2019年5月5日:牡牛座の新月

アイキャッチ:新月

初夏の空を仰ぎ見る
この大銀杏のように

大地に根ざして立ち
その恩寵を人の手に分け

夢は美酒などと思うことなく
天に伸びあがり若葉をひろげ

彼方に根差す同志との
心の再会を願いつつ

万物色めかせる陽光を
我が身のためのみとせず

幾多の冬も嵐でも
その幹と根で受け止め生き

巡る時を実りに変えて
命へと授け 地へ還し

そうやって世界を創ろう
この大銀杏のように


月相図のメッセージを詩にする

今回の表現のテーマ

新月=「決意のとき」という解釈を軸に、それがどのような決意なのかを考えます。

  • しっかりと大地に根差し、その恩寵に対する感謝を人々とともに共感する
  • 広い世界に向かって心を開き遥かな世界にいる同志との未来創造への想いを通わせる
  • 自らの人生のすべては自らの存在とともにあることを受け入れる

月相図をとおして社会を眺める

トランジット図:2019年5月5日 7時45分22秒

月相図のチャートから読み取った内容から、この新月の影響を受ける時期の社会状況を要約してまとめます。

背景に漂う空気感を要約する

今回の新月は、日本という国にとって、新しい時代がやってきた直後の新月です。明るい未来を夢見る人々の期待感が膨れ上がって国全体を覆い、また人々は互いにその歓びを広く共有できることを望んでいます。そして目の前の空間と、そこを飛び越えて繋がっている広い世界との連帯感をも求めていることでしょう。

そんな期待に満ちた幕開けを少し過ぎると、それらの期待感や連帯感は、徐々に社会を動かす見えない力に変換されていきます。期待のベールの中に見える崩れかけた社会の実像。恐らく理想とはあまりにかけ離れた現実社会の激動と、見えない力が接触して混ざり合って行き、社会の潮流はもはや私たちをどちらの方向に押し流して行っているのかわからなくしてしまいそうです。

社会の基本的な動向を要約する

動きが大きい分野

「特定の枠組みを超えたコミュニティ」あるいは「未来創造のために集い議論をする場」などにおいて目立つ動きが多数起きてくるものと思われます。これは、国レベルで言えばその最たるものは「議会」となりますので、いわゆる与野党の攻防が活発になるといった状態になりやすいと考えられます。夏の選挙に向けた選挙戦が実質開始される時期となるでしょう。

新月の影響を受けやすい分野

外交

緊張感の多い展開が続くことになりそうです。どちらかといえば日本側が頑なな姿勢を取るシーンが多いものと予想されます。

軍事・治安

とくに治安の不安定さを印象付ける出来事が多くなってくるかもしれません。時代の変動期にはどうしてもこのような類のニュースが増えますが、これらの事件が増えたと人々に印象付けられることは、支配層にとっては好都合です。これは大衆心理の煽動に非常に有効な手段となるからです。

テロ的な事件の発生、あるいはその大々的な報道なども心配されます。

その他の分野

政府・与党の動向

混乱があるように印象付けられるのではないかと思われます。

先月あたりからとくに政府が経済指標の正確性について問題視するような報道などが増えて来ていますが、それに連動して浮上してきているのが消費税増税問題で、延期にするのか、はたまた減税するのかといった声がでてきているといった報道がいくつも出てきています。政府・与党としてはこのあたりのことを選挙戦の争点に…という方向性に国民を誘導するものと思います。

確かに消費税の問題も重要なのですが、今年の選挙における真の争点は「改憲」に関することです。「改憲」で戦争できる国になってしまうと仰っている方もおられます。それも間違いではありません。しかし、もっと根本的かつ最大の目的は「基本的人権の消失」にあります。この点は隠しに隠されていてなかなか気づけないものですが、これに気が付く人々が増える以外に阻止・解決方法がありません。そのため、この目的に焦点が合わないようにするための「霧」となる出来事を生じさせるものと思われます。それらの出来事が、一般市民から見ると「混乱」として映るでしょう。


