4年ぶりに、このテーマで記事を書くことにしました。
2022〜24年の分は、読んでいたものの結局記事に書くことはできずじまいで。今年も書けるかどうか…と不安が募っていましたが、なんとか形にしたくしがみつきました。
それでは、2025年の私のソーラーリターンチャートについて、まとめていきます。
はじめに
ソーラーリターンとは
トランジット(現在の経過)の☉太陽が、ネイタル(出生時点)の太陽と全く同じ位置(黄経度数)に戻ってきた瞬間のことを「ソーラーリターン(Solar-Return)」と言います。日本語ですと「太陽回帰」と訳されます。
このソーラーリターンの瞬間をホロスコープの図で表したものを「ソーラーリターンチャート(太陽回帰図)」といいます。
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ソーラーリターンのタイミングは?
ソーラーリターンが成立するのは、だいたい毎年の誕生日と同じ日になります。しかし、年によっては前後1日程度ずれることもあります。

これは地球が太陽の周りを回る周期(=公転周期)が「約365.24日」であること等、社会生活の中で使われている暦や時刻と完全に一致しているわけではないためです。
ソーラーリターンチャートでわかること
ソーラーリターンチャートを読むことで、次のようなことがわかります。
- この1年のメインテーマとシナリオ
- 主要なイベント(おこるできごとや取り組み)のおおまかなイメージ
- 時の波の大きさ
ソーラーリターンチャートの有効期間
ある時点のソーラーリターンから、次のソーラーリターンが訪れるまでの約1年間です。
前提:解説に入る前に
1.使用技術
私が使用する占星術は「心理占星術」です。

西洋占星術(モダン)をベースとしていますが、どちらかと言えば、シンボルが示す「事象」より「意味」を重視した解釈を行なっています。
2.解説の進め方
次の順序で解説していきます。
- チャートの特徴を把握する
- 1年のシナリオを読む
- 主たる行動を予測する
- 現在の自分との関連性を読む
- まとめ
基本的な思考・分析はしていますが、全体のまとめ部分は割とフィーリング重視で表現しています。「イメージをつかむ」ことを大切にしています。
3.このページ内で使用している占星術ソフトについて
今回は、アプリケーションの機能を重視して「アマテル(AMATERU)」をメインに使用します。また、解説の一部でMacOS向けの「iPhemeris」を使用している場合があります。
概要:2025年のソーラーリターンチャートが示すこと
今年の私のソーラーリターンのジャストタイムは「2025年2月17日 0時33分」です。
今回の記事では、ここで最初に要約を書いておきたいと思います。
トランジットチャート – ソーラーリターンの瞬間
まずはこの瞬間のチャートを出力。
こちらが、ソーラーリターンの瞬間のトランジットチャート(経過図)です。

チャートが示している内容を要約すると…
激しい変化の末に新しい着地点にたどりつき、そこに定着して生きる方法を見出すことがテーマの年です。
その流れはスムーズではなく、強制的に流される感覚を強く感じるでしょう。自分でコントロールするのは難しそうです。
変化そのものも、自分が現在思っている方向へと動くものではないかもしれません。関わる人や、その時身を置いている環境など色々なものに揉まれて影響を受け、その都度取捨選択を迫られるでしょう。その中からでも今後の人生のために、何かを学びとらなければならない。そんな課題が込められています。
しかし、紆余曲折ありながらも、最終的には何らかの形で着地を遂げ、新しい人生のフェーズを始めるための足がかりを得るでしょう。それは形を持たず、目立たないものです。けれど、それを得られたことによって自分の内面では「何かの回路がつながった」感覚を持てると考えられます。
ストレスやフラストレーションの多い時間を過ごすことになりそうです。集中は必要ですが、その集中の中で得られたものを身につけるためにも、何度か休まされたり、強制的に動けなくなるようなタイミングがあるかもしれません。非常事態下での自己コントロール能力を鍛える期間でもあると言えるでしょう。
