トランジットの土星がネイタルのMCにコンジャンクションした時期の記録(2018年)

アイキャッチ:光の粒

2018年のほとんどの期間、トランジットの土星が私のネイタルチャート上のMCにコンジャンクションしていました。

「MC」でしたから「天命・人生の到達点」において何かはっきりしてくるのか?と思っていたら、むしろオポジションの関係にあたる「IC」つまり「ルーツ・人生の根」の部分にまつわるイベントが目白押しとなりました。これについてまとめてみたいと思います。

それぞれの象意

トランジットの土星とは

土星の基本的な象意は「制限」「停滞」「固定」「鎮静」などです。トランジットによるアスペクトを形成する感受点に対してこれらの作用をもたらします。また、「責任の要求」「何らかの決断の要求」という現れ方をする場合も多いです。

よく不吉な存在という扱いをされますが、それは土星のもたらす作用が「重い」「厳しい」「辛い」などの感覚をもたらすことが多いからでしょう。

しかし、長い目で見ると土星の作用は地道な鍛錬を促し、必ずその人の成長へとつなげるはたらきがあります。土星の影響が強い時とは「修行期間」なのだと思えばよいでしょう。

ネイタルチャートのMC・ICとは

私はネイタルチャートのMC・ICを「ライフパス(人生の道筋)」の柱となる要素として解釈しています。

ICについてもう少し詳しく

ICは一般的に「ルーツ・礎」を表すと言われます。また、家族や血縁などを表すと言われます。

しかし、ICはその人の人生にとっての礎になるものでありながら、その人自身にとって最も不足している、あるいは縁遠いものだと感じられることも少なくありません。

その理由は、私の身に起こった出来事についてお読みいただければと思います。

MCについてもう少し詳しく

MCは一般的に「天命・人生の到達点」を示すと言われます。

天職となる職業や社会的な姿などを表すと見なされることもありますが、これはあまり適切ではないと考えています。職業を示しているケースも多少はありますが、大半はそうではありません。

何が起きたか

2018年の1年間に訪れた、トランジットの土星にまつわる出来事は次の通りです。

大変長いですが、ご興味がある方は読んでみてください。

父方の祖父の他界

5月初め、ほとんど疎遠にしていた祖母から突然電話があり、いつもは出ないその電話にたまたま出たところ、祖父が危篤だと知りました。このタイミングでこのような知らせを受け取ったのには何か意味がありそうな気がしたので入院先に出向きました。

病院につくと祖父は目だけで「まだ大丈夫だ」と伝えてきていました。しかしそれから2~3時間ほど後に亡くなりました。

父との再会

その瞬間にはいなかったものの、死に立ち会う形になったので、お通夜に行くことにしました。喪主は父になるのですが、私の両親は20年ほど前に離婚しており折り合いが悪く、またその子である私たち兄弟も(一人を除いて)ほとんど父とは接触していませんでしたので、ちょっと複雑な心境でした。なおかつ私は15年以上前に家出・絶縁などして以降、何年も離れていましたし。

※家出などの話題は次のリンク先に少し書かれています。第8ハウス天王星の使い方:私の場合

しかし、迷った末にお通夜に参加。昔とは雰囲気が少し変わった父と、もう20年以上お会いしていなかった親族の方々に会いました。

翌日の告別式には出ませんでした。前々から姪の1歳のお誕生日会が予定されていた日だったので、それに参加したためです。なおこの時、妹と母に会いましたが、おめでたい日にずっと疎遠な祖父の他界の話をすることもないだろうと思い、この時は何も話しませんでした。

父方の祖母の他界

しかし、祖父の他界からわずか20日後、今度は祖母が急死したという知らせが弟から入りました。祖母は比較的丈夫な人で、80歳を超えていても背中が全く曲がっていないというタイプだったのですが、その日の明け方何故か家の中で転倒して流血し、そのまま失血状態で亡くなったそうです。

この亡くなり方とタイミングは何かひっかかると感じ、またしても葬儀を執り行うということになった段階で、母に対して祖父の他界と併せて話してみました。すると母は「なぜかわからないけど最近立て続けに祖父母の夢を見ていて、何でだろうと思ってた」と言っていました。

母は霊媒体質的なところがあるので、夢を見ていたことについてはそこまで驚きはしませんでした。しかし、私が最も驚いたことは、過去の複雑な事情から心底憎んでいたはずの祖母の葬儀に母がやってきたことです。それは同時に、会うのも嫌だったはずの父の前に姿を現したということも意味しています。

もう一つ驚いたことは、妹が1歳になったばかりの姪を連れて横浜から駆け付けたことです。妹は祖父母とほとんど面識がなく、かつ父にも複雑な感情を持っていたために避けていたはずですが、自分で父に連絡を取って声を聞いたとき、そのやつれた感じに「孫の顔を見せてやらねば」と思ったそうです。

祖母の葬儀を通じて、母と妹も父方の親戚の皆さんと再会しました。なかなか複雑な親族関係だったと思うので、私は内心喧騒が起こることも覚悟していたのですが、そのようなことは一切なく、皆穏やかに弔いの時間を過ごしました。

この経験を経た私たち家族の中にはある共通認識が生まれました。それは、このタイミングの祖父母の他界とは、粉々に砕け散っていた私たちの家族としての縁を再び作り直すための呼びかけだったのではないか?ということです。特に祖母はその念をかなり強く持っていたということがもともとわかっています。何故なら、家庭崩壊につながる最も強力な楔を打ち込んだのが祖母の行動であったからで、祖母は晩年になればなるほど、そのことを自覚し悔いるようになっていったからです。

