2018年10月25日:牡牛座の満月

アイキャッチ:満月

惰性と煽動に流されて
割れそうな頭抱えてるくらいなら

一度光も音も全部締め出して
閉じてみたっていい

閉じて閉じて膨らみ続ける
フラストレーションが破裂して

あなたの世界が木端微塵になるまで
堪能すればいい

それがクレイジーだと言われようが
ただあなたであればそれでいい

トランジット図:2018年10月25日 1時45分


今回の表現のテーマ

満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えます。

  • ナチュラルハイ
  • 混乱に満ちた状況を、無自覚な力強さで乗り切っていく

考えられるこの時期の状況

月相図のチャートから読み取った内容から、この満月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。

背景に漂う空気感

何か自分の中に渦巻いているものを適切に表現したいけれど、言葉がみつからないような。そんなフラストレーションや葛藤を多く感じます。その解消のために、人々は自らの中に蓄積してきたものの中からこれだと思うものを取り出し、その他の無駄なものを棄てていきます。

一方で、人々は安定ばかりを求めているのではないのかもしれません。むずがゆいような諸々の葛藤、混乱をどこかで欲しているような。この時期は刺激に満ちたニュースに溢れかえり、退屈していたり、熟考している暇はないかもしれません。

社会の基本的な動向

不可解な事件や事故などのニュースが多かったり、金融関連の少し大きなハプニングなどが発生する可能性が考えられます。とくに金融に関することは、次の新月でもテーマになる可能性が高く、今年終盤の騒動の中心になってくると思います。


解釈について

以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。

根拠とした各要素と詳細

表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

前提

解釈の前提条件は次のとおりです。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項

  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。

「背景に漂う空気感」を導き出した要素

背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの出発点)

♍乙女座8°「抽象派の画家が仕事をしている」

解説用:ASCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

このシンボルでは、乙女座の象意のうち「無駄の排除」と「完璧の追求」、「理想と現実の間の葛藤」いう意味が込められています。

具体性に価値を見出すとされる「地サイン」のひとつである乙女座のシンボルでありながら、このシンボルに登場するのは抽象派の画家です。形を持たない抽象的な物を、具象的な物と同じように視界にとらえ、「描く」という行為によってその存在を確立させようとする様子を描写していると解釈できます。

乙女座は、自らの対極にある魚座の影響力を常に受けており、このために「具体性がないものを現実のように視る」力を持つことがあると私は考えています。乙女座にはスピリチュアリストが多い印象がありますが、この能力に気づくと、そのまま「視える」ものを追い続けてそうなるのではないかと思います。また、視界に入ったエラーやバグを整備する能力もあり、完璧主義的な性格も加わって、あまり妥協することを良しとしない傾向もあります。このような傾向もこのシンボルに現れています。

成立しているアスペクト

  • ASC・月+天王星・金星・土星-カイト
  • 水星-クィンタイル
  • 海王星-オポジション

今回の満月のチャートからは、安定と興奮を同時に求めたいような、そんな矛盾した欲求が人々の心の中に存在しているように感じます。ASCのシンボルにも含まれる「葛藤」がテーマかも知れません。

ASCルーラー・MCルーラー(支配星)の状況

今回のASCの支配星・MCの支配星ともに水星です。水星は♏蠍座・第3ハウスに位置しています。

解説用:ASC・MCルーラーとアスペクト

成立しているアスペクト

  • 木星-コンジャンクション
  • 水星・海王星・冥王星-ミニトライン
  • 火星-スクエア
  • ASC-クィンタイル

蠍座の水星は、真実を見抜く目を示します。今回の配置では、空間に漂う形のないイメージをキャッチして深く観察し、それによって捉えた真実の核を、広く社会に知らせようとします。
次の新月までの間は、少し謎めいた事件のニュースなどが増えることが考えられます。また、これらのニュースは社会全体を支配する影響力を持ちます。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

♊双子座5°「油田をドリルで掘る労働者」

解説用:MCとアスペクト

サインの基本概念とサビアンシンボルの象意

このシンボルでは双子座の象意のうち「煽情性」「強烈な刺激と興奮」「模索」「利用価値の考察」を象徴しています。

双子座のシンボルには過激性を強調されているものが割と多く、このシンボルもその一つです。巨万の富の素である石油を蓄えた油田を掘り当てるということは、富と賞賛への強い欲求、他者支配への欲求などがあり、それらのすべてが、石油を手に入れる者に非常に強い興奮をもたらします。そして人々はこの興奮に煽られて、石油を掘るという重労働を自ら行います。労働者が富を得る様子はさらに多くの人々に伝播し、人々の心を一層煽ります。より多くの労働者やその富の恩恵に預かろうとする人々を呼び寄せていきます。

