2019年9月29日:天秤座の新月

アイキャッチ:新月

私とあなたの
私と誰かの

みんなと私の
世界と私の

かくも美しく
つりあうところ

あなたという名の
誰かという名の

いつしか生まれる
私の中に

みんなという名の
私という名の

永遠なるカオスの
世界の中に

ムーディな明かりをたしなむ2つのワイングラス

月相図のメッセージを詩にする

今回の表現のテーマ

新月=「決意のとき」という解釈を軸に、それがどのような決意なのかを考えています。

  • 世界の重心を永遠に探し続ける
  • 宝石は原石のままでは輝けない

月相図をとおして社会を眺める

トランジット図:2019年9月29日 3時26分14秒

月相図のチャートから読み取った内容から、この新月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。

この新月の影響を受ける期間は、次の満月までです。

背景に漂う空気感を要約する

社会はだいぶ疲弊してはいますが、そんな中僅かに、問題解決に向かう糸口が見つかったのかもしれないという期待感が寄せられそうです。2019年度下半期のスタート、発足した改造内閣、日米貿易協定位の締結や消費税増税の実施など、なにかと切り替わりのポイントが多い時期でもあります。賑やかで慌ただしく、気がつくと思ったより時間が流れているという感覚を持つかもしれません。

改革機運が高まるときですので、色々と切り替わりの時期という時間的な背景をもとに、為政者側によって恣意的に政局を動かすストーリーを作り出すための演出としてさまざまな「煽り」が強くなる傾向が出るかもしれません。しかし、おそらくですが、煽ることを仕掛けている側も完全に社会の舵を取れているわけではありませんので、結局のところ「なるようにしかならない」のでしょう。

社会の基本的な動向を要約する

動きが大きい分野

国内景気

消費増税と日米貿易協定の締結が大きな影響力を持っています。それ以外にも、例えば食糧生産の問題であったり、宇宙や科学、情報分野における開発の分野における動きの影響を受けて、景気に対してプラスに働くなどもあるかもしれません。

この新月の期間の動向は、ほとんどこの分野にまつわることとなりそうです。全てが景気・経済の問題に吸収されると言うような。もともと社会のあらゆる問題は一つの分野に区切って考えられるものではないのですが、ここへの帰結が目立つという感じになると思われます。

新月の影響を受けやすい分野

議会・自治体・周辺友好国

国会答弁などが正常に進むか進まないかはさておき、この分野での動向が、国内の経済状態に影響する可能性があります。また、友好国の経済状態の余波を日本が受けるというケースもあるかもしれません。この場合の友好国とは「直接的なパートナーシップのないところ」だと思いますので、中東、南米、アフリカ方面の国々のことではないかと思います。


解釈について

以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください。

根拠とした各要素と詳細

表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

前提

解釈の全体条件は次のとおりです。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項
  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「社会情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 採用しているハウスシステムは「レギオモンタナス法」です。
  • ホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」を使用しています。

「背景に漂う空気感」を導き出した要素

背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの起点)

解説用:ASCとアスペクト
位置

♍️乙女座8°

サビアンシンボル

「抽象派の画家が仕事をしている」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♍️乙女座の象意のうち「無駄の排除」と「完璧の追求」、「理想と現実の間の葛藤」いう意味が込められています。

具体性に価値を見出すとされる「地のエレメントのサイン」のひとつである乙女座のシンボルでありながら、このシンボルに登場するのは抽象派の画家です。形を持たない抽象的な物を、具象的な物と同じように視界にとらえ、「描く」という行為によってその存在を確立させようとする様子を描写していると解釈できます。

乙女座は、自らの対極にある魚座の影響力を常に受けており、このために「具体性がないものを現実のように視る」力を持つことがあると私は考えています。乙女座にはスピリチュアリストが多い印象がありますが、この能力に気づくと、そのまま「視える」ものを追い続けてそうなるのではないかと思います。また、視界に入ったエラーやバグを整備する能力もあり、完璧主義的な性格も加わって、あまり妥協することを良しとしない傾向もあります。このような傾向もこのシンボルに現れています。

成立しているアスペクト
  • カイト
    • 土星+ノード軸・天王星
  • セミスクエア
    • 水星

今年の秋分図のASCは♓️魚座であり、なおかつ第1ハウスに入る海王星がコンジャンクションしていました。これは、冬至までの間、社会全体が夢見がちな雰囲気となることを暗に示すものであり、際限なく膨らみ続けていく幻想が迷いや混乱をもたらしやすいことも同時に示すものです。

そんな中、秋分のトップバッターとなるこの新月の時期は、諸々の問題を合理的に解決したい、または解決できるという機運が高まる時でしょう。おそらく多くの人々にとっては「待ち望んだ変化がもたらされる時」という感覚が得られるのではないでしょうか。改造内閣の本格的な始動を受けてのことだと思います。

一方で、一部やや過剰反応をする層もあるでしょう。それは過剰な宣伝という意味もあるでしょうし、ちょっとけたたましい警告という意味もあるでしょう。

ASCルーラー(支配星)の状況

解説用:ASCルーラーとアスペクト
今回のASCの支配星

水星(♎️天秤座・第2ハウス)