何かを得られたとうっすら感じられるタイミングは、おそらくこの1年の終わり頃。
もがきながら進んだその先、何が残っており、何が育っていて、どんな景色が見えるのか?それは今の自分では想像もつかないものでしょう。
基礎解説:このチャートの特徴を把握するためのポイント
ソーラーリターンチャートにおいて主要な天体と感受点は次のとおりです。それぞれチェックしていきます。
アングル – 1年のシナリオを読むための要素
アングルとそのルーラーは、このソーラーリターンチャートが有効な期間内のメインシナリオを示します。
具体的には次の要素をチェックします。
- ASC(アセンダント)
- MC
- ASCのルーラー(=チャートルーラー)
- MCのルーラー
太陽と月 – 主たる行動を予測するための要素
天体のうち、太陽と月は、このソーラーリターンチャートが有効な期間内の主な活動分野やテーマを示します。
この2つの天体の位置等をチェックします。
Step1:この1年のシナリオを読む – トランジットチャート単体で
チャートの基本骨格ともいえるアングル(ASC・MC)とそのルーラーから、1年のシナリオをつかみます。
各要素のチェック
1.アセンダント(ASC)を見る
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位置とサビアンシンボル
- 位置
- ♏️蠍座25°
- サビアンシンボル
- 新しい居住地に引っ越すインディアン
アスペクト
- コンフィギュレーション:Tスクエア
- 太陽・天王星
- コンフィギュレーション:調停
- ノード軸 + 海王星
- トライン
- 土星
- バイクィンタイル
- カイロン
ネイタルチャート上での配置
第8ハウス
2.チャートルーラーを見る
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天体と位置 / サビアンシンボル
- 天体と位置
- 冥王星
♒️水瓶座2° / 第3ハウス - サビアンシンボル
- 海軍からの脱走兵
アスペクト
- コンフィギュレーション:調停
- ノード軸 + 海王星
- セミスクエア
- 土星
- セミセクスタイル
- 水星
- クィンカンクス
- MC
3.MCを見る
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位置とサビアンシンボル
- 位置
- ♍️乙女座5°
- サビアンシンボル
- メリーゴーランド
アスペクト
- コンフィギュレーション:Tスクエア
- 水星・木星
- コンフィギュレーション:ヨード
- 冥王星・金星
- オポジション
- 太陽
- セスキコードレート
- カイロン
ネイタルチャート上での配置
第6ハウス
4.MCルーラーを見る
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天体と位置 / サビアンシンボル
- 天体と位置
- 水星
♓️魚座3° / 第3ハウス終盤(IC合) - サビアンシンボル
- 2つの海岸保養地をつなぐ細い地峡での交通渋滞
アスペクト
- コンフィギュレーション:Tスクエア
- MC・木星
- セミスクエア
- カイロン
- セスキコードレート
- 火星
- セミセクスタイル
- 冥王星
シナリオをまとめてみる
メインテーマ
「新しい環境や生き方への適応と日常化」です。
ASC・MCのサビアンシンボル、ルーラーが入るハウス、ネイタル上での配置を勘案すると、このようなテーマが導き出されます。
様相・展開
この1年は基本的に困難が多い展開になりそうです。しかし、能動的に動いて(あるいは強制的に動かされて)問題を乗り越え、最終的に「新しい落ち着きどころ」を見つける必要があるでしょう。
解説
ASC・MCそれぞれに、構成天体の異なるTスクエアが形成されています。この1年最も強く表現されるコンフィギュレーションは、ハードアスペクトのみで構成されるこれらでしょう。
とくにASCには太陽が直接関わっています。そのため、この太陽を含むTスクエアが今回のシナリオのメインであることをより強調していると考えられます。なお、このTスクエアにはDES上の天王星が関わっていて、諸々の理由で出会ったり接触する人から、自分のありようや人生の方向転換やをもたらされることになるのかもしれません。その良し悪しに関わらず。
