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若者と占星術と私

アイキャッチ:若者と占星術と私

こんにちは。Clareです。

今日は、タイトルにあげたテーマについて、現在の私の所感を書き留めておこうと思います。

このテーマを選んだ理由

私は2023年3月末まで、名古屋市の公共施設の一つである「名古屋市青少年交流プラザ」というところで仕事をしていました。

公共施設での仕事…と言っても私は名古屋市の職員としてではなく、当該施設の指定管理者として市が選定した事業者の一員という形で仕事をしていました。

参考

1:名古屋市青少年交流プラザについて

この施設は名称に「青少年」という単語が含まれていることからもわかるように、若者たちをその支援対象としている施設です。

現在「名古屋市青少年交流プラザ」は本館・分館の2館構成となっており、私はこのうち本館にあたる「ユースクエア」にいました。

名古屋市青少年交流プラザの本館に位置付けられているユースクエアの紹介ページと、プラザで行われていた事業・イベントの紹介ページのサムネイル

若者を専門的に支援する施設というのは、日本国内ではまだ少なく珍しいかもしれません。近年では「ユースセンター」と呼ばれることも増えてきました。

またさらなる専門性やクオリティの向上、全国的な普及にむけて精力的に活動している個人や団体の方々もいらっしゃいます。

2:「指定管理者」とは?

詳細は割愛しますが、ようは地方自治体の持っている施設の管理を請け負う民間事業者のことです。

指定管理者 – Wikipedia

各自治体が定めた選定基準や方法に従って選定されます。企業が選定されることもあれば、NPO法人や財団法人等が選定されることもあります。

私がいたところは、複数の非営利団体によって構成されたコンソーシアム(共同事業体)でした。

※当該コンソーシアムは指定管理者契約期間の終了にともなって解散され、現在はありません

たどった経緯

私はここにWebやDTPのデザイナー的なポジションで入りました。

就労開始は2019年5月から。当初は年度末までのつもりでいましたが、それまでに目的のサイト構築が完了できなさそうだな…と考えていたところでコロナ禍が始まりました。世界の何もかもが激変していく中で当時の職場も予想外の大転換を余儀なくされ、当然ながら私もその余波を受けました。

しかし、これは私にとって、就業の上では完全にプラスに働きました。

施設の開館ができなくなったことに加え、私の業務内容は施設常駐の必要性が全くなかったので、完全リモートワークに。次の年度以降には週1回の現地出勤とはなったものの、それ以外は自宅で仕事をすることが定着しました。これにより、私は「公共施設の職員でありながらほぼリモートワークしてる人」というずいぶんなレアキャラになったのでした。

このおかげで、私は体力や精神力を維持しやすくなり、業務効率も爆上がり。そして、コンソーシアム内のいろいろな方針転換によって施設の運営スタイルに変化がでたりなど、実にたくさんの要素が絡み合ったことで、最終的に指定管理期間終了時期である2023年3月末までここで仕事をし続けました。

占星術をどう関わらせたのか

背景にあったこと

ここでの仕事は意義があると考えていましたが、今後もそれに邁進し続けようとは微塵も思っていませんでした。なぜなら、私が目指していたのは独立であり、そしてその中心に据えたかったのは占星術であったからです。

元々問題解決型の仕事をする人なので、仕事が軌道に乗ってくると、時間が経つにつれて見える問題が増え、自分の手がける仕事の重要度が目に見えて高まっていきます。そしていわゆる仕事人間でもあるため、見える問題を可能な限り解決しようとして無限に仕事をしてしまうところがあります。気がつくと仕事に入れ込んでしまうのです。

それで、目的を果たしたらすぐに抜けられるように「当初は年度末まで」というスタンスで関わることにしたのです。

ところが先述のようにコロナ禍をきっかけとして色々と大きく変化してしまい、まず当初の就業期間の設定を、それに伴って自分の仕事の仕方も変更せざるをえなくなりました。

組織と関わって仕事をしていると、その組織の目的や、組織自体のことをいろいろと考える必要がでてきます。そのため、日々組織の仕事を片付けてから思考環境を切り替えて占星術のことをするというつもりでいたのですが…。