成立しているアスペクト
  • コンジャンクション
    • 金星
  • スクエア
    • 冥王星
  • セクスタイル
    • 木星

新月とともに第2ハウスに入った水星が、今回のチャートルーラーです。第2ハウスの示す分野といえば景気ということで、この分野の情報がかなり過密になると考えられます。いよいよ経済の混乱が本格化してくるのでしょうか。

少し前の時期から、例えばGDPという数値の信憑性がすでに疑わしいことなどが指摘されてきていますが、この秋分から冬至までの間で本格的にシリアスなニュースで埋め尽くされていくのではないかと見ています。

そんな折のこの新月の時期はその幕開けとして、まずは楽観的な見方が優勢な状況となるでしょう。その後やがて、秋分図が示すとおり、楽観視と危険視の対立や混乱の激化が起こってくるのではないかと考えています。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

解説用:MCとアスペクト
位置

♊️双子座5°

サビアンシンボル

「油田をドリルで掘る労働者」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♊️双子座の象意のうち「煽情性」「強烈な刺激と興奮」「模索」「利用価値の考察」を象徴しています。

双子座のシンボルには過激性が強調されているものが割と多く、このシンボルもその一つです。巨万の富の素である石油を蓄えた油田を掘り当てるということは、富と賞賛への強い欲求、他者支配への欲求などがあり、それらのすべてが、石油を手に入れる者に非常に強い興奮をもたらします。そして人々はこの興奮に煽られて、石油を掘るという重労働を自ら行います。労働者が富を得る様子はさらに多くの人々に伝播し、人々の心を一層煽ります。そしてさらに多くの労働者やその富の恩恵に預かろうとする人々を呼び寄せていきます。

石油とは、過去に生きた生命の変質した姿。熱や圧力によって跡形もなくなり、その構成要素さえ変化した者達です。古代からの集合知も、似たようなものかもしれません。

死して黒い水となったおびただしい数の亡骸を燃やし尽くし、また加工して化学物質を創り出すことで私達の現代社会は発展しました。しかし果たしてそこに、死した者達、つまりかつて生きた者達への感謝の念はあったのでしょうか?加工によって地や水に還れなくなった科学物質の蔓延によって、地球上にあった生命の循環システムを狂わせた代償は、我々が得た富というものによって支払い切れるでしょうか?

このシンボルには、一方方向への偏った知性の発達や、煽情性が危険な方向に進みやすいという戒めも込められています。

成立しているアスペクト
  • トライン
    • 新月
  • セスキコードレート
    • 冥王星
  • セミセクスタイル
    • 天王星

閉塞的な社会状況を打破するきっかけを得たような感覚を社会全体が持ちやすいときだとASCのセクションに書きましたが、ある程度時が過ぎると、そのような改革機運が実りを結ぶかのように見えてくるでしょう。

しかし、最終的にその改革機運の成就感はやや行き過ぎた状態になるのではないかと考えます。

MCルーラー(支配星)の状況

解説用:MCルーラーとアスペクト
今回のMCの支配星

水星(♎️天秤座・第2ハウス)

成立しているアスペクト
  • コンジャンクション
    • 金星
  • スクエア
    • 冥王星
  • セクスタイル
    • 木星

MCルーラーも、ASCルーラーと同じ水星です。ここでは、MCルーラーとして何を意味しているかを改めて考えてみます。

今回の場合は、ASCとMCの示す方向性にある程度の一貫性があるなと思いました。改革機運の成就を感じさせられるカギは、国内経済の盛り上がりを演出する報道になります。そのような報道に煽られ踊らされた社会は、今後どのような道筋を辿ることになるのでしょうか。

「社会の基本的な動向」を導き出した要素

新月のサイン・ハウスおよびアスペクトをとる天体との関係から考えています。

解説用:新月とアスペクト

新月のサインと滞在しているハウス

今回の新月は「♎️天秤座・第2ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♎️天秤座は「調和」「公正」「完全なる美」「万物の対等性」「対峙」「契約」「協同」などを象徴するサインです。また「正義」に関わるサインでもあります。

参考:一般的な解釈例 ♎️天秤座の月(第2ハウス)
  • 自らの所有物を美しく保とうとする
  • 万物への対等の意識を堅持する
  • 自らの持てる資源を感謝の念のもとに用い、すべてが完全に調和した世界を築こうとする
参考:一般的な解釈例 ♎️天秤座の太陽(第2ハウス)
  • 完全なる調和を実現する意識のもとに自らの正義の基準を築き、その番人となる
成立しているアスペクト

今回の新月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • クィンカンクス
    • 天王星
  • クィンタイル
    • 木星
今回の新月が支配しているハウス
  • 第11ハウス(議会・友好国・地方自治体)
  • 第12ハウス(不可視領域・陰謀・諜報)

10月1日から始まる消費増税や、つい先日締結された日米貿易協定の影響が早速現れることを示しているように見えます。また、国会の動向や不透明な影響によって市場が敏感に動くことになりがちですが、国内の景気としてはしばらくの間賑やかになり、株価の上昇もあるでしょう。