ASCはノード軸をタイトに調停する位置にきています。これは、この1年の動きが自分の本当に望んでいる方向へ進むための良き助けになる可能性を示しています。また同時に土星からのトラインもあり、一歩一歩着実に足場固めをするように進むのがよいことを暗示しています。
MCはチャートルーラーが関わるヨードの頂点となっており、自分の持つ美観や信念と現実を擦り合わせるプロセスを何度もやりなおさざるを得ないことを示しています。ヨードの構成のメインであるクィンカンクスは、関わる天体や感受点の異質さによるすれ違いを統合することがテーマであることを示しますが、そのために高い練度を求められることが特徴です。
最終的に何らかの点を妥協するかもしれませんが、投げやりな態度で臨むことや単なる諦めで終わることは許されないでしょう。また、このとき自分の中から捨てる要素は、今後の人生にとっては不要なものであるはずです。
コンプレックスやトラウマなどを意味するカイロンがASC・MC両方に関わっている点も注目しておきたいところ。理想的な着地のために、自分が持つ痛みの感覚を何度も取り出して確かめ、新しい現実へと自らを慣らしていくプロセスを要求されているように思います。
あらためて総括すると…
なかなかにもどかしい様相・展開になるはずです。苦労が多い。急変や横槍、やり直しに見舞われやすい。快調に進むことはない。
これからの自分の人生を理想的な方向に完全転換し、今後も自らの力で生き抜けるようになるために「試されている」感が強い1年だと言えるでしょう。
Step2:主たる行動を予測する – トランジットチャート単体で
人格機能の主体である「太陽」と「月」から、この1年の自分の主たる行動を予測していきます。
各要素のチェック
1.太陽を見る
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位置
- 位置(ハウス)
- 第3ハウス
アスペクト
- コンジャンクション
- 水星
- コンフィギュレーション:Tスクエア
- 天王星・ASC
- セスキコードレート
- 月
- クィンカンクス / セミセクスタイル
- ノード軸
2.月を見る
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位置とサビアンシンボル
- 位置
- ♎️天秤座13° / 第11ハウス
- サビアンシンボル
- 真昼の暑い時間帯に、男が昼寝をする
アスペクト
- コンフィギュレーション:Tスクエア
- 火星・カイロン
- コンフィギュレーション:調停
- 金星・木星
- セスキコードレート
- 太陽
ネイタルチャート上での配置
第7ハウス
活動予測をまとめてみる
主なフィールドと様相や展開
行動する主なフィールドは「人との交流の場」と「自らの基盤を作ろうとする場所」になりそうです。
「学習」という意味も含まれると思いますが、それらはシナリオ部分で示されている「新しい環境や生き方への適応と日常化」に結びつくものでしょう。
基本的にはせわしなく動き回ることになりそうです。緩急が大きいとも言えますが、常にその状態を維持することもまた違うようです。行ったり来たりしながらもたびたび休まざるを得ない状況に陥りそうなコンディションに見えます。
バランスをとるのが難しそうで、身体があまり強くない私としては、大変うれしくない感じです。しかし、ある意味流されるままに出会う人々との新しい交流の中に、何か救いや実りの種があるということもまた読み取ることができます。
解説
人格の主体であり、目的や意志を示す太陽は第3ハウス終盤にあります。そして人格のもう一つの主柱であり、心情や日常を示す月は第11ハウスにあります。
この2つの天体が入ったハウス(3H・11H)の共通象意には「人的交流」があり、これはサイン(♒️水瓶座・♎️天秤座)の基本性質とも深く関連しています。「理想の実現のために知恵を搾る」ことや「仮説・検証の実施」などのニュアンスも含んでいそうです。
