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アスペクトとは

アイキャッチ:アスペクト

西洋占星術における「アスペクト」とは、天体や感受点同士が結ぶ角度(位置関係)を意味します。

アスペクトの概要

アスペクトには多くの種類がありますが、このセクションではまずその概要について解説していきます。

アスペクトは、ホロスコープ(チャートともいいます)上では、天体や感受点同士をつなぐ線として表示されます。次の図では、アスペクトの線を示していますが、この線のひとつひとつをアスペクトと言います。

図:ホロスコープ内のアスペクトの部分をわかりやすく示したもの
ホロスコープのうち、アスペクト以外の部分を暗く表示したものです。アスペクトは線で表示されます。この図にある線のひとつひとつがアスペクトです。

アスペクトの歴史

かつて古い時代、アスペクトとはもともと天体ではなくサイン同士の関係性を示すためのものでした。そのため「メジャーアスペクト(後述)」しかありませんでした。これは、かつて天体の位置する正確な度数を特定することは困難だったためとも言われています。

時代は下って17世紀ごろ、ドイツの天文学者であるヨハネス・ケプラーによって、アスペクトとはサインではなく天体間の位置関係だと定義されました。ヨハネス・ケプラーは、イタリアのガリレオ・ガリレイと同じ時代に生きた人であり、この提唱には地動説がベースにあります。「マイナーアスペクト(後述)」もケプラーによって誕生したと言われています。

現代では概ねこの流れを受けていますが、ネット上などで様々な方のご意見などを拝見すると、古典占星術を使用している方にとっては大きな疑問の残るものであるようです。私自身は、アスペクト=天体主体という考え方を採用していますが、古き時代のとおりサイン主体で考える方法も大切にしたいものだと思っています。

アスペクトは常に変化している

アスペクトが刻々と変化している様子を知るために、3つほどトランジット(その時点)のチャートを例にあげてみます。

1. 2018年1月5日 13時8分10秒時点のチャート

この記事を書いている真っ最中のトランジットチャートを出してみました。

トランジット図:2018年1月5日 13時8分10秒

2. 2018年1月5日 19時8分10秒時点のチャート

上記 1. から6時間後のチャートです。月や水星など動きの速い天体が関わっているアスペクトは、短時間の間に次々と変化していきます。

トランジット図:2018年1月5日 19時8分10秒

3. 2018年2月5日 13時8分10秒時点のチャート

上記 1. からちょうど1か月後のチャートです。1ヶ月が経過すると、動きの速い天体はもちろんのこと、木星以遠の遠い天体も位置が変わっています。それに伴いアスペクトも大きく異なっていきます。

トランジット図:2018年2月5日 13時8分10秒

アスペクトの分類

次に、このセクションではアスペクトの分類について整理してみます。

イージーとハード(Easy or Hard)

力の働き方が穏やかか激しいかの分類です。

イージーアスペクト(別称:ソフトアスペクト)

基本的に穏やかにあるいはごく自然に働きます。本人には全く自覚がないというケースも多々あります。一方で、イージー(easy)には「怠惰」という意味もあるように、その持ち主が自らの持つ力を発展的に使わない場合、堕落を招くこともあります。

ハードアスペクト

基本的に激しい表れ方になります。力を使いこなすまでには多くの苦労を伴ったり、劇的な出来事として表れたりします。個人のチャート内では、イージーアスペクトとは対照的に、その持ち主にはっきりと自覚されている場合がほとんどです。また、たいていは「自分の嫌な部分」とかコンプレックスとして認識されているケースが多いです。

メジャーとマイナー(Major or Minor)

影響力がはっきりしているか目立ちにくいかの分類です。

メジャーアスペクト

強くはっきりした影響力を持ちます。個人のチャート内では(自覚のあるなしに関わらず)目立つ性格としてよく表れる傾向があります。また、トランジットにおいては象徴的な出来事や事件等を暗示する場合があります。

第1種アスペクトとも呼ばれます。

マイナーアスペクト

比較的目立ちにくいですが、ある天体や感受点を基準としたときにマイナーアスペクトしかない場合、その影響力が目立ってくる場合があります。

第2種アスペクトや第3種アスペクトと呼ばれるものが分類されます。

ノーアスペクト(No aspect)

ホロスコープの主体となる10天体を対象とした考え方です。メジャーアスペクトを一切持たない天体が存在する場合、その天体をノーアスペクトとみなします。

オーブ(許容範囲・誤差)