解釈について

以下は、占星術のチャート解釈にまつわる技術的な内容を記載しています。
技術的な内容に興味がない方は、この「解釈について」のセクションを飛ばしてお読みください。

根拠とした各要素と詳細

表現するテーマや主解説の内容を決めるにあたって月相図から読み取った内容を、以下に整理してみます。

前提

解釈の全体条件は次のとおりです。

チャートの主体

「国家の基盤である民衆の、根源的欲求の集合体」と考えています。

留意事項

  • ネイタルを読み解くような解釈の中にマンデーンのおおまかな解釈を取り入れ、「時代背景」「社会情勢」として考えています。
  • アングル・ハウスについては、「日本/東京」での観測値を採用しています。
  • 採用しているハウスシステムは「レギオモンタナス法」です。
  • ホロスコープ作成ソフトウェアは「Amateru」を使用しています。

「背景に漂う空気感」を導き出した要素

背景に漂う空気感は、アングル(ASC・MC)が指し示すサビアンシンボルと、それに対するアスペクトから考えています。

ASC(集合的エネルギーの起点)

解説用:ASCとアスペクト

サビアンシンボル

♋蟹座1°「魔法の絨毯に乗った男が、大地の巨大な区域を飛び回る」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルでは♋蟹座の象意のうち「特定の範囲内での自由性」「テリトリーの把握」「着地点の考察」などが示されています。

新しい時代がいよいよ始まり、人々は新時代に対する新鮮な希望感や期待感を、それぞれの心のどこにどのような形で落とし込むのかを探っている ということでしょう。

成立しているアスペクト

  • セクスタイル
    • 水星
    • 天王星

後のセクションでも記載しますが、今回の新月図は第11ハウスが大変強調されています。多くの人々と声を交わし、互いの価値観を見せ合い交流を図るという動きがいつにもまして活発になると思います。情報ネットワークを積極的に活用した共感の構築が盛んになる期間であると言えます。

ASCルーラー(支配星)の状況

解説用:ASCルーラーとアスペクト

今回のASCの支配星

月(♉牡牛座・第11ハウス)

成立しているアスペクト

  • コンジャンクション
    • 太陽(=新月)
  • ミニトライン
    • 土星・海王星
  • メディテーション
    • ノード軸

支配しているハウス

  • 第1ハウス(世論・国全体の空気感)

今回のASCの支配星は新月そのものとなりますので、詳細は後のセクションで記載します。

MC(集合的エネルギーが向かう先)

解説用:MCとアスペクト

サビアンシンボル

♓魚座12°「博物館に展示されている、数々の戦いで使われた古代の剣」

サインの基本概念を踏まえたサビアンシンボルの象意

このシンボルは♓魚座の象意のうち「集合無意識の意志と力」とその意志や力の顕示を示しています。

人々の間で大きく膨れ上がり高まっている共感は、意図せずとも「見えない力」に変換されていきます。これは時代のうねりを創り出そうとする人々の動きにやがて結びついていきます。

成立しているアスペクト

  • コンジャンクション
    • 海王星
  • セクスタイル
    • 新月
  • セミスクエア
    • 水星

見えない結晶と化した「力」がどこに向かっていくのかは、おそらく制御できないでしょう。ただ、確実に人々の活動内容に影響を及ぼし、至る面でその影響が顔を出してくることは確かでしょう。

MCルーラー(支配星)の状況

解説用:MCルーラーとアスペクト

今回のMCの支配星

海王星(♓魚座・第10ハウス)

成立しているアスペクト

  • Tスクエア
    • 火星・木星
  • ミニトライン
    • 新月・土星
  • メディテーション
    • ノード軸
  • セクスタイル
    • 冥王星
  • セミスクエア
    • 天王星
  • セミセクスタイル
    • 金星

支配しているハウス

  • 第10ハウス(政府・与党)

