2019年10月28日:蠍座の新月

アイキャッチ:新月

人は旅をするとき
その手や脳に地図を携えていく

自らにとっての未知を知り
根を張る場所を探すために

しかし時の旅は強制的で
ねだっても地図はもらえない

ゆえに怯えながら這いずり
また同じところに戻ってしまう

それが何度も繰り返してきた
愚かしい過ちのリピートだ

地図を知っていなければ
あの鉄橋さえ恐怖へのゲートだ

それが新しい時代を
迎えるということなのだ

夕闇の大河にかかる光の鉄橋

月相図のメッセージを詩にする

今回の表現のテーマ

新月=「決意のとき」という解釈を軸に、それがどのような決意なのかを考えています。

  • 時代の激変を受け入れる覚悟をする
  • 過ちを繰り返してきた人間の未熟さや愚かさを批判しつつ、その恐怖を想像する
  • 過ちを繰り返さないために何をすべきかを問う

月相図をとおして社会を眺める

トランジット図:2019年10月28日 12時38分20秒

月相図のチャートから読み取った内容から、この新月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。

この新月の影響を受ける期間は、次の満月までです。

背景に漂う空気感を要約する

誰の目にも明らかな変化の時になるでしょう。やたらと興奮させられたり、場合によっては神経を逆なでされるようなことに満ち、そこに精神エネルギーを注ぐ形になりそうです。多くの出来事に人々は派手に翻弄されます。

ちょうど先日、天皇陛下の即位礼正殿の儀が執り行われました。これで「代替わり」が正式に完了したことになります。令和の時代の本格始動の時でもありますので、刺激が強い出来事だらけになるのもうなずけます。

社会の基本的な動向を要約する

動きが大きい分野

情報・通信・運輸等

技術革新についての動向が目立つ展開になるかもしれません。目覚ましい発展の情報か、規模の大きなトラブルの発生なのかといったところです。また、このような分野の中でも「お金に関わること」に関連してくる可能性がそこそこ高いと思います。とくに電子マネー系の使用などには注意しておきたいところです。

新月の影響を受けやすい分野

法律・貿易・司法等

ちょっと動向が読めませんが、大きめの動きがあるのではないかと思います。おそらく何らかの法改正が行われるのではないかな…と。それもかなりわかりにくいタイミングではないかと見ます。

その他の分野

金融

貨幣価値の変化について、そろそろ大きな社会的動向が発生するのではないかと見ています。


解釈について

以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください。

根拠とした各要素と詳細

表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

前提

解釈の全体条件は次のとおりです。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項
  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「社会情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 採用しているハウスシステムは「レギオモンタナス法」です。
  • ホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」を使用しています。

「背景に漂う空気感」を導き出した要素

背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの起点)

解説用:ASCとアスペクト
位置

♒️水瓶座3°

サビアンシンボル

「インドのヨギが自らの治癒力を示す」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♒️水瓶座の象意のうち「厭世性」「客観視」「問題解決能力の発揮」を示しています。

成立しているアスペクト
  • Tスクエア
    • 新月・天王星

時代に応じた改革を目指して、劇的な「荒療治」が行われ、多くの人々はその突飛さについていけないという声を上げるのかもしれません。

ASCルーラー(支配星)の状況

解説用:ASCルーラーとアスペクト
今回のASCの支配星

天王星(♉️牡牛座・第3ハウス)

成立しているアスペクト
  • オポジション
    • 新月

情報技術の革新について注目が集まる時期になろうかと思います。5G・自動運転技術の社会的導入に向けた進捗状況のレポート、あるいは増税とともに開始されたキャッシュレス決済のトラブル・問題点の露出や、仮想通貨主体の経済への転換について現実味を増すような社会動向が見られるなどがあるかもしれません。一部では仮想通貨の台頭と金本位制の再開がセットになるのではないかとの情報などもありますので、具体的な事象を絞ることはなかなか難しく思います。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

解説用:MCとアスペクト
位置

♏️蠍座22°

サビアンシンボル

「ウサギが自然霊に変態する」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♏️蠍座の象意のうち「本能的欲求の直視と昇華」「自然原理に宿る高尚性とその原点」を示します。

成立しているアスペクト
  • コンジャンクション
    • 水星+金星
  • ミニトライン
    • 水星+金星・海王星・冥王星
  • セミセクスタイル
    • 木星

新しい時代の海は謎めきすぎていて、すぐには馴染めないけれど、とても魅力的で、人々はその波に乗るために衝動的に行動を起こします。行動するのは、エネルギーの強い若い世代の人や女性的な人。またこれらの人々を扇動するための政府主導の広報活動も盛んになると思われます。この社会動向に対しては、議会や地方自治体なども積極的になりそうです。

