少年は決意する。
愛ある社会を築き直すために、一切のゆるぎなく、自らの使命を全うすることを。
たとえ時間がかかろうとも、
決して歩みを止めず、決して退かず、
ただ前へと一歩ずつ進み続けることを。
その決意を言葉に出す。
不器用でも、口数は少なくとも、
余計な飾りを捨てて、自らの中にある確かなものだけで、
ただ真っ直ぐに、形にする。
その両腕に抱えられる世界は小さいものかもしれない。
それでもせめて、今自らが根付く場所、愛する者達が生きる場所が
互いの心が通う、潤いあふれる世界でありつづけるようにと
その理想をずっと心の中に抱いて生き続ける。
いつかその理想が美しい湧水のように
愛する者達に染み渡って泉となり
世界を満たす海と成るように。
人類に共通する無意識の理想は
少年の決意と理想を柔らかく包み、美しく輝かせるだろう。
しかし現実的にはまとまりのないように見える人々と
どのように調和して団結し、見えない理想を共有していくのかと躍起になるかもしれない。
相変わらず世界は激しく震え続けていて
今にも足元から崩れ去りそうだけど
それは、はりぼての豊かさにしがみついてきた人々の愚かしさを
宇宙から教えられているに過ぎない。
愛を忘れた社会に今うんざりしているなら
そんな社会からの評価をひとつひとつ捨てて
ただ一人の少年のように
たとえ小さくとも揺るぎない決意を胸の底に抱き
一歩一歩、大地を踏みしめて行こう。