どんなにもがいても
飛べないときだってあるよ
そういうときは
羽を手入れして乾かしておけば
その時がやってきたら
思いっきり飛べるでしょ
月相図のメッセージを詩にする
今回の表現のテーマ
新月=「決意のとき」という解釈を軸に、それがどのような決意なのかを考えています。
- 生存のために、従属以外の道を選択できないことがある
- 従属の上でできることは何なのか
月相図をとおして社会を眺める
月相図のチャートから読み取った内容から、この新月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。
この新月の影響を受ける期間は、次の満月までです。
背景に漂う空気感を要約する
私たちのような一般の人々にとっては「鬱屈」というフレーズがたいへんふさわしい状況になるのではないでしょうか。苦しみから脱却するために様々な方法を試みても、結局は、自分たちでは動かせない「大きな力」には勝てない。そんな状態が生まれそうです。
その大きな力に巻き込まれてしか、私たちは存在できないということなのかもしれません。それならば、その力に抗うことをテーマにするのではなく、いいように乗りこなして望む方向に進むことを考えたほうが建設的でしょう。
為政者側から見ると、この時期は安定的な権力行使が可能となる時期でしょう。政府の強権性は強調され、それは現在の閉塞感からの脱却欲求と調和します。つまり、政府あるいは与党が、それを支持する層と協調することで発生する改革機運につながるということです。現在の状況からすると、具体的には嫌韓・反韓現象によって具象化するものと思われます。
社会の基本的な動向を要約する
動きが大きい分野
軍事
第6ハウスに集中しすぎている天体の様子を見て、まず真っ先に心配すべきなのはこの分野です。近隣諸国との外交状況も芳しくなく、先進国同士での会談結果も大した成果がなく身のない状況ですから、交流関係の暗転や利害の不一致などが発端となって軍事衝突への道が開かされてしまうことを、最も懸念しなければなりません。
新月の影響を受けやすい分野
国土環境・気象
食糧事情や環境衛生分野などの問題が大きくなりそうということも考えさせられます。
その他の分野
株価・為替(対外信用)
最近株価も為替も下がり始めてきました。もうちょっと持つのかなと思っていましたが、そろそろ本格的に下がっていく時期を迎えたのかもしれません。ふくらみまくっていた経済分野の幻想はいよいよ終わっていくのでしょう。
解釈について
以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください。
根拠とした各要素と詳細
表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。
前提
解釈の全体条件は次のとおりです。
チャートの主体
「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。
留意事項
- ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「社会情勢」として考えています。
- アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
- 採用しているハウスシステムは「レギオモンタナス法」です。
- ホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」を使用しています。
「背景に漂う空気感」を導き出した要素
背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。
ASC(集合的エネルギーの起点)
サビアンシンボル
♈牡羊座11°「野ガモの三角形型飛行」
サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意
このシンボルは♈牡羊座の象意のうち「本能的な理解」「自然・宇宙的な法則への従属」「統率」を表します。
あまり知られていないかもしれませんが、♈牡羊座には「統率」や「集団・規律への従属」という象意があります。これは、羊が群れの中で生きる生き物だというところから知ることができます。このシンボルでは、そのような統率や従属が、本能の世界で感知する自然や宇宙に息づく法則と結びついていることを示しています。
成立しているアスペクト
- スクエア
- 土星
- トライン
- 木星
- クィンカンクス
- 金星
エネルギッシュで活動的なムーブメントが起ころうとするのを、強い抑圧によって阻まれる傾向が出そうです。吹き出そうとするエネルギーの無理な抑えつけは、トラブルの原因になることがありますので、大変緊張感のある空気感が満ちると考えられます。
ASCルーラー(支配星)の状況
今回のASCの支配星
火星(♍乙女座・第6ハウス)
成立しているアスペクト
