この記事では、回帰図(リターンチャート)について概要を記載していきます。
回帰(リターン)と回帰図(リターンチャート)
占星術における「回帰(リターン)」とは、ある天体が、生まれた時の黄経度数と同じ位置に正確に戻ってきたタイミングを指します。
※概念解説のために、ホロスコープの内側と外側それぞれに太陽のみ表示させた図を添付します。
リターンチャートとは、そんなリターンの瞬間の天体配置を描き表したものです。
主な対象天体と名称・呼び名など
リターンチャートは、その時読み解きたい天体ごとに作成します。最もよく知られているのは「太陽回帰図(ソーラーリターンチャート)」です。
対象天体・感受点 | チャートの名称 | 呼び名・通称 |
---|---|---|
太陽 | 太陽回帰図 | ソーラーリターンチャート |
月 | 月回帰図 | ルナリターンチャート |
水星 | 水星回帰図 | マーキュリーリターンチャート |
金星 | 金星回帰図 | ヴィーナスリターンチャート |
火星 | 火星回帰図 | マーズリターンチャート |
木星 | 木星回帰図 | ジュピターリターンチャート |
土星 | 土星回帰図 | サターンリターンチャート |
ノード(ノースノード基準) | 龍頭回帰図 | ノードリターンチャート |
回帰図(リターンチャート)が持つ意味
ソーラーリターンチャートが誕生日からの1年の様子を象徴するのと同じように、各天体のリターンチャートは、リターンのタイミングから次のリターンまでの各天体の様子を象徴します。
太陽と異なるのは、それぞれの天体が象徴する人格機能や事象、そして有効期間です。
各天体の持つ主な機能とリターンチャートの主な意味・有効期間
前提として、まず読み解く対象の天体や感受点が、対象者の出生図(ネイタルチャート)において何を意味しているのかをあらかじめ理解しておく必要があります。
天体・感受点 | 主たる人格機能 | リターンチャートの主な意味 (回帰のタイミング〜次の回帰までに取り組むテーマ) | 有効期間 |
---|---|---|---|
太陽 | 意志・目的 | 人生のありよう | 約1年 |
月 | 気質・習性 | 関心を向け、感じ取ろうとすること 日常の過ごし方 | 約1ヶ月 |
水星 | 思考・技能 | 変化を求め、集中的に考える / 具体的に行動すること | 約1年 |
金星 | 感性・魅力 | 価値や喜びを感じている / 見出そうとしていること | 約1年 |
火星 | 本能・活力 | 自らの生存のために、力を振るうこと / 立ち向かおうとしていること | 約2年 |
木星 | 理念・度量 | 将来の展望や可能性を拡げるために取り組むこと / 希望を見出そうとすること | 約12年 |
土星 | 秩序・統制 | 社会的自己像の確立のための課題として取り組み、克服・完成を目指すこと | 約29.5年 |
ノード | 潜在的願望 | 魂の声を受け入れ、自己解放 / 霊的成長を目指して取り組むこと | 約18年 |
有効期間
リターンチャートの効力がある期間は、リターンが起こったタイミングから、次のリターンが起こるまでです。一部の天体を除き、宇宙空間におけるその天体の公転周期に依存します。
おおよその期間を上述の表に記載しましたので、参考になさってください。
- 地球から見て内惑星となる水星・金星は、宇宙空間での公転周期とリターンの周期が一致しません
- どの天体・感受点も、人間社会のカレンダーで見ると、周期には微細なブレが出ます。絶対的な周期として●日とか●年と断定することはできません
- 公転周期が大変長い天王星(約84年)・海王星(約165年)・冥王星(約248年)は、生存している個人のためのリターンチャートを用いることはほぼありません。法人や国家のチャートなら使用することもあるでしょう
回帰図(リターンチャート)の読み方
自分のネイタルチャートに示されている対象天体を、リターンチャートが示す方向性や分野の取り組みのために、能動的に使用するか、受動的に影響を受けます。
対象天体は、有効期間中に具体的な力を発揮したり、多くの重要な経験を通して成長を遂げると解釈します。
解読の方法
1.ネイタルチャートの深い理解
まずは、ネイタルチャートにおける対象天体の意味をよく理解しておくことが大切です。
2.リターンチャート単体の解読
次に、リターンチャートを作成し、単体で読みます。
詳しく読むよりは、ポイントを絞って感覚的に掴んでいくイメージの方がよいでしょう。
必ず読むポイント
- 対象天体が入るハウス
- 対象天体のアスペクト
- アングル(サイン、サビアンシンボル)
- 対象天体とアングルのコンジャンクションがあるか
見ておいても良いポイント
- 太陽の状況(ハウス・アスペクト、サビアンシンボル)
- 月の状況(ハウス・アスペクト、サビアンシンボル)
3.ネイタルチャートとの2重円または3重円
リターンチャート単体の解読ができたら、これを経過図(トランジットチャート)としてネイタルチャートの外側に重ねてみましょう。
2重円でもよいですし、進行図(プログレスまたはソーラーアーク)も含めた3重円でもよいです。
ここでは3重円の例を図で示します。
※諸々の検証には、現在所持中の環境だとAMATERUが便利ですので、ここではAMATERUで作成した図を使用しています。
簡単に読みたい場合は2重円でも問題ありませんが、深く読みたい場合は3重円の解読をしてみましょう。
検証中、いくつものリターンチャートをネイタルチャートに重ねてみましたが、さまざまな天体のリターンのタイミングで、ネイタルチャートのあちらこちらに重要な表示が現れていることを実感できました。
個人的には、3重円のほうがおすすめです。人生の節目の重要度がはっきりわかると感じます。
回帰図(リターンチャート)の調べ方
占星術ツールをお持ちでない方や、お持ちのツールでリターンチャートが作成できないという方は、次の記事を参考にしてみてください。
いろいろな回帰図(リターンチャート)を読んでみよう
自分でチャートを読める方は、ぜひ読んでみてください。
日常レベルのことが知りたい時はルナリターンチャートを、中期的な行動のテーマが知りたい場合はマーズリターンを…など、目的に合わせて選択してください。特定の時期の1つだけを抽出するより、連続する時間の中での変遷を追う方がより的確なリーディングができると思いますので、数ヶ月とか数年分のチャートを順に読んでみると、興味深い発見があるはずです。
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