今回海王星は、実に水星以外のすべての天体とアスペクトを形成していました。またカルミネート(最もMCに近い)天体でもあり、集合無意識の持つ影響力がかなりの大きさであることを物語っています。

このBlogにお越しいただいている方の中にはご存知の方も多いと思いますが、海王星の主な作用の中に「あいまいにする」というものがあります。これは、何かと何かを線引きするための境界線であったり、何らかの存在自体であったり、概念であったりと、あらゆるものが対象となります。また、MC自体も海王星の支配を受ける♓魚座であり、「具象」を象意のひとつとする♉牡牛座の新月の時期にしては、「はっきりしないことが多い」という印象をかなり強く残す時期になるのではないかと考えます。もしくは、激流の中にあって混沌とした時期で、流されている方向もよくわからない と言った印象を持つことになりそうです。

「社会の基本的な動向」を導き出した要素

新月のサイン・ハウスおよび新月とアスペクトをとる天体との関係から考えています。

解説用:新月とアスペクト

新月のサインと滞在しているハウス

今回の新月は「♉牡牛座・第11ハウス」に位置しています。

サインの基本的な概念

♉牡牛座は「所有」「肉体」「物質」「価値」「生命力」「蓄積」「官能」などを象徴するサインです。

一般的な解釈例:♉牡牛座の月(第11ハウス)
  • 人類枠的な交流の中において、自らがその一員として生きている歓びを甘受する
  • 多様な人々の営みの中から生まれた豊かな文化を味わう
一般的な解釈例:♉牡牛座の太陽(第11ハウス)
  • 多様性の交差路の中で、自らの生存に対する実感を確立するための活動に邁進する
  • 自らが持つあるいは人生の中で蓄えられた豊かさを、世界を富ます資源として分け与えることを使命とする

成立しているアスペクト

今回の新月に対するアスペクトは次のとおりです。

  • コンジャンクション
    • 太陽(=新月)
  • ミニトライン
    • 土星・海王星
  • メディテーション
    • ノード軸

今回の新月が支配しているハウス

  • 第1ハウス(世論・国全体の空気感)

新月の影響は、世論・国内の空気感そのものに大いに表れてきそうです。

この日の太陽は、天頂を目指す道すがらに月と重なり新月となります。その瞬間の空間エリアが第11ハウスです。第11ハウスは希望に満ちた領域であり、過去を顧み、それでいてそこに縛られない未来を創出することを望む領域です。同時に、ここには多くの同志が存在していることを知る領域でもあります。

基本的に内に向く力を持つ♋蟹座のASCと♉牡牛座の新月ですが、自分たちの立つ地に心を寄せつつ、その目を世界に向け、手を広げる時でもある。今はそのような時期なのだと私たちに教示しています。そして、夢を見る力と、その夢を実現するための力を共に発揮することが大切だとも伝えています。

新月のルーラー(支配星)の状況

解説用:新月のルーラーとアスペクト

今回の新月の支配星

金星(♈牡羊座・第10ハウス終盤※第11ハウスとみなせる)

成立しているアスペクト

  • スクエア
    • 土星+冥王星+ノード軸
  • メディテーション
    • 火星・木星
  • セミセクスタイル
    • 海王星

新月の支配星が支配しているハウス

  • 第5ハウス(投機・スキャンダル・エンターテイメント)
  • 第12ハウス(不可視領域・陰謀)

金星はほぼ第11ハウスに入っていると捉えられます。そのため、社会全体のもつ未来への希望がより豊かに膨らんでいることを表していると解釈できます。

また、金星は第12ハウスにある♊双子座の火星と、第6ハウスにある♐射手座の木星で形成されているオポジションを調停し、メディテーションを形成しています。このオポジションは恐らくテロ・軍事関係の何か派手な事件、または日常社会内で起こるものであるならば大変不可解な事件であろうと思われます。しかし、この事件から感じる大きなショックを調停することになるわけですから、事件の深刻性が緩和されて人々に受け取られる可能性が考えられます。そうすると、このメディテーションが良い意味とは考えづらくなります。事件が起こる可能性自体を緩和してくれているのなら、大変喜ばしいのですが。

