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考察:終戦という国家の始原

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8月15日は終戦の日。

終戦の日 – Wikipedia

私はこの日を「記念日」という捉え方はしていません。正確には、この日はいわゆる玉音放送によって、全国民に第2次世界大戦の敗戦とポツダム宣言受諾による連合国への無条件降伏が知らされた日です。

実際の戦争の終結は、1945年9月2日に実施された降伏文書の調印や、1952年4月28日のサンフランシスコ平和条約発効をもって成立したと考えられています。

年々国内も世界中も荒廃が進んでいて、年を追うごとに酷くなっています。

日々流れてくる情報の凄惨さ、不毛さ、穢らわしさに辟易しつつ、そういった濁流の中にも時折ある小さな美しさや希望の芽によって、まだ我々は前を向くことができると教えられる。そんな日々を送っているのだと個人的には感じています。

日本始原図に関する一つの考え

終戦の日はやはり政治的な空気感が強まる日のひとつですが、そんな日には、私はマンデーン的なことを考えることが多いです。

今回ふと思ったのは、日本の始原図に関すること。

「今を生きるすべての日本人にとっての節目とは、この終戦の日の玉音放送なのではないか?」ということです。

始原図の基準

始原図は本来「建国」を基準にするものです。

建国日時が不明な場合は、現在生きている体制(あるいは精神)の基礎が誕生した日がその代わりになります。独立宣言、憲法誕生などがそれにあたります。

日本の場合

日本という国はみなさんご存知のとおり建国日が不明な国の代表のようなもの。そこで、現在の国家憲法である「日本国憲法」が議会可決され衆議院を通過した時点のチャートを始原図として採用することが多いです。

他には、同憲法の公布日か施行日、日本が主権を回復し正式に戦争状態が終結した「サンフランシスコ平和条約」調印時のものなどが採用されたりします。

また、稀に使用されるものに明治時代の「大日本帝国憲法」公布や「神武天皇即位」時点のものが使用されることもあります。

参考

次のページの後半に、日本始原図について記載した箇所があります。

日本国民と風の月

興味深いことに、ここまでご紹介したどの始原図にも共通する要素があります。それは

「(大衆を意味する)月が風のサインのいずれかに入っている」

ということ。

これは、日本という国の国民は、なぜか風の気質を持ちやすいということを暗示しているように見えて面白い。しかし、同時に私はずっと違和感を感じていました。

「現在のこの国の大衆から漂う国民性を見た時、始原図と一致している気がまるでしない」

簡単に述べると、私が感じている違和感はこういうものです。

率直に「風っぽい」という感じを受けない。私から見れば「もっと水っぽい」。

これまで、私はその水っぽさが一体どこから来ているのかわからないと思っていたのですが…今日何気なくXを眺めていると

「この終戦日から今の日本が始まったのです」

と、外国のユーザーに対して説明している方を見かけました。

玉音放送のチャート

「ああそうか、一般の人々の中では『ここから始まった』という意識が当然強いよなあ…」

何気なくそう思い、家事を一通り終えた後、試しに玉音放送の日時・地点でチャートを立ててみました。

イベントチャート:玉音放送:1945年8月15日 正午 皇居宮殿
Primordial Chart – Japan – 19450815 Imperial Rescript on Surrender of WWⅡ

このチャートの特徴

太陽・月の状態

月は♏️蠍座・第12ハウスに入る。第8ハウスの蟹座金星とトライン。チャートルーラーである第9ハウスの獅子座冥王星とスクエア。

太陽は♌️獅子座・第9ハウスに入る。アングルに接触しているものの他天体とはノーアスペクト。孤独な様相。

その他の特徴

アングルやノードなどとの絡みはあるものの、主となる天体同士のアスペクトが極端に少ないという印象を受けます。

たとえば、太陽がノーアスペクトだと書いたけれど、水星もそうです。何なら太陽以上に完全なノーアスペクト。木星・土星も「オーブを広めに見ればコンジャンクション」と言えるものはあるのですが、元気がない感じがします。

このチャートが示唆するものとは

玉音放送の時点では、戦争は正式に終結していたわけではありません。それは前述のとおりです。

しかし、国民全体にとっては、この出来事以上に戦争終結を象徴するものはなかったはず。誰にとっても決定的なこととして、深く深く精神に刻まれたに違いありません。

私としては、このチャートを見ることで、現在の日本国民に根付いている性質について、納得感が生まれました。国民にとってはやはりここが起点なのだろうと。それは史実としては決して正しい認識ではないのだとしても。そして、それぞれに自覚がなくても。

それくらい、とくにこのチャートの月(♏️・12H)は象徴的に感じました。

今後の可能性について

今回は「終戦」という出来事が、国家の始原として機能する可能性について、ここまで考察してみました。

「建国」という原則を逸脱してはいるものの、私個人としては今後このチャートを日本始原図の一つとして何らか使用することが出てくるかもしれない。今のところそのように考えています。


マンデーンを嗜まれる占星術師の方で、もし興味がある方は、ご自身でチャートを立てて見てもよろしいかと思います。

少なくとも、もともとイベントチャートとして重大な意味を持つものですし、損はないかなと思います。

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