太陽と月はタイトなセスキコードレートを形成しており、自分の中の意志と感情は、しばしば齟齬を起こしながらも、統合に向かおうと結びついていることを意味しています。もどかしさはあっても、2024年のようなひどい乖離感からは解放されそうかな…と思えて、ある面での救いだなと個人的に思っています。
そして、太陽も月もまた、各アングルと同じようにTスクエアを含んでいます。どちらのTスクエアも構成天体的に「停滞」のニュアンスは感じませんが、かわりに「フラストレーション」と「衝撃・痛み」の意味合いが強そうです。とくに月は傷がつくでしょうし、自分が誰かを傷つける可能性も高い気がします。心理的距離が近い(あるいは近くなった)相手との関係性ほど気をつけなければと思います。感情と思考を分離して適切に扱う能力の見せどころでもありますし、使い方が試されますね。
太陽に関してもう一つ救いだなと思えることは、わかりやすくメジャーアスペクトが存在することです。2024年のソーラーリターンチャートでは、木星とのクィンタイル、海王星とのゆるめのセミセクスタイル以外のアスペクトが存在せず、完全なノーアスペクトに近かったのですが、体感として「これは思っていたよりヤバイ」んだな…と思いました。少し前の段落に書いた「ひどい乖離感」を象徴していると考えるのに十分でした。
なお、形成されるアスペクトの中に、MCルーラーにあたる水星とのコンジャンクションがあるため、渦中色々と大変であったとしても、おそらく何かしらの着地点は見つけられるだろうと思っています。
Step3:現在の自分との関連性を読む – NPT三重円で
ネイタル・プログレスとあわせて三重円を作成し、現在の自分との関連性を見てみます。
三重円の作成
今回は、計算方法の異なる三重円を2種類紹介してみます。
三重円:P = セカンダリープログレッション法(配置 = CPS方式)
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三重円:P = ソーラーアーク法
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基礎解説 – NPT三重円とは
NPT三重円は、最も内側がネイタル(N)、中間がプログレス(P)、最も外側がソーラーリターンの瞬間のトランジット(T)という構造をしています。
「進行」と呼ばれるプログレス円は、ネイタル時点から指定した期間までの天体の動きを、特殊な計算によって算出して作成します。ここでは2025年のソーラーリターン時点です。
プログレス部分の計算方法
さまざまな計算方式がありますが、一般的に採用されるのは「セカンダリープログレッション法(以下P)」と「ソーラーアーク法(以下SA)」です。
それぞれの方法で読める内容が少しだけ異なります(ここでの説明は割愛)。好きな方だけを読んでも良いですし、両方チェックしてもかまいません。
チャートの特徴を把握する
おおまかに次のような特徴があります。
トランジット天体の配置・分布
偏りは少ない。
トランジット天体からのアスペクト
ネイタル(N)またはプログレス(P or SA)に対して次のアスペクトが形成されている。
- T金星
- 0° N-ASC
180° N木星&土星 - T冥王星
- 180° N月
- T-ASC
- 0° N天王星(ちょっとゆるいけど今回は採用)
0° P木星&土星
コンフィギュレーション:調停 SAノード - T-MC
- 180° N火星
- T木星
- コンフィギュレーション:カイト(Nノード軸・N木星&土星とともに)
- T土星
- 0° P水星
180° SA月 - T天王星
- 180° P木星&土星
- T海王星
- 120° N天王星
0° SA金星 - T月
- 180° SA水星
90° SA天王星
150° Nカイロン - Tノード
- コンフィギュレーション:Tスクエア Pカイロン
他にもありますが、今回取り上げるのは以上です。
ポイント
N-Tの動き
現在は、個人に対する影響力が非常に大きい N-Tアスペクト が複数形成される時期にあたります。形成されているものは次のとおりです。
- N月 180° T冥王星
- N天王星 180° T天王星(+ N太陽・水星 90° T天王星)
また、今年の間に発生したり、オーブ圏内に入ることになる追加の重要な N-Tアスペクト は次のとおりです。