ただ、好景気な雰囲気がやってきたとしても、それは安定的にコントロールされているものではなさそうです。突発的なアップダウンを繰り返す可能性もあり、先が読めないことには変わりがありません。

新月のルーラー(支配星)の状況

解説用:新月のルーラーとアスペクト
今回の新月の支配星

金星(♎️天秤座・第2ハウス)

成立しているアスペクト
  • スクエア
    • 土星+冥王星+ノード軸
  • セクスタイル
    • 木星
  • クィンカンクス
    • 海王星

カネと権力の関係性について、あるいは芸術と権力の関係性について、支配性の強調がありそうに思えます。例えば先日報道されていたあいちトリエンナーレの補助金不交付の件は、まさにこの配置によって示されているのかもしれません。

今回は主要な要素がすべて第2ハウスに集中した配置となっており、国内経済の行方について強烈な関心が集まり、また大きな社会の動きが発生すると見込まれる期間です。

また、新月が示していた要素も合わせて考えてみると、この時期というのは、社会通念としての美的価値観そのものの変動についても、いつも以上に目を向けてみる時ではないかと思えます。

価値観の書き換えは特に今年に入ってから急速に進んでいるように思います。一人一人が、自らの美的価値観を構築するときに何を基準にしているのかを振り返ってみたほうがいいかもしれません。

その他注目したい天体とハウス

注目したい天体やハウスに焦点をあててみます。

第5ハウスの土星

位置

♑️山羊座13°

成立しているアスペクト

  • コンジャンクション
    • 冥王星
    • ノード軸
  • スクエア
    • 金星
  • セクスタイル
    • 海王星

第5ハウスは、次の上弦図のタイミングで月が入るハウスです。そんなところから、天秤座期間の前半期にあたる新月〜上弦が示す期間は、エンターテイメント関連分野における政治介入がかなり強硬的に行われたり、政府機関が何かと注目を集める展開があるのではないかと思われます。小泉氏の影響も大きく出てくるのかなあなどと考えます。


あとがき:今このときを生きる人へ

2019年も気がつけばずいぶんと時が流れ、残りは約3ヶ月となりました。秋分を超えると一気に陽が短くなったように感じられますね。

今年の秋分図で気になった点は、第2ハウスに入った天王星にメジャーなアスペクトが形成されていなかったことでした。この状態になっている天体は制御が効きづらく、予測不能な働きをすると言われます。このことが、今年の秋分から約3ヶ月の間に、国内経済が大きなハプニングとともに転換することを示しているものと思います。

♎️天秤座の新月が示すこの時期は、いろいろな物事の「正統性」がやたらと叫ばれたり、その真偽を問われたりするような出来事がこれまで以上に多くなる時なのかもしれません。正統性の主張に躍起になる時というのは、その物事が本来は正統でない、あるいは正統とみなされない状況への抵抗をしたい時。「認めさせたい」という意識が強く働いている時です。そのような意識が肥大すると、他者を屈服するために「力」を行使しようとします。

正統性を主張する側が高い戦闘力や権力などを持っていて、それが周囲よりも勝っていれば、簡単にそれを使って周囲を屈服させていきます。それが単なる暴力によるものであれば、「屈服させられた」という意識を持ちやすいものの、これが権力である場合「屈服させられた」という意識を持てない人々が大勢出てきます。権力にはそのような特性があります。権力側が正しいのだと思い込ませやすい機構が存在するのです。

改造内閣の布陣を見た時、今回の改造よって実現しようとしていることは、まさにこれではないかなと思えました。今までの在り方でも充分市民側の屈服に対する実績を積んできていますが、「来年に向けてキメにきたのだな」という感覚を持ちました。

このような中で私たち市民の側が意識すべきことは、美意識を持ち直すことかなと思います。

先人の努力によって経済的に発展を続けてきた社会は、精神的な発展が本当に伴っていたのか?知性を備えた社会であったはずではないのか?私個人としてはそのように問いたくなることがとても多いです。

現在の私たちを取り巻く社会は、もはや先進国の社会とは思えないほど質が劣化しています。

冷静な議論ができない人が多い。豊かな文化を育む方法を知らない人が多い。中身の伴わない美辞麗句と演出に踊らされ続けている人が多い。知性を持って社会を眺めることを放棄している人が多い。問題の根本を解決しようとする姿勢を一向に持てない人が多い。

他の先進国の方々、近隣諸国などの方々から日本の国民を見た時、社会を構成する人間としてこれらの感覚が育っていないということがわかったら、きっと困惑するでしょう。どの国にだって似たような問題はあるはずですが、諸外国と日本では、その割合が異なるように思います。それが、それぞれの国内に漂う緊張感の濃度の違いを生んでいるのだと思います。

今回の♎️天秤座の新月の意味を精神的に解釈するなら、「美しくありたければ矜持を持て」ということかなと思います。美意識を徹底的に高め、自らを徹底的に磨かなければ矜持を持つことはできません。それが♎️天秤座というサインの真価を発揮するための大切な要素でもあることを考えれば、割とストレートなメッセージだと感じます。

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