基本要素
名称
- 星座名:蠍座
- 黄道12宮名:天蠍宮
- ラテン語名:Scorpio
区分
- 2区分:陰・女性
- 3区分:不動
- 4区分:水
- 昼夜区分:昼・4番目
支配星(Ruler)
- 主支配星:冥王星
- 副支配星:火星
季節
- 四季:晩秋
- 二十四節気:霜降・立冬
人生の時期
中年期
ライフステージ
ライフステージとは、人生における魂の成長過程を示す。
I disire(我は欲する)
各要素から導き出される象意
学習した内容を踏まえて、私自身が考えること、感じるイメージなどを加えて再統合したものを示す。
- 破壊と再生
- 遺伝・継承
- 融合
- 転生・変容
- 死・破滅
- 闇・冥界
- 生と死の接点
- 宿命
- 深淵なる世界への探求
- 真実の追及
- 沈黙
- 極限
- タブー
- 秘儀
- 支配
基本性質
- “破壊と再生”のサイン。破壊というとそこですべてが終わってしまうような感じがするが、それは新しい何かが生まれる瞬間でもある。
- 空気が冷たくなり、冬に向かう季節のエネルギーを持つ。厳しい季節を乗り越えようとする生き物たちは、エネルギーを溜めこみ、地下や物陰にその身を隠し、自ら仮死状態になる。
- 水のエレメントと、不動の性質を持つ。わずかな光すら届かない、どこまでも深い海溝のイメージ。
- 水の星座でありながら、伝統的な支配星は火星である。現在の支配星である冥王星とともに、激しいエネルギーを有することを示している。海溝のさらに先には、煮えたぎったマグマがあるということを意味しているかのようだ。
- 真実は、深く隠された領域にあると考えている。それを見極めようとする強い信念は、物事や人の内面を見抜く洞察力として発現する。
- 表層的・物質的なものに価値を見出そうとせず、ひたすら内面的な価値を追い求める。これは、対極にある牡牛座と最も対照的な部分だろう。
- 直前のフェーズ(天秤座)で向き合った一人の他者と、完全に結合することを求める。完全なる結合によって、古い自我の死と、新しい自我または遺伝子の誕生を望む。蠍座が「性の星座」と言われる所以はここからきている。
- 結合しようとする相手またはその結果生み出される存在に、自分自身の命や根源的な願いを託そうとする。一見強そうに見える意志や自我のルーツは、実は「自分のすべてを委ねたい」という極めて他者主導的な願望である。
- 蠍座のほとんどすべての事象は、内面的な領域で起こる。外側から見ている者にとっては、起こっている事象や変化がわかりにくいことがある。
- 「不撓不屈」という言葉がもっともしっくりくる星座。
長所としての現れ方
- 強靭な精神力・体力
- 信念・価値基準などがブレない
- 表面的な事象に一切惑わされない
- 真実を追い求める
- 鋭い洞察力
- 一途・誠実・真剣
- 一度信じたものは、何があっても裏切らない
- 官能を刺激する魅力はもはや天性
- 中途半端に妥協しない
- 表には出にくいが、健気である
- 深層心理・神霊的な物事に親和性が高く、理解を示しやすい
- 極限状態でこそ真価を発揮する
短所としての現れ方
- 強すぎるエネルギーをコントロールできないと、容易に破壊につながる
- 多様な価値観を受け入れられない
- 視野やキャパシティが狭くなりがち
- よろこびを知らない・感じづらい
- 真剣すぎるあまり、すべてを深刻に捉えがち
- 柔軟性に欠ける
- 極めて頑固
- 裏切りに対して容赦がなさすぎる
- 世界を広げるより、閉じこもることを選んでしまい、孤立する
- 素直になれない・表現できない
- 自分に正当な自信を持てない
- 価値を見出した希少な存在(とくに相手)を失う恐れのあまり、過剰に束縛したり、支配関係を築く傾向がある
- 「隠された真実」やタブーを追求するあまり、冷静さを忘れ道を誤ることがある
その他の要素
惑星の品位・格式
- 居所・盛(Dignity):冥王星・火星
- 高揚・興(Exultation):天王星
- 衰退・衰(Fall):月
- 障害・敗(Detriment):金星
身体の部位
恒星
星座内でもっとも明るいもの。またはもっとも力を持つもの。
