はじめに
先日、このサイトにはじめて自分の思想を書いた記事を投稿しました。
これをきっかけに、自分の中で何かふっきれたものがあるように感じました。今後、他の思想的なものもさらに投稿していこうと思っています。
ところで、当該記事に書いたものには、原型が存在します。
それは2002年1月 ── 私が20歳の時、当時いた会社で取り組んだ課題の中で書いた文書です。
いろいろと変わったところの多い会社で、はたから見ればたぶん異常なほどに「理念」や「本質」を大切にしていた組織だったのですが、その会社が運営方針の転換をするとなった時期に出された「この船(会社)はなぜ・何のために航海に出るのか?」というテーマで各自が考え、それを発表するという課題でした。
当該文書の「なぜ」の部分に、上述リンク先のページに書いていた内容がほぼそのまま埋まっています。
そこで、今回の記事では、原型となった当該文書から記述内容を取り出し、現在のこのサイトに合わせて少しだけ整形したものを投稿してみようと思います。
過去の記録を残すという意味もありますが、現在の私の思想もやはりここにルーツを持つところが多分にありますので、私の頭の中身をさらに公開するつもりで。
当該文書について
書いた時期
2002年1月14日(当時20歳)
指定されたテーマ
この船(会社)はなぜ・何のために航海に出るのか?
追加条件
次の項目を盛り込むこと
- Why:なぜなのか
- What:船とは何か
- When:いつなのか
- Where:どこへ行くのか
- Who:誰が行くのか
- Which:どのような航路か
- Whom:誰に会うのか
- How to:どのようにするのか
- How long:いつまでするのか
- How much:いくらの代償なのか
- 他の難破船との遭遇時の対応
背景概要:文書を書いた理由
当時会社は運営スタイルの根本的な転換期を迎えており、それまでのメイン事業を完全に捨てるということは決定していた。その後どんな事業をどういう目的で行うのかを決め、創出するにあたり、その精神的支柱を明確にするために、指定されたテーマについて各自が考えを発表するという課題が出された。
また、この会社の目指すことは「(ある理念を持つ)共和国の建国」だと位置付けられ、これを目標として考えを組み立てるよう指定された。
当該文書の記載内容(ほぼ転載)
※留意事項:この文章の中では、組織名を『J』とします。
Why:「なぜ」「何のために」”航海”に出るのか?
“航海”とは、“生きる”という行為そのものを指すと考える。
これを『J』という組織に置き換えるとどうなるか。
“組織”とは、本来「個々が共通する目的の達成の為に集い連結し、組織を構成する要員が個々に持てる共通目的達成の為に必要な力を発揮し、共通する目的の達成を目指して行動する生命体」である。
『J』は“組織”として、一つの大きな目的を持ち、その達成の為に生きていくのであるが『J』が目的とするものとは
「人」が「人」として生まれた本来の意味を追求すること
と考える。
遥かなる「時」の中で「人」は生まれるべくして生まれた存在 ──つまり「人」は必ず「人」として生まれた意味を持っているのである。
「人」は生まれた当初、大自然の中で「時」が創りだした全ての生命体との繋がり、自然の中の生命体としての本能を持って生きていた。自然の恩恵を素直に受け入れ「時」を肯定し、あるいは地球の存在を感じていた。
「人」は「人」として生きていく過程において「人」独特の進化を遂げた。
「人」はもともと“感性”の強い生命体で、“種の保存”の目的においてその“感性”を活かした進化を遂げている。
“感性”とは、生命体としての本能(=生命体は宇宙法則に則り、有限の「時」の中を生きていることを無意識的に感じる能力。生きるために、生きる過程に生じる全ての物事に非常に単純な興味を持ち、物事を捉え、生きるための力にしようとする欲求及び能力)であるが、この強さがあってこそ「人」は自身の身におこる出来事(事象・現実)・感覚(五感)・衝動(心理の基になる)から、様々な「人」独特の「“生きる”為に必要な技能」を身につけた(=“機能”の創造)。そして、“機能”を創造したことによって、その“機能”を統制する為に“知能”が生じた。
“感性”が強かった為に、はじめは「動物」であった「人」は「動物」の域を超えた“機能”を有するようになり、“機能”の多さに比例して、これを統制する為の“知能”が発達した。
“知能”は「人」としての“機能”を更に有効活用することを可能にした。“知能”を用いて基本的な“機能”を組み合わせることによって、また更なる “機能”を創造した。そしてその“機能”を統制する“知能”もまた生じた。この繰り返しから「人」は道具の使用・火の使用・言語をはじめとした技能を取得した。これらは今やとても数え切れるものではない。またこれらの産物の集大成が「文明」となった。