石油とは、過去に生きた生命の変質した姿。熱や圧力によって跡形もなくなり、その構成要素さえ変化した者達です。古代からの集合知も、似たようなものかもしれません。

死して黒い水となったおびただしい数の亡骸を燃やし尽くし、また加工して化学物質を創り出すことで私達の現代社会は発展しましたが、果たしてそこに、死した者達、つまりかつて生きた者達への感謝の念はあったのでしょうか?加工によって地や水に還れなくなった科学物質の蔓延によって、地球上にあった生命の循環システムを狂わせた代償は、我々が得た富というものによって支払い切れるでしょうか?

このシンボルには、一方方向への知性の発達や煽情性が危険な方向に進みやすいという戒めも込められています。

成立しているアスペクト

  • MC・金星・土星-YOD

この時期の到達点であるMCは、金星と土星によってYODとなります。YODは堂々巡りを象徴するアスペクトであり、何度も同じ課題を突き付けられながら乗り越えることを要求されるというもどかしさがあります。

これまで「価値がある」とされてきた生き方、とりわけ労働・金融などに関することについて、それは本当に価値があるのか見直すべきでは?という問いかけのようにも思います。すでに何度も色々な形でこのような問いかけは行われてきましたが、この時期も再び考えさせられることになりそうです。


「社会の基本的な動向」を導き出した要素

今回の満月の要素と成立しているアスペクトから、基本的な動向を考えています。

解説用:満月とアスペクト

根拠とした要素

満月のサイン・ハウスおよび満月とアスペクトをとる天体との関係から考えています。

新月のサインとハウス

今回の満月は「♉牡牛座・第8ハウス」に位置しています。対となる太陽は「♏蠍座・第2ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♉牡牛座-♏蠍座のラインは「生存」「官能」「価値」「信頼」に関わっています。

♉牡牛座の月(第8ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 極めてゆっくりとした感情・深層心理の変化
  • 限られたあるいは隠された関係性の中での心情共有や安心感を求める
  • 他者から継承した資産を自らの手元に持ち続けようとする

♏蠍座の太陽(第2ハウス)

一般的な解釈では、次のようなことを示します。

  • 目先の評価によらず、真に価値のあるもののみを自らの資産とする
  • 時間や時代などを超えて自身の遺伝子・資産を継承させようとする

成立しているアスペクト

今回の満月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • 満月+金星+天王星・土星・ASC-カイト
  • 満月・ノード軸-グランドクロス(不動)

サイン的にもハウス的にも「金融」がテーマになりそうな満月のチャートです。先般の新月頃から起こり始めた株価の下落傾向について、時代の変化を感じさせるセンセーショナルな変動が起こる可能性が考えられます。この配置からは、一気に経済崩壊…などということは考えられませんが、時代の変化を告げるのには十分な規模になるのではないかと思います。


補助要素

満月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。

金星

解説用:金星とアスペクト

金星は♏蠍座・第3ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 金星+満月+天王星・土星・ASC-カイト
  • MC-クィンカンクス

満月に直接絡むこと、入っているサインから考えても、金融の話題がニュースになりやすいと思います。また、10月末日頃に、牡牛座にいる逆行中の天王星との正確なオポジションを形成するタイミングがやってきます。なお、このとき同時にノード軸とはスクエアとなり、正確なグランドクロスが形成されます。この時期は、経済状況の大きな転換期になる可能性があります。

火星

解説用:火星とアスペクト

火星は♒水瓶座・第6ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 水星-スクエア
  • 天王星-クィンタイル
  • 冥王星-セミセクスタイル

火星はアングルルーラーとなっている水星をスクエアによって刺激しています。紛争や軍事に関する何らかの騒動が話題になる可能性があります。

木星

解説用:木星とアスペクト

木星は♏蠍座・第3ハウスに位置しています。アスペクトは次のとおりです。

  • 水星-コンジャンクション

木星は今回水星とのコンジャンクションのみ形成しています。情報分野のにぎわい・騒動をより拡大していきます。

土星

解説用:土星とアスペクト

土星は♑山羊座・第4ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 土星・満月+金星+天王星・ASC-カイト
  • MC-クィンカンクス