アンタレス(α星:1等星)
蠍座には明るい星が多いと言われる。非常に存在感がある。
方角
西南西
エピソード
ギリシャ神話など
傲慢な英雄オリオンを殺すために遣わされた蠍。
以下、Wikipediaより引用。
英雄オリオンの傲慢さに怒った女神ヘラ(ガイアやレトともいわれる)は、さそりを地上に送り、その毒針でオリオンを殺した。この功を讃えられ、さそりは天に昇り星座になった。 一方、殺されたオリオンを憐れんだ女神アルテミスはゼウスに頼み、オリオンも天に上がり星座となった。 ただ今でもオリオンはさそりを恐れて、東の空からさそり座が現れるとオリオン座は西の地平線に逃げ隠れ、さそり座が西の地平線に沈むとオリオン座は安心して東の空へ昇ってくるという。
このほかに次のような神話がある。アポロンの息子パエトーンが天をかける太陽の馬車を強引に運転したときに、さそりが馬の足を尻尾の毒針で刺した。そのとたん、馬たちが制御不能になり、天と地を焼きつくしそうになったので雷神ゼウスが馬車に雷を落とし、落ちた先がエリダヌス川(エリダヌス座)であった。
中国人は青龍にたとえた。この想像上の生物は、強力だが慈悲深く、天に現れることによって春を予告する。星との対応はさそり座のサソリと同じであり、頭部に房宿、心臓部に心宿、尾部に尾宿の3星宿を置いた。
蠍座は、上記にあるギリシャ神話・中国の伝説をはじめ、メソポタミア神話等他の神話においても、また古い時代においても、圧倒的な存在感を誇っている。
1等星アンタレスも同様である。
原型
古来は「フェニックス」であったとも。
以下、引用。
「ギルガメッシュ叙事詩」によれば、日の出と日没の門を守る蠍人間であり、バビロニアの始祖神ティアマトが造り出した怪物の一つとなっています。エジプトでは叡智の象徴である鷲であり、さらに古くは不死鳥(フェニックス)であって、不死の霊魂の象徴でした。「死者の書」によれば、蠍座はエジプトの最高神オシリスの玉座であり、オシリス神は冥府への「審判の広間」の主宰者として死者の裁きを行うとされています。
ルル・ラブア「占星学」 実業之日本社(1995年) P45
私の雑感
水のエレメントと相反する支配星
蠍座はまさに相反する属性を一つの箇所に秘めた星座のひとつだと思う。
水のエレメントでありながら不動宮であり、さらに伝統的な支配星は火星である。あまりに深い海溝の下に、おびただしい熱量のマグマが眠っているイメージを彷彿とさせる。
破壊と再生
現在の支配星である冥王星、蠍座の数秘とされる「0(ゼロ)」。どちらも破壊と再生を象徴している。
静かに沈殿していたエネルギーが爆発したときの凄まじさといったら、やはり蠍座の右に出るものはいないだろう。
ただ、恐らく蠍座にとって大切なことは、破壊と再生は繋がっていることを忘れてはならない ということではないかと考える。
怒りや恨みなどに捉われて引き起こした破壊は、すべてを切り刻み、粉々に砕き、燃やし尽くして灰にするだけで、何も生み出すことがないだろう。自分の本来の想いや願いを見失った結果、後に残った惨状を目の当たりにして最も悲しい思いをするのは、恐らくほかでもない自分自身だろうから。
誤解
蠍座は、誤解されやすい星座としても恐らく上位に入るだろう。
この星座を掘り下げていくと、根底は極めて受動的で傷つきやすく、他者依存的であるという本来の姿が浮かび上がる。それはいかにも水のエレメントらしい姿だ。
「強そう」とか「怖い」とか「ミステリアス」といったイメージは、本人が張っているバリケードが造り出した虚像である。それだけ張っているものが強力すぎて、結界並みだということでもあるが…。
また、水のエレメントを持つ他の星座(蟹座・魚座)とは比べ物にならないくらい強力な武器を持っているのも、蠍座に対する誤解をより促進してしまう。
蠍座が本当に強い状態になれるのは、この強力すぎる武器を常時構えなくてもよい状態になったときだろう。つまり、あらゆる他者に対しての過剰な警戒心を手放し、心の門を自由に、柔軟に開け放てるようになったとき。
もしかすると、本当の自分のことも、どこかで誤解していたりするのではないだろうか。