする
  • 謙虚な従者として、公共のために働く
  • 組織の修繕あるいは恒常性維持のために自らの職務に邁進する
参考:一般的な解釈例 ♋蟹座の太陽(第12ハウス)
  • 世間から隔離されたエリアに、弱者の保護のための隠れ家を作る
  • 心の中で密かに育ててきた人々への愛情を、無制限に拡大する
成立しているアスペクト

今回の満月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • コンジャンクション/オポジション
    • ノード軸
    • 金星
    • 水星
    • 土星+冥王星
  • メディテーション
    • 満月軸+ノード軸+金星・土星+冥王星・海王星
今回の満月が支配しているハウス
  • 第1ハウス(世論・国勢)
  • 第12ハウス(裏社会・陰謀)

月は満月といえど、地球の影によって光の弱まる月蝕です。サインもデトリメントとなる♑山羊座にあり、しかも取り巻く天体からの圧力がすごい。

一方の太陽はイングレス先が第12ハウスで影が薄いかと思いきや、金星と水星に囲まれて軽やかな印象です。このように、満月の軸だけを見ても、ポジティブなイメージとネガティブイメージが入り乱れた複雑な印象があります。

「今度ばかりは与党もピンチだと思っていたが、最終的にはそのピンチを乗り切り権力体制を盤石なものにした」という展開が待っているような気がします。

満月のルーラー(支配星)の状況

解説用:満月のルーラーとアスペクト
今回の満月の支配星

土星(♑山羊座・第5ハウス)

今回の満月のルーラーは土星です。土星は♑山羊座・第5ハウスに位置しています。

成立しているアスペクト

  • コンジャンクション/オポジション
    • ノード軸
    • 冥王星
    • 満月軸
    • 金星
  • メディテーション
    • 満月軸+ノード軸+金星・土星+冥王星・海王星
  • セミセクスタイル
    • 木星

国家支配のために制圧されているエンターテイメント分野そのものを見ているような配置だなと感じます。また、この支配装置は権力維持のためにうまく機能するでしょう。今後いつまで同じ手段が通用するのかはわかりませんが、少なくともまだしばらくは有効なのではないかなと思います。

その他注目したい天体とハウス

注目したい天体やハウスに焦点をあててみます。

第8ハウスの海王星

解説用:海王星とアスペクト
位置とサイン

♓魚座18°(第8ハウス)

成立しているアスペクト
  • メディテーション
    • 満月軸+ノード軸+金星・土星+冥王星
  • スクエア
    • 木星

海外ではすでに大きな金融機関が倒れたり、原油価格の乱高下があるなどして本当に不安定な経済状態のはずですが、日本にはまだその直接的な影響はすぐには出ないように思います。それ故に多くの人々は「まだ大丈夫だろう」と錯覚してしまうのではないかと思います。その幻想が消えた時、一気に奈落の底に叩き落されるように思えてなりません。個人的にそれをとても恐れています。


あとがき:今このときを生きる人へ

いよいよ参院選の日が迫ってきました。今私たちの社会を取り巻く問題は多岐にわたりすぎていて、何をどのように理解すればいいのかさっぱり分からないという方も多いと思います。

しかし、少なくともこのサイトにお越し頂いている皆さんは、「ネットから得た情報を使って、世の中を別の視点から眺め直す」ことができる力をお持ちです。その力を利用すれば、国内のマスメディアが発する情報だけでなく、海外のメディアや様々なフィールドに生きる社会研究者、自分とは異なる地点に立つ市民の一人ひとりなど、国内権力の支配下にないところから発せられる情報を得ることができます。その中から有効な答えを探すようになさってください。

もう何年も前から、この2019年の参院選は、日本の今後を決定づける選挙になると言われていました。ついにその時が来て、そしてその直前の月蝕のチャートの著しい緊張感を見ると、まさにそうだと思わずにはいられません。

開けてはならないとされてきた箱は、結局開けられてしまうのでしょう。それでも私たちは、来たる時の姿を見届けなければならない。そのための覚悟をしなければなりません。

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