2018年1月2日:蟹座の満月

アイキャッチ:満月

しんとした空気に満ちた年の始まりという
昔からの単なる習わしも

ふと心を鎮めてみればそれは暖かく
柔らかに積もった時の層だと気づかされる

これまで目指すべきとされてきた
誇らしい国の姿とは

この柔らかに積もった時の層を
屍と捨て去ることではなかっただろうか

今日も権勢ある者はその右手に宝玉の杖を握り
太陽を仰ぎ空に向かって声高に叫んでいる

かつての栄光を取り戻そうと
揺るぎなく強い姿を再び築こうと

しかし失ったかつての姿を取り戻そうというのなら
それは決してつい数十年前の姿ではなく

太古からこの地に根差してきた我々の
真の祖先の姿ではないのだろうか

 

その身を支えている大地こそが
偉大なる主であることを忘れてはいまいか

その両足で立つ大地こそが
悠久の時が積もらせた愛であることを知らずではあるまいか

 

 

トランジット図:2018年1月2日 11時25分

 


 

今回の表現のテーマ

満月=「あらわれた結果を受け止め自己を見つめなおすとき」という解釈を軸に、それがどのような意味なのかを考えます。

  • 人々の根本的な幸せを護るための社会構築を望む気持ちと、その社会を預かる者の意図の解離
  • 固く閉じた殻の中に持つやわらかな想いを解き放つためのカギを探す
  • 理想的な社会構築を目指す間に、いつのまにか身についてしまった「利己主義的な野心」を洗い流す

 

解釈について

表現するテーマを決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

 

留意事項

  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「情勢」として考えていきます。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用します。
  • 今回使用したホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」です。

 

基本要素

満月のサインおよび満月とアスペクトをとる天体とサインをクローズアップし、テーマを考えていきます。

蟹座-山羊座ライン

  • 天地を貫く軸・柱
  • 保護・防衛
  • 人々が幸福に生きるためのフィールド(場)・基盤の構築

蟹座の月(第4ハウス)

  • 一般市民の国内環境への関心
  • 郷土・自らのルーツに対する帰属欲求
  • 防衛への関心

山羊座の太陽(第10ハウス)

  • 国家元首の権勢の高まりあるいはその権勢の使用に対する意欲

アスペクトの影響

 

満月に対するアスペクト

 

1. カイト

アスペクト解説用:満月を軸としたカイト

 

今回は、満月を軸にした見事なカイトが形成されます。関わる天体も多く、蟹座の月、山羊座の太陽・金星、蠍座の火星・木星、魚座の海王星です。
太陽のすぐそばには冥王星。また、冬至直前に山羊座にイングレスした土星にも存在感があります。

月は第4ハウスにあります。
年が明けたばかりでしんとした空気の中、身近な人との場の中で互いを想い、今年の無事を願うこの季節感そのものにも見えます。しかし一方で、なんとなくですが人知れず悲しみや憂いを抱えた姿を連想させる感じもします。人々は決して手放しで、現代の表面的な豊かさを享受しているだけ というわけではないだろうと。

一方で太陽は第10ハウスにあります。その第10ハウスには金星・冥王星も並び、また近くには山羊座にイングレスしたばかりの土星が控えています。
日本においては、現行憲法下でも国家元首は天皇にあたるとおもうのですが、象徴天皇制ということもあり、政治的実権を握るのは首相となると思います。この考えに基づいて太陽を首相と捉えた場合、年明け早々何らかの政治的な決定を発表するのではないか?という気配を感じます。
金星は今回の場合、第2ハウスと第7ハウスの支配星で、財政や金融にまつわることや、対外関係の働きかけによるものなのかとも想像してみます。権勢を使用する側としては、絶対的な意識があり、またそれを悦ばしく思っているような節があるかと思います。

ただ、ASCは牡羊座12度で、これは2017年10月6日に起きた牡羊座の満月と同じ度数です。当時は衆議院選挙を控えて政局がかなり変動し、国民が政治に対して目を向けなおす大きな機会でもあったように思います。あの頃に流れていた、これからの日本を揺るがすような匂いと緊張感に満ちた風が、この時期の空気のベースを作っているようにも思います。

カイトを構成する残りの天体は、第7ハウス(といってもほぼ第8ハウス)でコンジャンクションしている火星・木星、第12ハウスの海王星です。
現在(見かけ上)対外関係のメインとなっているアメリカ・北朝鮮の煽りであったり、今は全く見えていない潜在的な混乱などが、国民一人一人の意識の中に常に入りこんで来ているのだと確信させられるかのようです。

遠巻きに他人を見れば、一見無関心を装っているように見えたとしても、おそらくそれは装っているだけ。

秘めた不安や悲しみを一体どこで表現すればいいのか?
しかし人々はその答えを求める意識すら露呈を恐れ、自らの中に固く閉ざし続けているのではないか?

なんだかカイトというアスペクトであるはずなのに、そこから浮かぶ考えには切ないことが多いです。

 

補助要素

満月のはたらきをサポートする天体に焦点をあててみます。

 

水星

アスペクト解説用:水星のアスペクト

水星は射手座・第9ハウスにあります。

アスペクトは次のとおりです。

  • 天王星-トライン
  • 海王星-スクエア
  • ASC-トライン

第9ハウスにある水星は、第1ハウスにある天王星とトラインですが、同時に第12ハウスの海王星ともかろうじてスクエアを継続中です。

センセーショナルで革命的はあるけれど、不確定であいまいな情報が流れていくのかもしれません。仮に法律の分野…とすると、憲法改正の話題でしょうか。確かに「今年から本格的にやりたそうなこと」ではありそうです。確かにある意味センセーショナルな話題なのかもしれませんね。個人的には、いまの憲法改正の根にある方針にはとても賛同できませんが。
ASCにも影響を及ぼしてきそうですので、やはりそういう話題なのかな?

 

背景の空気感(木星以遠)

土星

アスペクト解説用:土星のアスペクト

土星は山羊座・第9ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 天王星-トライン

昨年末に山羊座にイングレスして間もない土星が今回位置するのは第9ハウスです。
今回はMC(第10ハウス)のルーラーと同時に、第11ハウスのサブルーラーともなりますので、年明け早々の議会や政局そのものに影響力を及ぼしそうに見えます。

天王星が位置する第1ハウスが主権者とその環境を示すと考えると、現在の天王星のサインが牡羊座であることも加わって、現在という時代は、主権者の在り方そのものに大胆な転換が起こりやすい配置ともいえましょう。ここ数年、世界各国で大規模な転換はいくつも起きています。日本においてもその兆しがいよいよ表れてくる時なのかもしれません。

 

天王星

アスペクト解説用:天王星のアスペクト

天王星は牡羊座・第1ハウスにあります。アスペクトは次のとおりです。

  • 水星-トライン
  • 土星-トライン
  • 冥王星-スクエア

土星の解釈にも少し書きましたが、今という時代が、主権者そのものの在り方に対して革命を求めていると見るならば、私たちは果たしてどのようなあり方を目指すべきでしょうか?
どの天体も同じですが、ことさら天王星は、決して依存者に対して発展的な未来を見せてはくれないでしょう。依存者に対して天王星が行うことは、自らの依存に気づかせ、覚醒を促すための強烈な事件を引き起こすことです。それこそ、雷(いかづち)を浴びせるような。

国体を為す最大かつ根幹の要素である国民という存在が、全体として依存的であり、その総意で成り立つことが変わらないならば、これから起こる大転換期とは、ただ単に混乱に飲まれ、自らの主権すら失ってしまう結果になりはしないでしょうか。

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