「人」が高い“知能”を得たことは必然であるが「人」は自らが得た“知能”で“感性”をどのようにとらえたか。
“知能”は「人」に“観る力”を備えさせた。この“観る力”のおかげで“機能”は発達を続けたわけだが、いつしかこの発達は“感性”をおざなりにした発達へと変わってしまった。自然の恩恵を歪め「時」を否定し、あるいは地球という生命体の存在を無視した。
“知能”は今まで“感じて”きた世界を“観る”ことをはじめた。“観る”ことは、はじめ “感じた”ことをより明確に表現する為の方法であったが、ある程度物事を“知能”でとらえることができるようになると“知能”で観た物事を“感性”で感じるところまで落とし込まなくなってしまったのである。逆を返せば“知能”が“感性 “に基づくものではなくなってしまい、“知能”の独走状態を引き起こしたということである。
独走をはじめた “知能”は“感性”に基づかない“機能”を創りだした。このようにして増えた “機能”を統制する為に更なる“知能”が生まれるということを繰り返していくうちに「人」の“機能と “感性”とは“かけ離れていったのである。
“感性”をおざなりにした進化は、そのまま “生きる”意味の喪失を招く結果となっていった。自然のバランスを崩壊させ、環境破壊をはじめとする今日の世界が抱える地球規模の問題となって今「人」の目の前に存在し「人」の世界を取り巻いている。
現在は「人」本来の“感性”と“知能”及び“機能”はあまりにもかけ離れている。
今日の問題は「人」が“感性”を取り戻さなければ解決し得ない。なぜなら、今日の問題とは「人」が“生きる”か“死ぬ”かの問題だからである。“生きる”力の源は“感性”にあるのだから。
「人」が「人」として生まれた本来の意味を追求すること
とは、“感性”の復活から始まるものであり、『J』が行う事業の全ては“感性”の復活に繋がるものとなることが必然である。例えはじめは“感性”とは何かがわからなくても「心」からの衝動として“生きる”意味を追求しつづけることで、“感性”の復活を遂げることができる。
“感性”の復活が「人」が「人」として“生きる”ことを可能にする。
『J』という「船」に乗る者は、自身の“生きる”意味を純粋に求める者である。その答を“感性”に求め続けることから「人」が「人」として“生きる”ことがはじまる。
私は、何故生きているの?
何の為に生きているの?
生きている私には何ができるの?
「私」は「人」として生きたい。
「私」が「人」として生まれた本当の意味を探していきたい。
生きている意味を探したい!
What:「船」とは何か?その「船」はどんなものか?
「船」=『J』。
組織形態・選択する事業によって「船」が決まる。
- 推進エネルギー
- 乗組員が個々に持つ「自分」若しくは「人」として “生きる”意味を求める強さの積。
- 乗組員
- 個々及び『J』の目的として、「人」が「人」として“生きる”本来の意味を追求し続ける者。その答を自身の“感性”に求める者。
- 船体
- 大きさは乗組員数に応じて変わる。
When:「いつ」”航海”に出るのか?
「今」というのが私の答である。
“航海”に出ないことは、“生きる”意味を求めないことになるから。
「人」として “生きる”意味を心の底から求めるとき = 『J』という「船」に乗るとき。
- 出航
- 現時点で「船」に乗る人物(「人」として“生きる”意味を心の底から求める者)を選択したとき。
Where: “航海”をして「どこへ」いくのか?
目的地と考えて『J共和国』を建国(=創造)すべき場所と考える。
『J共和国』建国に必要な「人」「金」「物」「情報」「心」を獲得することが必要となる為、これらを得る為の目的地及び航路を選択することとなる。
但し、これは当面の目的地であって、建国が完了したら目的地は変更になる。
Who:「誰が」”航海”に出るのか?
個々及び『J』の目的として、「人」が「人」として“生きる”本来の意味を追求し続ける者。その答を自身の“感性”に求める者。
Which:「どのような」航路を選択して ?(=「どんな」海を通って?)
航路の選択順序はわからないが、最終的に全ての海を通ることになる。
荒れ狂う海ばかりではなく、穏やかな海・広い海・狭い海・水の澄んだ海・水の濁った海・浅い海・深い海・生き物の多い海・生き物の少ない海・熱い海・冷たい海…
ただ、選択の一つの基準として、一度通った海の逆の性質を持った海は必ず通る。
但し、目的地に一番距離が短い航路を常に選択するとは限らない。”航海”の過程に得るものの量及び質がその時点において必要な分を満たせるかどうかが選択基準になる。
Whom:“航海”で「誰に」会うのか?