土星はただ静かに佇むようにいて、満月と金星・天王星を調停しています。また、ASCにも落ち着きを与えようとしています。MCに対しては、人々に煽られてはやる気持ちを抑えるようブレーキをかけようとして身体を張っているかのようです。

この頃の土星はいつも、こんなふうに身体を張って一人で物事を安定させようとしたり、何かの暴走を止めようとしたりすることが多いように思います。今土星は山羊座にいて品位的にも上々ですから、その役目を果たすだけの力は十分持っている ということなのでしょうか…。しかし、この混乱に満ちた時代を土星ひとりの力で落ち着かせるのはやはり大変すぎると思います。

天王星

解説用:天王星とアスペクト

天王星は♉牡牛座・第8ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 天王星+満月+金星・土星・ASC-カイト
  • 火星-クィンタイル
  • 海王星-セミスクエア

先回は少し落ち着いていたかなと思いましたが、この満月では再び派手なアスペクトぞろいの天王星です。

牡牛座と天王星は象意的に本来相性が悪く、それだけで矛盾した印象を受けます。私が参考としている占術書では、牡牛座は天王星にとって「下降」の宮です。しかしそれ故に、天王星は既存の物理的な価値観を強烈に刺激し、刷新しようとしているようにも見えます。

混乱を調停しようとする土星の助けを受けることで、極度に羽目を外すほどの騒動を起こすことはなくなっているでしょうが、その代わりに、改革の波がこの時期も確実に世界を侵食していくのでしょう。

海王星

解説用:海王星とアスペクト

海王星は♓魚座・第7ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 海王星・水星・冥王星-ミニトライン
  • 天王星-セミスクエア
  • ASC-オポジション

外交関連はあいまいな動きが多くなりそうです。ちょうど日中首脳会談が行われますが、これは新しいイメージ戦略としての役割があるのかなと思います。

会談のテーマがあまりはっきりいないように見受けられます。常時放置してきた拉致問題については解決の意志は感じられませんし、経済方面だとすれば、「一帯一路へ取り入りたい」という意思表示になると思われます。「北朝鮮の非核化」については恐らく論外で、それならばまずアメリカの非核化をする必要があると思うのですが…。

冥王星

解説用:冥王星とアスペクト

冥王星は♑山羊座・第5ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 冥王星・水星・海王星-ミニトライン
  • 火星-セミセクスタイル

第5ハウスで思い当たる事象というと、カジノ関連・オリンピック関連、各種スポーツ協会関連のことなどがありますが、これらのいずれかについてトラブルか不祥事がまた取りざたされる可能性が考えられます。

それから、忘れていましたがこの時期には「ハロウィン」がありますね。私自身は日本などで流行って(?)いる「偽ハロウィン」に興味は微塵もありませんが、いちおう第5ハウス的なイベントとして認識できるものでしょう。そう考えてみると、このハロウィーンイベントを通じて何らかの事件が起こる可能性も、なきにしもあらずですね。


あとがき:今このときを生きる人へ

今回の解釈は、太陽の隣にいる金星と満月の隣にいる天王星のおかげで「ナチュラルハイ」というキーワードにすっかり支配されてしまいました。あまり詳細な解説を書くこともできず、悩んでいるうちに満月のタイミングを過ぎ、この時期を公開するのが遅れてしまいました。最近はこんなふうに、悩みすぎて記事をまとめられないことが増えた気がします。いつも記事をお読みいただいている方々には、本当に申し訳ありません。力量不足を痛感するばかりです。

さて、不変の真実の中に生きることをテーマとするサインの中で起こる、現実破壊欲求の塊を象徴する満月とは?

今回の満月図から考えたこととして、私は「多くの人々は平穏と安定を望んでいる」と思っていましたが、もしかしたら少し違う側面も持っているのかも?と考えるに至りました。人々はこの閉塞感や葛藤、矛盾に満ちた世界の状態を、本当は「突き抜けたい」のかもしれないと。自分の人生にまとわりつく嫌なものを容赦なく振り払って、狭い世間の天井も床も合法的にぶち壊してしまいたいのかもしれないと。

確かにそれは、誰しもの秘めたる願望なのかもしれませんね。

「ナチュラルハイ」になれたらいい。ただ自然にそうあれたらいい。たとえそれが、今あなたがいる世界の人たちとは相容れなくても。

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