取り扱うのが特殊な分野と環境だったので、その仕事のために思考力を使うと、占星術に回せる思考のための力や時間などのリソースを残すことができませんでした。そのため「占星術のことがほぼできない」状態になり、このBlogを書くことをやめ、次第に口も考えも閉ざしていきました。

この状態から脱出するための努力はし続けたのですが、結局達成できませんでした。単純に、自分にそこまでの諸能力がなかったからです。

そして自分の中でフラストレーションが溜まり続けた結果「占星術を仕事に組み込む」という手段に出たのです。

イメージ:溜まりすぎた仕事の前に途方にくれる女性

どうやったのか

当時施設運営に関わっていた職員たちは、この施設をただの箱ではなく、若者にとってもっと意義あるものにしたいと取り組んでいました。その歴史の中で取り入れてきたのが「ユースワーク」という考え方やその実践です。

※セクション末尾にユースワークに関する参考サイトをいくつかピックアップしておきます。

コロナ禍での施設閉館と、もともと予定されていたちょっと規模が大きい工事のために連続閉館する期間を経た後、当該施設では、それまで積み上げてきたユースワークをさらに高次元のものに引き上げるための取り組みを新たに導入。スタッフがそれまで以上に若者との交流を積極的に持つための活動が、本格的にはじまることになりました。

ユースクエアには「オープンスペース」と呼ばれる広いフリースペースがあるのですが、ここで若者たちがスタッフと自由に交流できるような仕組みづくりを行い、実践活動をスタートさせたのです。

私はこのユースワーク的な活動の中に、占星術セッションを組み込みました。

つまり「公共施設で占いをする」というシュールな状況を爆誕させたということです。

※当時のオープンスペースの様子を掲載してみました。現在は指定管理者が変わっていることもあり、違う雰囲気の空間になっていると思います。

補足

  • この試みは職員として取り組んでいるものなので「業務」という扱いです。
  • セッション対象は次のとおりと設定していました。
    • 施設の利用者で、施設が支援対象とする年齢層の方(小学生〜34歳)
    • 施設の職員
      職員の方の場合は「占星術セッションがどのようなものか」を体験して頂き、希望者に紹介できるようになっていただくのが主な目的。
  • 企画書を書いて提出し、承認を得てから実践に移しました。
  • 私が占星術師であることは、就業1年目に職場内で公言していました。そして、この活動をはじめることを勧めてくださった方が所内にいたということも、実現においては大きかったです。

ユースワークに関する参考サイト

やってみてわかったこと

私はもともとユースクエアでの仕事と占星術の仕事を絡める気はありませんでした。そのため、どちらかと言えば「不本意」な決断をした形です。

しかし、そんな不本意な決断からはじまったこの試みも、やってみるといろいろ得られたこと・生まれたものがありました。

※「Astro Lounge」という名前をつけてやっていました。隣のイメージは、当時スペースを出す時に使っていた自作のパネルです。

パネルイメージ:AstroLounge by Clare クレアの占星術ラウンジ

意義

1. 若者に対する占術提供機会の出現

一般的に見ても、ユースクエアの支援対象である層(その中でもとくに〜20代)が本格的な占いの顧客になるケースはあまり多くないので、この層に対する占術実施の機会そのものが大変貴重なものとなりました。

2. 若者の認識やニーズの理解

自己理解や成長に関するニーズ

私が提供を目指したのは「自己理解や成長を求め、未来を自分で選択するための占い」だったので、いわゆる「エンターテイメント的な占い」を強く求められた時にどのように取り合うべきか?などとずいぶんシミュレーションしたりしていました。

しかし、実際にやってみたところ…そういった求めはただの1件もありませんでした。むしろ彼らは、私が提供しようとしていたものを自発的に要求してきたのです。

施設利用者の中でセッションを求めてくれた人はいずれも20歳前後でしたが、このくらいの年齢の若者たちが今の時代でも真摯に自分自身について目を向け、成長を遂げようとしているのだと、私は身をもって知ることができました。