- ステリウム
- 新月
- 水星
- 金星
- グランドトライン
- 新月+水星+金星・土星・天王星
- スクエア
- 木星
- セスキコードレート
- 冥王星
軍事的な緊張感が高まりやすい期間であり、その影響が日本社会のいたるところに影響を及ぼすのではないかと感じられます。
現時点では日韓関係が騒がしいのですが、韓国(および北朝鮮)とは隣国関係にあり、貿易や文化交流だけでなく、領土関係の課題などもありますし、やはり切っても切れない関係性があるでしょう。第6ハウスが示すのはこれらのうちGSOMIAの件においてだと思いますが、この結果として貿易関係が悪化することはまず間違いなさそうです。しかし、それ以外の観点ではどうなのか?という点が気になります。
このままいくと、韓国との軍事面での対立そのものが肯定化される流れになるのではないかと懸念しています。
MC(集合的エネルギーが向かう先)
サビアンシンボル
♑山羊座6°「ヴェールに包まれた預言者が、神の力にとりつかれて語る」
サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意
このシンボルは♑山羊座の象意のうち「自然秩序への従属」「集団を支える意識への同化」「地域支配力の発揮」を示します。
ASCと同様に、自然秩序への従属に関するシンボルが出てきたところに、強い意味があることを感じさせられます。人がいくらどのように抗ってもコントロールできない力。それによる支配の中でしか、物事は動いていかないということなのでしょう。
成立しているアスペクト
- コンジャンクション
- 土星
- グランドトライン
- 新月+水星+金星+火星・土星・天王星
- クィンタイル
- 海王星
規律や権力層の決定事項を重んじる傾向をベースに、不安の蔓延した現状から脱却したい欲求を程よく取り込まれていきます。最終的に形成される空気感は、支配層の強い権力行使の姿勢が受け入れられるということになります。ニュース等でよく言われる表現だと、たとえば「政治的リーダーシップの発揮」という感じでしょうか。このフレーズの周りに付く文言については、各自のご想像のままに。
MCルーラー(支配星)の状況
今回のMCの支配星
土星(♑山羊座・第10ハウス)
成立しているアスペクト
- コンジャンクション
- 冥王星
- ノード軸
- グランドトライン
- 新月+金星+火星・天王星
- メディテーション
- 金星・海王星
- セミセクスタイル
- 木星
MCの支配星である土星自体が、MCとコンジャンクションしています。したがって、MCにて示されている傾向がより強化されるイメージです。
「社会の基本的な動向」を導き出した要素
新月のサイン・ハウスおよびアスペクトをとる天体との関係から考えています。
新月のサインと滞在しているハウス
今回の新月は「♍乙女座・第6ハウス」に位置しています。
サインの基本的な概念
♍乙女座は「修繕」「分析」「調整」「管理」「義務」「従属」「貢献」「健康と病」を示すサインです。正常状態を維持する機能にかかわるため「恒常性」なども示します。
参考:一般的な解釈例 ♍乙女座の月(第6ハウス)
- 清浄な状態の維持のために貢献することを求める
- 与えられた義務を正確にこなすことを安心材料とする
参考:一般的な解釈例 ♍乙女座の太陽(第6ハウス)
- 常識的な人間として自己完成を達成しようとする
- 個人的な名誉を望まず 、社会の一員として貢献する人生を目指す
成立しているアスペクト
今回の新月に対するアスペクトは次のとおりです。
- ステリウム
- 水星
- 金星
- 火星
- グランドトライン
- 水星+金星+火星・土星・天王星
- セスキコードレート
- 冥王星
今回の新月が支配しているハウス
- 第4ハウス(国内環境・気候・野党)
- 第5ハウス(投機・エンターテイメント・人口増減)
- 第6ハウス(軍事・労働雇用・福祉・衛生)
新月の周りに水星・金星・火星が集まり、ステリウム状態になっています。♍乙女座の要素が強調され、また位置している第6ハウスにこの時期のほとんどの事柄が凝縮されていくでしょう。
ASCのセクションでも記載した通り、第6ハウスは軍事を示す領域にあたります。ステリウムに加えて、ASCルーラーである火星の直接的な加わりもありますので、かなりストレートに軍事関係の問題が持ち上がってくる、あるいは軍事に関連を持つ動向が急速に進展すると考えられます。
世の中に蔓延した暗い抑圧の空気は、日常の慢性的な息苦しさを生み出しており、日本社会は常にそこからの脱却欲求を抱えています。大半の人は、真面目に働き、痩せ衰えた経済状況の中で厳しい節約を繰り返して生活しています。このような状況下にあると、人々はこの終わりのない息苦しさに対して「自分たちには責められるべき点はなく、苦しい原因は他にある」と自動的に考えます。