アスペクトは、形成される角度が厳密であればあるほど、はっきりとした効果となって表れます。しかし、厳密にその角度でなくても、ある程度の範囲であれば、アスペクトの効果が表れます。この許容範囲(誤差)のことを「オーブ」と言います。

メジャーアスペクトはその影響力の強さから、オーブも広く取られることが多いです。マイナーアスペクトでは比較的狭く取られます。

また、占術家によってオーブの考え方はかなり異なります。全体的に広く取る人もいれば、全体的にかなり狭く取る人もいますし、アスペクトの種類ごとにオーブの設定を変化させている人もいます。


アスペクトの種類

アスペクトには、たくさんの種類があります。このセクションでは主なアスペクトを紹介します。ここに記載する以外にも、アスペクトは存在します。
下記に示した「オーブ」は、管理人が基本として採用している値です。上述のとおり、オーブは占術家によって値が異なりますので、単なる参考としてください。

また、各アスペクトの解説の詳細は、個別のページにまとめていく予定です。そのため、ここでは意味などはあまり深く記載せず、概要のみ解説していきます。

メジャーアスペクト(第1種)

まずは、影響力がはっきり表れるメジャーアスペクトを紹介します。

古典的な占星術ではこのメジャーアスペクトしか使用されていませんでした。また、メジャーアスペクトはいずれも数秘が強く絡むことが特徴と言えるかもしれません。これは、「アスペクト」の成り立ち自体に数秘が関連しているためです。

コンジャンクション

コンジャンクションは、最もパワフルなアスペクトです。至近距離に隣り合う天体・感受点が形成します。
太陽と月では「新月」となります。

図解:コンジャンクション
度数
記号
関連する数秘1

 

360°÷1=360°(=0°)

メジャー・マイナーメジャー
イージー・ハード両方
オーブ(ネイタル・T単体他)±10°
オーブ(2重円・3重円他)±3°

アスペクト詳細:コンジャンクション

オポジション

オポジションは、コンジャンクションに次いで力あるアスペクトです。正反対に位置する天体・感受点によって形成されます。
太陽と月では「満月」となります。

図解:オポジション
度数180°
記号
関連する数秘2

 

360°÷2=180°

メジャー・マイナーメジャー
イージー・ハードハード
オーブ(ネイタル・T単体他)±10°
オーブ(2重円・3重円他)±3°

アスペクト詳細:オポジション

トライン

トラインは、かつて幸運のアスペクトと呼ばれていました。それはこのアスペクトには安定性があり、強大な力が穏やかに、あるいは自然に作用することで、とくに個人においては恵まれた才能や運の象徴とされたためです。

図解:トライン
度数120°
記号
関連する数秘3

 

360°÷3=120°

メジャー・マイナーメジャー
イージー・ハードイージー
オーブ(ネイタル・T単体他)±10°
オーブ(2重円・3重円他)±3°

アスペクト詳細:トライン

スクエア

スクエアは、トラインとは対照的に試練のアスペクトと呼ばれていました。ハードアスペクトの中でもスクエアはとくに目立った影響力を持ち、制御も難しく、激しい変化や衝突をもたらします。しかし、このアスペクトは、その持ち主に試練を与える代わりに、乗り越えた暁には桁外れの創造力・推進力をギフトとしてもたらします。
太陽と月では「半月」となります。

図解:スクエア
度数90°
記号
関連する数秘4

 

360°÷4=90°

メジャー・マイナーメジャー
イージー・ハードハード
オーブ(ネイタル・T単体他)±10°
オーブ(2重円・3重円他)±3°

セクスタイル

セクスタイルは、トラインと似た影響をもたらすアスペクトです。トラインの影響力がある意味無自覚に表れることが多いのに対し、セクスタイルの影響を発揮するためには、その影響力を使用する意識が必要とされます。

図解:セクスタイル
度数60°
記号
関連する数秘6

 

360°÷6=60°

メジャー・マイナーメジャー
イージー・ハードイージー
オーブ(ネイタル・T単体他)±5~6°
オーブ(2重円・3重円他)±2°

マイナーアスペクト(第2種)

次は、マイナーアスペクト(第2種)について紹介します。影響力がいくぶん目立たなくなるとはいえ、時に重要なカギを握るアスペクトです。

クィンカンクス(インコンジャンクト)

クィンカンクスは、数秘が絡んでいるアスペクトではありません。別名でもあるインコンジャンクトとは、もともと「アスペクトができない」という意味を持つ用語でした。基本的にはすれ違う、噛み合わない等の意味を示し、使いこなすには不安定な状態の堂々巡りを繰り返すようなこともあります。しかし、もがきながら乗りこなすことで、このアスペクトは徐々に持ち主の力になっていきます。