- N-ASC 0° T海王星
- N-MC 180° T木星
- コンフィギュレーション:グランドクロス(N海王星 / T土星+ノード)
- N月 0° T火星
PまたはSAの動き
- P月は第12ハウスに在室中。
N太陽(+N水星) 0° P月を過ぎて数ヶ月のタイミング。数ヶ月経過すると N火星 0° P月を形成する。 - P金星がNノードをオーブ0で調停する年である。
- SAカイロンはTノードとコンフィギュレーション:Tスクエアをオーブ0で形成している(=Nで形成されている組み合わせの再現)。
- SA木星&土星 180° T天王星がオーブ0で形成されている。
現在の状況との関連性をまとめてみる
私は現在、出生(N)の個人天体に、現在の天空(T)の大天体からの強いアスペクトを受けている真っ最中という状況です。
年齢的に「ミッドライフクライシス」の真っ只中にあり、どちらかというと、そこにN太陽やN月も一緒に絡んでいる状態だと表現した方が正しいと思います。
「人生の前半と後半の、とても大きな切り替わりの時期にいる」といったイメージです。
三重円を形成してみると、N・P(またはSA)・Tが互いに接触するポイントは多いし、そのひとつひとつの重要度も高いものばかりで、正直なところ眩暈がします…。内容の咀嚼にも時間がかかってしょうがないです。
人生の大きな目的や目標も、足元の小さな日常も、造り替えられないところはないに等しい状態だと、はっきりとわかります。加えてノードの絡みも強く、海王星やカイロンを巻き込んでいるということもあって、見えない魂レベルの願望を無視して進むことはできない状況だと言えます。
この状態が本格化したのは、T冥王星がN月との180°圏内に入ってきた一昨年末ごろからです。とくに仕事面の状況が劇的な変化を遂げまして、それまで計画していた今後の進路は、基本線のレベルから全て消失しました。それに追従するように私生活面も様相が一変してしまい、もう二度と元の路線に戻ることはないだろうと今は思っています。現在は、建て直しというより更地からの再構築の段階です。
それゆえの「新しい環境や生き方への適応と日常化」なのです。
とても手放しで喜べるような状況ではないのですが、星が示している魂の意図には沿っています。ですから、今回の解読結果が大きく外れることはおそらくないでしょう。
参考リンク:ミッドライフクライシス
「ミッドライフクライシス」って何だろう?と気になった方は、こちらの記事を併せてどうぞ。
補足として
ここで、より人生に沿った形でソーラーリターンを読むための工夫を記そうと思います。
1.切り替わりの時期であることを考慮する
ご存知の方もいらっしゃると思うのですが、ソーラーリターンの太陽が入るハウスの変遷にはサイクルがあります。太陽は、次のようにハウスのグループを順に巡ります。
- アンギュラーハウス(第1・10・7・4ハウス)
- サクシーデントハウス(第2・11・8・5ハウス)
- ケーデント(カデント)ハウス(第3・12・9・6ハウス)
このサイクルはおよそ10年前後で回っています。たとえばアンギュラーのサイクル中に一旦ケーデントハウスに入るということもあるのですが、大まかに見ると必ずサイクルがあります。
私の場合は、現在ケーデントハウスを巡るサイクルにあるのですが、今年はその最終年です。来年のソーラーリターンチャートでは、太陽は第1ハウスに入り、アンギュラーハウスのサイクルが始まります。
同時に、来年は火星期の最終年にもあたります。ここが自分にとっての大規模なターニングポイントであり、現在はまだその前触れということを意味しているのだと思います。そのためにも、激しい変化の中で揉まれる必要があるのでしょう。しんどいけどね。
2.P月の状況を一緒に考慮する
この点は、やはり解釈のリアリティを増すために非常に有効だと感じるようになりました。
その時の位置、1年間での動きの幅、Nとの間に形成されるアスペクト、Pの中での月相など、お気づきの点についていろいろと考慮してみてください。
おまけ:分析を深める試み
最近気づきを得た内容について、研究のネタとしてここに記しておきます。
1.特定の天体から「重要日」を探る