これが私にとっての最大の収穫だったと思っています。

すべての若者たちがこのような姿勢をもっているとは思わないですが、それでも、彼らの世代が潜在的に持つ自己理解・成長欲求の強さとその純度の高さ、人生を自己決断しようとする姿勢に感動を覚えました。

補足:占星術的な世代の観点

彼らの世代の多くは、天王星を水瓶座〜魚座のはじめ、海王星を山羊座の終わり間際〜水瓶座、冥王星を射手座に持ちます。より高度な人間性の確立を目指す欲求と力を隠し持っている世代に見えます。

需要における性差のなさ

もうひとつ興味深いと思ったことは、セッション実施の男女比に差がなかったことでした。彼らは一人の人間として「自分を知る」という行為に意味を見出していたのです。

「占い=女子のもの」みたいな価値観は終わっていくのだろうと思えました。これは大変喜ばしいことです。そんなものはさっさと終わってしまえ。

恋愛関連のニーズ

年齢域的にこれはやはり外せないですね。ですが、相手をどうこうしたいとか言われることはほとんどありませんでした。ここでもあくまで自分のこととして物事を捉える早熟な傾向が表れていたように思います。

これは完全に余談ですが…恋愛系のご相談は、意外(?)にも乗れます。ただし、駆け引き的なことや表面的な感情についてではなく、本質的な部分に焦点をあてていくスタイルです。本気で向き合いたいとお考えの方にはオススメです。

3. 他分野と協力できる可能性

この試みによって、私にとってそれまで考えもしていなかった導線ができたように思えました。

私がこの職場で関わることになったユースワークとは、本来若者の余暇活動をサポートするもの。コミュニケーションや精神的自立の支援に占星術を用いることは、思ったより相性がよかったと感じたのです。

ただ、使用するツールが占星術であればよいということはなく、占術を使用する側の人間力に極めて大きく左右されることは間違いありません。最低限の条件として占術の技量もさることながら、とくに若者の心理を深く理解する能力、人間的成長のために使用するという意識や価値観が醸成されていないと、全てをダメにしてしまう結果にしかなりません。

ですから私は、占星術は若者たちに対して一様に良い効果をあげられる魔法のようなツールだとは決して申し上げません。ただ、適切に使用されれば、彼らの可能性を大きく開くことに貢献できる可能性を秘めているということだけ、ここでは表現しておきたいです。

ひとつの発展例として

写真:大学での講義の様子 自作のスライドで占星術について解説しているシーン

ここでの仕事が終了した後の2023年7月に、とある大学にて講師として占星術を使用した講義を実施する機会をいただくことができました。

その時の記事は次のリンク先にあります。

開催レポート:ユースワーク×占星術「占星術で自分を知ってみよう」(2023年7月3日)

いま思っていること

若者たちの手の中に小さな地球のオブジェがある

占星術を通してこそ鮮明に視えること、興味を惹かれること、楽に理解できるようになることが色々とある ── ということを私たち占星術師はよく知っていると思います。

通常のセッションという形でも良いですし、セミナーや講義のような形でも良いのですが、いろいろなスタイルを使って、若者たちにそれを伝えられたらいいのかなと思うようになりました。

「占星術を通常教育に組み込めたらいい」と仰る方もいらっしゃいますが、私はそうは思っていません。通常のものでないからこそ、占星術の魅力や価値があると考えているところがあります。ようするに「ちょっとアヤシイ」のも悪いことではないということです。

むしろ、世間の持つアヤシイというイメージに隠されている崇高さに触れた時、感動は人々の心の中に強烈なものとして湧き上がることでしょう。そのギャップがいいじゃないですか。

私はそれを、もっと堂々と表現できるだけの自信を持たなければ…と思っています。

もし興味が湧いた方がいらっしゃったら、とてもうれしいです。ぜひ、話を聞きにいらしてください。若者だけでなく、大人の方々ももちろん大歓迎です!

問われれば語れることは目一杯、私の中に詰まっていると思いますので。

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