このとき、苦痛の原因として責める的として、自分たちの属性からある程度かけ離れているものを選定することになるのですが、ここで的になりやすいものの一つが「外国」になります。それは、自分たちとは違うということが分かりやすいものであるからです。
今の私たちの社会は、この流れが生まれる条件がほぼ揃っています。
このような状態にあるときは、何らかの権力を持つ人からの号令や社会全体に整えられた「仕掛け」を合図に、その的を責める動きが雪崩的に始まってしまい、気づけば後戻りができない状況に陥っていきます。目の前に的があれば、そこに目が行ってしまうものです。そして、戦争とはいつもこのように始まっていくものです。
今回の新月図に示されている、新月とMCを含めたグランドトラインは、この動向の完成を示唆しているように見えて仕方がありません。
新月のルーラー(支配星)の状況
今回の新月の支配星
水星(♍乙女座・第6ハウス)
成立しているアスペクト
- ステリウム
- 新月
- 火星
- 金星
- トライン
- 天王星
水星は情報を司るわかりやすい天体です。第6ハウスで新月とともに並び立つ水星は、この時期に発信される情報の多くが第6ハウスの示す事柄になることを意味しますが、それはすなわち軍事や安全保障などのことになるのでしょう。社会の改革を求め続ける世論のエネルギーを吸い上げて、軍事への関心に人々を向かわせる働きを示しているものと考えます。
また、♍乙女座ということを考えると、健康や医療に関する事柄などもクローズアップされるかもしれません。
その他注目したい天体とハウス
注目したい天体やハウスに焦点をあててみます。
海王星
成立しているアスペクト
- オポジション
- 金星
- Tスクエア
- 金星・木星
- メディテーション
- 土星+冥王星+ノード軸
海王星は木星とのスクエアを形成中であり、今回からしばらくの間はここに♍乙女座に入った天体が順次加わってTスクエアを形成していきます。幻想の過剰な拡大を示す木星と海王星のスクエアにいろいろなものが実際に巻き込まれ、社会を流れる時間の中で迷子になっていくことを示しているかのようです。
また、海王星は今年に入ってから、度々月相図内で第12ハウスに入っているパターンが多いように感じます。これまで主にアメリカを拠点にしていたディープ・ステートや世界的な富裕層などの勢力は、現在諸事の摘発や拘束などが続いていると言われています。また、彼らがアメリカを離れて移動した先が中国であり、ここに隠れているとも言われています。この勢力に関係している存在は、表に出ることが難しい状況にあるようで、水面下ではいろいろな動きが起こっていると言われていますが、その動きとは通常の常識の範囲で理解できることではなく、またそもそも情報自体が日本でほとんどわからず、動向はつかむことが大変難しいです。そういった状況そのものを、この海王星が示していると思います。本来は、世界の進む方向を決めるカギを握り続けてきたこれらの勢力について、もっと情報が得られるとよいのですけれどね。
2019年の四季図では、春分図・夏至図ではこれと同じ状態が示されていましたが、秋分図・冬至図では状況が変わっていきます。これから先、この大切なことがほとんどわからない状態が少しでも良い方向に変化していってくれることを望みます。
あとがき:今このときを生きる人へ
占星術のチャートに示されるMCというポイントは、感受点であって天体ではないのですが、この点を含むとても正確な地のグランドトラインが形成される今回の♍乙女座の新月。これが私にはどうやっても喜ばしい図には見えませんでした。「(集団への)従属性」が著しく強調された天体や感受点の配置と、♍乙女座を力点とした地のサインでのグランドトラインには、固定化のエネルギーばかりを感じさせられてしまうからです。
世論は先月、猛烈な勢いで沸き立っていました。実に様々な分野の問題で沸き立っていたのですが、その結果、今人々は「何が正しいのか」という答えを渇望する状態にあります。渇望の理由は大きく2つあり、1つ目は、人というものは何事にも結論がもたらされないと混乱してしまいやすいということ。延々と思考し、その状態を維持することに慣れていないのです。2つ目は、様々に入り乱れる情報や事象の中から、正しさを見つけ出すための軸となる価値観がしっかりと形成されていないことです。自ら答えを見出す力が育っていないので、必然的にそれを外部に求めることになるためです。
この新月の時期を過ぎた後、今度は満月へ向かう時期に進むにつれて、しばらく混迷の色が濃くなっていきます。それは正しさと安定を求めて従属を受け入れた反作用なのかもしれません。その時私たちは、力への安易な従属に甘んじたことを、少しでも悔いることができるのでしょうか。
昨年までの間に天から伝えられた、真の改革を望む精神を見失わないようにしたいと思います。従属するしかない環境の中でも、いつかそこから脱却するために見えない準備を重ねておくことが、後々の自分の人生や社会の正常化のために必要なことなのでしょう。