エレクション – 時の護符

アイキャッチ:エレクション - 時の護符

人生の大きな選択をするときに、エレクションの技法を使用することがあります。

エレクション(またはエレクショナル)とは、一言で言うと「時期選定」の技法です。このページでは、エレクションについて簡単なご紹介をしていきます。

エレクションとは

前述のとおり時期を選定する占星術の技法であるエレクション(Election)。「選挙」という意味を持つ英単語ですが、他に「行動の選択」という意味も含まれています。また宗教的な語として「神による選択」というニュアンスも持ち合わせているようです。

写真:ゾディアックがデザインされたシンボリックな大時計

歴史

ルーツは非常に古く、紀元前16世紀以降にはすでに古代バビロニア人が使用していたとも言われているようです。インド占星術でも古くから使用されていたようですし、西暦1世紀にいたギリシャの占星術師が残した論文にも、記述が残っているそうです。

特徴

写真:時計の中のメカニズム

伝統的な占星術の中で早くから活用されてきたエレクションは、多くの「ルール」が存在する複雑な技法です。天空の配置によって時そのもの(時機の相)の良し悪しを判定することから、占術の種別(命・相・卜)としては「相術」に近いイメージを私は持っています。

西洋占星術の場合、時の良し悪しを知る技法としては他に「ホラリー(Horary)」もあります。しかしエレクションが「意図的に時を選ぶ」のに対し、ホラリーは「偶然の意味を知る」ためのものです。何気なく選ばれたタイミング、あるいは自然とそうなったタイミングの意味を判定するもので、こちらは「卜術」に該当します。

どんな時に使用する?

日々の細々とした出来事の選択よりも、人生にとって大きなイベントとなる事柄の選択に向いています。

イベントの例

  • 結婚
  • 転居
  • 大きな契約
  • 開業・事業の開始
  • 何らかのイベントの開催 など

「自分(あるいは自分たち)で意図的に日時を決めることができる」ものに対して使用できます。たとえば、学校への入学など自分の意思ではどうしようもないものや、出産など自分の意思でコントロールすべきでないものには使用できません。

大切なこと

エレクションを使用するにあたって大切なことは次のとおりです。

  1. 「完璧な時」は存在しない
  2. 目的と優先順位が大切
  3. 能動的に時機を絞る
  4. 最適解は「人による」

このセクションでは、それぞれの項目について解説していきます。

1.「完璧な時」は存在しない

Zodiac Clock

エレクションは古代に生まれて現代まで続いている、長い伝統を持つ技法です。どちらかといえば古典的(クラシカル)な技法と言えます。厳密なルールがたくさん存在しており、また「吉凶」を重視する技法でもあります。

しかし、そのルールに従って、吉意だけが存在する「完璧なタイミング」を探そうと思っても、決して見つかることはありません。そんなタイミングはこの世に存在しないと理解した上で使用するのが健全です。

2.目的と優先順位が大切

あなたが「時を選ぶ」のは何のためでしょうか?

例:結婚の時を選ぶなら

白い背景・白い花々の中に置かれているゴールドの結婚指輪のペア

たとえば、あなたは婚姻が成立するタイミングを選ぼうとしていると仮定します。

そんなあなたにとって結婚の目的とは何でしょうか?

「幸せになること」だとは思うのですが…それでは、あなたにとってその「幸せ」の中身とは何でしょうか?それについてどれくらい明確に思い浮かべたり、答えることができるでしょうか?

「完璧な時は存在しない」と前述しました。では、完璧ではない選択肢の中で、あなたは結婚の時を選ぶにあたってどんなことを優先したいと思うでしょうか?