特定は不可能。
個々の乗組員及び「船」の推進エネルギーの強弱によって出会う者の数及び質が変化する。
但し、共通するのは、どのような形であれ“生きる”意味を求める者であることだけは断定できる。それはただ生き長らえることのみに意味を求める者かもしれないし、世界を所有する為の願望を持つ者かもしれないし、世界の終焉を自らの手で創り出すことが世界に必要だと信じきっている者かもしれないし『J』の目的とするところを別の「船」(=組織体・選択する事業)で目指す者かもしれない。
How to: “航海”を「どのように」するのか?
航路自体より、その航路を選択する目的を重んじる航海となる。
“航海”の過程に得るものが何かという事が航路の選択基準となる為、航路の変更は随時。
危険に関しては、避ける場合と避けない場合がある。身を守ることが必要なときは危険を避けるし、危険を乗り越える力を身につけることが必要なときは危険に挑む。
敵と遭遇した場合でも、いつも敵を討つことばかりではない。敵を生かすことが目的達成に必要であればそのような選択をする。
How long:いつまで”航海”するのか?
『J』が“航海”を終えるのは、「人」が「人」として“生きる”ことがなくなるときと考える。
『J』は「人」としての組織であることを前提とすると「人」が「人」として“生きる”意味がなくなったときに『J』は解体することになる。
但し『J』の目的と同様の目的を持って“航海”に出る者はいるだろう。「人」以外にも。
How much:「いくらの」代償を支払って?(代償とは何かについても)
- 代償
- 個々の持ち得る有限の「時」。
「人」にあてはめて言うならば“生きる”「時間」つまり「人生」となる。
「いくらの」というのは人によって異なる。物理的に「死」を迎えるときまで、あるいは「心」からの衝動として “生きる”意味を追求し、”感性”の復活を遂げることを目的としなくなる時点まで。
この船に乗り込んでいる間は、個々の「人生」を支払い続ける。
“難破船”との遭遇による「人」の受け入れ
受け入れは随時行っていく。但し『J』側が受け入れる者を探すことはしない。
“難破船”に遭遇した場合、その船に「人」が残っているとして、
- その者が生きようと必死で這い上がってくる(意識として)
→引き上げて船に乗せる - その者が生きようとはせず、海に漂っている
→引き上げない - その者が「船」にすがって生きながらえようとする(=生きる意味は求めない)
→受け入れない
今振り返ってみてどう感じるか
物事の考え方・表現について
最近つくづく思うのですが、昔の自分の方が「思考にキレがあった」よなあ…と。
ベースは当時からあまり変わっていないけれど、当時の方が今よりもっと冷めていたと思います。キレがあったのは多分そのせいです。浮かんできた考えを言葉に出すことも、ほとんど躊躇していなかったと思います。
でも未熟者でしたし、仕事は今よりも全然できなかったので、周囲にいる人生の先輩方の中には、内心頭を抱えていた方もいらっしゃったと思います。それでも、いろいろと良くして頂きました。今感謝しかありません。
余談
確かこれ、提出・発表期限まで3日あったかなかったかくらいだったんじゃないかな…?
当時なぜか私はこの会社の経営側にいた(=被雇用者ではなかった)のですが、同じ立場のメンバー達や取締役達と連日連夜議論三昧な時だったと思います。そんな中の提出日直前の夜中から朝まで書いていて、そのまま提出した記憶があります。
改めてここに書いてみて
こんなふうに「見えるところに文を取り出しておく」のは、自分にとっては思ったより大切なのかもしれないと感じました。
常にいろいろなことを自分の中で考えることはできますが、やはり見える形ではなく意識の中だけで考えている状態だと、自分の中にある他の雑多な考えに埋もれたまま触っている感じなのかな?と。たとえるなら何だろう…あってるかどうかわからないけどスマホのながら運転みたいな??
はじめ「Why」以外のところは削ろうかと思っていましたが、なんとなく他の部分もいったんそのまま上げてみました。やっぱり邪魔で要らないな…と感じてきたら削ると思います。
こんな感じで、私が何かしら物事を考え込むタイプなのは昔から変わっていなくて…。
けれど「そういうのが面白い」と感じていただける方には、きっと色々なお話が展開できるんじゃないかと思います。そのような方に出会えたら、私としてもうれしいです。
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