MCルーラー(支配星)の状況

解説用:MCルーラーとアスペクト
今回のMCの支配星

冥王星(♑️山羊座・第12ハウス)

成立しているアスペクト
  • コンジャンクション
    • 土星
  • ミニトライン
    • 金星・海王星
  • スクエア
    • 火星
  • セミセクスタイル
    • 木星

新しい時代の波に乗るように人々をエキサイトさせることには「見えない権力による意図」があるのでしょう。その意図が表沙汰になることは現時点ではまだないようです。まだ本番ではないですからね。

「社会の基本的な動向」を導き出した要素

新月のサイン・ハウスおよびアスペクトをとる天体との関係から考えています。

解説用:新月とアスペクト

新月のサインと滞在しているハウス

今回の新月は「♏️蠍座・第9ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♏️蠍座は「生死」「転生」「共有」「融合」「遺伝」「継承」「秘匿」を示すサインです。

参考:一般的な解釈例 ♏️蠍座の月(第9ハウス)
  • 真実の在り処について無限に探求しようとする
  • 心の底からの想いを分かち合える人を遠い世界へと探しに行きたがる
参考:一般的な解釈例 ♏️蠍座の太陽(第9ハウス)
  • 生命の真理・生命の秘儀の探究者となる
  • 歴史と意図の中に隠された暗号を学問を用いて解読する
成立しているアスペクト

今回の新月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • オポジション
    • 天王星
  • クィンタイル
    • 土星
今回の新月が支配しているハウス
  • 第6ハウス(軍事・労働・厚生)
  • 第7ハウス(外交・契約)

謎だらけの新しい流れの中へ強制的に連れていかれ、多くの刺激を受け取ることにより人々はエキサイトするのですが、社会の流れとしては、まだ何も明らかにならないままのようです。それとは裏腹に、人々の欲求自体は「隠された暗号を解きたい」というものでしょう。巨大な災害と不穏な社会情勢の中で生きていれば、それは自然に発生する欲求であると言えます。

肝心なことは、この時期に心の奥底に生成された「解き明かしたい欲求」がどれくらい人々の中にしっかりと根付くかどうかというところでしょう。今後さらに権力による支配は強まるので、人々のあいだから自由がなくなっていくことになるのですが、その際にこの希望の種を自らの心の中に残しておけるかどうかが、次の社会を理想的なものにできるかどうかの分かれ目になるからです。

新月のルーラー(支配星)の状況

解説用:新月のルーラーとアスペクト
今回の新月の支配星

冥王星(♏️蠍座・第12ハウス)

ちょっと事件性の強い相があり、気になります。何らかの正義感に駆られた人が公的権力者あるいは公僕として働く人を攻撃するかのような。

この層の気になる点は、どちらも表沙汰にはわからない部分にいて、闇の中から闇の中へ何かを葬るようなイメージを掻き立てられることです。

もし起こった場合、「謎めいた事件」という部分だけが表に現れ、詳しいことはあまり明らかにならないでしょう。それが余計に「隠された暗号を解き明かしたい」という多くの人々が内に持つ欲求に火をつけることになるのでしょうか。

その他注目したい天体とハウス

注目したい天体やハウスに焦点をあててみます。

木星

解説用:木星とアスペクト
位置

♐️射手座22°(第11ハウス)

サビアンシンボル

「新しい国への入国に必要な条件を満たす、移民の集団」

成立しているアスペクト
  • スクエア
    • 海王星
  • セミセクスタイル
    • 金星
    • 冥王星

「移民」というシンボルフレーズは、射手座の象意らしいものです。第11ハウスは議会すなわち立法府を表す領域でもあることから、移民関連の法律について何らかの動向があるのではないかと考えられます。アスペクトから考えると、混迷が深くなりそうな様相です。


あとがき:今このときを生きる人へ

今回は記事のアップが間に合わず、新月から3日経過してしまいました。そしてそのたった3日間の間に、強い緊張感をもった事件がいくつも起こりました。

「新月に天王星がかかっているので、変容の時です」というのは簡単ですが、変容とは大体において、望ましくない事象の連続の先、極限状態の向こう側にあります。そこに行き着くまでには、吐いたり、気が狂うほどの苦しみや痛みを与えられるものです。そんなに易々と「変容の時だ」などと言えないなと私は思ってしまいます。

しかし、おそらくこの3日間での出来事も脳内にとどめておけないほどのショッキングな展開が、この先すぐに待っている気がしています。それはきっと世界規模の影響力を持つ出来事なのでしょう。

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