もう少し目を配ると、第7ハウスに位置している土星+冥王星、さらにノード軸とのスクエアが気になります。現在の新時代ムードに冷や水を浴びせ、人々に強烈な警鐘を鳴らすのは厳しい外交関係の問題になるのではないでしょうか。

その他注目したい天体とハウス

注目したい天体やハウスに焦点をあててみます。

第11ハウスとハウスルーラー

解説用:第11ハウス
解説用:第11ハウスルーラーとアスペクト

ハウスカスプ

♈牡羊座17°

イングレス天体

  • 新月
  • 水星
  • 金星
  • 天王星

ハウスルーラー(支配星)

火星(♊双子座・第12ハウス)

成立しているアスペクト

  • Tスクエア
    • 木星・海王星
  • セクスタイル
    • 水星
    • 金星
  • クィンカンクス
    • 土星+冥王星
    • 火星

第11ハウスには実に5天体が入り、大変賑やかというか過密感があります。いずれの天体も♈牡羊座・♉牡牛座に位置していて、大変フレッシュな意気込みを感じます。このことからも、新時代に対する期待感と、社会的連帯への強い欲求が人々の間に内在していることを見てとれます。

一方、第11ハウスのカスプは♈牡羊座17°ですから、ハウスルーラーは第12ハウスにある♊双子座22°の火星です。不可視領域にゆらめく火種を連想させる、なんとも不穏な印象です。木星・海王星とのTスクエア、冥王星とのクィンカンクスがあり、ゆらめきはかなり激しくなるのではないかと思います。つまり、期待に胸躍らせる人々を取り巻く空気は、この先何が起こるかわからない大変不安定な状況だということです。

私たちはいつまでも浮かれている場合ではなく、新しい時代をつくるのは自分たちであるという責任感を持ち直し、多くの人々と手を携えて、まだ見ぬ脅威に立ち向かうための智慧を絞る必要があるということだと思います。


あとがき:今このときを生きる人へ

いよいよ令和の時代が始まりましたね。この記事をお読みいただいている皆さんは、どのようにお感じでしょうか。

5月1日に色々な番組やネット上の情報などを見ていると「いい時代になってほしい」と仰る方がたくさんいらっしゃいました。新しい時代に期待を寄せ、善きものになるように願うのは、人として自然なことです。けれど、やはりその言葉に虚しさを感じずにはいられませんでした。「いい時代」になるように創っていくのは、実際には「いい時代になってほしい」と発言した人ひとりひとりだからです。誰かが作ってくれるいい時代を待つばかりで何もしなくていいと思っていた人が多かったから、いい時代は訪れなかったわけです。ましてやそれを「新しい天皇陛下にはいい時代にしていただきたい」などと望むのはお門違いであると言わざるを得ません。この社会に生きるひとりひとりの生き方や社会創出の念が誠実でなければ、その象徴である天皇陛下は決して「いい時代」の象徴となれません。

今回の新月は♉牡牛座14°で起こります。この度数にあてられたサビアンシンボルは「男が粋なシルクハットをかぶって、寒気を防ぎながら、嵐に立ち向かう」というものです。これは、波乱の中でも地道に自分の人生を歩んできて成長した自らをしっかりと認識し、あらゆる困難を受け止め立ち向かうことを示しており、自立し成熟した、責任ある大人の姿を描き出しているものです。これは、新しい時代を創っていく私たちに向けて贈られた、天空からのメッセージそのものであると思わずにはいられません。そして、そのメッセージを世界中に張り巡らされた網の世界に浮かぶこのBlogを使って広い世界に向けて発することが、この新月に際した私の役割なのではないかと感じています。

ですから、せめてこのBlogにお越しになり、この記事をお読みくださった方には、せっかくの新しい時代の到来に際して、自分自身の生き様こそが「いい時代を創る」のだという気概をどうか失わないで頂きたいなと思います。

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