他のマイナーアスペクトに比べ、占術に取り入れる人が多いアスペクトでもあると思います。それはやはり、メジャーではなかったものの、30の倍数であることから、サイン同士の関係性を示せる角度であるからかもしれません。

図解:クィンカンクス
度数150°
記号
関連する数秘
メジャー・マイナーマイナー(第2種)
イージー・ハードハード
オーブ(ネイタル・T単体他)±2°
オーブ(2重円・3重円他)±2°

セミスクエア

セミスクエアは、スクエアを1/2にしたアスペクトです。従って意味はスクエアと幾分似ています。クィンカンクスとは異なり、360を8で割った数でもあり、数秘の関連はあると考えることができます。

図解:セミスクエア
度数45°
記号
関連する数秘8
メジャー・マイナーマイナー(第2種)
イージー・ハードハード
オーブ(ネイタル・T単体他)±2°
オーブ(2重円・3重円他)±1°

セミセクスタイル

セミセクスタイルは、セクスタイルを1/2にしたアスペクトです。したがって意味はセクスタイルと幾分似ています。360を12で割った数でもあり、数秘の関連はあると考えることができます。

図解:セミセクスタイル
度数30°
記号
関連する数秘12
メジャー・マイナーマイナー(第2種)
イージー・ハードイージー
オーブ(ネイタル・T単体他)±2°
オーブ(2重円・3重円他)±1°

セスキコードレート

セスキコードレートは、スクエアを1.5倍にしたアスペクトです。数秘との関連はありません。

図解:セスキコードレート
度数135°
記号
関連する数秘
メジャー・マイナーマイナー(第2種)
イージー・ハードハード
オーブ(ネイタル・T単体他)±2°
オーブ(2重円・3重円他)±1°

マイナーアスペクト(第3種)

次は、マイナーアスペクト(第3種)について紹介します。隠されたメッセージやカギを読み解くための手掛かりとなることがあります。占術に使用する人も少ないのですが、管理人は少しアスペクトマニアなところがありますので、趣味で載せておきます。

クィンタイル

クィンタイルは、第3種マイナーアスペクトに分類されていながらも、れっきとした数秘に関連するアスペクトです。創意工夫を暗示するアスペクトだと言われています。

図解:クィンタイル
度数72°
記号Q
関連する数秘5

 

360°÷5=72°

メジャー・マイナーマイナー(第3種)
イージー・ハードイージー
オーブ(ネイタル・T単体他)±2°
オーブ(2重円・3重円他)±1°

セプタイル

セプタイルは、クィンタイルと同様に、数秘に関連するアスペクトです。360を一桁の数字で割ったとき、唯一割り切れないのが「7」であり、セプタイルはこの「7」に関連しています。宿命に翻弄されるアスペクトと言われていますが、研究事例も多くはないと思われ、謎多きアスペクトです。

管理人はネイタルの中に、このセプタイルをなぜか4つほど持っています。いつかその意味を実感できる時が来たら、レポートをまとめたいと思っております。

図解:セプタイル
度数51.43°
記号Se
関連する数秘7

 

360°÷7=51.428…°

メジャー・マイナーマイナー(第3種)
イージー・ハードハード
オーブ(ネイタル・T単体他)±2°
オーブ(2重円・3重円他)±1°

セミクィンタイル

セミクィンタイルは、クィンタイルを1/2にしたアスペクトです。従って意味はクィンタイルに準じます。今後のことはわからないのですが、恐らく当サイトでは今後もほぼ使用しないと思います。

図解:セミクィンタイル
度数36°
記号
関連する数秘10

 

360°÷10=36°

メジャー・マイナーマイナー(第3種)
イージー・ハードイージー
オーブ(ネイタル・T単体他)±2°
オーブ(2重円・3重円他)

ノヴァイル

ノヴァイルは、数秘に関連するアスペクトと言えるものの、ほぼ使用されていないアスペクトだと思われます。解釈に取り入れている方を見た記憶が今までにはありません。ここではその存在を確認するために記載しました。

図解:ノヴァイル
度数40°
記号
関連する数秘9

 

360°÷9=40°

メジャー・マイナーマイナー(第3種)
イージー・ハードイージー?
オーブ(ネイタル・T単体他)±1°
オーブ(2重円・3重円他)

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