[解釈の根拠]2019年11月27日:射手座の新月

アイキャッチ:新月

はじめに

このページは、タイトルに示した月相図のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、次のリンク先ページをご覧ください。

今回対象としている月相図

次の月相図を対象としています。

トランジット図:2019年11月27日 0時5分27秒

根拠とした各要素と詳細

解釈および表現するテーマを決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理します。

前提

解釈の前提条件は次のとおりです。

チャートの主体

ここでは「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項
  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「社会情勢」を考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 採用しているハウスシステムは「レギオモンタナス法」です。
  • ホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」を使用しています。

「背景に漂う空気感」を導き出した要素

背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの起点)

解説用:ASCとアスペクト
位置

♍️乙女座14°

サビアンシンボル

「勇敢な祖先から受け継いだ家宝である、見事なレースのハンカチ」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♍️乙女座の象意のうち「気品」「血筋への感謝」「潔癖」「果たすべき役割への意識」「選民意識」などを示します。

サインの役割を個人の成長過程に照らし合わせると、♍️乙女座は、それまでの様々な人生上の変遷を通して積み上げられたものを精錬して、一人の自己の完成を目指すサインだと言われます。そのため、乙女座のシンボルの中には「貴族意識」を強調するものがいくつか出てきますが、華やかさというよりは、気高さやストイックな性質を表しています。よく♍️乙女座=潔癖と言われる意識はここから発生しています。

成立しているアスペクト
  • オポジション
    • 海王星
  • クレイドル
    • 水星・土星+冥王星・海王星

ASCに対してオポジションを形成する海王星は、現実ばなれした高い理想の際限なき拡大を示します。気高さからくるストイックさ、潔癖性が多くの人の意識に浮かび上がってくる時期であるようです。それは少し過剰なものになるかもしれません。

クレイドルを形成する天体のうち海王星以外の天体は、現実に結果を反映する作用が強い天体で構成されています。「思っているだけでなく行動に移し結果を残す」ことに対するこだわりと、具体的なプランが練られやすいと言えます。世論の浸透もさることながら、実際に社会の清浄化に向けて何らかの市民活動が起こってくる可能性も考えられます。

ASCルーラー(支配星)の状況

解説用:ASCルーラーとアスペクト
今回のASCの支配星

水星(♏️蠍座・第3ハウス)

成立しているアスペクト
  • ミニトライン
    • 土星・海王星
  • セミスクエア
    • 金星+木星
第1ハウス以外に支配しているハウス

第10ハウス(政府・与党)

ASCの支配星は第3ハウスにあり、サインは♏️蠍座です。秘密に関わる情報の応酬が世論形成に直接的な影響を与えます。土星と海王星によって形成されるミニトラインは、現実的な側面に対する視点の強化と、理想追求に向けられる欲求の向上をそれぞれ補助します。

ここに楽観を示す金星・木星のコンジャンクションがセミスクエアでかかります。これらの天体は第4ハウスに入っています。感情を刺激される話題、とくに郷土(あるいは民族)的なものに関する美談や楽観的な話題などによって方向転換させられやすいでしょう。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

解説用:MCとアスペクト
位置

♊️双子座12°

サビアンシンボル

「有名なピアニストが演奏会を催す」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♊️双子座の象意のうち「情感の喚起」「優れた論理と技術による感動への誘導」を示します。

成立しているアスペクト
  • スクエア
    • 海王星
  • クィンカンクス
    • 水星

MCのシンボルと、そこに対する海王星のスクエアが表示されていることから考えると、大きな問題を追求して不正を正そうとする動きは成就しにくいのかもしれません。MCの支配星となる水星もクィンカンクスを形成し、ことがスムーズに運ばないことを示しています。しかし、政治の清浄化を願う人々の願いの純粋さが、方々に伝播する可能性も捨てずにいたいところです。身を結ぶのがいつなのかは全くわからないですが。

MCルーラー(支配星)の状況

今回のMCの支配星

水星(♏️蠍座・第3ハウス)

成立しているアスペクト
  • ミニトライン
    • 土星・海王星
  • セミスクエア
    • 金星+木星
第10ハウス以外に支配しているハウス
  • 第1ハウス(世論・国民の状況)

今回の新月図では、ASCの支配星とMCの支配星が同じとなります。従ってアスペクト構成も同じです。また、第1ハウス(世論・国民の状況)と第10ハウス(政府・与党)のコンディションも共通となり、それぞれのエネルギーの注ぎ先がすべて第3ハウス(情報)となります。

真実に基づいた情報を求める活動がさらに活発化することは間違いなさそうですが、それはまだ始まったばかりなので、思うような成果を得るには遠いと思われます。それでも諦めずに理想を持ち続けることが大切であると思います。社会のさらに広範囲に、このような精神を根付かせることがこの時期の具体的なテーマになるのではないかと思います。