もちろんそれだけが原因ではありません。言うまでもなく、両親自身も互いに未熟であったのです。互いの人間性・価値観の違いを理解しようとせず、成長することもなかったからです。そのやり方そのものを知らなかったのです。

両親の復縁

この一連の出来事を経た結果起こったことは、両親の復縁でした。両親は両親なりに過去を振り返ったり、いろいろ考えたりしたのだと思います。

両親の復縁に対して、私にはうれしいという感情はほとんどありません。そのかわりに「よかったんじゃないかな」という安堵感があります。これは復縁時点も、今もそんな感じです。

ただ、私の内面には確実な変化が起こりました。それは繰り返しになってしまいますが、まさに安堵感です。

人がいないと生きていけない水サイン過剰タイプである母は、実際のところ私にとって最も苦手なタイプの一人です。しかし、いつのまにか物理的な距離が兄弟の中で最も近くなってしまったのでどうバランスをとるか…と考えたりしていたのですが、父が現れたことでそのバランスが完成した感がありました。

もう一つは、父と母が互いに向き合う選択をしたということそのものに対する肯定感です。向き合うということは、正常なパートナーシップの根幹をなすものです。今からリトライするというのは結構なエネルギーも必要なはずですが。そして、やってみた結果「やっぱり無理だった」ということも十分ありうるでしょう。

それでも特に母には「感情を乗り越えて人を見つめる」ということを是非やりきってみてもらいたいと思っています。昔に比べればはるかにその感覚が発達してきているので、今ならばできるのではないか?という私の期待が多分にあります。父も父で火星による悪癖の鎮静化と、歪んだ価値観の上書きがある程度進んでいるようなので、お互いに頑張ってもらいたいところです。

子にとって、両親が正常なパートナーシップを築けているかどうかというのは、自分の存在理由の一部を構成する大切な要素です。ですから、それが成り立っているかどうかということは大人が思っている以上に敏感に察知します。基本的に大人は子どもを見くびりすぎていると、私はいつも思っています。

仮面夫婦や表面的な仲の良さなどに意味はありません。そんなものはすぐに嘘だとわかります。愛情交流時に感じる違和感が消えないからです。際限のないいがみ合い・憎しみ合いも当然よくありません。お互いの心に真摯に向き合う気がないのならば、一緒にいないほうがいいと思う子どもも少なくないでしょう。すべてではないと思いますが。ただ、少なくとも私はそうでした。

私はどちらに肩入れすることもなく、ただ淡々としていました。それが私が自らの精神のために選択した自己防衛法でした。そんな私の10歳の頃の目標は「18歳になったら家を出る」だったことを今でも覚えています。結局2年ちょっと遅れくらいで本当にほとんど何も持たずに出ちゃったんですけど…。

そんな過去のことを「懐かしいなあ」と思うことができるような時が来るなど、これまで考えたこともありませんでした。ましてや自分の両親どちらとも穏やかに会話できる状態になることなど、私にとっては「あり得ないこと」でした。ですから、もし♋蟹座にある私のICについて、占星術師のどなたかに「家庭は愛にあふれていたはずですね」などと言われたら、ちょっとどうしてたかわかりません。

しかし、この時期の一連の出来事を通して、人生は動いたわけです。MCにコンジャンクションしたトランジットの土星は、MCを通して、ICという礎を盤石にすべき時だということを知らせたのだと思います。おそらくこれは、ICが盤石でなければ自分の人生に立脚できないからでしょう。グラグラどころの話ではなかった私にとっては、足場固めが必要だったから ということなのでしょう。

自分自身の結婚

そして両親復縁のさなかに私自身の結婚についても人生が動くことになり、今の夫のご両親と私の両親の顔合わせを経たうえで、8月に入籍しました。

このこともまた、ICに関わる出来事だと言えます。なお、この間土星は10月過ぎになるまでずっとMCにコンジャンクションし続けていました。

そんなわけで、2018年の大半は自分自身のICが示す自らにとっての礎の姿について深く知る大変貴重な時期となりました。

まとめ

ものすごく長くなってしまいましたので、最後にまとめます。

トランジットの天体がMCにコンジャンクションしたとき

MCにだけ影響が出るとは限りません。対極にあるICがその直接的な影響を受ける可能性も考えておいたほうがいいでしょう。

ASCやDESへのアスペクトも当然影響はありますが、ここでは単にMCへのコンジャンクション=MCだけの影響とは言えない ということを示しておきたいです。

ネイタルのICの象意

基本的には「ルーツ・礎・人生の根」という考え方でよいのですが、それは最初から満たされているとは限りませんので注意が必要です。私は、自らの経験とともに、数々の鑑定を実践した結果、この感受点を「自己の人生を切り拓くために必要な礎」と解釈しています。

ネイタルのMCの象意

こちらも基本的には「天命・人生の到達点」という考え方でよいでしょう。しかし必ずしも「職業」などの事象として現れるわけではありません。それはICの象意と対応させて考えると把握できるかなと思います。

現在私はこの感受点について「自己の人生を切り拓いた結果の要約」と解釈しています。これもやはり数々の鑑定の結果によるものです。


このエピソードについては以上となります。大変長い記事ですが、最後までお読みくださりありがとうございました。

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