毎年ソーラーリターンチャートを出して実際の出来事と比較をずっとしている中で、ソーラーリターンチャートの「月」の位置にその年の太陽がやってくる日は、ほぼ毎年重要な日となっていることに気づきました。
ただ、現状これはあくまで私の場合。
他の人のチャートで検証すると、必ずしも「月」がキー天体であるとは言い切れなさそうで、別の天体であったケースもありました。これは、キー天体が人によって異なるのか、それとも「月」が示す重要性がスルーされてしまう何らかの理論的または心理的な条件等があるのか…そこまではわかっていません。
もし、検証好きな方がいらっしゃったら、ご自身でもぜひ確かめてみていただきたいなと思います。
2.コンタクトチャートを活用して「意味」を深める
昨年の間、太陽以外の天体のリターンチャートに対する気づきがありまして、その後コンタクトチャートを読むことを積極的に取り入れてみています。
まだ研究段階なのですが、コンタクトチャートを作成して読んでみると、コンタクトされる側になる天体の受け持つ意味やはたらき、重要度をもう少し詳しく読める感じがしています。
例:2025年ソーラーリターンチャートの「月」へのコンタクトチャート
こちらは、今年のソーラーリターンチャートの「月」の位置に実際に太陽がやってきて、正確なコンジャンクションを形成(=コンタクト)した瞬間のチャートです。

コンタクトチャートでは、コンタクトする側の天体(この場合はT太陽)の状態によって、もたらされることの主な意味や重要度を判断します。見るのは主に次のような点です。
- どのハウスに入るか
- どの天体とどのようなアスペクトを形成するか
- その他適宜アングルや他天体の状況
この図では、T太陽はASC直下にあり、ほぼ満月のタイミングですね。
ソーラーリターンチャートそのものでは「月」は第11ハウスにありましたので、理想を実現するための行動や仲間たちとの関係性の中で、自己を改めて見つめ直し、主体性を発揮することや、周囲とのバランスをとりながらも毅然とした主張を怠らないことがテーマになるのかなと思います。
3.P(またはSA)とTのコンタクトを考慮してみる
この数年 ── とくに昨年の経過を踏まえますと、Nに対するTのアスペクトだけでなく、PやSAの個人天体に対しても、とくにハードアスペクトをオーブ0で形成される時期には、現実面の変化として現れやすいという感覚を昨年から持つようになりました。私にとってとくにわかりやすかったのは「SA月 180° T土星」と「P水星 0° T土星」、「SA金星 0° T海王星」の3つです。
他の方にとっても確実に参考になるのかどうかはまだ今ひとつわかっていませんが、少なくとも自分の身近な人に同様の表出を確認はできたので、ご興味がある方は探ってみてください。私も今後また色々と観察を続けていきます。
おわりに
読み方も表現方法も、以前からは変えた部分が色々出てきたので、これまでの記事とは形式が全然ちがうものになりました。初心者の方にとっても、ある程度学習が進んだ方にとっても、できるだけ幅広く参考になるものにしようとしたため、やはり情報量がとても多くなってしまいました…。
「欲張りな人なんだな」ということで、どうぞご容赦くださいませ。ただ、ここに書いたくらいの内容は、セッションの際にも毎回読んでいます。そういう意味でのご参考にもなりましたら、幸いです。
時の運勢は、良い時もあれば悪い時もあります。
今回のソーラーリターンでは明らかに困難に満ちている内容になりましたが、毎回そうだというわけではありません。また、私自身が過度にネガティブに読んでいるということでもありません。ただそういう時だというだけです。
そして、最近の私の持説では、このソーラーリターンのように導き出せるものは「宿命(=出生時点で決定したベースプログラム)」であり、その上で動く「運命(=自らの選択によって変化するもの)」ではありません。宿命の上でどのような運命を選択するのかによって人生が決まっていきますので、その選択について、これまで以上に深く考えていきたいなと思っています。
それでは、4年ぶりのソーラーリターンチャート解説記事はこれにておしまいです。
大変長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。