「社会の基本的な動向」を導き出した要素

新月のサイン・ハウスおよびアスペクトをとる天体との関係から考えています。

解説用:新月とアスペクト

新月のサインと滞在しているハウス

今回の新月は「♐️射手座・第3ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♐️射手座は「飛躍」「冒険」「異郷」「高等学問」「哲学」を示すサインです。また「野性と高尚性の同居」「衝動と叡智の共存」に関わっています。

参考:一般的な解釈例 ♐️射手座の月(第3ハウス)
  • 身近な探検の中に果てなき冒険への入り口を見つける
  • 遠い世界のメッセージを他者に伝わるように表現しようとする
参考:一般的な解釈例 ♐️射手座の太陽(第3ハウス)
  • 高尚な世界を旅して持ち帰ったものを広く世間に普及させる
  • 世界中の人々との友好関係構築を実現させるための活動に身を捧げる
成立しているアスペクト

今回の新月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • クィンカンクス
    • 天王星
  • セミスクエア
    • 土星
  • セミセクスタイル
    • 火星
今回の新月が支配しているハウス
  • 第11ハウス(立法・友好国・自治体・権力の影響を直接受けない共同体)
  • 第12ハウス(地下社会・諜報・俗世から隔離された領域)

今回の新月は、ASCおよびMCの支配星と同じく第3ハウスにて成立します。この時期の全ての関心が第3ハウスの分野(情報)に集約される形です。

新月に対するアスペクトを見ると、改革および突発的なハプニングを示す天王星がクィンカンクス、プレッシャーを示す土星はセミスクエア、攻撃性や過激性を示す火星はセミセクスタイルとなっており、ハウスイングレスと新月のリソースとなる支配先のハウス情報と合わせて見ると、このところ続いている政治的スキャンダル・汚職に関連する事柄を示しているものと思われます。決定的なものではないにしろ、ごく小規模の政局の変化はあるかもしれません。それが今後の大きな政変のきっかけになる可能性はあるでしょう。

新月のルーラー(支配星)の状況

今回の新月の支配星

木星(♐️射手座・第4ハウス)

成立しているアスペクト
  • コンジャンクション
    • 金星
  • トライン
    • 天王星
  • セミスクエア
    • 水星

新月の支配性は♐️射手座に位置する木星であり、最も目立つアスペクトは金星とのコンジャンクションです。これが現在の木星に最も大きく影響を与えています。他に天王星とのトラインが形成されていて、ポジティブな雰囲気を持った流行が生まれ拡大する時期であることを示しています。最近の有名人の結婚に関する動きはここで示されているのでしょう。

ASCやMCの支配星である水星とはセミスクエアとなっており、新月はパリピ的な空気とシリアスな空気の両方の影響を受ける形です。

木星のハウスイングレスは第4ハウスであり、主に国土(郷土)や民族に関連する分野での楽観姿勢あるいは騒ぎとなります。

国土や民族に対する寛容的または保護的な姿勢の表れが、政治動向に影響を与えてきそうです。例えばぱっと思いつくのは被災地復興に関することや、北方領土問題などでしょうか。

北方領土問題について少し掘り下げると、現在この分野において日本政府は強い姿勢を示していません。加えて先日の出来事として、政府方の発言として「北方領土と言わないで」というものがあったと、多くの情報媒体で発信されていました。

参考リンク:政府、「北方領土と言わないで」 ロシアとのトラブル懸念 | 共同通信

この事例のような外交に対する曖昧な姿勢は、今回の新月期間中も続くと思われます。これは、別のポイントとしてDES上に来ている海王星からも読み取ることができ、併せて考えると「外交上の曖昧な姿勢ならびに混迷に対する視線の集中を回避するために、国土・民族に対する肯定的な感情を呼び起こす仕掛けを実行する」とも考えることができます。いずれにしても、この時期の国民の視点は外には向きにくくなり、もっぱら自国の郷愁と賛美につながるものに関心が集まりそうです。

その他注目したい天体とハウス

注目したい天体やハウスに焦点をあててみます。

天王星

解説用:天王星とアスペクト
位置

♉️牡牛座3°(第8ハウス)

成立しているアスペクト

  • オポジション
    • 火星
  • メディテーション
    • 火星・金星+木星
    • ノード軸
  • クィンカンクス
    • 新月

今回の新月に大きな影響を与えているのは、天王星であると思います。新月に対してはクィンカンクスを形成し、同時に第2ハウスにある火星とオポジションを形成。一方で第4ハウスにある金星・木星のコンジャンクションとはトラインを形成し、火星を含めるとメディテーションが成立します。

火星とのコンビネーションは、主に経済方面での突飛なアクシデントを暗示していると思われますが、金星・木星からのトラインが同時に関わるためにそれほど深刻にはならないでしょう。ただ、今後の経済低迷を印象付けるだけのインパクトだけは十分に残していきそうです。

新月に対するクィンカンクスは、問題のこじれや理解し難い政変の暗示だと思われます。主に情報が飛び交う分野の中での変化になります。

終わりに

ここまでの内容を、タイトルに示した月相図のチャート解釈の根拠としました。解釈そのものをご覧になりたい方は、次のリンク先ページをご覧ください。

コメントをどうぞ

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください