考察:グレートコンジャンクション 4

アイキャッチ:考察:グレートコンジャンクション Vol.4

占星術の世界では、日本時間の2020年12月22日 3:18 に「グレートコンジャンクション」が起こり、これをもって「風の時代」に入った などといわれています。

もう成立から3年経とうとしている現在ですが…改めて最終章を投稿しておきたいと思います。

今回の投稿では、私たち人類がどのように現在の「風の時代」を生きていけばいいのか?について考え、提案したいことなどを記します。

今回の「風の時代」の概要

該当期間

今回の「風の時代」は、2020年〜2219年10月末までです。

補足:移行期間

途中で次のエレメントのグレートコンジャンクションが入り込んでくるのは2159年12月です。

  • 現在のエレメントは「風」なので、次のエレメント = 「水」になります。
  • 2159年12月ごろのグレートコンジャンクションは ♏️蠍座 で成立します。逆行期間は重ならないようですので、1回きりの模様(1981年の移行期開始時には逆行期間が重なったため3回成立しています)。
  • この2159年12月ごろのグレートコンジャンクションを起点とした次の「水の時代」への移行期間は、約60年となります。

どんなものになるのか?

前回のシリーズ記事でも記したように

  • 既存社会の価値観の激変・転換
  • 越境、社会的境界線の大規模な変更
  • 想像を超える強大で新しい影響力の出現と、瞬発的な世界席巻およびその後永久に残る余韻

といったことが起こるのではないかと考えています。

今回の風の時代の特徴

強すぎる「水瓶座」

さて、今回の風の時代は、水瓶座のグレートコンジャンクションではじまり、水瓶座のグレートコンジャンクションで終わります。

また興味深いことに、時代の最初期を飾るのは水瓶座冥王星の期間、そして歳差運動により発生する春分点移動の観点からも「水瓶座時代(アクエリアンエイジ)」の初期にあたることから、これまでの人類史の中で起こってきた風の時代の中でも水瓶座の色が極めて強い時代になるのではないかと考えています。「そんなに要ります???」というくらい。

革命の功罪

水瓶座の色が強いということは、良くも悪くも革命的な様相になることが想像できます。

「革命」というと良いイメージをお持ちの方が少なくないと思いますが、革命の成功の陰には常に膨大な犠牲の存在があるもの。これまで歩んできた歴史の中で人類は何度かこのプロセスを経験してきているのですが、このような「革命」実現のスタイルについてそろそろ罰を喰らってもおかしくないでしょう。安直な革命希求の愚かさを身をもって知らされるような出来事が、きっとどこかに待っているはずだと思います。

知性の真意

次に注目しておきたいのが「知性」の質の転換についてです。

占星術師であったり、あるいは占星術を学んでいる方は「知性」という言葉を聞くとほぼ自動的に「水星」を思い浮かべると思います。水星はコンピュータで言えばプロセッサやデバイスにあたり、そのはたらきが活性化・高度化することによって人間は多くの情報を処理し、技術を生み出し、思考の力を用いて万事を統制することで発展してきました。

しかし、このように大変優れた機能を持つ「知性」を、現代の人々はいささか「道具化」しすぎたのではないか?と最近は思っています。

人間にとっての知性とは、それぞれの人間が大切にすべき「生きる目的」のために発揮されることが大切なはずなのですが、その生きる目的が何なのかを自分でもよくわからないまま、外部から与えられた形骸的な価値観に基づいて使用されている。現代社会において「何のために生きているのかわからない」という言葉を発する、あるいは心の中で叫ぶ人があまりに増えてしまったのは、このためなのだろうとよく感じます。

目的と手段の過剰な分断意識が進みすぎた結果、目的の存在感覚すら自分の内面から消失している ── これはある意味「水星の孤立化」なのかもしれません。

人間にとって知性を正しく扱うには、その背景に発達した倫理観が必要です。「木星」によって示される倫理観は人道に直結するものであり、それを支えるのは成熟し、磨き抜かれた美意識です。これがすなわち「真の金星」の姿なのでしょう。

道具は何のためにあり、何のために使えばいいのか?

この「何のために」と言う部分を、個人それぞれが突き詰め、倫理に照らして磨き抜くことが、知性の真意を引き出すのだろうと私は考えます。

「●の時代」の誤解を解く

もうひとつ挙げておきたいのが「●の時代」の誤解を解くことの重要性についてです。

どこまで説明できるかには自信がありませんが…

人間として真に理想的な精神的進化を遂げるには、すべてのエレメントの意味を心身で理解し、統合することが何よりも重要なのだということ。これをとくに私たち占星術師が、今回の風の時代をとおして肚に落とし、その深い理解に基づいて声を出していかねばならないのではないか?と思うのです。

その時代において強調される要素は「取り組むべきメインテーマ」つまり「重要な課題」なのであって「乗るべきブーム」を示しているわけではないということ。

占星術師こそ、この点を最も誤解している可能性があると思うのです。

この点をあまり重要に考えていない占星術師もいるでしょうし、中にはわかっていてもあえて今のマーケットを動かしやすい「乗るべきブーム」として扱い、そのような声を発している占星術師もいるでしょう。だとすれば、そのような占星術師こそが、人々の価値観の進化・高次化を妨害する存在に成り下がっているということになります。

占星術師それぞれに考えはいろいろとあるでしょうから、実際に何をどうするなどと言及するのは現実的ではありません。ここではとりあえず、現在の私がもつ一占星術師としての考えを、広く世の中に投げておきたいと思って書いてみました。

取るに足らない考えかもしれません。それはそれで、そのうちわかることでしょう。

ただ、今まさに始まったのは知性を象徴する風の時代ですし、まして「叡智と進化」そして「完成された人間」を象意に持つ水瓶座がせっかくこんなに強調された時代なので、そのために人類として全力で取り組むことに何か大きな意味があるはずだと私は思います。

グレートコンジャンクションを持つ方へ

最後にこのことについて書いて、今回の考察シリーズを締めたいと思います。

おさらい:グレートコンジャンクションを持つ とは

グレートコンジャンクションは、太陽系の天体のうち「木星」と「土星」のコンジャンクション を指します。

トランジット図:2020年12月22日 3時18分の中で、木星と土星がコンジャンクション している部分に○印をつけたもの

西洋占星術においてあなたの出生図を描画したとき、木星と土星が同じ位置にあるか、とても近くに並んでいる場合は、あなたは「(出生図に)グレートコンジャンクションを持つ方」となります。

参考例図を併せて添付しておきます。当該図の中にある数字の「4」に似た木星のマークと、ひらがなの「ち」にも似た土星のマークが隣り合い、同じ度数にあることがわかります。

補足:コンジャンクション

占星術では、天空にある天体同士が(見かけ上)同じ黄経座標にある状態を「コンジャンクション」と呼びます。これは、例えば太陽と月であれば新月の状態です。

詳細は今シリーズの別記事「考察:グレートコンジャンクション 1」にもまとめています。

考察:グレートコンジャンクション 1

出生図にグレートコンジャンクションを持つ意味

約20年に一度成立するグレートコンジャンクションは、新しい社会秩序と潮流の出現を意味する配置です。

それを自分の出生図に持つということは、自分自身がそれを体現する存在の一人であるということになります。

社会天体として機能する木星と土星は、その公転期間がそれぞれ約12年・約30年と長い天体たちです。1年のうちに移動する距離はあまり多くありません。したがって、仮にあなたがグレートコンジャンクションを持つ身であるならば、あなたと同じ年(あるいは前後数ヶ月間)に生まれた人もまた、この配置を持つ人なのです。こうして「グレートコンジャンクションを持つ世代」が約20年に一度出現することになります。そしてこの世代が「次の新しい社会秩序・潮流を代表する世代」となるのです。

あなたの持つ社会的な価値観、行動原理、社会に対する実質的な影響の発現が、次の社会のムーブメントを牽引します。それはあなたの自覚の有無とは関係なく、自然とそうなります。

個人の出生図におけるグレートコンジャンクションの影響力が社会に対してもっとも如実に表れるのは、概ね40歳のときだと私は考えています。

自己の目的意識を本格的に形成する年齢域である太陽期を過ぎて数年後、そして自己の目的意識に基づいて社会に影響力を発揮することをテーマとする火星期の中間期にやってくるグレートコンジャンクションの成立。

目的意識が成熟し、なおかつまだ老いてはいない。自己の中で精錬・凝縮されたエネルギーを、社会に対して放出することに向き合わされる時。そういう時期なのだろうと思っています。

参考:象徴的な例

私は個人的に、この姿を最も象徴する人は ジョン・レノン だと思っています。

John Lennon – Astro-Databank

前述したリンク先は「Astro-Databank」というサイトの ジョン・レノン のページです。出生データやバイオグラフィーとともに、出生図が示されています。

その図をご覧いただくとわかると思いますが、彼は♉️牡牛座にオーブ0°のグレートコンジャンクションを持っています。太陽は♎️天秤座にあり、そのすぐ近くには魂の目的・目指す方向性を示すドラゴンヘッド(昇交点 / ノースノード)があります。

彼は平和を強く希求した人物として広くに知られていますが、不公平を嫌い、人間らしい知性と対等性に基づいた平和の実現のために世界に抗い、その姿勢を貫いた人です。亡くなったのは1980年12月8日 23:30頃(ニューヨーク現地時間 / GMT-5)で、この月の末日(=日本時間では 1981年1月1日)に♎️天秤座9°でグレートコンジャンクションが成立しました。

占星術を知る方なら、このときのグレートコンジャンクションが彼のドラゴンヘッドとほぼ同じ位置で起きているということを、すぐお気づきになったことと思います。

彼のあり方と生き様が、その後の世界にもたらした影響は計り知れません。先に示した配置はそれをとても明確に示しているように感じられて、悲しく、そして私たちの内面の成熟を成さずにはいられないと、つくづく感じるのです。

メッセージ

ジョン・レノン の例はあまりにも象徴的なので、遠すぎる幻影のように感じられることと思います。

しかし、あなたがあなた自身の生きているフィールドの中で、時代の象徴として何らかの影響力を表現するときがやってくるでしょう。もしくは、あなたは自分で気づいていないだけで、すでにその役割を果たしている可能性もあると思います。

けれど、その影響力の発揮が無自覚的であるより、どうせなら自覚的であったほうが良いと私は思います。それは、社会へのはたらきかけが能動的であるほうがよい と言う意味においてです。社会を自発的にクリエイトする人間の一人であっていただきたいと思うのです。

1980〜81年:♎️天秤座のグレートコンジャンクションを持つ方へ

先日別の記事(星のまなざしレポートのもの)でも書いたのですが、とくに1980年秋〜1981年にかけて生まれた方は、先ほど ジョン・レノン のことを書いたセクションでも示していたグレートコンジャンクションを持つ世代であり、それまでの地の時代から、現在始まった風の時代への転換期の狭間に生まれた世代。風の時代の最初期を牽引することになる世代です。

レポート:星のまなざしセミナー『2024年世界潮流 水瓶座時代序章  ~私たちはどう生きて、はたらき、暮らし合うか~』(2023年11月26日:名古屋開催分)

♎️天秤座のグレートコンジャンクションは、人々が高度に調和する社会を望む意識の象徴です。そして、その実現のために必要な能力や感性を、各々が違う形で授かっているはずです。それをぜひあなたの今生きているフィールドで、あるいはこれから生きたいと望むフィールドで発揮していただきたいなと思います。

私もこの世代の一人として、自分の善きありようをこれからも考え続け、生きていく所存です。

2000年:♉️牡牛座のグレートコンジャンクションを持つ方へ

♉️牡牛座のグレートコンジャンクションは、人間社会の真の豊穣を望む意識の象徴です。そして、その実現のために必要な能力や感性を、各々が違う形で授かっているはずです。

風の時代の到来を予告され始めている最中、この時期一旦地のサインで起こっているグレートコンジャンクションは、地の時代に培われた「善きもの」が新しい時代の発展の中で世界から忘れ去られないように、あなた方に授けられた「神の置き土産」のようなものだと私は考えています。

大地から授かる恵みの価値や力、命が健全な肉体を持つことの意味とその喪失の危険性、「本物」に接することの重要性、今急速に葬られようとしているこれらの価値観を、愚かな人類社会が忘れないように。

2020〜21年:♒️水瓶座のグレートコンジャンクションを持つ子どもたちへ

今回の風の時代の最初期にこの世界にやってきてくれたあなた方を、世界中で展開された「コロナ禍」と言う名前の壮大な愚行の中に巻き込んでしまったことをとても悲しく、申し訳なく思います。人格形成の最初期に、生命体としての基本的接触である密接な肉体的接触を遠ざけられ、異常と言える育成環境の強要もあり、何より安全に縋ろうとするあまりそれまでの学びや経験すら信じられなくなり、狂気的な利権政治に振り回される状況を招いてしまったことを、情けなく思っています。

♒️水瓶座のグレートコンジャンクションは、人間の真の進化を促すために、既存社会の問題点の根源を探り当て、不要なものを解体し、高度な理想に向けて再構築する意識の象徴です。そして、その実現のために必要な能力や感性を、各々が違う形で授かっているはずです。

あなた方がこれからどのような成長を遂げるのか、まだ私たちにはわかりません。ただ、肩をすくめ手をこまねいて見ている以外にできることはあるはずだと思っています。私たち自身も激流の中ですが、その中でもせめて流されるばかりにならず、新しい時代が少しでも善き方向に向かうよう、一矢報いたいです。


これで、今回の考察シリーズを終わります。

もしまた何か思うことなどが出てきた時は、改めて書いてみようと思います。

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