夫婦の円満、家庭の安定、財産の拡大、事業の成功、子宝、自由な関係…

こんなふうに、ひとくちに「結婚」といっても、その形や目的・内容、何を求めているのかは人によってまるで違うものなのです。

「本当に求めていることは何なのか?」を知る重要性

もし、あなたが為そうとしている事柄に対するイメージが「世間一般的なイメージ」とか「常識の範囲内で収まっている姿」にしかなっていない時は「要注意」です。あなたが本当に求めていることが、あなた自身よくわかっていない可能性があるからです。

膨らんだイメージを分解し、それを形作っているひとつひとつのパーツを丁寧に取り出してみてください。そして、自分の心とじっくり照らし合わせてみましょう。1人でやってもいいですし、難しいなと思う時は誰かの力を借りましょう。

3.能動的に時期を絞る

オシャレなイラストが描かれたカレンダーと黄色いマーカー

「だいたい〇〇頃に」という自分の感覚を重視して大丈夫です。むしろ、その感覚に従った時期を選定することが大切です。

「ベストタイミングは10年後です」って言われても困りますよね。

逆に、もし「だいたい〇〇頃に」という感覚がまだ持てない状態なら、エレクションをする段階にないと言えます。能動的でない選択に、力は宿りません。

4.最適解は「人による」

エレクションに「正解」はありません。これは現代的な考え方かとも思いますが、単純に「時の良し悪し」で判定した候補日時が、それを使う本人にとって最適になるとは限らないのです。

人はそれぞれ異なる出生図(ネイタルチャート)を持っています。そのネイタルチャートとのマッチングは軽視すべきでないでしょう。

エレクションとは「護符」である

写真:複数枚のホロスコープチャートと、火の灯ったキャンドル、星の形が連なった金のチェーン

エレクションは、その人の選択と、これから先の人生がうまくいくように願って行うものですが、魔法ではありません。護符です。つまり「お守り」なのです。

「護符(お守り)」とは

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、この言葉がシンプルにとてもわかりやすいです。

写真:エメラルドグリーンの背景と白いドリームキャッチャー

自分(または自分たち)ができるすべてのことに力を尽くした後、神や精霊などの見えない存在の助け(=加護)を受けるために持つものと考えればよいと思います。

物事が動く時について

どんな物事もそうですが、目に見えることだけでは動かず、逆に目に見えないものだけでも動きません。双方がすべて揃った時に動きます。重要な物事であればあるほどそうです。

エレクションは、そのうちの「目に見えない」要素のひとつとして役立ちます。

星を通して選んだ時の意味について自分の中で深い納得を得られた時、あなたにとってそれは最高の護符となるのです。

写真:天の川を見上げながら祈る人

ひとつの実例として

私は現在の結婚をする際、エレクションの技法を使って入籍のタイミングを決めました。

サンプル:エレクション見本(シナストリータイプ)

私の場合は「互いの人生にとって建設的で、互いに発展できるように」ということと、とりわけ「夫の将来の活躍に資するものになるように」という願いが強かったので、その時点で選べる候補のなかから、目的に適う配置を持つタイミングを探しました。

もちろん、私生活や感情的な充実のことも忘れずに。

人生の大きなことにはたくさんの望みが詰まっているもの。それらの最適なバランスを探すのは大変です。けれど、たくさん悩んだ末に自分で選択したタイミングには、前向きな願いが宿ります。それこそが、望む方向へ未来を進む力を生み出してくれるのです。

エレクションが必要な時は

あなたが何か人生上の大きな選択を控えていて「最適なタイミングを探したい」という時、占術の助けを借りるのはよい方法のひとつです。もしあなたのお好きな占術があれば、それを使える人に頼んでみてください。

私も占星術にてエレクションを行えます。どちらかといえば現代的な手法ですが「あなたの人生にとって最も意義のある時」を選ぶことを大切にご提供しています。

必要な方がいらっしゃれば、セッションお申し込みの際にご相談ください。

セッションのご案内

「Astral Voice」では、西洋占星術を用いて依頼主の方の様々なご相談を承り、人生上のさまざまな問題解決や新しい気づきを得るためのセッションを行っています。

  • 自分の人格・資質
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アイキャッチ:占星術セッション

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